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18.ビキニアーマーはRGB
しおりを挟む『パーティ外プレイヤー「アール」より申請がありました。性行為への参加を承認しますか?』
プレイヤー名は「アール」か。
レッドのRから取ってアールなのかな?
「『承認しない』」
僕はポップしたホロウィンドウを即時拒否する。
ジルの時は、既にパーティを組んでいたから申請や承認をする必要は無かったが、R18行為を複数名でするのは合意がいるのだ。
これによって、強姦が出来ないようになっている。
まぁ、実はパーティを組んでいる場合でも「申請・承認をする設定」に出来るのだが、初期のデフォルトは承認スキップになっているから。
つまり、プレイヤーを強姦しようと思ったら「何も知らない、始めたばかりの初心者を探索に誘ってパーティを組み、合意のないままセックスする」という方法になる。
……決して僕はそういう意図で最初ジルに声を掛けた訳ではないぞ。
設定はデフォルトのまま承認スキップだったが、口頭では同意を得たし、…………得たよな?
今更になって自信が無くなってきた。
最終的に嫌がってないのは確認したから間違いないけど、思い返すと悪質なナンパだったかも。
ジルに会ったら謝ろう。
既に知っているかもしれないが、承認設定の仕様についても改めて話そう。
『プレイヤー「アール」より、パーティ申請がありました。「アール」のパーティに参加しますか?』
「『参加しない』」
当然、これも即時拒否。
赤い男は大きく口を開けて、ガーンッという効果音が似合う驚きと悲しみの表情をした。
「セックスが駄目なら、見抜きだけでも! 是非、余す所なく鑑賞させてくれ!」
「あんぽんたん!」
「おたんちん!」
「痛ッ!」
何というか、言動の全てが騒々しい人だな。
今度は両サイドから尻に蹴りを入れられているが、赤い男はやはりニカッと白い歯を見せて笑った。
「えーと、お断りします。今イったから今回は終わりだし、もう探索行くから無理」
人が来ないと高を括っていた僕も悪いが、拒否されたら潔く退いてほしいよね。
念の為、自分のネームタグアイコンを確認したが、何も表示していない。
駄目押しで、「性行為相手を募集していません」という意味の「×」マークに変更しておこう。
「そんな……!」
赤い男は四つん這いになって泣き崩れた。
両サイドのお兄さまお姉さまの視線が絶対零度だ。
そうだよね、連れがいる目の前でナンパするって並の神経じゃないよね。
「では、その精液だけでもペロペロさせてくれ!」
「キモッ」
「変態ッ」
「『清掃』」
「ああッ! 折角の聖液がッ!」
精液に神聖さなんて無い。僕はさっさと床も身体もしっかり綺麗にした。
こういう時、コマンド一つで掃除が出来るのは便利だ。
アールは2人も侍らせているのに、節操ない男だなぁ。
さて、あとは尻からディルドを抜いて下着を穿くだけ。
凝視されているとやり辛いが、致し方無い。
「……ンッ……、……ぅ……」
自動アナルローション塗布機能の所為で、抜く時にもローションでベタベタになるんだよな。普段は淫靡な気分になるし続けて別の玩具を入れるのにも便利だから気に入っているけど、先程の清掃の効果を無に帰す事になる。
透明の液体がトロッとアナルから溢れ出て糸を引き、ディルドをツヤツヤと光らせた。
自分で言うのも何だが、さぞエッチな光景だろうな。
「オレの股間がボッキ火山」
「最低」
「ごめん、ぐりんくんも乳首勃った」
「う、裏切り者!」
「そう言うビィちゃんも濡れてない?」
「あの、僕もう行くんで、後はご自由にどうぞ」
再び清掃を掛けて、装備着脱システムで下着を着ける。
緑色の少年が「ぐりんくん」、青色のお姉さんが「ビィちゃん」らしい。RGBの三色ね。股より胸が先に反応するって事は、緑のぐりんくんさんは防御高め、逆に青いビィちゃんさんは魔法防御が高めなのかな。
さて、彼らが素直に通してくれるかどうか。彼らは山小屋の出入り口を塞ぐ形で立っているので、退いてもらわないと通れない。すぐそこに移動するのに転移を使うのも何だしね。
ちなみに、『ネオ・ヴァラニア』はPK出来ないようになっているので、「お前を倒して進む!」なんて血気盛んな真似は無理。たとえ出来ても、手荒な事は避けたい。
「いやいやいや、待った!! 行くって何処に!? まさか、8合目を一人で探索するのか?」
「そうだけど? 人を待たせてるから、先を急ぎたいんだ」
案の定、赤い男は両腕を広げて、通せんぼの姿勢だ。
僕の返事を聞いたビキニアーマー3人は顔を見合わせて、先程よりも真面目な顔付きで頷いた。
「申し遅れた。オレはアール、コイツらはぐりんとビィ。オレ達は『攻略屋』だ。ぐりんは『情報屋』も兼ねている」
攻略屋。
チュートリアルで教えてもらったな。『ネオ・ヴァラニア』は外部に攻略サイトが無いので、内部に「情報屋」や「攻略屋」があるって。
情報屋はお金を積めば知りたい事を教えてくれるが、情報屋によって情報の精度や質はピンキリ。
攻略屋も情報屋に似てマップやスキルなど攻略に関する情報を提供しているが、最新情報の更新に力を入れており、初心者向けや一般的な内容など一部の情報は無償で公開している。
また、お金は掛かるが、依頼者の代わりにモンスター素材やアイテムを入手してきてくれたり、道案内やレベリングなどでフィールドに同伴してくれたりもする。
攻略に困ったら攻略屋。攻略屋に行けば解決するらしい。
「利用した事はあるか?」
「両方とも無いね」
一般的なことならログ間の執事フェニエに聞けば大抵何でも教えてくれるし、攻略はジルと2人で出掛けるのが楽しいから。
そういえば、ジルは情報屋のニアマンから、あの防具屋の存在を教えてもらったと与太話で聞いたな。
「ニアマン以外も情報屋とかやってるんだ?」
「……気付かないだけで、情報屋はそこら中にいるぞ。それに比べて、攻略屋は少ない。攻略屋の看板を掲げられる程の人材には限りがあるからな」
最前線の攻略へ行ける人は限られている。
未知の地を進めるだけの戦闘技術は勿論、攻略屋に必要とされる情報収集能力や時間的制約もクリアしなければ難しい。
他人から攻略屋に依頼されるのは難易度の高いものばかりだろうし、レベルの高い人はいくらでも勧誘したいのだろう。
「ソロで8合目に来れるなら、攻略屋の素質は十分過ぎる程ある。どうだ、一緒に攻略屋をヤらないか?」
「お断りします」
「グウッ……」
「お願いの仕方が卑猥」
「断られて当然ね」
「ならば、試しにパーティを組むだけでも! 君の目的地まででいいから、我々を同行させてくれ。急ぐのなら、人手はあって困るまい!」
確かに急いでいるし、僕だけではキツいけれど。
「お断りします」
「何故だッ?!」
「アールさんこそ、どうしてそんなに食い下がるの?」
「強いプレイヤーには是非ともウチに来て欲しい! 攻略屋も情報屋も利用せずここまで来れる君……ミュラーくんの実力が如何程のものか確認しておきたい! もし無理をしているのなら、8合目に入って失敗する前に助けてやれる、心配なんだ! あと、君の外見が好きだ、ずっと見ていたい!」
「お気遣いありがとう。でも、ゴメンナサイ」
堂々としていっそ清々しい赤い男の言葉を、僕は一礼してお断りする。
「ここまで来れたのは僕一人の力じゃないし、僕は攻略屋には向かないと思う。道中のご心配も不要です。僕はアナニストなので」
ジルと同じように、普通に戦闘しながら花園の入り口に到達出来れば最高だったが、やはり僕には厳しそうだ。
ならば、僕は僕のやり方で辿り着く。
僕がジルと約束したのだ。他人に付き添われて達成するのは嫌だ。
僕は僕の力で、彼の元へ行こうじゃないか。
「これは『保湿保証アナトレ団子EX君』」
インベントリから球が3つ連なった団子のような短いアナルパールを取り出す。スティックタイプではなく、端に紐が付いているので直腸内に入れ切ってしまえる形状だ。
多分、作者は『自動アナルローション塗布機能付き即戦力ディルド君』の作者と同一人物。アレと違って厄介な起動コマンドは無いが、長い商品名とアナルへの拘りは共通している。キャッチコピーは「あなたのアナルを性器に変える! 括約筋を締めてイこう♪」だったかな。
「ま、まさか……」
性行為中はモンスターに遭遇しない。
アナニーも性行為にカウントされる。
つまり、これを入れたまま探索すれば、8合目だろうと9合目だろうと一人で歩けるという事だ。
「止めろッ! 陰喪さんを知らないのか?!」
「知ってるよ。ムービーも見たし」
陰喪さんは、ベータ版から語り継がれる悲劇のプレイヤーだ。
彼は「オナり続ければフィールド踏破できる説」を実証しようとした。
それは途中まで上手くいっていたが、彼はチンコをシコるのに夢中になる内に、モンスターハウスに足を踏み入れてしまう。
モンスターハウスのモンスターは、エンカウントではなく固定シンボルのようなもの。流石に「性行為中はモンスターに遭遇しない」の対象外だったようで、「モンスターは目と鼻の先に居るが、襲ってこない」という状況に、陰喪さんは置かれてしまった。
敵に囲まれながら勃起し続けられるのは非凡な才だ。
のちに彼は「興奮の最高潮にあった」と語っており、ここだけ聞けば笑い話なのだが、その稀有な才能が裏目に出た。
興奮の最高潮にあった彼は、そのまま絶頂に達してしまったのである。
飛散する精液、来たる賢者タイムという硬直。
その空白が明けた後に訪れたのは、モンスター群の攻撃。
結果、彼は陰茎をモンスターに食いちぎられて失い、デスペナルティとなった。
『ネオ・ヴァラニア』のデスペナは2分間行動不能になりログ間に戻されるという軽いものだが、彼が得たものはあまりにも重い。
バッドステータス、[トラウマ:陰茎喪失]。
彼が公開していたムービーは「ショッキングな映像」という理由で強制削除となったが、視聴してしまった多くの男体プレイヤーのタマをヒュンとさせた伝説だ。僕も視聴した内の一人である。
その後、長らくゲーム内勃起不全に陥りバッドステータスに苦しんだという陰喪さん。
陰喪さんの名は「モンスターの前でチンコを出すのは止めよう」というメッセージと共に語り継がれている。
「知っているのならば、何故……」
「僕はアナニストだからね」
実は、陰喪さんのムービーが公開され、あまつ削除される以前に、僕はアナニーしたままフィールドに出た事があるのだ。
R18中は敵にエンカウントしない。それが真実かどうか、自ら確かめるのがベータテスターという奴だ。
流石に陰喪さんの動画を見た後にアナニー散歩をした事は無いし、結局はアナニーしているだけなのでR18経験値しか入らずリスクが高いばかりで割に合わないから普段はやらないが、今回は有効な手段だと僕は自分の経験から判断した。
大丈夫、行ける。絶対に行く。
「……ぅ、……ァ……、ぁン……ッ……」
僕には『保湿保証アナトレ団子EX君』があるからね。保湿保証やアナトレと名付けられただけあって、最初から長時間の使用を想定した道具。
3つの凸凹を尻に受け入れた僕は、アールの老婆心と疾しい視線をものともせず、しっかりと地に足をつけた。
「じゃあ、僕は行くから」
そこを通して貰おうか。
R18判定が入っているが、僕は彼等の性行為参加を承認していない。僕に触れられない彼等は、僕が近づくと見えない壁に押されるようにして後退るしかなかった。
アールは物惜しげな顔をする。緑の少年ぐりんくんはポッと頬を染めて道を開けてくれた。
「あ、あの! ご迷惑をおかけしました。お詫びと言ってはなんですが、何か必要な物や情報があればご提供します! また時間のある時に、攻略屋をご利用ください」
青色のお姉さん、ビィちゃんさんはそう言った。
一期一会では終わらせないという強い意志を感じる。商魂逞しいというか、攻略屋はそんなに人手不足なのだろうか。
だが、ビィちゃんさんの提案は渡りに船だ。
「それって今でも良い?」
「勿論です」
「なら、お言葉に甘えて。『6合目と9合目の間』にある場所に心当たりがあったら教えて欲しいんだけど」
「それは……」
パッと出せるような既存の情報は無かったのか、ビィちゃんさんは言い淀んだ。
彼女だけでなくアールとぐりんくんさんも一考する。
けれど、答えたのはビィちゃんさんだった。
「……見当違いだったら、すみません。6合目と9合目には川が通っていて、湖があります。上空から見たら69の形に見えるかもしれません。その中間地点は確認されましたか?」
「湖……。いや、行ってないかも」
6合目には、確かに湖がある。
湖畔に綺麗な花が咲いている秘境的な場所だったので、イベントで使われるのではないかとジルと話した記憶がある。
あの場所はモンスターが少ない為、ほぼ安全地帯になっていた。改めて考えると、如何にも下位精霊が好きそうな感じだ。
9合目の湖は知らなかったが、ビィちゃんさんが気前良く湖の位置座標を教えてくれた。
幸い、山頂付近ではなく9合目ポータルに近い。これならすぐに行けるだろう。
「価値ある情報、ありがとう。先を急ぐので今日はこれで。また今度お礼するね」
「いえ、お役に立てるか分からないので! どうぞ、お気をつけて!」
ビィちゃんさんは、胸を張って背筋を伸ばした。たぷんたぷんの巨乳が揺れる。ぺったんこのぐりんくんさんと対照的で、いっそバランスがとれているパーティだな。
僕が手を振るとぐりんくんさんは手を振り返してくれた。アールは、一礼するかと思いきや、前屈みになって股間を両手で押さえている。
攻略屋は賑やかな面子だなぁ。
時間が出来たら立ち寄っても良いかもしれないが。
とりあえず、今は8合目探索の予定を変更して、9合目ポータルから湖へ行ってみよう。
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