科学は、如何にしてヒトを幸せにするか~ななの例~

深町珠

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挑発

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「でも。JKだったんでしょう?ロリコン?
お母さんも好きなの?マザコン?」ななは
突然変な事を言うのでジョナサンは慌てたが

加藤は、顔色も変えず

「ロリコンと言うのは、幼女性愛の事。
マザコンと言うのも、母的性愛の事ですね。
どちらも間違いです。ゆりは17才だったので
幼女ではないし、母親を、私は介護しているので性愛ではないですね。」と、加藤は笑顔で。

ななは、安堵した。

いつかも、仕事でイライラして加藤に当たった事があった。


ななに掛かってきた電話を、ななが居なかったので
折り返し連絡にした加藤。


それを、ななが責めた。


「待たせておけばよかったの!」


加藤は、「戻って来る事が解っていれば、それもよかったですが。お客様をお待たせしない、とマニュアルにありますね」

笑顔で言われて、ななも反論ができず
逆上した記憶がある。



でも、後になってその加藤の冷静さに
驚いた。


感情、と言うものがないようで。
大物のやくざを相手にしているような、そんな気がして


でも、そうではなくてジェントルマン。


それに強いものを感じて、惹かれたなな、だった。






ジョナサンは「落ち着いてますね。マザコン、ロリコン、なんて言われて怒りませんか?」




加藤は笑って「そもそも、定義が間違っていますし、精神分析医でもない人に診断はできないと
アメリカ合衆国の、精神医学会発行の
その診断マニュアルDSM、精神分析の類型と
その判断手引書、に書かれています。
それに、誰に何を言われても私はゆりを
助けただけ、ですし
母を介護するのは当然の事ですから
批判には当たりません」と、加藤は
微笑みながら。




「さすがは、科学者ですね」ジョナサンは
笑顔で拍手(笑)。




これでは、なまじの相手では
イジメようとしても反対に
論破されて劣等感を覚えるだけ、だと
ジョナサンは思った。



「こういう研究員になれる人は、違うなあ」ジョナサンは褒めるので



「いや、お恥ずかしい。僕はエリートじゃないんです。その証拠に
ゆりと出逢ったのは、仕事が切れた時に
コンビニでアルバイトした時、だったんですから」と、加藤は素直に言った。



アルバイト。

ななは思う。


ななの居た店に、派遣で来たのも
アルバイトで。



本業が研究員で、合間に来ていると言う
噂が流れ
加藤に反感を持つ、店の社員連中が
加藤イジメを始めようとしたのだった。


でも、加藤は戦おうともせず
相手にもしなかった。


そのうち、研究所から呼ばれて


加藤は退職。


イジメを図った連中は、劣等感に苛まされたのだけど


それは、加藤のせいでもない。



仕事を攻撃の道具にした連中が間違いなのだし

そもそも、社会は自己主張の場ではないのだから。


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