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十字架を持つ手にぐっと力を込めると、思い切り振り下ろす。目の前の異形はぐしゃりと嫌な音を立てて潰れた。それから間髪入れずにもう一発、今度は横から振り上げるように。そうすれば黒い何かを吐き出して、異形は動かなくなった。
「……ふぅ」
セイは一息吐いて、足元に転がってきた黒いものを拾う。色を失った宝石のような何かは、月光に透かしても何処までも漆黒だ。正体は実のところわかっていないが、大手の機関はこれを使ってライフラインを担う電気を生成している。要は多量の電気を生み出す原料になるのだ。そしてこれは、目の前で動きを止めたこの異形を斃すことでのみ手に入る。
神職者の職に就いているだけでは、他より良い給与を与えられるわけはない。セイは、この"夜の仕事"に就けているからこそ、貯蓄に回せるだけの賃金を得ていたのだった。
深夜。鬱蒼とした街外れの森に現れる異形は、森に足を踏み入れた人を襲う。昼には存在しないそれらの生態も不明で、お偉い人間たちが討論、研究をしている最中だ。余程の用が無ければこんな暗い時間に森に立ち入る人間はおらず、森から異形が出て来ることはないので、本来無害である筈なのだが、ある時それらを斃すことで手に入るこの黒い石が、とてつもないエネルギーを秘めていることがわかったことで、教会の中で殲滅部隊が組まれた。嘘か真か、神職者特有の力とやらが異形を斃すのに必須だったからだ。高値で取引される石を求め、身勝手に突入した屈強な男や猟師たちは散々な目に遭い、特に女性は命だけでなく身体を求められ蹂躙される。まるでこの異形に性欲があるかのように。
そんなことで異形の対応は神職者の一部に任されているわけで、これが結構な危険を伴うがゆえに報酬の額が高い"夜の仕事"というわけだ。
「(これくらいあれば……今日は良いでしょうか)」
そっと石をしまい、セイは木々の間から空を仰ぐ。三日月が見える。時計は無くとも体感でどっぷりと夜が更けているのがわかった。結構な奥地まで来ている。そろそろ引き返しつつ、その帰り際に現れた異形を追加で斃せれば良いと、踵を返した。
本来、一人でこなす任務ではない。特に女性にとっては、命の他に身体を弄ばれる危険がある。だから教会からは男性と男性、或いは男性と女性で必ずバディを組むように言われていた。それでも彼女が一人でいるのは、もちろん男性を一切信用していないからだ。何処までも続く広い森の中、男と二人きりなど、何をされるか分かったものではない。異形にも同行者にも狙われる心配をするくらいなら、一人で動く方がずっと良いと。その為全て自己責任かつ、一度にあまり回収出来ないデメリットもあったが、それでもその方がマシだとすら思っていた。
「……?」
がさりと音がして振り返る。斃した異形の背後の茂みが動いた。咄嗟に身構えた瞬間、二本。凄まじい勢いで茂みの中から触手が飛び出し、セイに襲い掛かった。
「ッ、気配は無かった筈なのに……!」
十字架を振り回すと、触手は千切れて地面に落ちた。根元と離れてもなお、うごうごと這っている姿に眉を顰めながら、セイは後ずさる。
と、
「ーー!!」
千切れた触手が、足に絡まった。すぐに十字架で突き刺す。その隙に本体から新しく触手が伸びてきた。腕に絡まる。手から十字架が離れる。
「しまッ……」
あっという間に身体に触手が巻きつく。元々肌を出している服装だというのに、追いうちをかけるように触手から漏れ出すねっとりとした液体が、服の繊維を音を立てて溶かし始めた。なんとか脱出を試みて足を振り回す。少しだけ触手が離れて、再度強く絡みついた。
段々と素肌が露わになる。その白い肌に、触手が這う。その感覚に震えた。恐怖と嫌悪。まさか、こんなところで。
「嫌……嫌、離してッ!」
意思疎通が図れるわけもなく、夜闇に声は消えていく。異形はセイの身体を値踏みするかのように、愉しむかのように撫で回す。元々布一枚でしか守られていなかった身体は為す術もない。
こんな時、誰でもいい。信用出来る人が一緒にいたなら。助けてくれただろうか?そんな意味の無いたらればが頭に浮かんで、すぐに被りを振ってかき消した。抵抗をやめてはならない。どうにもならなくても、諦めては……。
生理的嫌悪と自分の不甲斐なさに涙が浮かんだところで、歪んだ視界の中ーー火花が散った。
「!?」
同時に破裂音がした。鼓膜を劈くそれが、二発、三発。目の前の異形に穴が空き、セイを拘束していた触手が力を無くしぼとぼとと落ちた。何が起きたのか、確認するより早く、セイは動いた。十字架を拾い上げ、怒り任せに異形の本体に振り下ろすと、ついに異形は完全に動かなくなった。飛び出た石を拾う余裕なく、セイはその場にへたり込む。
服はぐちゃぐちゃだが、どうにか助かった。しかし、何があった?考える間もなく、近づく人の気配に身を強ばらせる。暗闇の中、木の影から出てきたのは……。
「……神父、様?どうして……」
そこには神父がいた。あの、花に水をやっていた盲目の。彼は口元に笑みを浮かべながら、セイに近づく。
「大丈夫?」
「はい。……ありがとうございました」
見上げる彼の顔には、やはりいつものように包帯が巻かれている。それなのに、その手には銃が握られていた。ついさっき使われたことを示す、うっすらとした煙と焦げ臭さ。見えていないとは考えづらい正確なエイムで、自分の窮地を救ってくれたのだとわかれば、セイは素直にお礼を口にした。声音で大事がないとわかったらしい神父は一つ頷いて、それから顎に手を当てて首を傾げた。
「一人での任務は、禁止されているんじゃなかったかな」
「それは、貴方もでは、」
「まぁ、そうだけれど。女性は特に危険でしょう」
「……」
「本当に無事で良かった。君は……セイだよね」
「はい。……ええと、」
「レン。顔合わせをしてから随分経っているし、あまり話す機会は無かったよね。あったとしても、基本的にシスターが神父を名前で呼ぶことは無いし」
そう言いながら、神父ーーレンは座り込んでそっとセイの頬に触れた。ひんやりとした指先にぴくりと震えながら、そういえばそんな名前だった気がすると思い出す。信者も神父も、男であれば一度は下心を持って声を掛けてきたのに、彼に対してはそんな覚えが無い。何回か、仕事の話を話したくらいだ。レンは立ち上がると、すっと手を差し出す。
「立てる?それから、歩けるかな」
「問題ありません。……あ、」
「どうしたの?やはり何処か怪我を、」
「いえ、怪我はしていないのですが、……その、服を破られてしまって」
「……嗚呼、ごめんね。気づいてあげられなかった」
石を片手に、レンの手を借りて立ち上がると、自分が如何にあられもない姿であるかを再認識した。布面積が少ない服装は、どれだけ端を引っ張っても肌を隠してくれない。盲目の彼でなかったら、違う男性だったら、この状態の自分をどう見ただろうか……考えるだけで背筋が凍る。
いや、そもそも目の前の彼も男性だ。見えていないだけで、自分の状態を伝えてしまったら……。
しかしセイが身構えるより先に、レンは着ていた外套を脱ぐと、そっとセイの身体に羽織らせた。ぱちくりするセイに構わず、レンは薄く微笑んで背を向ける。上着の下は予想外に薄着で、逞しい背中が眼前にあった。細く締まった腰には、銃を仕舞うベルトが巻かれている。
「それで大丈夫?身体を隠せている?」
「え、あ、はい。大丈夫です」
「うん、じゃあ帰ろうか」
歩き出すレンの後ろに、少し小走りでついていく。何のつもりか、と終始気を張っていたセイだったが、結局教会のシスター寮に到着するまで、彼は多少世間話はすれど何もしてこなかった。帰りがけ出くわした異形に対しては、制され守られてしまったほどだ。寮の入り口まで来たところで、すぐに手を振って自分の寮へ帰ろうとするのを、慌てて呼び止めた。
「上着…は、」
「後でで構わないよ。替えは幾らでもあるから。ゆっくりおやすみ」
やはり笑みを浮かべて、今度こそレンは立ち去ってしまった。その場に残されたセイは、考えの纏まらない頭で、しかし肌寒さに我に返り建物の中に入っていく。こんな時間に廊下に人気は無く、誰にも会わずに自室に戻ることが出来た。十字架を適当に放り投げてから、ベッドに傾れ込む。
「疲れた……」
襲われたことも、ずっとレンに気を張っていたことも。しかしよく考えればこの世の男性が皆が皆自分に欲情する筈もなく、男性不信であるとはいえ些か自意識過剰であったのだろうかと、助けてくれた彼に対して失礼であったと自省する。それでも、何かあれば自己責任なのだ。注意するに越したことはない。レンという人間のことを、さほど知りもしないのだから。
……けれど。思い返す。
彼は頬に触れた。自分は差し出された手を握った。それから、この上着も。
「(何故?鳥肌が立たなかった)」
下心が無かったから?窮地を脱してすぐで、余裕が無かったから?嫌悪を感じなかった理由が、わからない。
部屋に戻った今でも、羽織ったままの彼の上着。自分の身体より一回り大きく、だぼついている袖を掴む。それほど厚い生地ではないのに、何故かやたらとあたたかく感じる。それから、
「(……良い匂い)」
洗剤の匂いではない。教会での洗剤は統一されている筈だから。けれど、香水や石鹸とは思えない。なんと表現したら良いか、形容し難い匂いに包まれていると、次第に睡魔に襲われる。答えが出せないまま、セイの意識は落ちていく。ゆっくりと、心地よく。
「(これはーーなに?)」
問いは微睡に消えていく。
「……ふぅ」
セイは一息吐いて、足元に転がってきた黒いものを拾う。色を失った宝石のような何かは、月光に透かしても何処までも漆黒だ。正体は実のところわかっていないが、大手の機関はこれを使ってライフラインを担う電気を生成している。要は多量の電気を生み出す原料になるのだ。そしてこれは、目の前で動きを止めたこの異形を斃すことでのみ手に入る。
神職者の職に就いているだけでは、他より良い給与を与えられるわけはない。セイは、この"夜の仕事"に就けているからこそ、貯蓄に回せるだけの賃金を得ていたのだった。
深夜。鬱蒼とした街外れの森に現れる異形は、森に足を踏み入れた人を襲う。昼には存在しないそれらの生態も不明で、お偉い人間たちが討論、研究をしている最中だ。余程の用が無ければこんな暗い時間に森に立ち入る人間はおらず、森から異形が出て来ることはないので、本来無害である筈なのだが、ある時それらを斃すことで手に入るこの黒い石が、とてつもないエネルギーを秘めていることがわかったことで、教会の中で殲滅部隊が組まれた。嘘か真か、神職者特有の力とやらが異形を斃すのに必須だったからだ。高値で取引される石を求め、身勝手に突入した屈強な男や猟師たちは散々な目に遭い、特に女性は命だけでなく身体を求められ蹂躙される。まるでこの異形に性欲があるかのように。
そんなことで異形の対応は神職者の一部に任されているわけで、これが結構な危険を伴うがゆえに報酬の額が高い"夜の仕事"というわけだ。
「(これくらいあれば……今日は良いでしょうか)」
そっと石をしまい、セイは木々の間から空を仰ぐ。三日月が見える。時計は無くとも体感でどっぷりと夜が更けているのがわかった。結構な奥地まで来ている。そろそろ引き返しつつ、その帰り際に現れた異形を追加で斃せれば良いと、踵を返した。
本来、一人でこなす任務ではない。特に女性にとっては、命の他に身体を弄ばれる危険がある。だから教会からは男性と男性、或いは男性と女性で必ずバディを組むように言われていた。それでも彼女が一人でいるのは、もちろん男性を一切信用していないからだ。何処までも続く広い森の中、男と二人きりなど、何をされるか分かったものではない。異形にも同行者にも狙われる心配をするくらいなら、一人で動く方がずっと良いと。その為全て自己責任かつ、一度にあまり回収出来ないデメリットもあったが、それでもその方がマシだとすら思っていた。
「……?」
がさりと音がして振り返る。斃した異形の背後の茂みが動いた。咄嗟に身構えた瞬間、二本。凄まじい勢いで茂みの中から触手が飛び出し、セイに襲い掛かった。
「ッ、気配は無かった筈なのに……!」
十字架を振り回すと、触手は千切れて地面に落ちた。根元と離れてもなお、うごうごと這っている姿に眉を顰めながら、セイは後ずさる。
と、
「ーー!!」
千切れた触手が、足に絡まった。すぐに十字架で突き刺す。その隙に本体から新しく触手が伸びてきた。腕に絡まる。手から十字架が離れる。
「しまッ……」
あっという間に身体に触手が巻きつく。元々肌を出している服装だというのに、追いうちをかけるように触手から漏れ出すねっとりとした液体が、服の繊維を音を立てて溶かし始めた。なんとか脱出を試みて足を振り回す。少しだけ触手が離れて、再度強く絡みついた。
段々と素肌が露わになる。その白い肌に、触手が這う。その感覚に震えた。恐怖と嫌悪。まさか、こんなところで。
「嫌……嫌、離してッ!」
意思疎通が図れるわけもなく、夜闇に声は消えていく。異形はセイの身体を値踏みするかのように、愉しむかのように撫で回す。元々布一枚でしか守られていなかった身体は為す術もない。
こんな時、誰でもいい。信用出来る人が一緒にいたなら。助けてくれただろうか?そんな意味の無いたらればが頭に浮かんで、すぐに被りを振ってかき消した。抵抗をやめてはならない。どうにもならなくても、諦めては……。
生理的嫌悪と自分の不甲斐なさに涙が浮かんだところで、歪んだ視界の中ーー火花が散った。
「!?」
同時に破裂音がした。鼓膜を劈くそれが、二発、三発。目の前の異形に穴が空き、セイを拘束していた触手が力を無くしぼとぼとと落ちた。何が起きたのか、確認するより早く、セイは動いた。十字架を拾い上げ、怒り任せに異形の本体に振り下ろすと、ついに異形は完全に動かなくなった。飛び出た石を拾う余裕なく、セイはその場にへたり込む。
服はぐちゃぐちゃだが、どうにか助かった。しかし、何があった?考える間もなく、近づく人の気配に身を強ばらせる。暗闇の中、木の影から出てきたのは……。
「……神父、様?どうして……」
そこには神父がいた。あの、花に水をやっていた盲目の。彼は口元に笑みを浮かべながら、セイに近づく。
「大丈夫?」
「はい。……ありがとうございました」
見上げる彼の顔には、やはりいつものように包帯が巻かれている。それなのに、その手には銃が握られていた。ついさっき使われたことを示す、うっすらとした煙と焦げ臭さ。見えていないとは考えづらい正確なエイムで、自分の窮地を救ってくれたのだとわかれば、セイは素直にお礼を口にした。声音で大事がないとわかったらしい神父は一つ頷いて、それから顎に手を当てて首を傾げた。
「一人での任務は、禁止されているんじゃなかったかな」
「それは、貴方もでは、」
「まぁ、そうだけれど。女性は特に危険でしょう」
「……」
「本当に無事で良かった。君は……セイだよね」
「はい。……ええと、」
「レン。顔合わせをしてから随分経っているし、あまり話す機会は無かったよね。あったとしても、基本的にシスターが神父を名前で呼ぶことは無いし」
そう言いながら、神父ーーレンは座り込んでそっとセイの頬に触れた。ひんやりとした指先にぴくりと震えながら、そういえばそんな名前だった気がすると思い出す。信者も神父も、男であれば一度は下心を持って声を掛けてきたのに、彼に対してはそんな覚えが無い。何回か、仕事の話を話したくらいだ。レンは立ち上がると、すっと手を差し出す。
「立てる?それから、歩けるかな」
「問題ありません。……あ、」
「どうしたの?やはり何処か怪我を、」
「いえ、怪我はしていないのですが、……その、服を破られてしまって」
「……嗚呼、ごめんね。気づいてあげられなかった」
石を片手に、レンの手を借りて立ち上がると、自分が如何にあられもない姿であるかを再認識した。布面積が少ない服装は、どれだけ端を引っ張っても肌を隠してくれない。盲目の彼でなかったら、違う男性だったら、この状態の自分をどう見ただろうか……考えるだけで背筋が凍る。
いや、そもそも目の前の彼も男性だ。見えていないだけで、自分の状態を伝えてしまったら……。
しかしセイが身構えるより先に、レンは着ていた外套を脱ぐと、そっとセイの身体に羽織らせた。ぱちくりするセイに構わず、レンは薄く微笑んで背を向ける。上着の下は予想外に薄着で、逞しい背中が眼前にあった。細く締まった腰には、銃を仕舞うベルトが巻かれている。
「それで大丈夫?身体を隠せている?」
「え、あ、はい。大丈夫です」
「うん、じゃあ帰ろうか」
歩き出すレンの後ろに、少し小走りでついていく。何のつもりか、と終始気を張っていたセイだったが、結局教会のシスター寮に到着するまで、彼は多少世間話はすれど何もしてこなかった。帰りがけ出くわした異形に対しては、制され守られてしまったほどだ。寮の入り口まで来たところで、すぐに手を振って自分の寮へ帰ろうとするのを、慌てて呼び止めた。
「上着…は、」
「後でで構わないよ。替えは幾らでもあるから。ゆっくりおやすみ」
やはり笑みを浮かべて、今度こそレンは立ち去ってしまった。その場に残されたセイは、考えの纏まらない頭で、しかし肌寒さに我に返り建物の中に入っていく。こんな時間に廊下に人気は無く、誰にも会わずに自室に戻ることが出来た。十字架を適当に放り投げてから、ベッドに傾れ込む。
「疲れた……」
襲われたことも、ずっとレンに気を張っていたことも。しかしよく考えればこの世の男性が皆が皆自分に欲情する筈もなく、男性不信であるとはいえ些か自意識過剰であったのだろうかと、助けてくれた彼に対して失礼であったと自省する。それでも、何かあれば自己責任なのだ。注意するに越したことはない。レンという人間のことを、さほど知りもしないのだから。
……けれど。思い返す。
彼は頬に触れた。自分は差し出された手を握った。それから、この上着も。
「(何故?鳥肌が立たなかった)」
下心が無かったから?窮地を脱してすぐで、余裕が無かったから?嫌悪を感じなかった理由が、わからない。
部屋に戻った今でも、羽織ったままの彼の上着。自分の身体より一回り大きく、だぼついている袖を掴む。それほど厚い生地ではないのに、何故かやたらとあたたかく感じる。それから、
「(……良い匂い)」
洗剤の匂いではない。教会での洗剤は統一されている筈だから。けれど、香水や石鹸とは思えない。なんと表現したら良いか、形容し難い匂いに包まれていると、次第に睡魔に襲われる。答えが出せないまま、セイの意識は落ちていく。ゆっくりと、心地よく。
「(これはーーなに?)」
問いは微睡に消えていく。
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