ブライアンのお気に入り

知見夜空

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十月のこと

無邪気なハリーのお出迎え

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 ブライアンいわく子ども向けのほんわかハロウィンは夜の7時までに終了した。おばさんと作ったお菓子は、子どもたちに大好評だった。

 ちなみにハロウィンでは、カザネも仮装させてもらった。もう来客は無いので本当なら脱いでもよいのだが、ジムのお父さんに仮装を見せる約束だった。なのでハロウィンが終わった後もすぐには着替えず、残業で遅くなると言うおじさんの帰りを待っていた。

 後片付けと夕飯を済ませた後、おばさんはお風呂に入った。カザネがリビングでテレビを見ていると、夜8時頃にインターホンが鳴った。

 ジムが帰って来るには早すぎるし、おじさんなら鍵を開けて入って来るはずだ。ジムがパーティーを早退したのか、おじさんが鍵を無くしてしまったのか?

 今おばさんはお風呂で、カザネが応対するしかない。こんな時刻に来客があることは早々ないし、もし強盗か何かだったらどうしよう?

 恐る恐るインターホンで外の映像をチェックしたカザネは

「ブライアン、どうしてうちに? パーティー、もう終わっちゃったの?」

 ドアを開けて迎え入れられたブライアンは

「まさか。俺だけ先に帰ったんだよ」
「せっかくのハロウィンなのに、どうして?」

 首を傾げるカザネを、ブライアンはジッと見下ろして

「……セクシーな女豹や悪魔より、無邪気なハリーに会いたかったからかな?」
「ハリーって、もしかしてこの格好のこと? これはいちおう魔女なんだけど、実は子どもたちにも「ハリー・ポッターだ!」って言われた。私もハリーのほうが好きだからいいけど」

 この衣装はおばさんが買って来てくれたもので、黒マントと杖だけの簡単なセットだった。ただカザネは普段から眼鏡で、しかも少年のような短髪なので、魔女よりもホグワーツ感が出てしまったらしい。

 玄関でそんな話をしていると、ちょうどお風呂から出て来たおばさんが、

「カザネ、どうしたの?」

 問いかけたものの、カザネが答えるより先にブライアンに気付いて

「あら、ブライアン。いらっしゃい」
「こんばんは、おばさん」
「ジムを送って来てくれたの?」
「いえ、ジムはハンナと帰るって俺だけ先に引き上げたんです。でも帰る前にカザネに会いたくなって。俺たちすっかり仲良しだから」

 ブライアンはカザネの肩を軽く引き寄せて仲良しアピールした。カザネが反応する前に、おばさんは興奮した様子で

「あら、すごいじゃない、カザネ。ブライアンは昔からハンサムで優秀で女の子にモテるのよ。こんな素敵なボーイフレンドを作るなんて、あなたも隅に置けないわね」

 本気で嬉しそうなおばさんを見ると、カザネは誤解だと言えなかった。


 2人の関係を誤解したおばさんによって「立ち話もなんだし、お茶でも飲んで行って」とブライアンはカザネの部屋に上げられた。

 ドアが閉まり、おばさんが立ち去った後。

「なんかおばさんの前では良い子ぶってない?」
「純粋に敬意を払っているだけだよ。おばさんには子どもの頃から世話になっているから」
「お隣さんだもんね。家族ぐるみで仲が良かったりするの?」

 無難な質問のはずが、ブライアンはなぜか少し言葉を濁して

「家族ぐるみって言うか……うちはほとんど大人不在だから、俺が熱を出した時とか、おばさんが面倒を看てくれたんだ」
「ブライアンのご両親、仕事が忙しいの?」
「まぁ、そんなとこ」

 口が減らないブライアンには珍しく、すぐに両親の話を切り上げると、

「それよりお前はハロウィンどうだった? 子どもたちにイジメられなかったか?」
「全然! みんな君と違って素直な良い子たちだったからね!」

 いつもどおり意地悪なブライアンを、嫌味で迎撃したカザネだったが、

「おまけに仮装すごく似合っていて可愛かったんだよ。写真を撮らせてもらったんだけど、見る?」

 スマホで撮影した写真をブライアンに見せてあげた。そこには天使やフェアリー、ゴーストや海賊など思い思いの仮装をした子どもたちの姿が映っている。

 写真を見たブライアンは、ふっと表情を和ませて

「確かに。可愛いゴーストとフェアリーだな」
「ねっ、子どもたちみんな可愛くて天使みたいだった」

 ニコニコしながら同意したカザネは、

「ブライアンもパーティーで仮装したの?」
「したよ。犬耳つけただけの、適当ウルフマンだけどな」
「犬耳まだある? つけて見せてよ。せっかくだから仮装したところ見たい」

 ブライアンは気乗りしない様子だったが、もう一押しすると、
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