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十二月のこと
けっきょくミシェルの思惑どおり
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ブライアンを自分のパーティーに来させるために、ミシェルが取った作戦は
「えっ、ミシェルからクリスマスパーティーに誘われた?」
「うん。僕だけじゃなくてカザネやハンナも、ぜひ一緒にって。いつもどおり家族と過ごすのもいいけど、僕たちももう高校生だし、せっかく同級生が誘ってくれるなら行かない?」
そのほうがいい思い出になるかもだしと、頬を染めながら言うジムをカザネとハンナは心配した。特にハンナはカザネと違って、ハロウィンパーティーでミシェルに冷遇される姿を見ているので、
(ミシェルはどういうつもりでジムを誘ったのかしら? 私やカザネも誘ってくれたと言うけど、ジムに限らず私たちに興味なんて無いはずなのに)
恋は盲目状態のジム以外は、誰もがミシェルの誘いを怪しんだ。しかしマクガン家の一人息子であるジムが居ないのに、カザネとハンナとブライアンだけが、ほのぼのホームパーティーに参加するわけにもいかない。
なんだか雲行きが怪しくなったことを、カザネとハンナはブライアンにも報告した。経緯を聞いたブライアンは呆れ顔で
「馬鹿だな、ジムのヤツ。ハロウィンであれだけ冷たくあしらわれたくせに、まだミシェルの気まぐれに振り回されているのか」
「それにしても、どうしてミシェルはジムを誘ったんだろう? それにジムによれば、私とハンナも一緒でいいって話だし。私たちの中でミシェルに好かれているのは、ブライアンだけかと思っていた」
カザネの疑問に、ブライアンは少し思案して
「もしかしてミシェルのヤツ、俺がジムの家のパーティーに行くってどこかで聞いたんじゃないか? ジム側のパーティーメンバーを全員引き抜けば、もれなく俺もついて来ると考えたのかも?」
「自分がジムの家のパーティーに入れてもらうほうが早くない?」
カザネからすればまどろっこしいやり方だが、ブライアンによれば
「お前やハンナと違ってミシェルは見栄っ張りだから、優しいおじさんやおばさんとケーキやご馳走を食べるだけの会には、ダサいから参加したくないんだよ」
ブライアンの言うとおり、ミシェルはセルフイメージを大事にしている。キラキラ女子の頂点に君臨したいミシェルにとって、マクガン家がかもすアットホーム感はむしろマイナスだった。
「ジムの家、絵本に出て来るような理想的なアメリカンファミリーで、すごく絵になるのにもったいない!」
どうでもいいところにショックを受けるカザネをよそに、ハンナは冷静に事実を受け止めて
「とにかくミシェルの狙いはブライアンの言うとおり、ジムや私たちを引き抜くことで、あなたを自分のパーティーに呼ぶことみたいね」
「でも困ったね。ジムはあんなに嬉しそうなのに、利用されているとは言えないよ」
「私も……ジムをぬか喜びさせたくないけど、悲しませたくもないわ」
沈痛な面持ちの女子たちと違い、ブライアンはあっさりと、
「お前らが言えないなら、俺が言ってやってもいいけど」
「いや、誰が言うとかの問題じゃないから。なんとかジムのショックを最小限にしてあげたいんだよ」
カザネのこだわりに、ブライアンは面倒臭いなーという顔をしつつも
「じゃあ、このまま気持ち良く騙させてやるしかないんじゃないか? ジムだってまさかパーティーに出ただけで、ミシェルと付き合えるとまでは思わないだろうし。取りあえずパーティーに出られれば満足するんじゃないか?」
「ジムがミシェルのパーティーに出るなら私も行こうかしら。ああいう賑やかな集まりは苦手だけど、明らかにアウェーな場所でジムを1人にしたくないし」
「ハンナぁぁ……。優しいね……。本当にジムを愛しているんだね……」
ハンナの愛情にカザネは目を潤ませて感動したが、彼女はいきなり「ううっ」となって
「でも本当はやっぱり怖いの! ハロウィンパーティーの時の「なんであなたたちが居るの?」的な視線がトラウマで! 1人じゃ耐えられないからカザネにも来て欲しい!」
「ええっ!?」
「けっきょくミシェルの思惑どおりになりそうだな……」
正直ブライアンが一緒に居たかったのはカザネだけなので、他の2人が連れて行かれるだけならスルーできた。でもお人よしのカザネが親友のSOSを無視できるわけがない。やはり全員でミシェルのパーティーに参加するしか無さそうだと、ブライアンは溜息をついた。
「えっ、ミシェルからクリスマスパーティーに誘われた?」
「うん。僕だけじゃなくてカザネやハンナも、ぜひ一緒にって。いつもどおり家族と過ごすのもいいけど、僕たちももう高校生だし、せっかく同級生が誘ってくれるなら行かない?」
そのほうがいい思い出になるかもだしと、頬を染めながら言うジムをカザネとハンナは心配した。特にハンナはカザネと違って、ハロウィンパーティーでミシェルに冷遇される姿を見ているので、
(ミシェルはどういうつもりでジムを誘ったのかしら? 私やカザネも誘ってくれたと言うけど、ジムに限らず私たちに興味なんて無いはずなのに)
恋は盲目状態のジム以外は、誰もがミシェルの誘いを怪しんだ。しかしマクガン家の一人息子であるジムが居ないのに、カザネとハンナとブライアンだけが、ほのぼのホームパーティーに参加するわけにもいかない。
なんだか雲行きが怪しくなったことを、カザネとハンナはブライアンにも報告した。経緯を聞いたブライアンは呆れ顔で
「馬鹿だな、ジムのヤツ。ハロウィンであれだけ冷たくあしらわれたくせに、まだミシェルの気まぐれに振り回されているのか」
「それにしても、どうしてミシェルはジムを誘ったんだろう? それにジムによれば、私とハンナも一緒でいいって話だし。私たちの中でミシェルに好かれているのは、ブライアンだけかと思っていた」
カザネの疑問に、ブライアンは少し思案して
「もしかしてミシェルのヤツ、俺がジムの家のパーティーに行くってどこかで聞いたんじゃないか? ジム側のパーティーメンバーを全員引き抜けば、もれなく俺もついて来ると考えたのかも?」
「自分がジムの家のパーティーに入れてもらうほうが早くない?」
カザネからすればまどろっこしいやり方だが、ブライアンによれば
「お前やハンナと違ってミシェルは見栄っ張りだから、優しいおじさんやおばさんとケーキやご馳走を食べるだけの会には、ダサいから参加したくないんだよ」
ブライアンの言うとおり、ミシェルはセルフイメージを大事にしている。キラキラ女子の頂点に君臨したいミシェルにとって、マクガン家がかもすアットホーム感はむしろマイナスだった。
「ジムの家、絵本に出て来るような理想的なアメリカンファミリーで、すごく絵になるのにもったいない!」
どうでもいいところにショックを受けるカザネをよそに、ハンナは冷静に事実を受け止めて
「とにかくミシェルの狙いはブライアンの言うとおり、ジムや私たちを引き抜くことで、あなたを自分のパーティーに呼ぶことみたいね」
「でも困ったね。ジムはあんなに嬉しそうなのに、利用されているとは言えないよ」
「私も……ジムをぬか喜びさせたくないけど、悲しませたくもないわ」
沈痛な面持ちの女子たちと違い、ブライアンはあっさりと、
「お前らが言えないなら、俺が言ってやってもいいけど」
「いや、誰が言うとかの問題じゃないから。なんとかジムのショックを最小限にしてあげたいんだよ」
カザネのこだわりに、ブライアンは面倒臭いなーという顔をしつつも
「じゃあ、このまま気持ち良く騙させてやるしかないんじゃないか? ジムだってまさかパーティーに出ただけで、ミシェルと付き合えるとまでは思わないだろうし。取りあえずパーティーに出られれば満足するんじゃないか?」
「ジムがミシェルのパーティーに出るなら私も行こうかしら。ああいう賑やかな集まりは苦手だけど、明らかにアウェーな場所でジムを1人にしたくないし」
「ハンナぁぁ……。優しいね……。本当にジムを愛しているんだね……」
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