ブライアンのお気に入り

知見夜空

文字の大きさ
55 / 73
五月のこと

帰らないで傍に居て(性描写有り)

しおりを挟む
 2人で踊りながら笑い合って、おおむね満足した後。

「俺のペニス、すっかり気に入ってくれたようで何より」

 ベッドに移動したカザネは、対面座位の姿勢でブライアンに下から貫かれていた。物音が響かないように、彼の部屋でする時よりは緩やかな交合だったが、的確にいいところを擦りあげられる。カザネは快感に耐えながら、ブライアンの体に縋りついて

「っ、だってブライアンの大きくて気持ちいい……」

 ジムやおばさんたちに聞こえないように小声で返すと、ブライアンは意地悪に微笑んで

「このサイズが気持ちいいなんて気の毒に。多分日本じゃなかなかお目にかかれないよ」
「~、サイズとかじゃなくて。ブライアンだから気持ちいいの。ブライアン以外はやだ」

 彼に出し入れされながらも、カザネは一生懸命に答えた。追い詰められて余裕を無くしている時の言葉は本心だ。自分以外は嫌だと言うカザネの言葉が、ブライアンは堪らなく嬉しくて

「本当に可愛いことばかり言うよな」

 珍しく素で照れると、動きを止めてカザネを抱きしめて

「俺のほうが気の毒だよ。こんなにお前が好きなのに、お前はこれから消えちゃうなんて。お前が居なくなった後、どうしたらいいのか分からないよ……」

 いつもの喜ばせではなく、苦しげな声音にカザネはハッとして

「ご、ゴメンね。ずっと一緒に居られなくて」

 2人は泣きそうな顔でお互いを見つめた。こうなることは最初から分かっていた。今さら傷ついた顔なんてするべきではないと頭では思いつつ

「謝られても「いい」って言えない。帰らないで。ずっと傍に居てよ……」

 ブライアンは切実な本音を漏らすと、恋しさを紛らわすようにカザネを抱いた。ブライアンは行為が終わってもすぐには帰らず、ベッドの上でしばらく無言でカザネを抱きしめていた。本当は手放したくないと、訴えるような仕草だったが

「……さっきの本気じゃないから気にしないで」
「さっきのって?」

 カザネの問いに、ブライアンはやんわり微笑むと

「帰らないで傍に居てってヤツ。お前が帰るのは最初から分かっていたし、ちゃんと納得しているから、俺のことは心配しなくていいよ。全く平気とは言わないけど、そんなに長くは落ち込まないから」

 別れを受け入れるブライアンの言葉に、カザネは密かに傷ついた。でも引き留められても困るくせに、引き留めてもらえなくて悲しむなんて矛盾していると、カザネは自分の身勝手を責めて

「……私も全く平気とは言えないけど、ブライアンと離れた後もちゃんと元気でいる。それでいつか夢を叶えて、またアメリカに来るね」

 自分を困らせまいとするブライアンの思いやりを理性で受け入れた。そんなカザネの冷静さに、ブライアンは内心憤りを覚えた。自分はカザネにとって、そんな簡単に割り切れる存在なのかと。

 けれど将来と恋を天秤にかけて、捨てようとしているのは自分も同じだ。お互いに簡単でも平気でもないことは、頭では分かっていたので

「……うん。その時は連絡してくれ。夢を叶えたお祝いに、また美味いものでもご馳走してやるから」

 ブライアンは不器用に笑うと、最後にカザネと唇を重ねた。1年のメインイベントが終わり、6月が来ようとしていた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

会社のイケメン先輩がなぜか夜な夜な私のアパートにやって来る件について(※付き合っていません)

久留茶
恋愛
地味で陰キャでぽっちゃり体型の小森菜乃(24)は、会社の飲み会で女子一番人気のイケメン社員・五十嵐大和(26)を、ひょんなことから自分のアパートに泊めることに。 しかし五十嵐は表の顔とは別に、腹黒でひと癖もふた癖もある男だった。 「お前は俺の恋愛対象外。ヤル気も全く起きない安全地帯」 ――酷い言葉に、菜乃は呆然。二度と関わるまいと決める。 なのに、それを境に彼は夜な夜な菜乃のもとへ現れるようになり……? 溺愛×性格に難ありの執着男子 × 冴えない自分から変身する健気ヒロイン。 王道と刺激が詰まったオフィスラブコメディ! *全28話完結 *辛口で過激な発言あり。苦手な方はご注意ください。 *他誌にも掲載中です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる

奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。 だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。 「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」  どう尋ねる兄の真意は……

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...