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別れの時
本当の気持ち
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それからカザネは空港に到着した。たくさんの旅行客に混ざり、保安検査場に並んでいるとスマホに着信が入った。こんなタイミングで誰からだろうと、カザネがスマホを見ると、相手はブライアンだった。
驚きながらも電話に出ると
『お前、今どこにいる?』
「今? もう空港だけど」
困惑しながらもカザネが答えると、ブライアンはさらに
『空港のどこ?』
「保安検査場だけど、なんで?」
『すぐに行くから、そこで待ってて』
「えっ!?」
ブライアンからの通話は一方的に切れてしまった。見送りには来ないと言っていたのに、今さらどうして?
これからブライアンと会うことになり、カザネの心には喜びよりも不安が湧いた。彼が好きだからこそ、別れるために会うのが辛かった。
しかし待っててと言われたのに、無視するわけにもいかない。カザネは仕方なく、保安検査の列から一旦離れた。搭乗時間があるのでソワソワしながらブライアンを待つ。しかし電話をかけて来た時点で近くまで来ていたようで、ブライアンは10分もしないうちに現れると
「カザネ!」
家から車を飛ばして、ここまで駆けて来た彼に、カザネも小走りに近寄って
「ブライアン? どうして、こんなギリギリに?」
「ギリギリになるまで分からなかったから」
「分からなかったって……」
「何が?」と聞き返す前に、ブライアンは大きく一歩踏み出して、カザネを強く抱きしめると
「怖くて捨てられないものが山ほどあったんだ。でも土壇場になって分かった。お前より大事なものなんて無いって」
それが今日になるまで考え続けて、ブライアンが出した答えだった。いくらがんばっても、カザネを諦めると割り切ることはついにできなかった。カザネへの想いを引きずったまま、父の提示する未来に進むことはできない。だから逆を選ぶことにした。
これまで考えもしなかった、どうなっていくか分からない、父の力も頼れない不安定な未来。それでもカザネが居るなら行こうと思えた。
「お前は俺のために、何1つ変えなくていい。俺が勝手に合わせるから。来年こっちの学校に来たら、また一緒になって。これからもずっと俺の恋人で居て」
ブライアンの告白にカザネは目を見張って
「嬉しいけど、そんなことできるの?」
「できるかできないかじゃなくて、やるかやらないかだろ。お前と一緒に居るためなら、なんでもするって決めたんだ」
長年の迷いを断ち切ったブライアンは晴れやかに笑うと
「だから、頼むからイエスと言って。お前も俺と居たいんだって。せっかく見つけた夢が、俺の独りよがりじゃないと思わせて」
懇願するようにカザネを見つめた。カザネは家族からの愛も理解も諦めたブライアンが唯一、愛されたいと望んだ人だから。
ブライアンの言葉に、カザネはずっと堪えていた涙を溢れさせて
「独りよがりのはずないよ。私だって本当は、ずっとブライアンと居たかった。もう本当に諦めなくていいの? 来年こっちに来たら、また一緒になれるって信じていい?」
ブライアンはカザネの頬を伝う涙を指で拭いながら
「信じていいよ。俺もお前がまた必ず戻って来ると信じて、必要なことをやっておくから。また会えた時は一緒に暮らそう。それまで元気で。約束を忘れないで」
「うん。絶対に忘れない。必ずまた会いに来るね」
2人は最後にキスして別れた。必ずまた一緒になろうと再会の約束を胸に抱いて。
驚きながらも電話に出ると
『お前、今どこにいる?』
「今? もう空港だけど」
困惑しながらもカザネが答えると、ブライアンはさらに
『空港のどこ?』
「保安検査場だけど、なんで?」
『すぐに行くから、そこで待ってて』
「えっ!?」
ブライアンからの通話は一方的に切れてしまった。見送りには来ないと言っていたのに、今さらどうして?
これからブライアンと会うことになり、カザネの心には喜びよりも不安が湧いた。彼が好きだからこそ、別れるために会うのが辛かった。
しかし待っててと言われたのに、無視するわけにもいかない。カザネは仕方なく、保安検査の列から一旦離れた。搭乗時間があるのでソワソワしながらブライアンを待つ。しかし電話をかけて来た時点で近くまで来ていたようで、ブライアンは10分もしないうちに現れると
「カザネ!」
家から車を飛ばして、ここまで駆けて来た彼に、カザネも小走りに近寄って
「ブライアン? どうして、こんなギリギリに?」
「ギリギリになるまで分からなかったから」
「分からなかったって……」
「何が?」と聞き返す前に、ブライアンは大きく一歩踏み出して、カザネを強く抱きしめると
「怖くて捨てられないものが山ほどあったんだ。でも土壇場になって分かった。お前より大事なものなんて無いって」
それが今日になるまで考え続けて、ブライアンが出した答えだった。いくらがんばっても、カザネを諦めると割り切ることはついにできなかった。カザネへの想いを引きずったまま、父の提示する未来に進むことはできない。だから逆を選ぶことにした。
これまで考えもしなかった、どうなっていくか分からない、父の力も頼れない不安定な未来。それでもカザネが居るなら行こうと思えた。
「お前は俺のために、何1つ変えなくていい。俺が勝手に合わせるから。来年こっちの学校に来たら、また一緒になって。これからもずっと俺の恋人で居て」
ブライアンの告白にカザネは目を見張って
「嬉しいけど、そんなことできるの?」
「できるかできないかじゃなくて、やるかやらないかだろ。お前と一緒に居るためなら、なんでもするって決めたんだ」
長年の迷いを断ち切ったブライアンは晴れやかに笑うと
「だから、頼むからイエスと言って。お前も俺と居たいんだって。せっかく見つけた夢が、俺の独りよがりじゃないと思わせて」
懇願するようにカザネを見つめた。カザネは家族からの愛も理解も諦めたブライアンが唯一、愛されたいと望んだ人だから。
ブライアンの言葉に、カザネはずっと堪えていた涙を溢れさせて
「独りよがりのはずないよ。私だって本当は、ずっとブライアンと居たかった。もう本当に諦めなくていいの? 来年こっちに来たら、また一緒になれるって信じていい?」
ブライアンはカザネの頬を伝う涙を指で拭いながら
「信じていいよ。俺もお前がまた必ず戻って来ると信じて、必要なことをやっておくから。また会えた時は一緒に暮らそう。それまで元気で。約束を忘れないで」
「うん。絶対に忘れない。必ずまた会いに来るね」
2人は最後にキスして別れた。必ずまた一緒になろうと再会の約束を胸に抱いて。
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