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第6話・お題部屋でまさかのBLモードです
新入りにフシャーする風丸
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先日。律子さんとユエル君にいらんケンカを売ったエバーシュタインさんはボコボコに負かされた挙句、元の世界に送り返されました。
その結果、主を失ったアルゼリオさんは、私と風丸の班に入りました。ナチュラルに人を見下す癖のある困ったアルゼリオさんですが、やはり戦闘員が2人いると戦闘がサクサク進むし、怪我をする頻度も減って、なんだかんだ助かります。
ちなみに形だけではありますが、私の騎士になったアルゼリオさんは、エバーシュタインさんを『リーゼ』と呼んでいたように、私を『由羽』と呼ぼうとしました。
けれど実際に呼んだところ
「なんで新入りが馴れ馴れしく、マスターちゃんを名前で呼ぶんだよ」
風丸にガチギレされて、仕方なく『マスター』と呼ぼうとしましたが
「忠義もねぇのに呼ぶなよ」
これまた怒られて今は苗字の『相楽』と呼ばれています。やっぱり新入りがいきなり飼い主に近づくと、先住猫は怒るものなんですね。
そんな新体制でダンジョンを進む我々は
「特殊部屋か……」
「おい、アルゼリオの旦那。なに当然のように、お題部屋を選ぼうとしているんだよ」
ボタンを押そうとする手を風丸に掴まれたアルゼリオさんは「は?」と困惑顔で
「リーゼのところでも、まずはこっちを押していただろ。多少恥ずかしい目にあっても、お題部屋で装備を整えてからモンスターと戦ったほうが効率的だって」
恐らく律子さんとユエル君の超ストイック主従以外は、みんなその方針でしょうが
「そりゃ建前で実際はアンタと金髪ちゃんが、お題にかこつけてエロいことをしたかっただけだろ。うちのマスターちゃんは金髪ちゃんと違って純粋なんだから、同じに扱わないでくれる?」
私がお題部屋で毎度ギャーギャー騒いでしまうので、気を遣ってくださったみたいです。優しい。
そんな風丸の注意に、アルゼリオさんは
「お前、相楽には妙に過保護だけど、2人きりの時はどうしていたんだよ? お前1人でエリアボスと戦うのは危険だし、特殊部屋自体をスルーしていたってことか?」
「お題部屋で出されるお題は同行者の発情度や好感度に左右されるようなので、風丸と私だけの時は大したお題は出なかったんです」
風丸の代わりに答えると、アルゼリオさんは嫌味な笑顔で
「それなら俺が加わったって同じことだろ? リーゼならともかく、こんな芋女にその気になるほど餓えちゃいないからな……って、痛ぁっ!? いきなり何するんだよ!?」
アルゼリオさんの剥き出しの腹筋を、日本刀の柄でドスッと突いた風丸は
「別に~? ただこっちは好きでアンタを加えたわけじゃないのに、人のマスターにずいぶんな口を利きやがるって思っただけだけど~?」
このままでは本格的にケンカになりそうです、と私は慌てて
「け、ケンカはおやめください。私は全然気にしてないので。むしろ全く好きじゃないアルゼリオさんに、そういう目で見られるほうがキモいですよ」
「お前がいちばん酷くないか!?」
アルゼリオさんは驚いていますが、私にも拒否権はあります。喪女なら顔面だけで落とせると思っているなら、アルゼリオさんはやはり残念なイケメンです。
「まぁ、マスターちゃんもこう言っていることだし、やっぱりお題部屋はやめておこうぜ」
しかしアルゼリオさんはややいじけながらも
「別に俺がしなくても、お前と相楽でお題をこなしたらいいだろ。お前と相楽だけの時は、そうしていたみたいだし」
アルゼリオさんの言葉に、風丸は難しい顔で沈黙しました。また私を気遣っているのかもしれないと
「風丸、私はいいですよ」
「でもマスターちゃん。2人きりならともかくコイツの居るところで、ああいうことをするのは嫌じゃないか?」
風丸の言うとおり、彼にデレデレしているところを第三者に見られるのは恥ずかしいですが
「アルゼリオさんにはお題が終わるまで、別室で待機してもらえばいいんじゃないでしょうか? 別に人のそういうシーンを見守る趣味も無いでしょうし」
「ああ。お前とその女がイチャついているシーンなんて、欠片も興味ねーから安心しろよ」
「まぁ、確かにアルゼリオの旦那が居ても大物と戦うのは骨だから、マスターちゃんがいいならいいけどさ」
という流れで、エリアボスとはアイテムを回収してから戦うことにして、先にお題部屋に入りました。
その結果、主を失ったアルゼリオさんは、私と風丸の班に入りました。ナチュラルに人を見下す癖のある困ったアルゼリオさんですが、やはり戦闘員が2人いると戦闘がサクサク進むし、怪我をする頻度も減って、なんだかんだ助かります。
ちなみに形だけではありますが、私の騎士になったアルゼリオさんは、エバーシュタインさんを『リーゼ』と呼んでいたように、私を『由羽』と呼ぼうとしました。
けれど実際に呼んだところ
「なんで新入りが馴れ馴れしく、マスターちゃんを名前で呼ぶんだよ」
風丸にガチギレされて、仕方なく『マスター』と呼ぼうとしましたが
「忠義もねぇのに呼ぶなよ」
これまた怒られて今は苗字の『相楽』と呼ばれています。やっぱり新入りがいきなり飼い主に近づくと、先住猫は怒るものなんですね。
そんな新体制でダンジョンを進む我々は
「特殊部屋か……」
「おい、アルゼリオの旦那。なに当然のように、お題部屋を選ぼうとしているんだよ」
ボタンを押そうとする手を風丸に掴まれたアルゼリオさんは「は?」と困惑顔で
「リーゼのところでも、まずはこっちを押していただろ。多少恥ずかしい目にあっても、お題部屋で装備を整えてからモンスターと戦ったほうが効率的だって」
恐らく律子さんとユエル君の超ストイック主従以外は、みんなその方針でしょうが
「そりゃ建前で実際はアンタと金髪ちゃんが、お題にかこつけてエロいことをしたかっただけだろ。うちのマスターちゃんは金髪ちゃんと違って純粋なんだから、同じに扱わないでくれる?」
私がお題部屋で毎度ギャーギャー騒いでしまうので、気を遣ってくださったみたいです。優しい。
そんな風丸の注意に、アルゼリオさんは
「お前、相楽には妙に過保護だけど、2人きりの時はどうしていたんだよ? お前1人でエリアボスと戦うのは危険だし、特殊部屋自体をスルーしていたってことか?」
「お題部屋で出されるお題は同行者の発情度や好感度に左右されるようなので、風丸と私だけの時は大したお題は出なかったんです」
風丸の代わりに答えると、アルゼリオさんは嫌味な笑顔で
「それなら俺が加わったって同じことだろ? リーゼならともかく、こんな芋女にその気になるほど餓えちゃいないからな……って、痛ぁっ!? いきなり何するんだよ!?」
アルゼリオさんの剥き出しの腹筋を、日本刀の柄でドスッと突いた風丸は
「別に~? ただこっちは好きでアンタを加えたわけじゃないのに、人のマスターにずいぶんな口を利きやがるって思っただけだけど~?」
このままでは本格的にケンカになりそうです、と私は慌てて
「け、ケンカはおやめください。私は全然気にしてないので。むしろ全く好きじゃないアルゼリオさんに、そういう目で見られるほうがキモいですよ」
「お前がいちばん酷くないか!?」
アルゼリオさんは驚いていますが、私にも拒否権はあります。喪女なら顔面だけで落とせると思っているなら、アルゼリオさんはやはり残念なイケメンです。
「まぁ、マスターちゃんもこう言っていることだし、やっぱりお題部屋はやめておこうぜ」
しかしアルゼリオさんはややいじけながらも
「別に俺がしなくても、お前と相楽でお題をこなしたらいいだろ。お前と相楽だけの時は、そうしていたみたいだし」
アルゼリオさんの言葉に、風丸は難しい顔で沈黙しました。また私を気遣っているのかもしれないと
「風丸、私はいいですよ」
「でもマスターちゃん。2人きりならともかくコイツの居るところで、ああいうことをするのは嫌じゃないか?」
風丸の言うとおり、彼にデレデレしているところを第三者に見られるのは恥ずかしいですが
「アルゼリオさんにはお題が終わるまで、別室で待機してもらえばいいんじゃないでしょうか? 別に人のそういうシーンを見守る趣味も無いでしょうし」
「ああ。お前とその女がイチャついているシーンなんて、欠片も興味ねーから安心しろよ」
「まぁ、確かにアルゼリオの旦那が居ても大物と戦うのは骨だから、マスターちゃんがいいならいいけどさ」
という流れで、エリアボスとはアイテムを回収してから戦うことにして、先にお題部屋に入りました。
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