11 / 28
新婚編
夜は愛に飢えたケダモノ(ほんのり性描写)
しおりを挟む
ガッと襲われるかと思ったが、ササグはやっぱり控えめで、いきなりがっつくことはしなかった。
緊張のせいか我慢のせいか、呼吸も荒く手も震えていた。
でもその衝動を多分、懸命に堪えながら、私の手に指を絡めて何度も唇を重ねて来た。
……なんか甘酸っぱい。
手を繋いでキスするという初歩的な触れ合いが、あくまで彼が私に抱く感情は、性欲ではなく恋なのだと感じさせた。
彼のドキドキが伝染するように、私の胸まで騒がしくなる。
ササグは興奮に頬を染めながら
「ウラメ様の口の中、舐めたいです。ウラメ様の味を知りたい……」
背後でお姉さん方が、また「きゃあ~」と盛り上がる。返事の代わりに口を開けると、ササグの舌がニュルッと侵入して来た。
最初は慣れない感触に悪い意味でゾクッとしたが、舌で唇の裏や上あごを擽られると、ピリピリとした刺激を感じた。
……気持ちいい、かもしれない?
私はまだ答えを出しあぐねていたが、ササグは夢中になって
「ウラメ様の唾液、甘いです……。もっと……」
最初は座ったままキスしていたが、押し倒されて、のしかかられるように口内を貪られる。
薄い夜着越しに、ササグの硬い体と熱を感じる。多分これ平熱じゃない。私に発情して熱くなっているのか。
ササグに全身で求められているのを感じて、私の体も熱くなる。羞恥のせいか、それ以外かは分からないけど。
「着物も脱がせていいですか? もう全部、欲しいです……」
あれほど遠慮深かったササグが、辛そうな顔で求めて来る。お姉さん方に勧められたからではなく、気付けば頷き返していた。
私の着物を脱がせて、貧相な体を暴いたササグは「ああ」と感嘆の声を漏らして
「すごい。綺麗です。ウラメ様」
私は意識的に痩せ細っているので、絶対にそんな感動するような体ではないのだが
「ササグ、泣いているの?」
水滴が頬を打つ感触で、彼が涙したのを知る。
驚く私に、ササグは目元を拭いながら
「すみません、こんな時に。でも俺はずっとあなたの肌を知ること無く、死んでいくんだと思っていたから」
「叶うなんて思わなくて、すごく嬉しくて……」と彼は震える声で続けた。
……ササグはいつから、こんなに私を想っていたのだろう。これだけ焦がれながら、だけど18で死ぬのだからと諦めるのは、どんなに切なかっただろう。
私は彼の頭を裸の胸に抱き寄せると
「もう全部ササグのだから、いっぱいしていいよ」
今だけは怨霊になるという目的を忘れて、ただササグに報いたい気持ちで身を委ねた。
男は体を許すと、すぐに付け上がるとはお姉さん方から聞いていた。ササグは別だと思っていたが
「……ウラメ様。今日もいいですか?」
最初は私が生きていればいいと言っていたのに、あれから毎晩のように、したがるようになった。
お誘いの態度だけは遠慮がちだが
「綺麗な顔して意外と貪欲だねぇ、ササグちゃん」
「昼は真面目な働き者で、夜は愛に飢えたケダモノなんて最高だねぇ」
お姉さん方は堪らない様子だが
「これいつまで続くんですかね? 毎晩こんなんじゃ身が持たないんですが……」
ササグは床でも献身的なので、セックスが苦痛ということはない。
むしろ彼の技術か私の感度が上がっているのか、日増しに良くなっている。が、それが怖い。
最初は触れられたり舐められたりは気持ち良くても、挿入は違和感が大きくて苦手だった。
でも最近は大きくて硬いのを入れられるのが、いちばん気持ちいい。浅いところをかき回されて、容赦なく奥を責められると、よすぎて気が変になる。
精神的には25歳も離れた子に乱されるなんて嫌だ……。気持ちいいと我慢できなくて、変な声が出ちゃうのが嫌だ……。
それをササグに
『可愛い声、もっと聞かせてください』
と愛しそうに微笑まれて、ドキッとしている自分も嫌だ。
こんなハッピーらぶえっちライフは、未来の大怨霊の過去として相応しくない。
自分にベタ惚れの夫に毎夜抱かれながら、怨霊になりたいなんてほざいていたら、怨霊界のレジェンドたちに八つ裂きにされてしまう。
緊張のせいか我慢のせいか、呼吸も荒く手も震えていた。
でもその衝動を多分、懸命に堪えながら、私の手に指を絡めて何度も唇を重ねて来た。
……なんか甘酸っぱい。
手を繋いでキスするという初歩的な触れ合いが、あくまで彼が私に抱く感情は、性欲ではなく恋なのだと感じさせた。
彼のドキドキが伝染するように、私の胸まで騒がしくなる。
ササグは興奮に頬を染めながら
「ウラメ様の口の中、舐めたいです。ウラメ様の味を知りたい……」
背後でお姉さん方が、また「きゃあ~」と盛り上がる。返事の代わりに口を開けると、ササグの舌がニュルッと侵入して来た。
最初は慣れない感触に悪い意味でゾクッとしたが、舌で唇の裏や上あごを擽られると、ピリピリとした刺激を感じた。
……気持ちいい、かもしれない?
私はまだ答えを出しあぐねていたが、ササグは夢中になって
「ウラメ様の唾液、甘いです……。もっと……」
最初は座ったままキスしていたが、押し倒されて、のしかかられるように口内を貪られる。
薄い夜着越しに、ササグの硬い体と熱を感じる。多分これ平熱じゃない。私に発情して熱くなっているのか。
ササグに全身で求められているのを感じて、私の体も熱くなる。羞恥のせいか、それ以外かは分からないけど。
「着物も脱がせていいですか? もう全部、欲しいです……」
あれほど遠慮深かったササグが、辛そうな顔で求めて来る。お姉さん方に勧められたからではなく、気付けば頷き返していた。
私の着物を脱がせて、貧相な体を暴いたササグは「ああ」と感嘆の声を漏らして
「すごい。綺麗です。ウラメ様」
私は意識的に痩せ細っているので、絶対にそんな感動するような体ではないのだが
「ササグ、泣いているの?」
水滴が頬を打つ感触で、彼が涙したのを知る。
驚く私に、ササグは目元を拭いながら
「すみません、こんな時に。でも俺はずっとあなたの肌を知ること無く、死んでいくんだと思っていたから」
「叶うなんて思わなくて、すごく嬉しくて……」と彼は震える声で続けた。
……ササグはいつから、こんなに私を想っていたのだろう。これだけ焦がれながら、だけど18で死ぬのだからと諦めるのは、どんなに切なかっただろう。
私は彼の頭を裸の胸に抱き寄せると
「もう全部ササグのだから、いっぱいしていいよ」
今だけは怨霊になるという目的を忘れて、ただササグに報いたい気持ちで身を委ねた。
男は体を許すと、すぐに付け上がるとはお姉さん方から聞いていた。ササグは別だと思っていたが
「……ウラメ様。今日もいいですか?」
最初は私が生きていればいいと言っていたのに、あれから毎晩のように、したがるようになった。
お誘いの態度だけは遠慮がちだが
「綺麗な顔して意外と貪欲だねぇ、ササグちゃん」
「昼は真面目な働き者で、夜は愛に飢えたケダモノなんて最高だねぇ」
お姉さん方は堪らない様子だが
「これいつまで続くんですかね? 毎晩こんなんじゃ身が持たないんですが……」
ササグは床でも献身的なので、セックスが苦痛ということはない。
むしろ彼の技術か私の感度が上がっているのか、日増しに良くなっている。が、それが怖い。
最初は触れられたり舐められたりは気持ち良くても、挿入は違和感が大きくて苦手だった。
でも最近は大きくて硬いのを入れられるのが、いちばん気持ちいい。浅いところをかき回されて、容赦なく奥を責められると、よすぎて気が変になる。
精神的には25歳も離れた子に乱されるなんて嫌だ……。気持ちいいと我慢できなくて、変な声が出ちゃうのが嫌だ……。
それをササグに
『可愛い声、もっと聞かせてください』
と愛しそうに微笑まれて、ドキッとしている自分も嫌だ。
こんなハッピーらぶえっちライフは、未来の大怨霊の過去として相応しくない。
自分にベタ惚れの夫に毎夜抱かれながら、怨霊になりたいなんてほざいていたら、怨霊界のレジェンドたちに八つ裂きにされてしまう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
わたしのヤンデレ吸引力が強すぎる件
こいなだ陽日
恋愛
病んだ男を引き寄せる凶相を持って生まれてしまったメーシャ。ある日、暴漢に襲われた彼女はアルと名乗る祭司の青年に助けられる。この事件と彼の言葉をきっかけにメーシャは祭司を目指した。そうして二年後、試験に合格した彼女は実家を離れ研修生活をはじめる。しかし、そこでも彼女はやはり病んだ麗しい青年たちに淫らに愛され、二人の恋人を持つことに……。しかも、そんな中でかつての恩人アルとも予想だにせぬ再会を果たして――!?
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる