水晶龍といっしょ ~ダンジョン巡って魔王の種もぎ~(仮題)

眠り草

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【第一章】一部

【呼び出されし者】10.相談

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可愛い小動物を抱き上げたい誘惑に抗えず今は膝の上に乗せつつダラ達にここから脱出するための相談をすることにした。 

クミンはさっきあげた丸薬飴を舐めるのに夢中のようだ。忙しなく左右の頬を交互に膨らませて転がしているのがかわええ。


「ダラさん、俺はいい加減この檻から出るつもりですがダラさんたちも一緒に行きませんか?」
俺はそう切り出すと土地勘が無いので今どの辺居るのか近くに街か村など身を寄せる場所はないか聞いてみた。

「街道を使わず平原を東に進んでいるようなのではっきりとした位置は分かりませんが、ここから北に向かい街道に出て馬車で2日ほど行けば宿場町があるはずです。ただ徒歩だとその倍は掛かりますね。奴等の目的地が判れば抜け出すタイミングも測れるのですがこのまま進むとクロツ大森林なので人里からはどんどん遠退いてしまいますね」

うーん、ここで抜け出しても野垂れ死ぬ可能性が高いがこのままでも人里から離れてしまうのか。
いきなり脱出計画に難問が立ちはだかる。

「ダイン殿、ダイン殿が彼処のマンティコアを倒したことで強力な魔術師ということは存じておりますが、この人数を相手にするお積もりですか?」

ダラの質問は最もだ。俺だって確認してるだけで21人も居るのにいちいち相手する積もりはない。全員の頭をロックしてファイア掛ければ可能だけど・・・脱走見付かったら面倒だからこの際殺っちゃうか?
などと思うが、魔術対策を持っていたら危険だ。魔術を打ち消されたりしたら後は多勢に無勢で制圧されるだろう。
その場合、殺されるか殺されなくてもナタルゥのように・・・あの衝撃映像が脳内でリアルに再生し身震いする。思い出すだけでも血の気が引き貧血を起こしそうだ。

「うーん、そうですね。今は見張りしか起きていないでしょうから、ナタルゥに見張りを眠らせて貰えばその隙に逃げようかと考えているんですけどね」

そうナタルゥは眠りの魔法を使えるのでアナライズして解析しようと考えている。
無力化の魔術は持ってて損はない。何か誤解がある度に住民虐殺して廻っていたら俺が魔王になってしまう。それじゃ本末転倒だ。

「そうですか。そうなると丸腰のままになるのか。平原は魔物と出会うことはあまり無いですが丸腰のまま奴等から4日以上逃げ回るのは無理がありますね。見通しが良いですから見付からずに移動するのは厳しいです」

ごもっともです。そこまで考えていませんでした。はい。
それに喩え全員が武装してても追って来れて囲まれたら詰む。
クミンをあんな目に遭わせた連中だ。向こうも情けは掛けてこないだろうしこちらも容赦する必要もないか。

「そうですね。クミンにあんな酷いことする連中です。今後生かしておいても被害者が増えるだけでしょうから片付けますか」
全員がぎょっとて俺を見つめて引いている。
さらっと皆殺し宣言。自分で言ってても引くわぁ

「ナタルゥさん、確認したいことがあるのですが、奴等には魔法対策ってしていましたか?」
ナタルゥは魔法を使える。捕まる際に奴等に使っている可能性もある。

ナタルゥは首を振りながら応える。
「判らない。捕まる時、魔力、切れてた」

残念。まあ遺跡で魔物討伐した後だから仕方がないのかもしてれない。

「じゃあ魔法対策について教えてもらえませんか。私、世俗に疎くてあまり外の世界の事情を知らないもので」

「魔除けの守り、魔除け魔法、無ければ、精神、強くする」
魔除けの守りはアイテムだろう、魔除け魔法は抵抗上げる魔法や魔術ってところか。抵抗魔術は欲しいな。最後のは自力で耐えるってことだろうけど、不意討ちなら掛けられたかも分からず掛かってしまうのは体験済みだ。

「ナタルゥさん、奴等がその辺を持っていると思いますか?」

「判らない。でも、守り、ある、かも」
そこでダラが補足する。
「魔除けの護符は安くはありませんが金で買えます。なので全員かはともかく何人かは持っていると考えておいた方がいいと思いますよ」
「そう・・・ですね」

そうなると俺一人の魔術で一掃のは無理かもしれない。
生き残られると確実に俺かナタルゥと目星を付けられるのは目に見えている。
一面ファイアフィールドにして踊って貰っても良いのだが、この馬車の下に逃げ込まれると手が打てない。
俺は最初、檻から出ずにロックオンファイアで一掃とか考えていたが傭兵の皆さんにも手伝って貰った方が良さそうだな。

「となるとダラさんたちの力をお借りしたいのですが、それですと武器が必要ですよね。作りますので種類や長さなどに要望がありましたら言ってください」
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