水晶龍といっしょ ～ダンジョン巡って魔王の種もぎ～（仮題）

【第一章】一部

【呼び出されし者】12.殲滅型魔術 魔王式

傭兵達の最低限の武装を配し脱出の準備を行う。

俺も範囲魔術をもう少し増やしておこうといくつか作ってみたい魔術を作れないか考えてみる。

すべてを凍結させ分子結合すらも断ち切る絶対零度は作ってみたかったんだよな。
なんか格好いいよな。すべてを凍らせ塵と化す超絶魔法って感じで厨二心を擽られるじゃないか。
プリセットされていたアイスを解析すると、【水】【分子運動】【魔力制御】のたった３つだった。
そこで魔術礎を検索する。あった。

【停止】

これで必要な魔術礎が揃った。前に検索した時には無かったと思ったのだけどいつの間にか増えたのか解らないが、何かの切っ掛けが有ったのかもしれない。

範囲空間内を絶対零度にするのを目的に魔術礎を組んでみる。
【キューブ型】【分子運動】【停止】【周辺魔素】【魔素吸収】【魔力制御】

【絶対零度アブソリュートヌルグラッドキューブ(仮)を魔術式一覧に登録しました】

おお、大分魔術式作成にも慣れてきたのかエラーもなく作成できた。
一応俺の想定した結果になるか確認するまで名前に(仮)を付けておく。実験済みかを分かり易くするためだ。

成功していれば範囲内の分子結合が解かれ原子の塵と化す後処理不要の証拠隠滅魔術になるだろう。
魔術抵抗された場合は分子運動停止が効かないので何も起こらないのが欠点かもしれない。

それともうひとつ厨二心擽る凶悪なものを編み出す。

【キューブ型】【玄武岩】【キューブ型】【真空】【周辺魔素】【魔素吸収】【魔力制御】

【真空ヴァキュームキューブ(仮)を魔術式一覧に登録しました】

窒息と鼓膜破壊による平衡感覚を狂わせる状態異常に陥れ重大な後遺症を与える大気魔術だ。
上手くすれはカマイタイによる裂傷も付加できる優れもの。になるはずだ。

人間は真空状態でも暫くは肉体を維持できるが一定以上その状態に曝されると血液内の酸素や窒息が遊離し気泡を作り出し血管を塞ぐ血管閉塞を起こす。
こうなれば自然治癒は絶望的になり、治すには高圧気密室で再度血液に気泡が溶け込むまで閉じ籠って居なければない。しかしその間も気泡が血流に乗り脳に達したり、脳内血管で気泡が生じれば間違いなく脳閉塞を起こし深刻な後遺症となる。
しかも無理矢理呼吸を止め続ければ肺にも深刻なダメージを与える。

魔術抵抗されようがこの範囲から逃れなければ何れはこの症状に陥る。
逃さないために外側に玄武岩による障壁で囲むことで効果を確実にする絶対死なす極悪魔術である。外側の障壁を分厚くすれば呼吸で血液交換を行う生物であれば確殺出来るのではないだろうか。

我ながらえげつないものを作り出してしまった。
塩素ガスなどの毒ガス関連も思い付いたがこの魔術の前では霞んでしまう気がする。

クミン小動物を虐待した罪その身を以てもがき苦しみながら悔いるがよい！


俺が魔王ガ◯ダムだ！