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連載
私の便利道具
しおりを挟むお父様からの要請により書類作成を頼まれた私は、自室に戻り収納空間から作り置きしておいたグラスを10個程机の上に並べる
あとの材料は、私の魔力
イメージを固めて指先を動かす
「できた」
机の上には、28インチ程度のモニターもどきと、ガラス製(補強済)のキーボードもどきにマウスもどき
魔力を流せば、モニターが明るくなったのでキーボードを打ち込めば、文字がモニターにタタタと現れた
ちゃんとイメージ通りに出来たみたいだ
自分の才能(チート能力)が恐ろしい
渡された中で1番古い5年前の資料に目を通しながら、ローゼリアの財政、自領の作物等を文章に起こしつつ、表やグラフも作成していく
わぁ、これを読んで初めて分かったけどお父様ってば、金貨3000枚の年税をずっと立て替えていたんだ
5年前は、自領の産物は小麦のみ
領民からの納税は0
小麦も大した量ではないので売却もせず領内で消費していた感じか…
で、私が領地に行った翌月から小麦、野菜、果物を自領内で作り出して美容品等を売り出して…
改めて数字で見ると凄い勢いで黒字になっていってる
これは、お父様が建て替えていた分も充分補填出来たっぽい
小麦だけだった産物が
小麦、野菜、果物、美容品、装飾品、服飾品、食器類、日用品などとかなり増えた
それに加えて、観光地からの収入
もう別物だね
ついでに、領地のジオラマの初期から一年毎の発展様子も付け加えておこう
ジオラマを出して、マウスでガラスの天板をなぞればジオラマのスキャン完成
…いや、本当になんでも出来るな
今気付いたけど、私のタイピング速度速いな
5年分だけど、量自体はそんなに無かった為にもう終わってしまった
もう一回、収納空間からグラスを10個出してプリンターもどきを作ってプリント開始
プリンターもどきを見ながら、インクとかどうなってんだろ?と、ちょっと自分の能力の不思議さと対面しつつ夕食に呼ばれる時間にはお父様に渡す分と一応自分用の二人分が完成していたので渡す分を持って行こうっと
ベッドの上で寛いでいたくろがねとしらゆきにデザートを渡すと尻尾をブンブン振りながら前脚で器用に数を数えてるのか10個出したうち、一個づつをカプリと食べると残りの8個を今度は口で器用にカゴへ入れて消えた
シエル達のとこへ行ったんだろうな
微笑ましい
2匹とも両親大好きだもんね
食堂へ行くと今日はお兄様は王女殿下と城で夕飯を取り、お母様はお昼のお茶会で疲れて寝ているらしく、お父様だけがいたので資料が出来たと伝えて食事後一緒に執務室へ向かいたいと伝えると完成の早さに驚きつつ資料が見たくて仕方ないとウキウキしている
私のお父様は本当に可愛い。
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