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連載
お父様のお迎え
しおりを挟むダンジョンの外に出て、待機していた教師に宝箱を4階層分見せて本日は帰宅となる。
予定の帰宅時間より早めに終わったので、
帰りの場所が来るまで時間を潰そうと辺りを見回すと、ローゼバルトの家紋の見慣れた馬車が既に停まっていた。
「アンナってば、もう来てくれていたのね」
ブライアンと共に馬車へ近付くと私に気付いたのか、扉が開く。
「アンナ、お待た…せ」
降りて来たのはアンナではなくお父様だった。
「お父様?お出掛けされていたのですか?」
ついでに迎えに来てくれたのかな?
「リーゼ、カインから話を聞いたよ。今から陛下の元へ向かおう。」
「陛下の所へ?カインから?」
「ダンジョンから見付かったものについて、気になる事があってね。」
「あぁ、薔薇モチーフの装飾品ですね!」
「馬車の中で先に見せて貰ってもいいかな?先にヴィルフリートとティアも城へ向かわせてある。さぁ、可愛い我が娘よ。お手をどうぞ。」
「ありがとうございます。」
お父様に支えて貰い馬車へと乗り込んでお父様の対面へと腰を降ろした。
お父様の隣にブライアンが座り、背面をノックすると馬車が走り出したので、収納空間から、4つの箱を取り出してお父様に順番に見せていく。
「こちらが1階層で入手したものです。今、鑑定してしまってもよろしいですか?」
「頼めるかい?」
「はい!」
改めて、木箱に入った粒を見つめて鑑定を始める。
お父様にも分かりやすいように、鑑定内容が見えた方がいいよね。
それなら、部屋に置いてある簡易モニターを取り寄せて内容が表示される様にしてみよう。
粒の上に簡易モニターが出現した事で、鑑定が終わるまで椅子に深く座りながら私を見守っていたお父様が、身を乗り出して簡易モニターを除き込む体制になった。
流石お父様、察しがいいわ!
そして簡易モニターに浮かび上がる文字。
【薔薇の涙】
魔法を帯びた特別な薔薇が残した種
この種を開花させると、宝石の薔薇の花が咲く
宝石の花には魔力付与が出来、様々な使い方が出来る。
「あ、なら他の装飾品はもしかして…」
指輪、ネックレス、ブレスレットを鑑定してみると、この宝石の薔薇の花が使われて居る事が分かった。
ちなみに、現時点では魔力付与は無の状態だった。
「ふむ。魔力付与か。どんな魔法が付与出来てどう使えばいいのかは今の状態では分からないか…。」
お父様が、顎に手を当てて思案顔。
真剣に考えているお顔も素敵だわ!
「陛下に見せてからだけど、リーゼには魔力付与について一緒に考えて貰う事になるけどいいかな?」
「はい。勿論です。」
正直言えば、学園に通ってるよりそういう研究のが楽しそうだからワクワクする。
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