神託が下りまして、今日から神の愛し子です！ 最強チート承りました。では、我慢はいたしません！

連載

商談成立

カオスな状況に頭を抱えていると

「お父様？！」

開かれたままのドアから入って来たのはマライア様
あぁ、救世主
マライア様にとっては父親の額グリグリ土下座なんて見たくなかったかもしれないけども…
止められなかった無力な私を許して

「おぉ。マライア！ローゼバルト公爵御息女様はなんともお心が深いな！」

いや、言葉と状況が全くもって一致していないけどね…

「そうでしょう！！リーゼロッテ様は私の自慢のお友達なのよ！！」

いや、そのまま会話するの？！
自慢のお友達が、父親を土下座させている様な状況ってあるの？！

「も、もう…無理ぃっ」

教員が笑い崩れた模様
なんとか、伯爵には立って頂かないと！！

「それでね、お父様！うちの領地の真珠なんだけどね」

「あぁ！勿論慰謝料にお渡ししよう！！」

なんでそのまま会話するの！
あと、慰謝料なんて要らないから！！


「あ、あの、マライア様！！とりあえず伯爵様には椅子に掛けて頂きたいわ！」

「そうですよね！話辛いですものね！ほら、お父様！ちゃんと座って！」

「う、うむ。…ぐはぁ！！」

「お父様？！」

立とうとした伯爵が膝を押さえて倒れ込んだ
いや、うん、フライング土下座の時凄い音してたもんね…

「うひぃー！！」

教員が奇声を上げて笑い転げてる。
なんて失礼な人なの！！

ええ、私が伯爵の膝に治療魔法をお掛けしますよ
だから、また土下座しようとするのはやめて下さい

なんとか伯爵様には椅子に座って貰いその隣にはマライア様が椅子に座った

教員は煩かったので魔法で寝かしつけておいて、2人の対面に椅子を持ってきて腰を下ろす

「マライア様、伯爵様に改めてご紹介と説明をして頂けるかしら？」

1番落ち着いているマライア様に丸投げしよう
まだ少し衝撃を受けた事で私も頭が回らない

マライア様にランチの時の会話を説明される伯爵様は鼻の穴を広げながら、うんうんと相槌を打ち、説明が終わると私に目からビームを飛ばして来そうな程目を見開き了承をしてくれた

内容的には、真珠貝10ダースと私のおすすめ調味料セット
真珠貝50ダースとレシピ一枚

…大丈夫？
価格設定おかしくない？
真珠って一粒いくら？？
真珠って宝石だよね？？
私、ぼったくりじゃない？？

希少性を考えたらこうなるって？
私、魔法で直ぐ出せるよ…
領地の為に、ちゃんと原材料から作って貰ってるけどさ…
直ぐに出せるんだよ
なんなら、絶対真珠も出せる
これは、関係を結ぶ為の提案であってさ…
なんか悪い事してる気分…


でも目の前で、めちゃくちゃ喜んでる2人を見るとその条件で受け入れていいんだろうなって思いはある

「あ、もしかして真珠の数が足りませんか？」


私の微妙な表情を見てマライア様がそう言ったので迷いは捨てた

「いえ、素晴らしい条件を感謝致します」


商談即纏まりました