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~幼少期から中高生時代~

幼い日の記憶

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───────…
───────……


「リョウちゃん、学校 いこうよぉ~~」


あの日は、18年前の4月5日――
小学校の入学式の前日だった。


リョウちゃんのお母さんが天国へ行っちゃった。
とってもとっても悲しかった。
だけど……


リョウちゃんは……
それ以上に悲しかったかもしれない……


「オレ、学校 行かねぇ」
入学式の当日に、ポツリと一言。


「男の子でしょ? 
サオリがついててあげるからぁ~」

って、半ば強引に学校まで引っ張って行ったこともあった。



……なのに。



リョウちゃんのお母さんがいなくなって、1年後。
私は、親の仕事の都合で転校することになっちゃった。
リョウちゃんと離れないといけない。


お別れの言葉も何も言えないまま……
何度も何度も、後悔した。




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