【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。

五月ふう

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41.幸せだよ Side ポール

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【Sideポール】

(ドントール国王の重大な罪……。)

 もちろん、ドントール国王は沢山の罪を犯してる。あの男がいなければ、リックストンの兵士が犠牲になることはなかった。だが、あの戦いは、一応宣戦布告に基づいて行わられたものだ。それに、形式上、現在リックストン国とドントール国は社会的に抹殺するためには、もっと具体的な罪が必要になるのではないか。

「ああ、マティア、わかるよな?」

 テオがマティアに問いかけると、彼女は意を決した顔で頷いた。

「ええ。ドントール国王が……私を利用して、ポールを亡き者にしようとしていたことよね。」

 (マティアを利用して、僕を殺そうとしていた……?)

「そんなことを……。」

 ポールは言葉が出ない。

「もちろん絶対に、私はそんなことをしないわ。」

「わかってるよ。」

 マティアは念を押した。

 (そんなものまで、君は背負っていたのか……。)

「ドントール国王が娘に命じて、ドントール国の皇太子を殺そうとしていた。その事実を各国から王族や要人がいる場所で、明らかにするんだ。証拠と一緒にな。」

「だがそんなことしたら、マティアがなんと言われるか……。」

「それを実の娘であるマティアが告発することに意味があるんだ。他の人間が言ったらもみ消されてしまうかもしれなくても……娘が命がけで言った言葉なら、皆信じるかもしれない。」

「だが……。」

「それによって、ドントール国王を抹殺するんだ。一滴の血も流すことなくな。」

「……いい考えね。」

 マティアは笑って頷いた。

「私が考えていた方法よりも100倍平和な方法だわ。」

 (どんな方法を考えていたんだ?)

「すべての事実を明らかにして、ドントール国王を退位させましょう。そうしたらきっと、リックストンとドントール国の戦いは止められるわ。」

 マティアはにっこりと笑った。

「もう一つ問題があるだろ?」

「ん?」

「各国から王族や要人をどうやって集めるんだ?」

 つい2日前に、ポールとマティアの結婚式が行われたばかりだ。ドントール国王がリックストン国を侵攻するまであまり時間は無いが、短期間に各国から人を集めるのは難しい。

「結婚式を開くんだよ。」

 テオの言葉に、マティアとポールは首を傾げた。

「二回目の結婚式を開くっていうこと?」

「違うぞ。」

 テオは一体なにを言っているのだろう。この男のいうことは全く予測がつかない。

「じゃあどういうことだ?」

「よく考えてみろ。ここにいる中で結婚していない奴は誰だ?」

 マティアとポールは顔を見合わせた。

 (まさか?)

「て、テオしかいないけれど……。」

 テオは胸を張った。

「結婚式をあげるのは俺だ!それしかないだろ?」

「えええええっと?相手は誰?」

 驚くマティアを見て、テオは少しだけ寂しそうに笑った。

「秘密だ。今ちょうど、結婚式をあげないかって提案してるとこだよ。」

(お前は一体誰と結婚するんだよ?)

「本当にそれでいいのか?テオ?」

(お前はマティアが好きなんだろう?)

 テオは相変わらず少し眠そうな、優しい笑顔を浮かべた。

「なんの話をしているんだ。俺は幸せだぜ?」
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