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41.幸せだよ Side ポール
しおりを挟む【Sideポール】
(ドントール国王の重大な罪……。)
もちろん、ドントール国王は沢山の罪を犯してる。あの男がいなければ、リックストンの兵士が犠牲になることはなかった。だが、あの戦いは、一応宣戦布告に基づいて行わられたものだ。それに、形式上、現在リックストン国とドントール国は社会的に抹殺するためには、もっと具体的な罪が必要になるのではないか。
「ああ、マティア、わかるよな?」
テオがマティアに問いかけると、彼女は意を決した顔で頷いた。
「ええ。ドントール国王が……私を利用して、ポールを亡き者にしようとしていたことよね。」
(マティアを利用して、僕を殺そうとしていた……?)
「そんなことを……。」
ポールは言葉が出ない。
「もちろん絶対に、私はそんなことをしないわ。」
「わかってるよ。」
マティアは念を押した。
(そんなものまで、君は背負っていたのか……。)
「ドントール国王が娘に命じて、ドントール国の皇太子を殺そうとしていた。その事実を各国から王族や要人がいる場所で、明らかにするんだ。証拠と一緒にな。」
「だがそんなことしたら、マティアがなんと言われるか……。」
「それを実の娘であるマティアが告発することに意味があるんだ。他の人間が言ったらもみ消されてしまうかもしれなくても……娘が命がけで言った言葉なら、皆信じるかもしれない。」
「だが……。」
「それによって、ドントール国王を抹殺するんだ。一滴の血も流すことなくな。」
「……いい考えね。」
マティアは笑って頷いた。
「私が考えていた方法よりも100倍平和な方法だわ。」
(どんな方法を考えていたんだ?)
「すべての事実を明らかにして、ドントール国王を退位させましょう。そうしたらきっと、リックストンとドントール国の戦いは止められるわ。」
マティアはにっこりと笑った。
「もう一つ問題があるだろ?」
「ん?」
「各国から王族や要人をどうやって集めるんだ?」
つい2日前に、ポールとマティアの結婚式が行われたばかりだ。ドントール国王がリックストン国を侵攻するまであまり時間は無いが、短期間に各国から人を集めるのは難しい。
「結婚式を開くんだよ。」
テオの言葉に、マティアとポールは首を傾げた。
「二回目の結婚式を開くっていうこと?」
「違うぞ。」
テオは一体なにを言っているのだろう。この男のいうことは全く予測がつかない。
「じゃあどういうことだ?」
「よく考えてみろ。ここにいる中で結婚していない奴は誰だ?」
マティアとポールは顔を見合わせた。
(まさか?)
「て、テオしかいないけれど……。」
テオは胸を張った。
「結婚式をあげるのは俺だ!それしかないだろ?」
「えええええっと?相手は誰?」
驚くマティアを見て、テオは少しだけ寂しそうに笑った。
「秘密だ。今ちょうど、結婚式をあげないかって提案してるとこだよ。」
(お前は一体誰と結婚するんだよ?)
「本当にそれでいいのか?テオ?」
(お前はマティアが好きなんだろう?)
テオは相変わらず少し眠そうな、優しい笑顔を浮かべた。
「なんの話をしているんだ。俺は幸せだぜ?」
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