6 / 10
5.ふふふっ、楽しくなってきたじゃないの!
しおりを挟む
「こんな絶好の機会、逃すわけないじゃないですかぁ~。」
(そうね、私も、あなたが私を殺しにくると思っていたわ。メル。)
「この機会を待っていたのは、私も一緒よ、メル。」
そう言って、ラーニャはメルの拳銃を蹴り上げた。
ガシャーン‼
拳銃が天井を舞い、シャンデリアが揺れる。
「ラーニャを撃って‼」
メルが部下の男たちに向かって叫んだが、そのままの勢いでラーニャは剣を抜き、一人の男が持っていた拳銃を叩き落とし、思い切り踏みつけた。
「ふふふっ、楽しくなってきたじゃないの!」
ラーニャは笑う。負けるだなんて、ラーニャはみじんも思っていない。この状況は彼女が狙って作り出したものである。
「この戦闘狂がっ!」
拳銃を粉々にされたメルは、顔をしかめて吐き捨てる。
「よく言われるわっ。」
そういいながら、ラーニャは五人の男からの攻撃をかわして、なぎ倒している。昔から、戦いが好きだったし、ヒーローに憧れていた。
「儂も戦いに加わりましょうかの?」
「大丈夫よ、ありがとうステフ。」
一人の男を戦闘不能状態にしながら、ラーニャはステフに答える。残る男はあと3人。ラーニャが余裕の笑みを浮かべるのとは対照的に、メルの顔には焦りが浮かんでいる。
「爺に何ができるっていうのよ!」
「小娘一人くらい、儂でも抑えられるぞ。」
「ぐへっ!変態っ離しなさいよ‼」
執事のステフがメルを捉えるのを片眼で見ながら、ラーニャは小さく息を吐く。残る男は二人。レンビードは戦闘に加わることはせず、その場に立ち尽くしている。当然だ。彼は、喧嘩など、一度もしたことがないのだ。
(レンビードはどれくらい、私を殺そうとする計画にかかわっていたんだろう?実行犯はメルで…レンビードは私を殺す気がなかったりしないかな?)
この期に及んで、ラーニャはそんなことを考えている。
「うぐっっ。」
また一人男が倒れて、残るは一人。
「観念しなさい‼あなたたちの負けよっ‼」
そう、ラーニャが叫んだ時。
「まだ、負けてない。死ぬのはお前だ。」
(そうね、私も、あなたが私を殺しにくると思っていたわ。メル。)
「この機会を待っていたのは、私も一緒よ、メル。」
そう言って、ラーニャはメルの拳銃を蹴り上げた。
ガシャーン‼
拳銃が天井を舞い、シャンデリアが揺れる。
「ラーニャを撃って‼」
メルが部下の男たちに向かって叫んだが、そのままの勢いでラーニャは剣を抜き、一人の男が持っていた拳銃を叩き落とし、思い切り踏みつけた。
「ふふふっ、楽しくなってきたじゃないの!」
ラーニャは笑う。負けるだなんて、ラーニャはみじんも思っていない。この状況は彼女が狙って作り出したものである。
「この戦闘狂がっ!」
拳銃を粉々にされたメルは、顔をしかめて吐き捨てる。
「よく言われるわっ。」
そういいながら、ラーニャは五人の男からの攻撃をかわして、なぎ倒している。昔から、戦いが好きだったし、ヒーローに憧れていた。
「儂も戦いに加わりましょうかの?」
「大丈夫よ、ありがとうステフ。」
一人の男を戦闘不能状態にしながら、ラーニャはステフに答える。残る男はあと3人。ラーニャが余裕の笑みを浮かべるのとは対照的に、メルの顔には焦りが浮かんでいる。
「爺に何ができるっていうのよ!」
「小娘一人くらい、儂でも抑えられるぞ。」
「ぐへっ!変態っ離しなさいよ‼」
執事のステフがメルを捉えるのを片眼で見ながら、ラーニャは小さく息を吐く。残る男は二人。レンビードは戦闘に加わることはせず、その場に立ち尽くしている。当然だ。彼は、喧嘩など、一度もしたことがないのだ。
(レンビードはどれくらい、私を殺そうとする計画にかかわっていたんだろう?実行犯はメルで…レンビードは私を殺す気がなかったりしないかな?)
この期に及んで、ラーニャはそんなことを考えている。
「うぐっっ。」
また一人男が倒れて、残るは一人。
「観念しなさい‼あなたたちの負けよっ‼」
そう、ラーニャが叫んだ時。
「まだ、負けてない。死ぬのはお前だ。」
173
あなたにおすすめの小説
病弱を演じていた性悪な姉は、仮病が原因で大変なことになってしまうようです
柚木ゆず
ファンタジー
優秀で性格の良い妹と比較されるのが嫌で、比較をされなくなる上に心配をしてもらえるようになるから。大嫌いな妹を、召し使いのように扱き使えるから。一日中ゴロゴロできて、なんでも好きな物を買ってもらえるから。
ファデアリア男爵家の長女ジュリアはそんな理由で仮病を使い、可哀想な令嬢を演じて理想的な毎日を過ごしていました。
ですが、そんな幸せな日常は――。これまで彼女が吐いてきた嘘によって、一変してしまうことになるのでした。
お姉様、今度は貴方の恋人をもらいますわ。何でも奪っていく妹はそう言っていますが、その方は私の恋人ではありませんよ?
柚木ゆず
恋愛
「すでに気付いているんですのよ。わたくしやお父様やお母様に隠れて、交際を行っていることに」
「ダーファルズ伯爵家のエドモン様は、雄々しく素敵な御方。お顔も財力も最上級な方で、興味を持ちましたの。好きに、なってしまいましたの」
私のものを何でも欲しがる、妹のニネット。今度は物ではなく人を欲しがり始め、エドモン様をもらうと言い出しました。
確かに私は、家族に隠れて交際を行っているのですが――。その方は、私にしつこく言い寄ってきていた人。恋人はエドモン様ではなく、エズラル侯爵家のフレデリク様なのです。
どうやらニネットは大きな勘違いをしているらしく、自身を溺愛するお父様とお母様の力を借りて、そんなエドモン様にアプローチをしてゆくみたいです。
わたくしを追い出した王太子殿下が、一年後に謝罪に来ました
柚木ゆず
ファンタジー
より優秀な力を持つ聖女が現れたことによってお払い箱と言われ、その結果すべてを失ってしまった元聖女アンブル。そんな彼女は古い友人である男爵令息ドファールに救われ隣国で幸せに暮らしていたのですが、ある日突然祖国の王太子ザルースが――アンブルを邪険にした人間のひとりが、アンブルの目の前に現れたのでした。
「アンブル、あの時は本当にすまなかった。謝罪とお詫びをさせて欲しいんだ」
現在体調の影響でしっかりとしたお礼(お返事)ができないため、最新の投稿作以外の感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
婚約者マウントを取ってくる幼馴染の話をしぶしぶ聞いていたら、あることに気が付いてしまいました
柚木ゆず
恋愛
「ベルティーユ、こうして会うのは3年ぶりかしらっ。ねえ、聞いてくださいまし! わたくし一昨日、隣国の次期侯爵様と婚約しましたのっ!」
久しぶりにお屋敷にやって来た、幼馴染の子爵令嬢レリア。彼女は婚約者を自慢をするためにわざわざ来て、私も婚約をしていると知ったら更に酷いことになってしまう。
自分の婚約者の方がお金持ちだから偉いだとか、自分のエンゲージリングの方が高価だとか。外で口にしてしまえば大問題になる発言を平気で行い、私は幼馴染だから我慢をして聞いていた。
――でも――。そうしていたら、あることに気が付いた。
レリアの婚約者様一家が経営されているという、ルナレーズ商会。そちらって、確か――
私を捨てた元婚約者が、一年後にプロポーズをしてきました
柚木ゆず
恋愛
魅力を全く感じなくなった。運命の人ではなかった。お前と一緒にいる価値はない。
かつて一目惚れをした婚約者のクリステルに飽き、理不尽に関係を絶った伯爵令息・クロード。
それから1年後。そんな彼は再びクリステルの前に現れ、「あれは勘違いだった」「僕達は運命の赤い糸で繋がってたんだ」「結婚してくれ」と言い出したのでした。
ワガママを繰り返してきた次女は
柚木ゆず
恋愛
姉のヌイグルミの方が可愛いから欲しい、姉の誕生日プレゼントの方がいいから交換して、姉の婚約者を好きになったから代わりに婚約させて欲しい。ロートスアール子爵家の次女アネッサは、幼い頃からワガママを口にしてきました。
そんなアネッサを両親は毎回注意してきましたが聞く耳を持つことはなく、ついにアネッサは自分勝手に我慢の限界を迎えてしまいます。
『わたくしは酷く傷つきました! しばらく何もしたくないから療養をさせてもらいますわ! 認められないならこのお屋敷を出ていきますわよ!!』
その結果そんなことを言い出してしまい、この発言によってアネッサの日常は大きく変化してゆくこととなるのでした。
※現在体調不良による影響で(すべてにしっかりとお返事をさせていただく余裕がないため)、最新のお話以外の感想欄を閉じさせていただいております。
※11月23日、本編完結。後日、本編では描き切れなかったエピソードを番外編として投稿させていただく予定でございます。
幸せじゃないのは聖女が祈りを怠けたせい? でしたら、本当に怠けてみますね
柚木ゆず
恋愛
『最近俺達に不幸が多いのは、お前が祈りを怠けているからだ』
王太子レオンとその家族によって理不尽に疑われ、沢山の暴言を吐かれた上で監視をつけられてしまった聖女エリーナ。そんなエリーナとレオン達の人生は、この出来事を切っ掛けに一変することになるのでした――
皆さん、覚悟してくださいね?
柚木ゆず
恋愛
わたしをイジメて、泣く姿を愉しんでいた皆さんへ。
さきほど偶然前世の記憶が蘇り、何もできずに怯えているわたしは居なくなったんですよ。
……覚悟してね? これから『あたし』がたっぷり、お礼をさせてもらうから。
※体調不良の影響でお返事ができないため、日曜日ごろ(24日ごろ)まで感想欄を閉じております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる