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一章 メイクオタク地味子
遊園地①
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「ついたー! さ、めいいっぱい遊ぶぞ!」
遊園地内に入った途端そう声を上げたのは工藤くんだ。
「まずはジェットコースターだろ⁉ 絶叫ものは外せないぜ!」
「慎也、女子を置いてけぼりにするなよ。本来の目的は交流を深めることだろ?」
みんなを置いていく勢いで進んで行く工藤くんに、花田くんが制止の声を掛けた。
見た目チャラ男っぽいけれど、何だか工藤くんのお兄さんみたいに見える。
二人とも学校で見ているときとイメージが違っていて新鮮だ。
「ああそっか、ごめん。女子は絶叫もの苦手な人いる?」
叱られて工藤くんがこっちを見て言う。
それでも絶叫ものに乗るのは絶対なのか、と私は内心苦笑した。
「あ、さくら苦手じゃなかったっけ? 大丈夫?」
聞かれて、美智留ちゃんがさくらちゃんを見る。
「大丈夫だよ」
笑顔でそう答えたさくらちゃんだったけど、ちょっと無理しているように見えた。
本当に大丈夫なのかな?
無理してまで乗りたいの?
何で?
疑問に思いつつ、突っ込まないでおく。
「じゃーあれ乗ろうぜ」
と工藤くんが指さしたのはこの遊園地の売りでもある一番大きなジェットコースター。
これから乗るんだと思って見ているだけでドキドキして来る。
ぞろぞろと向かう途中、花田くんが「飲み物買ってくるよ、皆何が良い?」と言い出した。
みんなが思い思いのドリンクを口にする中、私は紅茶を頼む。
一人だと持つの大変じゃないかな? と思っていると、さくらちゃんが名乗り出た。
「花田くん、私も手伝うよ」
「おう、サンキュ」
そうして二人が離れていくと、私たちは先にジェットコースターの行列に並びに行く。
歩きながら美智留ちゃんが近付いてきて、こそっと耳打ちして来る。
「あのさ、本人に内緒で言っちゃうのもどうかと思うんだけど……さくらって花田のこと好きなのよ」
それを聞いた私は驚いて美智留ちゃんを見る。
確かに言われてみれば、さっきもさくらちゃんは頬をピンク色に染めていた。
もしかして苦手なジェットコースターに乗ると言ったのも、花田くんと乗りたいからじゃないだろうか。
「だからさ、灯里もさくらのこと応援して協力してくれない?」
メイクオタクな私は恋愛には疎くて、どう協力すればいいのか分からない。
でも可愛いさくらちゃんのためになるなら協力を惜しむなんてことはしない。
というか、初めからそんな選択肢はない。
「もちろん良いよ!」
と少し勢い込んで答える。
「あ、でも何をすればいいかとかは分からないよ?」
そして今度は控えめに告げた。
美智留ちゃんは「ありがとう」と言った後で具体的な協力の仕方を話してくれる。
「大丈夫、難しいことは頼まないよ。さくらと花田が二人でアトラクションに乗れるようにしてくれればいいから」
「うん、分かった」
それくらいなら私にも出来そうだ。
飲み物を買いに行っていた二人と合流して行列に並ぶ。
人気のアトラクションだけれど、開園間際につくように早めに来たからかそれほど待たなくても済んだ。
「司、乗ろうぜ」
工藤くんがそう言って進もうとするのを花田くんが止める。
「だから慎也、目的忘れるなって」
「あ、そっか。じゃあ……日高、一緒に乗ろうぜ」
そうして日高くんの返事も聞かず腕を掴んで先に行ってしまった。
「じゃあ灯里は私と行こ?」
美智留ちゃんがすかさずそう言ってわたしの腕を取る。
「うん、そうだね。行こう」
美智留ちゃんナイス! と思いながら付いて行く。
これでさくらちゃんは花田くんと乗れるよね。
でも協力しようと軽く意気込んでいたのに、結局私は何も出来なかった。
美智留ちゃんは状況判断が早くて凄いなぁ。
私、ちゃんと協力出来るんだろうか。
不安になったけれど、取りあえず邪魔だけはしない様に気を付けよう。
そう気を取り直し、私はジェットコースターを楽しんだ。
***
絶叫ものに乗ったのは二年ぶりくらい。
というか、遊園地に来たのも久しぶりだった。
久しぶりのジェットコースターは絶叫しっぱなしで、喉が痛い。
ドキドキハラハラで楽しくもあったんだけれど……。
結果、私はさくらちゃんと日高くんと一緒にベンチで潰れていた。
「女子二人はともかく……日高、お前もか」
工藤くんが呆れの眼差しで日高くんを見下ろしている。
「……いや、ちょっと今日は寝不足で……」
言い訳をする日高くんだけれど、気持ち悪そうでそれ以上は言葉が出せないみたいだった。
「三人は俺が見てるからさ、慎也たちは遊んで来いよ。一つか二つほど乗ってくれば三人も動けるようになってるだろ」
「そっか? わりぃな、司」
と言いつつも、工藤くんは嬉しそうだ。
まあ、遊びに来たのに潰れている人を介抱して時間が潰れるのは嫌だよね。
「心配だけど……花田が見てくれてるなら安心かな」
美智留ちゃんが心配そうな顔で私たちを覗き込む。
その表情はちょっと何かを迷っているようで、どうしたのかと考えているとピンときた。
きっと私たちが心配だから自分が残ろうか? と言いたいのかもしれない。
でも、そうなったら花田くんが工藤くんと遊びに行ってしまうだろうし……。
私はぎこちないけれど任せてと言うように笑顔を見せる。
「大丈夫。こっちは任せて?」
「灯里……頼んだよ」
私の意図が伝わったのか、美智留ちゃんは頷いた。
「私たちのことは気にしないで……。遊んできて?」
さくらちゃんもそう言ったので、美智留ちゃんは「分かった」と離れて行く。
「……じゃあ花田、お願いね」
「おう、行って来いよ」
そんなやり取りをして美智留ちゃんと工藤くんはアトラクションの方に向かった。
遊園地内に入った途端そう声を上げたのは工藤くんだ。
「まずはジェットコースターだろ⁉ 絶叫ものは外せないぜ!」
「慎也、女子を置いてけぼりにするなよ。本来の目的は交流を深めることだろ?」
みんなを置いていく勢いで進んで行く工藤くんに、花田くんが制止の声を掛けた。
見た目チャラ男っぽいけれど、何だか工藤くんのお兄さんみたいに見える。
二人とも学校で見ているときとイメージが違っていて新鮮だ。
「ああそっか、ごめん。女子は絶叫もの苦手な人いる?」
叱られて工藤くんがこっちを見て言う。
それでも絶叫ものに乗るのは絶対なのか、と私は内心苦笑した。
「あ、さくら苦手じゃなかったっけ? 大丈夫?」
聞かれて、美智留ちゃんがさくらちゃんを見る。
「大丈夫だよ」
笑顔でそう答えたさくらちゃんだったけど、ちょっと無理しているように見えた。
本当に大丈夫なのかな?
無理してまで乗りたいの?
何で?
疑問に思いつつ、突っ込まないでおく。
「じゃーあれ乗ろうぜ」
と工藤くんが指さしたのはこの遊園地の売りでもある一番大きなジェットコースター。
これから乗るんだと思って見ているだけでドキドキして来る。
ぞろぞろと向かう途中、花田くんが「飲み物買ってくるよ、皆何が良い?」と言い出した。
みんなが思い思いのドリンクを口にする中、私は紅茶を頼む。
一人だと持つの大変じゃないかな? と思っていると、さくらちゃんが名乗り出た。
「花田くん、私も手伝うよ」
「おう、サンキュ」
そうして二人が離れていくと、私たちは先にジェットコースターの行列に並びに行く。
歩きながら美智留ちゃんが近付いてきて、こそっと耳打ちして来る。
「あのさ、本人に内緒で言っちゃうのもどうかと思うんだけど……さくらって花田のこと好きなのよ」
それを聞いた私は驚いて美智留ちゃんを見る。
確かに言われてみれば、さっきもさくらちゃんは頬をピンク色に染めていた。
もしかして苦手なジェットコースターに乗ると言ったのも、花田くんと乗りたいからじゃないだろうか。
「だからさ、灯里もさくらのこと応援して協力してくれない?」
メイクオタクな私は恋愛には疎くて、どう協力すればいいのか分からない。
でも可愛いさくらちゃんのためになるなら協力を惜しむなんてことはしない。
というか、初めからそんな選択肢はない。
「もちろん良いよ!」
と少し勢い込んで答える。
「あ、でも何をすればいいかとかは分からないよ?」
そして今度は控えめに告げた。
美智留ちゃんは「ありがとう」と言った後で具体的な協力の仕方を話してくれる。
「大丈夫、難しいことは頼まないよ。さくらと花田が二人でアトラクションに乗れるようにしてくれればいいから」
「うん、分かった」
それくらいなら私にも出来そうだ。
飲み物を買いに行っていた二人と合流して行列に並ぶ。
人気のアトラクションだけれど、開園間際につくように早めに来たからかそれほど待たなくても済んだ。
「司、乗ろうぜ」
工藤くんがそう言って進もうとするのを花田くんが止める。
「だから慎也、目的忘れるなって」
「あ、そっか。じゃあ……日高、一緒に乗ろうぜ」
そうして日高くんの返事も聞かず腕を掴んで先に行ってしまった。
「じゃあ灯里は私と行こ?」
美智留ちゃんがすかさずそう言ってわたしの腕を取る。
「うん、そうだね。行こう」
美智留ちゃんナイス! と思いながら付いて行く。
これでさくらちゃんは花田くんと乗れるよね。
でも協力しようと軽く意気込んでいたのに、結局私は何も出来なかった。
美智留ちゃんは状況判断が早くて凄いなぁ。
私、ちゃんと協力出来るんだろうか。
不安になったけれど、取りあえず邪魔だけはしない様に気を付けよう。
そう気を取り直し、私はジェットコースターを楽しんだ。
***
絶叫ものに乗ったのは二年ぶりくらい。
というか、遊園地に来たのも久しぶりだった。
久しぶりのジェットコースターは絶叫しっぱなしで、喉が痛い。
ドキドキハラハラで楽しくもあったんだけれど……。
結果、私はさくらちゃんと日高くんと一緒にベンチで潰れていた。
「女子二人はともかく……日高、お前もか」
工藤くんが呆れの眼差しで日高くんを見下ろしている。
「……いや、ちょっと今日は寝不足で……」
言い訳をする日高くんだけれど、気持ち悪そうでそれ以上は言葉が出せないみたいだった。
「三人は俺が見てるからさ、慎也たちは遊んで来いよ。一つか二つほど乗ってくれば三人も動けるようになってるだろ」
「そっか? わりぃな、司」
と言いつつも、工藤くんは嬉しそうだ。
まあ、遊びに来たのに潰れている人を介抱して時間が潰れるのは嫌だよね。
「心配だけど……花田が見てくれてるなら安心かな」
美智留ちゃんが心配そうな顔で私たちを覗き込む。
その表情はちょっと何かを迷っているようで、どうしたのかと考えているとピンときた。
きっと私たちが心配だから自分が残ろうか? と言いたいのかもしれない。
でも、そうなったら花田くんが工藤くんと遊びに行ってしまうだろうし……。
私はぎこちないけれど任せてと言うように笑顔を見せる。
「大丈夫。こっちは任せて?」
「灯里……頼んだよ」
私の意図が伝わったのか、美智留ちゃんは頷いた。
「私たちのことは気にしないで……。遊んできて?」
さくらちゃんもそう言ったので、美智留ちゃんは「分かった」と離れて行く。
「……じゃあ花田、お願いね」
「おう、行って来いよ」
そんなやり取りをして美智留ちゃんと工藤くんはアトラクションの方に向かった。
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