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三章 中間テストと告白
作戦会議②
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『…………』
頑張って言ったのに、沈黙が漂う。
「えっと……」
固まっている二人にどうしたらいいのか分からない。
戸惑っていると、最初に声を上げたのは美智留ちゃんだった。
「え……えええぇぇぇ⁉」
「っちょ! 声大きい!」
これでもかというほどの声量で驚きを表した美智留ちゃんを慌てて止めた。
さくらちゃんは驚きからか固まっていて、ただでさえ大きい目を見開いて微動だにしない。
「えっと、それってほっぺとか?」
「ううん、口」
少し冷静さを取り戻した美智留ちゃんの質問に私はサラッと答える。
一番言いにくいことを言えたからかな? ためらいはなかった。
「え? ホントに? うわぁ……想像以上だった」
「キス……」
呆然と呟く美智留ちゃんとさくらちゃんに、私はそのままどういう経緯でキスされたのかを一通り話す。
「えーっと……つまり日高に朝と夜のご飯もちゃんとバランスよく食べて欲しいってお願いしたら、ご褒美があればやるって言われて? 了承したらキスされた、と?」
「うん、そういう事」
本当はスキンケアをしてほしいって頼んだんだけどね。
でもそれ言っちゃうと私がメイク大好きって秘密まで言わなきゃならなくなるし、ここは食事に関してのことだけ伝えておく。
一通り説明を終えて、美智留ちゃんが確認をする頃にはさくらちゃんも落ち着いていた。
「日高って、思っていたより手が早かったんだね……」
美智留ちゃんは感心しているような呆れているような感想を漏らす。
そしてさくらちゃんは――。
「キス、嫌じゃなかったの? それって、日高くんは灯里ちゃんの事好きってこと? 灯里ちゃんはどう思ってるの?」
何故かすっごく目をキラキラさせて質問攻めをしてきている。
「えっと、触れるだけだったし、びっくりしたってのが大きくて嫌かどうかまではよく分からなくて……」
さくらちゃんの変貌ぶりにタジタジになっていた私は律儀に質問に答えてしまった。
「さくらちゃん? 何だか楽しそうなんだけど……?」
「うん! だって、二人は私の恋応援してくれてそれはそれで嬉しいんだけど、でも私も友達の恋の応援とかしたかったんだもん! 美智留ちゃんは今好きな人いないって言うし」
「そ、そうなんだ……」
確かに、私もさくらちゃんの恋応援したいって思ってるし……ね。
さくらちゃんの言葉に、取りあえず理解を示す。
「でも、私のは恋とかじゃないと思うんだけど……」
喜んでいるさくらちゃんには申し訳ないけれど、そこはハッキリ告げた。
相談したいのはまさにその事。
「キスされて、私が固まってるうちに日高くんは帰っちゃったから……。だからどうしてキスがご褒美になるか分からなかったの」
私が話し始めると、さくらちゃんは口を閉じて黙って聞いてくれた。
美智留ちゃんも私をじっと見て聞いてくれている。
「それで、昨日勉強中に筆談でからかったの?って聞いたら、それもあるなって」
「はぁ?」
途中で美智留ちゃんがそんな怒りの声を上げたけれど、私はそのまま続けた。
「で、続けてこう書いて来たの。『でも、本気だ』って」
「それって……」
軽く息を呑んださくらちゃんが目を見開く。
「私、本気でからかってるってこと? どういうことなの?って良く分からなくなって……。日高くんの顔を見たら何だか真剣な顔だったし……それで余計分からなくなって逃げちゃったんだけど……」
そこまで話して、私は意を決して顔を上げ二人に聞いた。
「ねぇ、日高くんはやっぱり私をからかってただけってことなのかな?」
『……』
また揃って沈黙。
それは良い。
でも、何で二人そろって無表情になっちゃってるの?
しかもジト目だ。
私変なこと言った?
「灯里ちゃん」
さくらちゃんが可哀想なものを見るような目を向けて口を開く。
「それ、本気で言ってるんだよね……?」
「もちろん、本気だけど……?」
何の確認なのか。
でも私の答えを聞くとさくらちゃんは目を伏せて溜息をついた。
え? 何? その反応はちょっと傷つくんだけど……。
「あー、その答えは私たちが言うべきことじゃないと思うよ?」
気まずそうに眼を逸らしながら言う美智留ちゃん。
逆にさくらちゃんは真っ直ぐ私の目を見た。
「直接、ハッキリと日高くんに聞いた方がいいと思うよ? 私の事好きなのかって」
「ええ⁉ いや、それは一番ないかと……」
一応考えつつもすぐに却下したことを聞けと言われて、すぐさまありえないと訴える。
けれど……。
「それはもう良いから。とにかくさくらの言う通りに聞いてみな?」
「大丈夫、とにかく本人にそう聞くのが一番だと思うから」
美智留ちゃんとさくらちゃんから揃って言われて、私の訴えは届かない。
仕方なく私は「分かった」と了承するしかなかった。
そのまま昼休みの時間が少ないという事で、教室に慌てて戻る。
何だか困惑気味な気分だったけれど、取りあえず日高くんに急いで軽食を渡しに行った。
まだ予鈴も鳴っていないし、今のうちに食べて貰わないと。
「ごめん、教室出る前に渡そうと思ってたんだけど……」
そう言って手渡すと、日高くんは瞬きをして私と軽食を見比べた。
「持って来てたのか」
「もちろん、約束したじゃない。それともいらなかった?」
「いや、良かった……」
何故か安心した様な表情。
良く分からないけれど、渡して良かったんだよね?
「もしかして避けられてんのかな、と思ってた」
「……」
まあ、ある意味避けてたかもしれない。
だって、まともに顔合わせられなかったもん。
でも美智留ちゃんたちに話せたからか、少し余裕が出来たみたいだ。
私は軽食を食べ始める日高くんを見て、少し迷ったけれど口を開く。
「ちょっと話があるからさ、帰り一緒に帰らない?」
一番ありえないと思うけれど、二人に揃って言われたことだから聞いてみようと思った。
どっちにしろ、やっぱり日高くんの気持ちは本人に聞かないと分からないからね。
「ああ、いいぜ」
その返事を聞いて、私は次の授業の準備のため自分の席に戻った。
頑張って言ったのに、沈黙が漂う。
「えっと……」
固まっている二人にどうしたらいいのか分からない。
戸惑っていると、最初に声を上げたのは美智留ちゃんだった。
「え……えええぇぇぇ⁉」
「っちょ! 声大きい!」
これでもかというほどの声量で驚きを表した美智留ちゃんを慌てて止めた。
さくらちゃんは驚きからか固まっていて、ただでさえ大きい目を見開いて微動だにしない。
「えっと、それってほっぺとか?」
「ううん、口」
少し冷静さを取り戻した美智留ちゃんの質問に私はサラッと答える。
一番言いにくいことを言えたからかな? ためらいはなかった。
「え? ホントに? うわぁ……想像以上だった」
「キス……」
呆然と呟く美智留ちゃんとさくらちゃんに、私はそのままどういう経緯でキスされたのかを一通り話す。
「えーっと……つまり日高に朝と夜のご飯もちゃんとバランスよく食べて欲しいってお願いしたら、ご褒美があればやるって言われて? 了承したらキスされた、と?」
「うん、そういう事」
本当はスキンケアをしてほしいって頼んだんだけどね。
でもそれ言っちゃうと私がメイク大好きって秘密まで言わなきゃならなくなるし、ここは食事に関してのことだけ伝えておく。
一通り説明を終えて、美智留ちゃんが確認をする頃にはさくらちゃんも落ち着いていた。
「日高って、思っていたより手が早かったんだね……」
美智留ちゃんは感心しているような呆れているような感想を漏らす。
そしてさくらちゃんは――。
「キス、嫌じゃなかったの? それって、日高くんは灯里ちゃんの事好きってこと? 灯里ちゃんはどう思ってるの?」
何故かすっごく目をキラキラさせて質問攻めをしてきている。
「えっと、触れるだけだったし、びっくりしたってのが大きくて嫌かどうかまではよく分からなくて……」
さくらちゃんの変貌ぶりにタジタジになっていた私は律儀に質問に答えてしまった。
「さくらちゃん? 何だか楽しそうなんだけど……?」
「うん! だって、二人は私の恋応援してくれてそれはそれで嬉しいんだけど、でも私も友達の恋の応援とかしたかったんだもん! 美智留ちゃんは今好きな人いないって言うし」
「そ、そうなんだ……」
確かに、私もさくらちゃんの恋応援したいって思ってるし……ね。
さくらちゃんの言葉に、取りあえず理解を示す。
「でも、私のは恋とかじゃないと思うんだけど……」
喜んでいるさくらちゃんには申し訳ないけれど、そこはハッキリ告げた。
相談したいのはまさにその事。
「キスされて、私が固まってるうちに日高くんは帰っちゃったから……。だからどうしてキスがご褒美になるか分からなかったの」
私が話し始めると、さくらちゃんは口を閉じて黙って聞いてくれた。
美智留ちゃんも私をじっと見て聞いてくれている。
「それで、昨日勉強中に筆談でからかったの?って聞いたら、それもあるなって」
「はぁ?」
途中で美智留ちゃんがそんな怒りの声を上げたけれど、私はそのまま続けた。
「で、続けてこう書いて来たの。『でも、本気だ』って」
「それって……」
軽く息を呑んださくらちゃんが目を見開く。
「私、本気でからかってるってこと? どういうことなの?って良く分からなくなって……。日高くんの顔を見たら何だか真剣な顔だったし……それで余計分からなくなって逃げちゃったんだけど……」
そこまで話して、私は意を決して顔を上げ二人に聞いた。
「ねぇ、日高くんはやっぱり私をからかってただけってことなのかな?」
『……』
また揃って沈黙。
それは良い。
でも、何で二人そろって無表情になっちゃってるの?
しかもジト目だ。
私変なこと言った?
「灯里ちゃん」
さくらちゃんが可哀想なものを見るような目を向けて口を開く。
「それ、本気で言ってるんだよね……?」
「もちろん、本気だけど……?」
何の確認なのか。
でも私の答えを聞くとさくらちゃんは目を伏せて溜息をついた。
え? 何? その反応はちょっと傷つくんだけど……。
「あー、その答えは私たちが言うべきことじゃないと思うよ?」
気まずそうに眼を逸らしながら言う美智留ちゃん。
逆にさくらちゃんは真っ直ぐ私の目を見た。
「直接、ハッキリと日高くんに聞いた方がいいと思うよ? 私の事好きなのかって」
「ええ⁉ いや、それは一番ないかと……」
一応考えつつもすぐに却下したことを聞けと言われて、すぐさまありえないと訴える。
けれど……。
「それはもう良いから。とにかくさくらの言う通りに聞いてみな?」
「大丈夫、とにかく本人にそう聞くのが一番だと思うから」
美智留ちゃんとさくらちゃんから揃って言われて、私の訴えは届かない。
仕方なく私は「分かった」と了承するしかなかった。
そのまま昼休みの時間が少ないという事で、教室に慌てて戻る。
何だか困惑気味な気分だったけれど、取りあえず日高くんに急いで軽食を渡しに行った。
まだ予鈴も鳴っていないし、今のうちに食べて貰わないと。
「ごめん、教室出る前に渡そうと思ってたんだけど……」
そう言って手渡すと、日高くんは瞬きをして私と軽食を見比べた。
「持って来てたのか」
「もちろん、約束したじゃない。それともいらなかった?」
「いや、良かった……」
何故か安心した様な表情。
良く分からないけれど、渡して良かったんだよね?
「もしかして避けられてんのかな、と思ってた」
「……」
まあ、ある意味避けてたかもしれない。
だって、まともに顔合わせられなかったもん。
でも美智留ちゃんたちに話せたからか、少し余裕が出来たみたいだ。
私は軽食を食べ始める日高くんを見て、少し迷ったけれど口を開く。
「ちょっと話があるからさ、帰り一緒に帰らない?」
一番ありえないと思うけれど、二人に揃って言われたことだから聞いてみようと思った。
どっちにしろ、やっぱり日高くんの気持ちは本人に聞かないと分からないからね。
「ああ、いいぜ」
その返事を聞いて、私は次の授業の準備のため自分の席に戻った。
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