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一章 あやかしの里
わたしの力と学校の人気者
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無事にコタちゃんを見つけることが出来て教室に戻ると、ショートボブの黒髪を揺らしながら可愛い女の子が近づいてきた。
「美沙都ちゃん、コタちゃん見つかったの?」
「あ、仁菜ちゃん。うん、中庭の大きな木の枝に引っかかって戻れなくなってたみたい」
仁菜ちゃんは猫又のあやかしで、家もわたしの家とお隣同士。
だから引っ越してきてその日に挨拶に行って、すぐお友達になってくれたんだ。
入学したらクラスも同じで、これからもっと仲良くなれそう。
「そっか、良かった」
安心したように笑顔になった仁菜ちゃんは、少しかがんでわたしのブレザーのポケットに隠れているコタちゃんを見た。
「あんまり美紗都ちゃんを困らせたらダメだよ? ただでさえ学校に連れて来ていいのかもわからないんだから」
「キー……」
コタちゃんは反省するように鳴き、ポケットの中で縮こまる。
本当は家に置いて行こうとしたんだけれど、どうやってもついて来て離れないから諦めて連れて来たんだ。
ポケットの中で大人しくしていれば見つからないだろうしって。
でも今朝はいつの間にかいなくなっていたから本当に焦った。
「心配するから、ちゃんとポケットの中で大人しくしていてね?」
「キー……」
わたしにも言われて弱々しく鳴くコタちゃんが可哀想に見えて来たけど、本当に心配したんだからちゃんと反省はして欲しい。
そうしてポケットの中を仁菜ちゃんと覗き込んでいると、クラスの女子の騒がしい声が聞こえて来た。
「ねぇねぇ! さっき中庭で二年の滝柳先輩が飛んでたとこ見ちゃった!」
その言葉を聞いて思わずビクッとしてしまう。
滝柳先輩とは風雅先輩のことだ。
さっきの見られちゃってたのかな?
そう思ってつい聞き耳を立てる。
「え!? レアじゃん! 翼出してるところなんて滅多に見せてくれないのに。先輩なにしてたの?」
「うーん、木が邪魔で何してたかまでは見えなかったんだよね」
でも二階から飛んで降りて行ったところを見たんだ、と彼女は語る。
そっか、わたしのことは見えなかったんだ。
ホッとしつつ、風雅先輩はわざわざ二階から助けに降りて来てくれたんだって知って申し訳ないような照れ臭いような気分になった。
そんなわたしに仁菜ちゃんがコソッと聞いてくる。
「……ねぇ、中庭ってことは美紗都ちゃん何か関係ある?」
「あ、うん。また助けてもらっちゃって」
仁菜ちゃんは一昨日わたしが風雅先輩に助けてもらった事を知っている。
そしてその事をあまり言いふらさないほうがいいって注意してくれたんだ。
風雅先輩はこんな風に学年が違っても話題に上がるくらい人気者な先輩だ。
霊力の弱いサトリであるわたしが仲良くしていると何を言われるかわからないからって。
よく分からないけど、風雅先輩は他のあやかしとはちょっと違って特別なんだって。
でも特別っていうなら他にも三年生に二人いるらしい。
「あ! こっちも珍しいよ! 見て! 校庭の方に山里先輩と日宮先輩が揃ってる!」
「ええ!? うそ、どこ!?」
また他の女子生徒が窓にへばりつく勢いで叫ぶと、他の子たちも窓側へ移動した。
山里那岐先輩は白狐のあやかしで、日宮煉先輩は里の外から来た火鬼って言う種類の鬼なんだって。
風雅先輩とはまた違った意味で特別な三年生のあやかしたち。
「ん? あれ? ねぇ、あの人たちちょっと怪しくない?」
「どこ?……あ、本当だ。男子生徒が数人で集まって先輩達の方見てる」
窓にへばりついている子たちが何やらマズイんじゃない? と話し出す。
「そうだ! ねぇ美紗都ちゃん、あの人たちのこと“見て”くれない?」
どうしたのかと思っていたら、突然呼ばれて手招きされた。
彼女たちのところに行くと、二人の先輩たちをジッと見つめている集団がなんだか怪しいんだって。
「里の外から来た日宮先輩のことをよく思ってない人って何人かいるのよね。そんな人たちだったら危ないんじゃないかと思って」
そんな説明をされたので、わたしは二つ返事で請け負った。
指定された人たちに目を向けてジッと集中して“見る”。
すると彼らの胸の辺りにまあるい球の様なものが出現した。
集中するとわたしにだけ見えるその球は、人の感情の変化を教えてくれる。
だからわたしはそれを《感情の球》って呼んでいるんだ。
これがわたしのサトリとしての能力。
本来のサトリは人の心の声が聞こえるみたいだから、わたしの能力は本来の力よりは劣っているんだよね。
まあ、それで困ったことは特にないけれど。
その人その人の本質を表す色とりどりの球。
嫉妬だとか、嫌悪だとか、負の感情が現れる場合は球をモヤみたいなものが覆っているんだけれど……。
「……うん、大丈夫だよ。あの人たちはむしろ憧れて見てるだけみたい」
球にはモヤのようなものは見えない。
むしろ好意を示す光を放っている。
黄色に近いオレンジ色の光は憧れの色。
特別だっていう山里先輩と日宮先輩に憧れて声をかけてみたいとか思ってるだけなんじゃないかな?
「そうなんだ、良かったー」
そうして安心した彼女たちはまた窓の外の二人を見ながらワイワイ話し始めた。
「三人の中だったら誰が一番かなぁ? あたしは儚げな美しさのある山里先輩が好みなんだよねー」
「えー? 確かにキレイだしカッコイイけど弱々しい感じがするじゃん。あたしは断然日宮先輩だなぁ。俺様タイプだけど、その分強そうだし。実際に最強の鬼の一族だもんね」
「あんたは強い男子が好きってだけでしょう? なんだかんだ言って滝柳先輩が一番だよ! なんたって山の神直々に霊力を分け与えられたあやかしだもん!」
みんなの話を聞きながら、やっぱり風雅先輩って人気あるんだなぁって思う。
「でも滝柳先輩ってクールっていうか、そっけないっていうか。笑った顔とか見たことないんだけど」
「もう、そういうところがまたいいんじゃない!」
「……」
その会話を聞いてわたしは思わず黙り込む。
ついさっきも微笑まれたばかりの身としては、笑った顔を見たことがないって言葉が信じられなかった。
でも……。
「美沙都ちゃん……滝柳先輩と仲いいこと、本当に秘密にしないとヤバイからね?」
「……うん、そうだね」
こっそりと仁菜ちゃんに注意されて頷く。
みんなの様子を見る限り、サトリは霊力が弱いからとかそういうの関係なく釣り合わないとか責められそう。
「……でもさ、本当に迷子になったところを助けてもらっただけなの? それにしては滝柳先輩、美沙都ちゃんに甘々な感じがしたけれど」
ワクワクと恋バナをする女の子の顔になった仁菜ちゃん。
わたしはそんな仁菜ちゃんに困り笑顔を見せた。
「本当だよ。わたしもどうしてあんな風に笑顔を見せてもらえるのか分からなくて戸惑ってるんだから」
風雅先輩のあの笑顔を見る度にドキドキしちゃって変な期待をしそうになるから本当に困るんだ。
「えー? 絶対何かあったでしょう? じゃなきゃあの滝柳先輩が笑うなんてありえないよ」
絶対好意を持たれるような何かがあったでしょう! と言い募る仁菜ちゃんにわたしは困り果てる。
思い返してみても特別何かをした覚えはない。
ただ、はじめ警戒していた風雅先輩が警戒をといて笑顔を見せるようになったのは確か……。
「うーん……でも多分、女の子としてっていうより小動物を可愛がってるって感じだと思うよ?」
一昨日のことを思い出しそう言う。
「えー? そうかなぁ?」
仁菜ちゃんは納得していない表情だけど、それ以外に考えられないよ。
わたしは仁菜ちゃんに「そうだよ」と重ねて言いながら一昨日のことを思い出した。
わたしにとって大切な思い出になっている、素敵な出会いを。
「美沙都ちゃん、コタちゃん見つかったの?」
「あ、仁菜ちゃん。うん、中庭の大きな木の枝に引っかかって戻れなくなってたみたい」
仁菜ちゃんは猫又のあやかしで、家もわたしの家とお隣同士。
だから引っ越してきてその日に挨拶に行って、すぐお友達になってくれたんだ。
入学したらクラスも同じで、これからもっと仲良くなれそう。
「そっか、良かった」
安心したように笑顔になった仁菜ちゃんは、少しかがんでわたしのブレザーのポケットに隠れているコタちゃんを見た。
「あんまり美紗都ちゃんを困らせたらダメだよ? ただでさえ学校に連れて来ていいのかもわからないんだから」
「キー……」
コタちゃんは反省するように鳴き、ポケットの中で縮こまる。
本当は家に置いて行こうとしたんだけれど、どうやってもついて来て離れないから諦めて連れて来たんだ。
ポケットの中で大人しくしていれば見つからないだろうしって。
でも今朝はいつの間にかいなくなっていたから本当に焦った。
「心配するから、ちゃんとポケットの中で大人しくしていてね?」
「キー……」
わたしにも言われて弱々しく鳴くコタちゃんが可哀想に見えて来たけど、本当に心配したんだからちゃんと反省はして欲しい。
そうしてポケットの中を仁菜ちゃんと覗き込んでいると、クラスの女子の騒がしい声が聞こえて来た。
「ねぇねぇ! さっき中庭で二年の滝柳先輩が飛んでたとこ見ちゃった!」
その言葉を聞いて思わずビクッとしてしまう。
滝柳先輩とは風雅先輩のことだ。
さっきの見られちゃってたのかな?
そう思ってつい聞き耳を立てる。
「え!? レアじゃん! 翼出してるところなんて滅多に見せてくれないのに。先輩なにしてたの?」
「うーん、木が邪魔で何してたかまでは見えなかったんだよね」
でも二階から飛んで降りて行ったところを見たんだ、と彼女は語る。
そっか、わたしのことは見えなかったんだ。
ホッとしつつ、風雅先輩はわざわざ二階から助けに降りて来てくれたんだって知って申し訳ないような照れ臭いような気分になった。
そんなわたしに仁菜ちゃんがコソッと聞いてくる。
「……ねぇ、中庭ってことは美紗都ちゃん何か関係ある?」
「あ、うん。また助けてもらっちゃって」
仁菜ちゃんは一昨日わたしが風雅先輩に助けてもらった事を知っている。
そしてその事をあまり言いふらさないほうがいいって注意してくれたんだ。
風雅先輩はこんな風に学年が違っても話題に上がるくらい人気者な先輩だ。
霊力の弱いサトリであるわたしが仲良くしていると何を言われるかわからないからって。
よく分からないけど、風雅先輩は他のあやかしとはちょっと違って特別なんだって。
でも特別っていうなら他にも三年生に二人いるらしい。
「あ! こっちも珍しいよ! 見て! 校庭の方に山里先輩と日宮先輩が揃ってる!」
「ええ!? うそ、どこ!?」
また他の女子生徒が窓にへばりつく勢いで叫ぶと、他の子たちも窓側へ移動した。
山里那岐先輩は白狐のあやかしで、日宮煉先輩は里の外から来た火鬼って言う種類の鬼なんだって。
風雅先輩とはまた違った意味で特別な三年生のあやかしたち。
「ん? あれ? ねぇ、あの人たちちょっと怪しくない?」
「どこ?……あ、本当だ。男子生徒が数人で集まって先輩達の方見てる」
窓にへばりついている子たちが何やらマズイんじゃない? と話し出す。
「そうだ! ねぇ美紗都ちゃん、あの人たちのこと“見て”くれない?」
どうしたのかと思っていたら、突然呼ばれて手招きされた。
彼女たちのところに行くと、二人の先輩たちをジッと見つめている集団がなんだか怪しいんだって。
「里の外から来た日宮先輩のことをよく思ってない人って何人かいるのよね。そんな人たちだったら危ないんじゃないかと思って」
そんな説明をされたので、わたしは二つ返事で請け負った。
指定された人たちに目を向けてジッと集中して“見る”。
すると彼らの胸の辺りにまあるい球の様なものが出現した。
集中するとわたしにだけ見えるその球は、人の感情の変化を教えてくれる。
だからわたしはそれを《感情の球》って呼んでいるんだ。
これがわたしのサトリとしての能力。
本来のサトリは人の心の声が聞こえるみたいだから、わたしの能力は本来の力よりは劣っているんだよね。
まあ、それで困ったことは特にないけれど。
その人その人の本質を表す色とりどりの球。
嫉妬だとか、嫌悪だとか、負の感情が現れる場合は球をモヤみたいなものが覆っているんだけれど……。
「……うん、大丈夫だよ。あの人たちはむしろ憧れて見てるだけみたい」
球にはモヤのようなものは見えない。
むしろ好意を示す光を放っている。
黄色に近いオレンジ色の光は憧れの色。
特別だっていう山里先輩と日宮先輩に憧れて声をかけてみたいとか思ってるだけなんじゃないかな?
「そうなんだ、良かったー」
そうして安心した彼女たちはまた窓の外の二人を見ながらワイワイ話し始めた。
「三人の中だったら誰が一番かなぁ? あたしは儚げな美しさのある山里先輩が好みなんだよねー」
「えー? 確かにキレイだしカッコイイけど弱々しい感じがするじゃん。あたしは断然日宮先輩だなぁ。俺様タイプだけど、その分強そうだし。実際に最強の鬼の一族だもんね」
「あんたは強い男子が好きってだけでしょう? なんだかんだ言って滝柳先輩が一番だよ! なんたって山の神直々に霊力を分け与えられたあやかしだもん!」
みんなの話を聞きながら、やっぱり風雅先輩って人気あるんだなぁって思う。
「でも滝柳先輩ってクールっていうか、そっけないっていうか。笑った顔とか見たことないんだけど」
「もう、そういうところがまたいいんじゃない!」
「……」
その会話を聞いてわたしは思わず黙り込む。
ついさっきも微笑まれたばかりの身としては、笑った顔を見たことがないって言葉が信じられなかった。
でも……。
「美沙都ちゃん……滝柳先輩と仲いいこと、本当に秘密にしないとヤバイからね?」
「……うん、そうだね」
こっそりと仁菜ちゃんに注意されて頷く。
みんなの様子を見る限り、サトリは霊力が弱いからとかそういうの関係なく釣り合わないとか責められそう。
「……でもさ、本当に迷子になったところを助けてもらっただけなの? それにしては滝柳先輩、美沙都ちゃんに甘々な感じがしたけれど」
ワクワクと恋バナをする女の子の顔になった仁菜ちゃん。
わたしはそんな仁菜ちゃんに困り笑顔を見せた。
「本当だよ。わたしもどうしてあんな風に笑顔を見せてもらえるのか分からなくて戸惑ってるんだから」
風雅先輩のあの笑顔を見る度にドキドキしちゃって変な期待をしそうになるから本当に困るんだ。
「えー? 絶対何かあったでしょう? じゃなきゃあの滝柳先輩が笑うなんてありえないよ」
絶対好意を持たれるような何かがあったでしょう! と言い募る仁菜ちゃんにわたしは困り果てる。
思い返してみても特別何かをした覚えはない。
ただ、はじめ警戒していた風雅先輩が警戒をといて笑顔を見せるようになったのは確か……。
「うーん……でも多分、女の子としてっていうより小動物を可愛がってるって感じだと思うよ?」
一昨日のことを思い出しそう言う。
「えー? そうかなぁ?」
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