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良かったですね!(最終話)
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「上司にもスケジュール管理が大変そうだって伝えておきましたから、補佐が入ったんじゃないですか? 良かったですね!」
「き、君……っ、なんてことを」
「え? だめでしたか? 無理な仕事があるときは相談するようにって私も怒られちゃったんで」
「無理などしていないっ! 君のせいで、私の立場が!」
「入りたての私に頼るくらい、困ってたんですよね? 私なんかがいなくなったくらいで、あのあと大変になったって聞いてますよ!」
ザインさんは絶句している。
頭に血がのぼりすぎて「あうっ」「このっ」とかまともな言葉にならないみたい。
そうだよね、人間、そういうときってあるよね。
ちゃんと睡眠をとって休まないと。
「今も大変なんですか? ちゃんと寝たほうがいいですよ。私もあれだけ無能でしたけど、よく寝るようになってから、褒められるようになって!」
「……」
「嬉しいです。あっ、それで今度、新しい部署の部長に抜擢されたんです! 無能って言われた私がですよ? それで挨拶に来たんです。次からザインさんと同じ立場です、嬉しいです!」
まあ、ザインさんがいつまでその立場かはわかんないですけど。
「これから一緒に頑張りましょう。……あ、やっぱり顔色悪いですよ。ちゃんと寝た方がいいです。今のザインさん、まるであの頃の私みたいですよ? 無能だった頃の」
「だ、黙れ!」
「ザインさんが無能だなんて言ってないですよ? それじゃあ」
声をあげられてもちっとも怖くなかった。
だってザインさん、へろへろの手足してるもの。あの頃はどうしてこの人が怖かったんだろう。
でもさすがに恨みをかいたくはないので、これで許してあげますよ。
ザインさんてば態度のせいで敵が多いので、私にだけ構ってもいられないでしょうし。
「ほんと、ちゃんと寝てくださいね。休職って方法もありますよ!」
そう言って私は手を振った。
評価してくれた上司のためにも、この会社に無能は増やしたくないですから。
「き、君……っ、なんてことを」
「え? だめでしたか? 無理な仕事があるときは相談するようにって私も怒られちゃったんで」
「無理などしていないっ! 君のせいで、私の立場が!」
「入りたての私に頼るくらい、困ってたんですよね? 私なんかがいなくなったくらいで、あのあと大変になったって聞いてますよ!」
ザインさんは絶句している。
頭に血がのぼりすぎて「あうっ」「このっ」とかまともな言葉にならないみたい。
そうだよね、人間、そういうときってあるよね。
ちゃんと睡眠をとって休まないと。
「今も大変なんですか? ちゃんと寝たほうがいいですよ。私もあれだけ無能でしたけど、よく寝るようになってから、褒められるようになって!」
「……」
「嬉しいです。あっ、それで今度、新しい部署の部長に抜擢されたんです! 無能って言われた私がですよ? それで挨拶に来たんです。次からザインさんと同じ立場です、嬉しいです!」
まあ、ザインさんがいつまでその立場かはわかんないですけど。
「これから一緒に頑張りましょう。……あ、やっぱり顔色悪いですよ。ちゃんと寝た方がいいです。今のザインさん、まるであの頃の私みたいですよ? 無能だった頃の」
「だ、黙れ!」
「ザインさんが無能だなんて言ってないですよ? それじゃあ」
声をあげられてもちっとも怖くなかった。
だってザインさん、へろへろの手足してるもの。あの頃はどうしてこの人が怖かったんだろう。
でもさすがに恨みをかいたくはないので、これで許してあげますよ。
ザインさんてば態度のせいで敵が多いので、私にだけ構ってもいられないでしょうし。
「ほんと、ちゃんと寝てくださいね。休職って方法もありますよ!」
そう言って私は手を振った。
評価してくれた上司のためにも、この会社に無能は増やしたくないですから。
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