私は犬だ。

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いつものように朝食をとろうと、食堂への扉を開こうとする前に、すかさず控えていた侍女に先に扉を開かれる。
「今日も負けたね。」
「お屋敷の方にお手間はかけられません。」
べつに勝負をしているわけではないのだが、いつも先に行動されてしまう。

どうにもかしずかれるのは慣れない。
自分の認識では、侍女や、執事等、家を取り仕切る雑務を彼等に任せるのは、王族ぐらいかと思っていたがどうにも違うらしい。

生まれた我が家も「使う側」だったとは。

「いつもありがとう。」
「もったいなきお言葉です。」
すぐさま背後に下がる侍女。

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