人間の少年に恋をした吸血鬼のお話

珈琲きの子

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エピローグ

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「む……やっぱ飲まなきゃダメ?」
「当然だ」

とくとくとボトルからグラスに注がれるのはワインに似た真っ赤な液体。今朝採れたてだと公爵は鼻歌交じりに言いますが、少年はぐっと喉を詰まらせます。

「だって、昨日も飲んだ……」
「傷が治りきるまで毎日飲むんだ」
「うぅ……」

さあ、と促す公爵にガリガリだった時の面影はありません。
見た目は人間で言えば二十代で肌もつやつやぷるぷるです。
少年を吸血鬼に変えてしまった責任を取らなければなりませんから、公爵の中から血を飲まないという選択肢は完全に消え去りました。

少年はグラスを手に持つと鼻を摘まんで一気にグラスを呷りました。やけくそです。
少年に根付いた倫理観はなかなか消えず、人間から直接吸血することができないので、こうして血を摂取することにしたのでした。そして口直しは人間用の食事です。

「食事が終われば夜会だ。服も誂えておいた。おまえのお披露目会だからな」

お披露目会というものは本当は存在しませんが、公爵は少年が可愛くて仕方がないため皆に自慢して回りたいのです。少年は生まれたてほやほやの下級の吸血鬼。周りは怖い上級ばかりですが、主である公爵がついてこいというのですから、ついていくしかありません。

ただ目を細めて微笑む公爵を見て、少年は満更でもないと、はにかむように笑うのでした。




END




おまけ



二人は片時も離れず、まるで番のようだと言われるようになりました。
そんな二人ですが、下級の吸血鬼である少年は日に当たることができないので、日中出かける時には公爵のマントの中にしまわれます。そして時折マントの合わせからひょっこりと顔を見せます。
それを見た昔なじみの吸血鬼はペンギンの親子みたいだと笑いころげたとかいないとか。


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