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ヤってやろうじゃないか!
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前世を思い出したボクは焦った。
焦りまくった。
まず自分が転生したのがリース、つまり前世とは違う『女』という性別であること。
そして、ボクが【ファリアの翼】のサブヒロインであるという現実にだ。
【ファリアの翼】は18禁アダルトゲームである。
エロゲーである。
泣きゲーだとは言え、しっかりとエロにも重きが置かれている。
なにせ官能小説界の鬼才がエロシーンを手がけているのだ。
それはもうエロエロである。
サブヒロインであるリースには、当然のようにいくつものエロイベントが用意されていた。
朝までぶっ通しで犯されたり、後ろに突っ込まれたり、おもちゃで責められたりと、それはもう色々と……
…………うぅ。
自分がされている場面を想像したら、サブイボが立った。
でも……それは、まあ、いい。
女として転生してしまった以上、いつかは男に組み伏せられ、棒を突っ込まれる日が来るのだ。
それが生命の仕組みであり、世界の真理である以上、仕方のないことだとあきらめるしかない。
だが、男と致すのは百歩……いや一万歩譲ってまだ許せるとしても、許せないのはその致す内容だ。
僕のなかで完全に神ゲーとして位置づけされた【ファリアの翼】であるが、どうしても受け入れられない点がひとつだけあった。
それが、エロのジャンルだ。
この【ファリアの翼】……エロイベントの約六割が『寝取られ』なのだ。
共に冒険をし、絆を深めてきた仲間達。
それが、ほんの少しウィルが選択肢を間違えるだけで簡単に寝取られてしまう。
いい感じの場面で告白をしなかった → 寝取られる
着替えを覗かなかった → 寝取られる
訓練に付き合わなかった → 寝取られる
などなど、厳しすぎる寝取られフラグが無数に散りばめられているのだ。
僕はプレイしていて、ウィルがかわいそうでならなかった。
彼は勇者だ。
厳しい修行を乗り越え、自分の人生を捨ててまで世界のために戦っている。
それなのに、彼の大事な仲間たちは簡単に彼を裏切るのだ。
最初は騙されたり無理やりだったりと、仕方ない状況の方が多い。
だが、最終的には心まで寝取られ、自分からウィルではない男を求めるようになるのだ。
あろう事か、ときにはそれをウィルに見せつけながら……
絶望に打ちひしがれるウィルの姿に、僕は深く同情した。
そして、その原因であるヒロイン達には怒りすら覚えた。
『なんでそんな簡単にほかの男に体を許すんだよ!』
『ウィルと築き上げてきた絆はなんだったんだよ!』
『お前らのウィルに対する愛情はその程度かよ!』
何度心の中で叫んだだろう。
何度血の涙を流しただろう。
セーブ、ロードを繰り返し、なんとか寝取られを回避しようと努力しても、ほんの少しのミスでまた寝取られる。
それがいい! という人も、もちろんいるのだろう。
だが、僕はダメだった。
抜けるには抜けたが、芯から気持ちよくはなれなかった。
童貞をこじらせた僕は、ほかの多くの同士がそうであるように処女厨であり、一途至上主義でもあったのだ。
そして、そんな僕が、数多の寝取られフラグを未来に抱えたボクになったのである。
…………なって、しまったのである。
◇
不幸中の幸いだったのは、転生したのが他のどのヒロインでもなく【リース】だったことだろうか。
なぜなら、ほかのヒロイン達と違い、リースだけはどれだけ体を汚されようと絶対に心までは寝取られない、意志の強い女の子だったからだ。
仲間に裏切られて犯されても、敵に捕まって輪姦されても、媚薬で快楽漬けにされて狂いかけても、必死に耐えながら一途にウィルを愛し続ける姿には感動すら覚えた。
だから、一途っ娘の大好きな僕が一番好きなヒロインは、当然リースだった。
しかし、好きだったヒロインに転生できたらといって、嬉しいという気持ちは全くない。
むしろこれから先の事を考えると不安でしかなかった。
人類と魔族はバリバリ戦争中だし、魔王軍の猛攻に人類は押され気味だ。
我が身可愛さにウィルと関わらない道を選んだところで、結局は魔族に攻め滅ぼされてレイプ三昧だろう。
それなら、危険とわかっていても【リース】の役を演じきるしかない。
リースはウィルの幼馴染という性質上、【勇者ウィル】の誕生に深く携わる重要なキャラなのだ。
メインヒロインではないが、その重要度はサブヒロインの中ではダントツに一番だと言っていい。
なぜなら、ウィルに勇者の証である【聖剣】を抜かせたのは、ほかならぬリースなのだから。
出来れば、危険なことには関わらず静かに生きていきたい。
でも、それは無理だ。
ボクがリースとしての役割を放棄してしまえば、おそらく【勇者ウィル】は生まれない。
そして【勇者ウィル】が生まれなければ、人類は魔王の侵攻に耐えることができないだろう。
ウィルに関われば危険な目に遭う。
命の、貞操の、尊厳の危機にさらされる。
だけど、目を背けて生きるという選択肢は存在しなかった。
せっかく生まれ変わったのだ。
何もせずにただ怯え、鬱々とする人生など送りたくはない。
だから、ボクは決意した。
精一杯、リースとして生きてやる。
そして、寝取られフラグを全力でへし折ってやる、と。
焦りまくった。
まず自分が転生したのがリース、つまり前世とは違う『女』という性別であること。
そして、ボクが【ファリアの翼】のサブヒロインであるという現実にだ。
【ファリアの翼】は18禁アダルトゲームである。
エロゲーである。
泣きゲーだとは言え、しっかりとエロにも重きが置かれている。
なにせ官能小説界の鬼才がエロシーンを手がけているのだ。
それはもうエロエロである。
サブヒロインであるリースには、当然のようにいくつものエロイベントが用意されていた。
朝までぶっ通しで犯されたり、後ろに突っ込まれたり、おもちゃで責められたりと、それはもう色々と……
…………うぅ。
自分がされている場面を想像したら、サブイボが立った。
でも……それは、まあ、いい。
女として転生してしまった以上、いつかは男に組み伏せられ、棒を突っ込まれる日が来るのだ。
それが生命の仕組みであり、世界の真理である以上、仕方のないことだとあきらめるしかない。
だが、男と致すのは百歩……いや一万歩譲ってまだ許せるとしても、許せないのはその致す内容だ。
僕のなかで完全に神ゲーとして位置づけされた【ファリアの翼】であるが、どうしても受け入れられない点がひとつだけあった。
それが、エロのジャンルだ。
この【ファリアの翼】……エロイベントの約六割が『寝取られ』なのだ。
共に冒険をし、絆を深めてきた仲間達。
それが、ほんの少しウィルが選択肢を間違えるだけで簡単に寝取られてしまう。
いい感じの場面で告白をしなかった → 寝取られる
着替えを覗かなかった → 寝取られる
訓練に付き合わなかった → 寝取られる
などなど、厳しすぎる寝取られフラグが無数に散りばめられているのだ。
僕はプレイしていて、ウィルがかわいそうでならなかった。
彼は勇者だ。
厳しい修行を乗り越え、自分の人生を捨ててまで世界のために戦っている。
それなのに、彼の大事な仲間たちは簡単に彼を裏切るのだ。
最初は騙されたり無理やりだったりと、仕方ない状況の方が多い。
だが、最終的には心まで寝取られ、自分からウィルではない男を求めるようになるのだ。
あろう事か、ときにはそれをウィルに見せつけながら……
絶望に打ちひしがれるウィルの姿に、僕は深く同情した。
そして、その原因であるヒロイン達には怒りすら覚えた。
『なんでそんな簡単にほかの男に体を許すんだよ!』
『ウィルと築き上げてきた絆はなんだったんだよ!』
『お前らのウィルに対する愛情はその程度かよ!』
何度心の中で叫んだだろう。
何度血の涙を流しただろう。
セーブ、ロードを繰り返し、なんとか寝取られを回避しようと努力しても、ほんの少しのミスでまた寝取られる。
それがいい! という人も、もちろんいるのだろう。
だが、僕はダメだった。
抜けるには抜けたが、芯から気持ちよくはなれなかった。
童貞をこじらせた僕は、ほかの多くの同士がそうであるように処女厨であり、一途至上主義でもあったのだ。
そして、そんな僕が、数多の寝取られフラグを未来に抱えたボクになったのである。
…………なって、しまったのである。
◇
不幸中の幸いだったのは、転生したのが他のどのヒロインでもなく【リース】だったことだろうか。
なぜなら、ほかのヒロイン達と違い、リースだけはどれだけ体を汚されようと絶対に心までは寝取られない、意志の強い女の子だったからだ。
仲間に裏切られて犯されても、敵に捕まって輪姦されても、媚薬で快楽漬けにされて狂いかけても、必死に耐えながら一途にウィルを愛し続ける姿には感動すら覚えた。
だから、一途っ娘の大好きな僕が一番好きなヒロインは、当然リースだった。
しかし、好きだったヒロインに転生できたらといって、嬉しいという気持ちは全くない。
むしろこれから先の事を考えると不安でしかなかった。
人類と魔族はバリバリ戦争中だし、魔王軍の猛攻に人類は押され気味だ。
我が身可愛さにウィルと関わらない道を選んだところで、結局は魔族に攻め滅ぼされてレイプ三昧だろう。
それなら、危険とわかっていても【リース】の役を演じきるしかない。
リースはウィルの幼馴染という性質上、【勇者ウィル】の誕生に深く携わる重要なキャラなのだ。
メインヒロインではないが、その重要度はサブヒロインの中ではダントツに一番だと言っていい。
なぜなら、ウィルに勇者の証である【聖剣】を抜かせたのは、ほかならぬリースなのだから。
出来れば、危険なことには関わらず静かに生きていきたい。
でも、それは無理だ。
ボクがリースとしての役割を放棄してしまえば、おそらく【勇者ウィル】は生まれない。
そして【勇者ウィル】が生まれなければ、人類は魔王の侵攻に耐えることができないだろう。
ウィルに関われば危険な目に遭う。
命の、貞操の、尊厳の危機にさらされる。
だけど、目を背けて生きるという選択肢は存在しなかった。
せっかく生まれ変わったのだ。
何もせずにただ怯え、鬱々とする人生など送りたくはない。
だから、ボクは決意した。
精一杯、リースとして生きてやる。
そして、寝取られフラグを全力でへし折ってやる、と。
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