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震えるゴブリン
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森の小道を悲鳴の聞こえた方向にまっすぐ進むと…………いた、馬車がゴブリンに襲われてる。
あれはなんだ? 商人かなんかの馬車だろうか。
護衛としてゴブリン達と戦っているのは、装備から見て冒険者っぽい。
少なくとも騎士とかではないから、馬車に乗っている人物も貴族じゃないだろう。
よかった。
もし襲われているのが貴族なら、関わらずに放っておくつもりだった。
この世界の貴族って、ろくな奴がいないんだよな。
俺が働いてた鉱山でも、視察に来た貴族が鉱石の採掘量が少ないとかなんとか言って腹いせに炭鉱夫を何人も切り殺してたし。
貴族社会怖ぇよ、マジで。
おっと、話が脱線した。
襲われてんのが貴族じゃないなら助けてやらないとな。
なんかご褒美とかもらえるかも知れないし。
というわけで…………見せてやるぜ! 〈振動〉の力を!
俺はこっそりとゴブリンの後ろから近づくと、近くにあった手頃な石を拾ってゴブリンの頭に全力で叩きつけた。
「ギャグッ!?」
悲鳴をあげてゴブリンが倒れる。
よーし、一匹倒したぜ!
〈振動〉は全く使ってないけど!
俺が倒したゴブリンの悲鳴を聞いて、何匹かのゴブリンが俺の存在に気づいた。
ゲギャゲギャと気持ち悪い声をあげながら襲いかかってくる。
俺は今倒したゴブリンが持っていた剣を拾うと、向かって来るゴブリンたちにその切っ先を向けた。
一瞬警戒するゴブリンたちだったが、俺の構えを見て危険はないと判断したようで、またゲギャゲギャと笑い声をあげながら突っ込んできた。
くそぅ、舐めやがって。
まあ、剣なんて使ったことないんだけどさ。
そして、先頭を切って突っ込んでくるゴブリンが、俺の〈振動〉可能領域である10mに踏み込んだ瞬間。
今だ! 〈振動〉!
「ゲギャ!?」
俺は先頭ゴブリンの膝に向けて、〈振動〉を発動させた。
俺が今できる最大の力でゴブリンの膝を振動させてやる。
走っている最中に突然『膝が笑う』状態になったゴブリンは、たまらず転倒。
自分の持っていたナイフで胸を貫いて絶命した。
二匹目も排除完了っと。
あっという間に二匹の仲間を失ったゴブリンたちだったが、それが俺の仕業だとは理解できなかったようで、残りのゴブリンたちは恐れず俺に向かってきた。
まあ、普通はドジな奴が勝手に転んで死んだんだと思うよな。
でも残念でした! 俺がやったんですぅ!
俺は残り四匹になったゴブリンたちにも、同じように〈振動〉をかけてやった。
次々と倒れ込むゴブリン。
流石に最初のやつみたいに偶然胸を刺すやつはいなかったけど、あらかじめ倒れることが分かっていた俺と、いきなり膝が笑って倒れ込んだゴブリンとでは勝負にならない。
ゴブリンたちは抵抗らしい抵抗も出来ず、倒れたまま俺に剣で突き刺されて死んでいった。
ふう…………ゴブリンの血って、肌の色と同じ緑なんだね。
グロっ!
「助太刀かたじけない。危ういところであったが、おかげで助かった」
俺がゴブリンの死骸を見て若干へこんでいると、残りのゴブリンたちを片付けた冒険者の一人が話しかけてきた。
「いえいえ、向こうを歩いてたら悲鳴が聞こえましてね。こういう時は助け合わないと」
「貴方に向かっていったゴブリンが急に倒れたようだったが、何かのスキルかな?」
おっと、よく見てらっしゃる。
それに冒険者にしてはなんだか硬い話し方をする人だな…………
少し違和感はあるけど、今更助けたのをなかったことにもできないので会話を続ける。
「まぁ、そんなところですよ」
「差し支えなければ、どのようなスキルかお教えいただいても?」
「いやぁ、それはちょっと…………」
冒険者にとってスキルは切り札だから、互いに詮索しないのが当たり前のはずなんだけど…………
「いや、これは不躾に失礼。主が礼を言いたいと仰っているのだが、その前に確認をとっておきたくてな」
…………主?
あ、嫌な予感がしてきた。
これってもしかすると、もしかする展開か?
「このような格好をしているが、私はクローネン辺境伯に使える騎士、ガイン・ノートリアスという」
やっぱりぃいいいいい!!
あれはなんだ? 商人かなんかの馬車だろうか。
護衛としてゴブリン達と戦っているのは、装備から見て冒険者っぽい。
少なくとも騎士とかではないから、馬車に乗っている人物も貴族じゃないだろう。
よかった。
もし襲われているのが貴族なら、関わらずに放っておくつもりだった。
この世界の貴族って、ろくな奴がいないんだよな。
俺が働いてた鉱山でも、視察に来た貴族が鉱石の採掘量が少ないとかなんとか言って腹いせに炭鉱夫を何人も切り殺してたし。
貴族社会怖ぇよ、マジで。
おっと、話が脱線した。
襲われてんのが貴族じゃないなら助けてやらないとな。
なんかご褒美とかもらえるかも知れないし。
というわけで…………見せてやるぜ! 〈振動〉の力を!
俺はこっそりとゴブリンの後ろから近づくと、近くにあった手頃な石を拾ってゴブリンの頭に全力で叩きつけた。
「ギャグッ!?」
悲鳴をあげてゴブリンが倒れる。
よーし、一匹倒したぜ!
〈振動〉は全く使ってないけど!
俺が倒したゴブリンの悲鳴を聞いて、何匹かのゴブリンが俺の存在に気づいた。
ゲギャゲギャと気持ち悪い声をあげながら襲いかかってくる。
俺は今倒したゴブリンが持っていた剣を拾うと、向かって来るゴブリンたちにその切っ先を向けた。
一瞬警戒するゴブリンたちだったが、俺の構えを見て危険はないと判断したようで、またゲギャゲギャと笑い声をあげながら突っ込んできた。
くそぅ、舐めやがって。
まあ、剣なんて使ったことないんだけどさ。
そして、先頭を切って突っ込んでくるゴブリンが、俺の〈振動〉可能領域である10mに踏み込んだ瞬間。
今だ! 〈振動〉!
「ゲギャ!?」
俺は先頭ゴブリンの膝に向けて、〈振動〉を発動させた。
俺が今できる最大の力でゴブリンの膝を振動させてやる。
走っている最中に突然『膝が笑う』状態になったゴブリンは、たまらず転倒。
自分の持っていたナイフで胸を貫いて絶命した。
二匹目も排除完了っと。
あっという間に二匹の仲間を失ったゴブリンたちだったが、それが俺の仕業だとは理解できなかったようで、残りのゴブリンたちは恐れず俺に向かってきた。
まあ、普通はドジな奴が勝手に転んで死んだんだと思うよな。
でも残念でした! 俺がやったんですぅ!
俺は残り四匹になったゴブリンたちにも、同じように〈振動〉をかけてやった。
次々と倒れ込むゴブリン。
流石に最初のやつみたいに偶然胸を刺すやつはいなかったけど、あらかじめ倒れることが分かっていた俺と、いきなり膝が笑って倒れ込んだゴブリンとでは勝負にならない。
ゴブリンたちは抵抗らしい抵抗も出来ず、倒れたまま俺に剣で突き刺されて死んでいった。
ふう…………ゴブリンの血って、肌の色と同じ緑なんだね。
グロっ!
「助太刀かたじけない。危ういところであったが、おかげで助かった」
俺がゴブリンの死骸を見て若干へこんでいると、残りのゴブリンたちを片付けた冒険者の一人が話しかけてきた。
「いえいえ、向こうを歩いてたら悲鳴が聞こえましてね。こういう時は助け合わないと」
「貴方に向かっていったゴブリンが急に倒れたようだったが、何かのスキルかな?」
おっと、よく見てらっしゃる。
それに冒険者にしてはなんだか硬い話し方をする人だな…………
少し違和感はあるけど、今更助けたのをなかったことにもできないので会話を続ける。
「まぁ、そんなところですよ」
「差し支えなければ、どのようなスキルかお教えいただいても?」
「いやぁ、それはちょっと…………」
冒険者にとってスキルは切り札だから、互いに詮索しないのが当たり前のはずなんだけど…………
「いや、これは不躾に失礼。主が礼を言いたいと仰っているのだが、その前に確認をとっておきたくてな」
…………主?
あ、嫌な予感がしてきた。
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やっぱりぃいいいいい!!
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