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18、永遠を継ぐ者
旦那様*
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夜、二人っきりの寝台の上で、シウリンはアデライードを組み敷いて、白い肌に唇を這わせていた。
「ふっ……んんっ……」
シウリンは手の中で自在に形を変える双丘を弄びながら、感慨深く呟く。
「妊娠したってことは、またこの愛しいおっぱいを自由に弄べなくなるってことか……中出しもできないし。不便なものだな」
「な……そんな……ああっ」
「なあ……妊娠に気づかないうちは、中出しし放題だったじゃないか。別に中出ししたからって、すぐにダメになるわけじゃないんだろ? 今夜で最後にするからさあ……ね、アデライード、お願い」
欲望でギラついた目で懇願されて、アデライードは甘い疼きに苛まれながら、何度目だろうかと、思う。
この男はいつも、閨で強請りたいことがあると、十二歳バージョンでアデライードの弱点をついてくる。
「だからって……ああっ……やああっ……あふっ……んんっ……」
熱っぽい目でアデライードの身体を舐めまわしながら、シウリンは長い指を秘所に這わせ、敏感な場所を的確に責め続ける。アデライードが否と言えなくなるまで、ずくずくに蕩かしてしまう。
アデライードが両手でシウリンの頬を包み、下から見上げた。
「シウリン……キス……して……」
「ああ、もちろん……愛しいアデライード……」
シウリンが顔を近づけ、微笑んでアデライードの額に口づけ、それから唇を塞いだ。その意味を知るのはこの世に、二人だけ――。
愛と欲望に昂った楔をアデライードの中に深く埋め込んで、身体の奥深くで〈王気〉を交えあう。唇を塞ぎ、両の手の指を絡めあって、これ以上はないほど近づき、一つになる。金と銀の龍は交わりあい、常人には視えない光に粉を振りまき、快楽に溶ける。陰と陽の二つの〈気〉を交え、調和し、世界を満たしていく――。
行為の後の気だるさの中で、アデライードの頭を肩に乗せ、シウリンはその白金色の髪を指先で梳いていく。
「まだ……怒ってるの」
「だって……」
「悪かったよ。つい、うっかり、中で出しちゃったんだよ。うっかりだから。……次から、気を付けるから」
「もう……シウリンのばか」
シウリンの鍛えた胸に両腕を乗せ、アデライードが頭をもたげる。その翡翠色の瞳をまっすぐ見つめて、シウリンがあることを思い出す。
「ねえ……覚えてる? 初めて会った時のこと」
「もちろん、覚えてるわ?」
「あなたは、〈大きくなったらケッコンして、わたしの旦那様になって〉、って言ったんだよ」
「ええ、そんなこと言ったわ。……今思うと、ずいぶんとませてたわ、わたし」
恥ずかしそうに視線を逸らすアデライードの、その髪を撫でながら、シウリンも微笑む。
「……まだ、旦那様って呼んでもらってないな」
シウリンの言葉に、アデライードがこてんと首を傾げ、胸に顔を乗せた。
「だって……最初は殿下と呼べ、って仰ったわ?」
「ああ、あの頃はまだ、私がシウリンってことは秘密だったから。〈旦那様〉と呼べだなんて言い出したら、正体がバレるんじゃと怖くて、言えなかった」
アデライードがサクランボのような唇を少しだけ尖らす。
「旦那様って呼んで欲しいの?」
「もちろん。……今まで、誰にも呼ばせていない。そう呼んでいいのはあなただけだと思っていたから、前の妻には断固拒否して呼ばせなかった」
シウリンの言葉にアデライードが少し身を乗り出し、額と額をくっつけるようにして、言った。
「じゃあ……旦那様?」
「ああ……私の、ただ一人の可愛いアデライード?」
シウリンがアデライードの後頭部に手を回し、唇を合わせる。
舌先から流れ込む互いの〈王気〉に酔って、二人、どっぷりと甘い世界に浸かる。
「愛してる……何度生まれ変わっても、永遠にあなただけ……」
そう言って、シウリンはアデライードのまだ平な腹を掌で撫でた。
「ここに、私たちの永遠の証がいる……」
アデライードは微笑んで、二人はもう一度、深い深い、口づけを交わした。
「ふっ……んんっ……」
シウリンは手の中で自在に形を変える双丘を弄びながら、感慨深く呟く。
「妊娠したってことは、またこの愛しいおっぱいを自由に弄べなくなるってことか……中出しもできないし。不便なものだな」
「な……そんな……ああっ」
「なあ……妊娠に気づかないうちは、中出しし放題だったじゃないか。別に中出ししたからって、すぐにダメになるわけじゃないんだろ? 今夜で最後にするからさあ……ね、アデライード、お願い」
欲望でギラついた目で懇願されて、アデライードは甘い疼きに苛まれながら、何度目だろうかと、思う。
この男はいつも、閨で強請りたいことがあると、十二歳バージョンでアデライードの弱点をついてくる。
「だからって……ああっ……やああっ……あふっ……んんっ……」
熱っぽい目でアデライードの身体を舐めまわしながら、シウリンは長い指を秘所に這わせ、敏感な場所を的確に責め続ける。アデライードが否と言えなくなるまで、ずくずくに蕩かしてしまう。
アデライードが両手でシウリンの頬を包み、下から見上げた。
「シウリン……キス……して……」
「ああ、もちろん……愛しいアデライード……」
シウリンが顔を近づけ、微笑んでアデライードの額に口づけ、それから唇を塞いだ。その意味を知るのはこの世に、二人だけ――。
愛と欲望に昂った楔をアデライードの中に深く埋め込んで、身体の奥深くで〈王気〉を交えあう。唇を塞ぎ、両の手の指を絡めあって、これ以上はないほど近づき、一つになる。金と銀の龍は交わりあい、常人には視えない光に粉を振りまき、快楽に溶ける。陰と陽の二つの〈気〉を交え、調和し、世界を満たしていく――。
行為の後の気だるさの中で、アデライードの頭を肩に乗せ、シウリンはその白金色の髪を指先で梳いていく。
「まだ……怒ってるの」
「だって……」
「悪かったよ。つい、うっかり、中で出しちゃったんだよ。うっかりだから。……次から、気を付けるから」
「もう……シウリンのばか」
シウリンの鍛えた胸に両腕を乗せ、アデライードが頭をもたげる。その翡翠色の瞳をまっすぐ見つめて、シウリンがあることを思い出す。
「ねえ……覚えてる? 初めて会った時のこと」
「もちろん、覚えてるわ?」
「あなたは、〈大きくなったらケッコンして、わたしの旦那様になって〉、って言ったんだよ」
「ええ、そんなこと言ったわ。……今思うと、ずいぶんとませてたわ、わたし」
恥ずかしそうに視線を逸らすアデライードの、その髪を撫でながら、シウリンも微笑む。
「……まだ、旦那様って呼んでもらってないな」
シウリンの言葉に、アデライードがこてんと首を傾げ、胸に顔を乗せた。
「だって……最初は殿下と呼べ、って仰ったわ?」
「ああ、あの頃はまだ、私がシウリンってことは秘密だったから。〈旦那様〉と呼べだなんて言い出したら、正体がバレるんじゃと怖くて、言えなかった」
アデライードがサクランボのような唇を少しだけ尖らす。
「旦那様って呼んで欲しいの?」
「もちろん。……今まで、誰にも呼ばせていない。そう呼んでいいのはあなただけだと思っていたから、前の妻には断固拒否して呼ばせなかった」
シウリンの言葉にアデライードが少し身を乗り出し、額と額をくっつけるようにして、言った。
「じゃあ……旦那様?」
「ああ……私の、ただ一人の可愛いアデライード?」
シウリンがアデライードの後頭部に手を回し、唇を合わせる。
舌先から流れ込む互いの〈王気〉に酔って、二人、どっぷりと甘い世界に浸かる。
「愛してる……何度生まれ変わっても、永遠にあなただけ……」
そう言って、シウリンはアデライードのまだ平な腹を掌で撫でた。
「ここに、私たちの永遠の証がいる……」
アデライードは微笑んで、二人はもう一度、深い深い、口づけを交わした。
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