30 / 191
5、女王家の神器
メイローズ枢機卿
恭親王がソリスティアに到着した翌日、陰陽宮の枢機卿であるメイローズが総督府を訪れた。
黄金の髪と紺碧の瞳を持つ美貌の宦官は、恭親王の居間に通されると両膝をついて主従の礼を取った。
「久しぶりだな、メイローズ。五年ぶりか?……全く、こんな形でお前に会うことになろうとはな」
正面の肘掛椅子に長い脚を組んで優雅に腰かけた恭親王は、懐かしさにやや皮肉を交えた表情で、かつての側仕えを出迎えた。
メイローズは恭親王の背後に控える侍従のトルフィンやゾラにもにこやかに微笑みかける。彼らとも五年ぶりだ。そして壁際の書き物机の脇に置かれた専用のヤドリギの上で羽を休める黒い鷹をも、懐かしい目で見つめる。
メイローズは五年前まで、恭親王の側仕えとして皇宮に仕えていた宦官だ。恭親王が結婚によって帝都に邸を構えるに及び、皇宮に残るか、恭親王にそのまま仕えるか尋ねた際、彼は陰陽宮の聖職者になることを希望したため、恭親王は紹介状も書いてやったのだ。東の帝国は太陽宮の守護者であるが、帝国の皇宮と聖地の陰陽宮は転移門(ゲート)を通して繋がっており、宦官同士の連絡も密で、人員の融通なども行われているらしい。メイローズは〈王気〉が視えるという特殊能力もあって、陰陽宮で順調に頭角を現し、わずか五年で枢機卿の末席に連なるまで出世した。
「わが主もお元気そうで何よりです。最後にお会いしたときから、さらに背が伸びたようですね」
メイローズが離れたとき十七歳だった恭親王は、今は二十二歳になり、身長はメイローズを追い越した。
身体つきは相変わらず細身だったが、以前のような少年っぽさは影を潜め、大人の男性の体形が完成されつつある。
「もうお前は私の側仕えではなく、陰陽宮の枢機卿なのだ。わが主などと言うのはよせ」
「いいえ、わが主はいついかなる時でも、私の唯一の主にございます」
メイローズが愛情の籠った眼差しで見つめるのを、恭親王は困惑したように見返す。
「そんなに愛情深いのなら、私に〈聖婚〉などという、無理難題を要求しないでもらいたかったな」
トルフィンが銀の盆に乗せた葡萄酒の入った錫のデキャンタとゴブレットを運んできて、それをソファの前の卓に置くと、恭親王は優雅な仕草で、メイローズに対面の木製のソファを勧める。メイローズは五年ぶりの主の姿を、紺碧の瞳を細めて改めて見る。
背が高く、痩せ型ながら筋肉はきちんとついたしなやかな身体つき、黒い髪はあくまで艶やかで、黒曜石のように光る鋭い瞳、精悍な眉、通った鼻筋、やや薄めの唇と、完璧な顔の造形に、鋭さと甘い雰囲気が同居する美青年だ。
さらに、彼の周囲は黄金色に輝くオーラがふんわりと取り巻いて、わずかな感情の動きにつれて黄金の龍の形をとって立ち昇り、飛び交う。彼がこの世界で最も高貴な血を受けていることの証だ。陽の〈王気〉――この世界を〈混沌〉の闇から救った英雄、龍騎士のまごうかたなき子孫。メイローズは主の依然変わらぬ、いやなお一層増した美貌とその威に見惚れて、立ったままでいた。
「もうお前は側付きではない、今日は客人だ。遠慮なく座れ」
再度薦められ、仕方なく向かい合わせに座る。トルフィンがゴブレットに葡萄酒を注ぎ、メイローズと恭親王の前に置く。
「ゾーイ殿とゲル殿はこちらにはいらっしゃらないのですか?」
メイローズがかつての仲間たちの近況を尋ねると、恭親王は葡萄酒を一口飲んで、答えた。
「ゲルは今、使用人たちや輜重を指揮して、こちらに向かっているところだ。あと十日以上はかかると思う。……ゾーイは、父親のメイガンの服喪中で、一旦離職中だ。いずれ近いうちに召喚することになるだろうが、少しの間、休暇だな」
「そうでしたか」
メイローズも遠慮がちに葡萄酒を口にした。
ゲルは恭親王の副傅、六年前、北方辺境での戦いで正傅を失った恭親王の現在唯一の傅役である。ゾーイは筆頭侍従武官で、恭親王の剣の師でもあった。
「今回こちらに参りましたのは、此度の〈聖婚〉につきまして、私が連絡役と儀式次第を司ることになりましたので、まずはご挨拶に罷りこしました」
メイローズは丁寧に礼をする。恭親王は肘掛に左肘をつき、左手で頬杖をついて、そっけなく言う。
「そうか、それはご苦労なことだ」
「このたびは栄えある〈聖婚〉が整いまして、まことにおめでとうございます」
「別にめでたくもなんともない。もう結婚はこりごりだと言い張ったが、またもや聞いてもらえなかった」
五年前、恭親王は全く意に染まない結婚を強いられ、その妻を二年前に失くしている。恵まれた容姿と才能に溢れた彼には、その後もひっきりなしに縁談が持ち込まれたが、彼は全て謝絶してきたという。今回、皇后腹の彼が〈聖婚〉の皇子に選ばれたが、それはつまり、皇帝はようやく、この愛子に御位を譲ることを諦めたということなのだろう。もとより、彼が帝位に興味を持たないことは、かつて側近く仕えたメイローズが最もよく知っている。
「アデライード姫には、私は昨日、初めてお目通りしましたが……本当に目も眩むばかりにお美しい方で……何より、あの姫を覆う〈王気〉がまた素晴らしく……私は実は陰の「王気」を初めて拝見したのですが、何と申しますか、まるで月の光に覆われているかのような、銀色の清々しい光でございまして、その〈王気〉の美しさと言ったら喩えるならば……」
「もういい、わかった……」
心なし頬を染め、早口で〈王気〉について語り始めるメイローズに、恭親王は半ば呆れ顔で長広舌を制した。実際、恭親王の興味は別の事にある。
「姫の異母兄の、レイノークス伯には会ったか?」
恭親王の問いに、メイローズが珍しくほんの少しだけ顔を顰めた。
「あれはまあ……いわゆる妹狂ですな。ユリウス卿がどうされました?」
二十人以上姉がいるらしいが、一人も会ったことがない恭親王には、世間に一定数存在するらしい、妹に対し異常な執着を示す男たちの心情は理解できない。
「いや、こちらに挨拶に来たいと連絡を寄こしたので、近々会うことになると思うのだが、どんな奴かと思ってな。年はいくつくらいだ?」
メイローズが顎に指をあてて考えながら言う。
「たしか二十四歳だとかうかがっております。こちらも大層な美形で……身丈はわが主より少し低いでしょうか?痩せ型で、剣技などはあまりお得意ではなさそうな雰囲気ですが、お若いのになかなかの切れ者との評判でございます」
「いったい何しにくるのかな……」
首を傾げる恭親王に、メイローズが思い出したように言う。
「まあ何しろ妹狂ですからね、妹の夫となる者の顔は拝んでおきたいと思うでしょうし……そう言えば、狂王ユエリンの噂を大層気にしておられるようでした。悪魔のような男に妹君を嫁に出さねばならぬと、本気で心配しておられるのかもしれません。殿下のお名前を聞いて、この世の終わりのような表情をしておられましたから」
恭親王は思わず額に手を置いて頭を抱える。
「メイローズ……せめてお前は、その噂を否定してくれたのだろうな?」
恐る恐る尋ねる恭親王に、メイローズが明るく笑った。
「ジュルチ阿闍梨がいろいろと言っておられましたし、あまり口を出しても逆効果かと思い、私は黙っておきました」
「お前……」
「それに、ユリウス卿は殿下がソリスティア総督に就任するという点を特に気にしておられましたから、わが主の動向から帝国の軍事的野心を読み取られたのかもしれませんね」
恭親王がぴくり、としてメイローズを見る。
「〈禁苑〉がアデライード姫の女王即位も諦めていないと聞き、絶句しておられました。東の皇子を夫君に持つ女王など、元老院が支持するはずはない、と。その後で〈聖婚〉の相手がわが主でいらっしゃること、わが主がソリスティア総督を拝命することを知り、みるみる顔が青ざめられましたので」
「それにもかかわらず、レイノークス伯は〈禁苑〉の言い分を飲んだのか?」
「あの場で反対できる方はいらっしゃらないでしょう。ただ、妹君の〈聖婚〉については、かなり抵抗しておられました。愛しい妹の結婚に、もれなく戦争のオマケつきでは、逡巡するのも当然と言えば、当然ですな」
恭親王はユリウスという男の苦悩に同情した。中央政界とは距離を取っているとはいえ、レイノークス辺境伯は始祖女王ディアーヌ以来、女王国の辺境を護る由緒ある一族だ。東の帝国に祖国を売り渡したと言われかねない結婚話に躊躇するのは当たり前だ。しかし、言うなればユリウスは〈禁苑〉に異母妹アデライードを人質に取られているようなもので、〈禁苑〉の要求を飲まざるを得ない。何となくレイノークス伯が会いに来る理由がわかった恭親王は、ふと、目の前の男――宦官だが――が何を考えてこの結婚を押し進めようとしているのか、知りたくなった。
「メイローズ、お前はどう思うのだ?この結婚の背後に、帝国の軍事的野心が隠れていても、お前はそれでいいのか?」
黄金の髪と紺碧の瞳を持つ美貌の宦官は、恭親王の居間に通されると両膝をついて主従の礼を取った。
「久しぶりだな、メイローズ。五年ぶりか?……全く、こんな形でお前に会うことになろうとはな」
正面の肘掛椅子に長い脚を組んで優雅に腰かけた恭親王は、懐かしさにやや皮肉を交えた表情で、かつての側仕えを出迎えた。
メイローズは恭親王の背後に控える侍従のトルフィンやゾラにもにこやかに微笑みかける。彼らとも五年ぶりだ。そして壁際の書き物机の脇に置かれた専用のヤドリギの上で羽を休める黒い鷹をも、懐かしい目で見つめる。
メイローズは五年前まで、恭親王の側仕えとして皇宮に仕えていた宦官だ。恭親王が結婚によって帝都に邸を構えるに及び、皇宮に残るか、恭親王にそのまま仕えるか尋ねた際、彼は陰陽宮の聖職者になることを希望したため、恭親王は紹介状も書いてやったのだ。東の帝国は太陽宮の守護者であるが、帝国の皇宮と聖地の陰陽宮は転移門(ゲート)を通して繋がっており、宦官同士の連絡も密で、人員の融通なども行われているらしい。メイローズは〈王気〉が視えるという特殊能力もあって、陰陽宮で順調に頭角を現し、わずか五年で枢機卿の末席に連なるまで出世した。
「わが主もお元気そうで何よりです。最後にお会いしたときから、さらに背が伸びたようですね」
メイローズが離れたとき十七歳だった恭親王は、今は二十二歳になり、身長はメイローズを追い越した。
身体つきは相変わらず細身だったが、以前のような少年っぽさは影を潜め、大人の男性の体形が完成されつつある。
「もうお前は私の側仕えではなく、陰陽宮の枢機卿なのだ。わが主などと言うのはよせ」
「いいえ、わが主はいついかなる時でも、私の唯一の主にございます」
メイローズが愛情の籠った眼差しで見つめるのを、恭親王は困惑したように見返す。
「そんなに愛情深いのなら、私に〈聖婚〉などという、無理難題を要求しないでもらいたかったな」
トルフィンが銀の盆に乗せた葡萄酒の入った錫のデキャンタとゴブレットを運んできて、それをソファの前の卓に置くと、恭親王は優雅な仕草で、メイローズに対面の木製のソファを勧める。メイローズは五年ぶりの主の姿を、紺碧の瞳を細めて改めて見る。
背が高く、痩せ型ながら筋肉はきちんとついたしなやかな身体つき、黒い髪はあくまで艶やかで、黒曜石のように光る鋭い瞳、精悍な眉、通った鼻筋、やや薄めの唇と、完璧な顔の造形に、鋭さと甘い雰囲気が同居する美青年だ。
さらに、彼の周囲は黄金色に輝くオーラがふんわりと取り巻いて、わずかな感情の動きにつれて黄金の龍の形をとって立ち昇り、飛び交う。彼がこの世界で最も高貴な血を受けていることの証だ。陽の〈王気〉――この世界を〈混沌〉の闇から救った英雄、龍騎士のまごうかたなき子孫。メイローズは主の依然変わらぬ、いやなお一層増した美貌とその威に見惚れて、立ったままでいた。
「もうお前は側付きではない、今日は客人だ。遠慮なく座れ」
再度薦められ、仕方なく向かい合わせに座る。トルフィンがゴブレットに葡萄酒を注ぎ、メイローズと恭親王の前に置く。
「ゾーイ殿とゲル殿はこちらにはいらっしゃらないのですか?」
メイローズがかつての仲間たちの近況を尋ねると、恭親王は葡萄酒を一口飲んで、答えた。
「ゲルは今、使用人たちや輜重を指揮して、こちらに向かっているところだ。あと十日以上はかかると思う。……ゾーイは、父親のメイガンの服喪中で、一旦離職中だ。いずれ近いうちに召喚することになるだろうが、少しの間、休暇だな」
「そうでしたか」
メイローズも遠慮がちに葡萄酒を口にした。
ゲルは恭親王の副傅、六年前、北方辺境での戦いで正傅を失った恭親王の現在唯一の傅役である。ゾーイは筆頭侍従武官で、恭親王の剣の師でもあった。
「今回こちらに参りましたのは、此度の〈聖婚〉につきまして、私が連絡役と儀式次第を司ることになりましたので、まずはご挨拶に罷りこしました」
メイローズは丁寧に礼をする。恭親王は肘掛に左肘をつき、左手で頬杖をついて、そっけなく言う。
「そうか、それはご苦労なことだ」
「このたびは栄えある〈聖婚〉が整いまして、まことにおめでとうございます」
「別にめでたくもなんともない。もう結婚はこりごりだと言い張ったが、またもや聞いてもらえなかった」
五年前、恭親王は全く意に染まない結婚を強いられ、その妻を二年前に失くしている。恵まれた容姿と才能に溢れた彼には、その後もひっきりなしに縁談が持ち込まれたが、彼は全て謝絶してきたという。今回、皇后腹の彼が〈聖婚〉の皇子に選ばれたが、それはつまり、皇帝はようやく、この愛子に御位を譲ることを諦めたということなのだろう。もとより、彼が帝位に興味を持たないことは、かつて側近く仕えたメイローズが最もよく知っている。
「アデライード姫には、私は昨日、初めてお目通りしましたが……本当に目も眩むばかりにお美しい方で……何より、あの姫を覆う〈王気〉がまた素晴らしく……私は実は陰の「王気」を初めて拝見したのですが、何と申しますか、まるで月の光に覆われているかのような、銀色の清々しい光でございまして、その〈王気〉の美しさと言ったら喩えるならば……」
「もういい、わかった……」
心なし頬を染め、早口で〈王気〉について語り始めるメイローズに、恭親王は半ば呆れ顔で長広舌を制した。実際、恭親王の興味は別の事にある。
「姫の異母兄の、レイノークス伯には会ったか?」
恭親王の問いに、メイローズが珍しくほんの少しだけ顔を顰めた。
「あれはまあ……いわゆる妹狂ですな。ユリウス卿がどうされました?」
二十人以上姉がいるらしいが、一人も会ったことがない恭親王には、世間に一定数存在するらしい、妹に対し異常な執着を示す男たちの心情は理解できない。
「いや、こちらに挨拶に来たいと連絡を寄こしたので、近々会うことになると思うのだが、どんな奴かと思ってな。年はいくつくらいだ?」
メイローズが顎に指をあてて考えながら言う。
「たしか二十四歳だとかうかがっております。こちらも大層な美形で……身丈はわが主より少し低いでしょうか?痩せ型で、剣技などはあまりお得意ではなさそうな雰囲気ですが、お若いのになかなかの切れ者との評判でございます」
「いったい何しにくるのかな……」
首を傾げる恭親王に、メイローズが思い出したように言う。
「まあ何しろ妹狂ですからね、妹の夫となる者の顔は拝んでおきたいと思うでしょうし……そう言えば、狂王ユエリンの噂を大層気にしておられるようでした。悪魔のような男に妹君を嫁に出さねばならぬと、本気で心配しておられるのかもしれません。殿下のお名前を聞いて、この世の終わりのような表情をしておられましたから」
恭親王は思わず額に手を置いて頭を抱える。
「メイローズ……せめてお前は、その噂を否定してくれたのだろうな?」
恐る恐る尋ねる恭親王に、メイローズが明るく笑った。
「ジュルチ阿闍梨がいろいろと言っておられましたし、あまり口を出しても逆効果かと思い、私は黙っておきました」
「お前……」
「それに、ユリウス卿は殿下がソリスティア総督に就任するという点を特に気にしておられましたから、わが主の動向から帝国の軍事的野心を読み取られたのかもしれませんね」
恭親王がぴくり、としてメイローズを見る。
「〈禁苑〉がアデライード姫の女王即位も諦めていないと聞き、絶句しておられました。東の皇子を夫君に持つ女王など、元老院が支持するはずはない、と。その後で〈聖婚〉の相手がわが主でいらっしゃること、わが主がソリスティア総督を拝命することを知り、みるみる顔が青ざめられましたので」
「それにもかかわらず、レイノークス伯は〈禁苑〉の言い分を飲んだのか?」
「あの場で反対できる方はいらっしゃらないでしょう。ただ、妹君の〈聖婚〉については、かなり抵抗しておられました。愛しい妹の結婚に、もれなく戦争のオマケつきでは、逡巡するのも当然と言えば、当然ですな」
恭親王はユリウスという男の苦悩に同情した。中央政界とは距離を取っているとはいえ、レイノークス辺境伯は始祖女王ディアーヌ以来、女王国の辺境を護る由緒ある一族だ。東の帝国に祖国を売り渡したと言われかねない結婚話に躊躇するのは当たり前だ。しかし、言うなればユリウスは〈禁苑〉に異母妹アデライードを人質に取られているようなもので、〈禁苑〉の要求を飲まざるを得ない。何となくレイノークス伯が会いに来る理由がわかった恭親王は、ふと、目の前の男――宦官だが――が何を考えてこの結婚を押し進めようとしているのか、知りたくなった。
「メイローズ、お前はどう思うのだ?この結婚の背後に、帝国の軍事的野心が隠れていても、お前はそれでいいのか?」
あなたにおすすめの小説
押しつけられた身代わり婚のはずが、最上級の溺愛生活が待っていました
cheeery
恋愛
名家・御堂家の次女・澪は、一卵性双生の双子の姉・零と常に比較され、冷遇されて育った。社交界で華やかに振る舞う姉とは対照的に、澪は人前に出されることもなく、ひっそりと生きてきた。
そんなある日、姉の零のもとに日本有数の財閥・凰条一真との縁談が舞い込む。しかし凰条一真の悪いウワサを聞きつけた零は、「ブサイクとの結婚なんて嫌」と当日に逃亡。
双子の妹、澪に縁談を押し付ける。
両親はこんな機会を逃すわけにはいかないと、顔が同じ澪に姉の代わりになるよう言って送り出す。
「はじめまして」
そうして出会った凰条一真は、冷徹で金に汚いという噂とは異なり、端正な顔立ちで品位のある落ち着いた物腰の男性だった。
なんてカッコイイ人なの……。
戸惑いながらも、澪は姉の零として振る舞うが……澪は一真を好きになってしまって──。
「澪、キミを探していたんだ」
「キミ以外はいらない」
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜
紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。
連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。
虐げられた出戻り姫は、こじらせ騎士の執愛に甘く捕らわれる
無憂
恋愛
旧題:水面に映る月影は――出戻り姫と銀の騎士
和平のために、隣国の大公に嫁いでいた末姫が、未亡人になって帰国した。わずか十二歳の妹を四十も年上の大公に嫁がせ、国のために犠牲を強いたことに自責の念を抱く王太子は、今度こそ幸福な結婚をと、信頼する側近の騎士に降嫁させようと考える。だが、騎士にはすでに生涯を誓った相手がいた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。