【R18】女嫌いの医者と偽りのシークレット・ベビー

無憂

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23、書斎*

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 僕はローズマリーの唇を貪りながら薄いモスリンのドレスの裾を捲り上げ、スカートの中に手を滑りこませる。絹のペチコートの下に、ドロワースは穿いていなかった。

 僕は強引に彼女を膝の上に引っ張り上げ、背後から抱きかかえる。顔を横に向けさせて口づけを深めながら、片手を前に回して茂みを掻きわけ、秘裂を指で辿る。ローズマリーの唇がわななくのを無視してさらに舌を絡める。

「ふっ……んっ……」

 もう片方の手でうなじをがっちりと抱え込んでいるから、逃げようにも逃げられない。秘裂を割って敏感な場所をまさぐれば、ローズマリーの腰が動き、秘所はしっとりと潤ってくる。

 上と下と、二か所で体液が水音を立てる。鼻から抜けるローズマリーの息が上がり、腕の中の身体をくねらせて身もだえている。膨らんできた尖りを親指で刺激しながら、中指を蜜口に差し込み、ゆっくりと抜き差しする。あふれ出す蜜を塗り込め、小刻みに動かしてやれば、ローズが苦し気に首を振るので、僕は唇を解放した。

「はあっ、はあっ……あっ……ああっ……だめっ、こんな、ところでっ……」

 ローズは両手で僕の肩にしがみつき、身体をのけ反らせて快感に喘ぐ。僕はもう一つの手でスカートを大きく捲りあげて秘部を露出すると、片手で花びらを広げ、指を二本に増やして内部を掻きまわす。クリトリスの裏側にあたる、内部の敏感な場所をひっかくように動かし、同時に親指でクリトリスをギュッと押した。

「あああっ……」

 一気に蜜が溢れ、ローズが両脚を硬直させ、全身を震わせて達した。形のよい眉を顰め、唇を半ば開いて、紫色の瞳には涙が浮かび、白い喉を反らせて、天を仰ぐ。

 ――ローズは、イくときの顔がとても綺麗だ。何度でもイかせて、その顔を見たくなる。

「綺麗だ、ローズ……その顔、もっと見せて」
「あっ、あっ、ああっ、だめっ、もうっ……いらいあす、やめっ……あああっ」

 僕は絶頂して息も絶え絶えなローズをさらに嬲り続け、もう一度イくまで弄んだ。溢れた涙が目じりから流れるのを、僕は唇で吸いあげる。

 僕は手早くトラウザーズの前を寛げ、昂った欲望を取り出す。ドレスの裾をたくし上げて白い尻を露出させ、背後から一気に貫いた。

「ああっ……こんな、とこでっ……やあっ……」
「大丈夫、誰も、来ない……」
 
 僕は背後からローズをきつく抱きしめ、一つになる感触を味わう。奥まで繋がった状態で、僕に熱い襞が絡みつき、蠢く。腰から融けそうな快楽がぞわぞわと背筋を這いあがり、華奢な体が折れてしまうのではと思うほど腕に力を籠める。

「ローズ……ううっ……ローズ……い……好きだ……」
「いらい、あす……ああっ……」

 僕は背後から抱き込むようにしてローズの顔を横に向け、唇を塞ぐ。それから僕は彼女の細い腰を両手で持ち、彼女の中を突き上げるように腰を動かす。

「あっ、あっ、あっ……ああっ、奥、当たって……ああっ……」

 最奥を突くたびにローズの内部が震え、甘い声が響く。僕は片手を前に回して、敏感な尖りを摘まんだ。中がきゅっと締まり、僕は射精感を堪えて奥歯を噛みしめる。

「くっ……ここ、好きなんだ……もっと、弄ってあげる、イって……何度でも……ローズ……」
「ああっ、あっ、あっ、あっ……ああっ、やっ……あぁあ――――っ」

 内部を突かれながらクリトリスをいじられて、ローズがついに陥落する。絶頂する彼女の締め付けに僕も限界に至り、彼女の中で果てた。



 
「こんな、ところで……よくないわ」
「したくなっちゃったんだから、しょうがないよ」

 少し拗ねたような表情でローズが言う。快楽の余韻が抜けきれないのか、彼女の態度がしどけなくて、それもまた可愛らしい。

 僕は本を拾いあげ、ページを開く。

「君はどんな詩が好き? 読んであげるよ……」
「待って、今は頭が働かない……」

 ローズマリーがまだ整わない息で僕に抱き着く。

「イライアス……わたし、やっぱりあなたがわからない……」
「僕に抱かれるのは嫌?」

 ローズマリーがはしばらく考えて首を振った。

「……嫌じゃないわ、あなたは優しくしてくれる……今までの人とは違う」
「今までの男は乱暴だった?」
「わからない……そんなものだと思っていたから……」

 ローズマリーが、僕の顔を正面から見る。紫色の瞳が涙で潤んでいた。

「デニスの若様の時は初めてで……ベッドに水を持ってきてくれって言われて、そのままベッドに引きずり込まれたの……怖くて、逃げられなかった」

 僕はローズマリーの告白に目を見開く。

「……そう。怖かったね。デニスがそんな男だと僕は思っていなかったけど、若くて傲慢な頃ならば、そういうこともあるかもしれないね」

 デニスと知り合ったのは、彼と僕の従妹、ライラの婚約が調ってからだから、デニスは礼儀正しく快活な男だという印象しかなかった。――だから、野戦病院で告白を聞いて驚いたのだけれど。

「……その後は、なし崩しだったわ。誰にも相談できなかったし、クビにされたらって思ったら、逆らえなかった……」
「使用人を奴隷のように扱うことが許されていると、誤解している人間は残念ながら多い。……君は悪くないよ」
「時々は優しかったのよ。愛してるとも言ってくださった。結婚して、うちの借金も肩代わりしてくれるって――信じたかったの。愛されているんだって……なのに。子供ができたって言ったら、俺の子じゃないって言われたわ……」

 ローズマリーの紫の瞳から真珠のような涙の粒が溢れ、白い頬を転がり落ちていく。僕は痛ましくて思わずその頬に口づけ、涙の粒を吸った。

 デニスが、ローズマリーに対して全く気持ちがなかったということはないだろう。もしそうだったら、デニスは彼女のことをきれいさっぱり忘れ去ったかもしれないから。

 デニスは最期に、ライラに愛していると伝えて欲しい僕に言った。
 ライラに出逢って、デニスはライラを本当に愛して、そうして自分のかつて犯した罪を初めて自覚したのかもしれない。

 僕がローズに出逢って、かつて犯した罪を自覚したように――

 ローズの両の頬を両手で包み、僕は彼女に口づける。ローズの両手が縋るように僕の頭を抱え、うなじをたどり、背中に抱き着いてくる。

「……本当に、わたしでいいの? 男に捨てられて、子持ちで、妻子持ちとも寝てまた捨てられた女よ?」
「君が、いい」
「可哀想な女に同情して、拾ってくれるの?」

 僕は笑った。

「捨てられたのを拾うわけじゃない。僕は君を奪いに行くつもりだったから」

 僕の言葉に、ローズマリーが縋るような目で言った。

「イライアス……お願い。捨てないで。……私も、ルーカスも……それから、この子も」

 まだ膨らまない腹に手を当てて懇願するローズマリーを、僕はもう一度抱き寄せる。

「捨てないよ。やっと僕のものになったのに。全部、僕のものだ。……約束する」

 だが、ローズマリーは僕の腕の中でかぶりを振った。

「約束はいらないの。デニスも、クライブも約束したわ、そして捨てたの……約束はしないで。……イライアス、わたし……」

 ローズマリーは僕に抱きついて、囁くように言った。

「自分が、あなたにふさわしくないってわかってるのに……あなたに縋ってしまう。あなたに、捨てられたら……」

 僕は不安に震える身体を抱きしめて耳元で囁いた。

「ローズ、もっと縋って。捨てないから。……愛してる」


 
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