婚約破棄のご依頼はわたくしまで。

玄米茶

文字の大きさ
1 / 1

しおりを挟む

「ミリリアン・レイシーーーーーー。第1王子で未来の王であるこの俺様はお前との婚約を今ここで破棄するーーーーー」

会場中の人が一斉にシーンとなる。
何事かと声の主、この金切り声をあげたネアンタール王国第1王子アスラ・ネアンタールを見た。
第1王子で未来の王って聞くと、威厳のある声と体格、そして品格を持っていそうだけど、コイツは真逆。ま・ぎゃ・く。

全く威厳のないか細い声しかあげられず、大声を出そうと思えば金切り声に。体格は貧相で、剣振り回したら骨折しそう。
脳内に詰まって蟹ミソなんじゃないかっていうくらい、あったまスッカラカンのバカ王子。
こいつの人物紹介はこんな感じで、いいよね?みんなにもよく伝わったでしょう?

アスラは隣に震えながら立っている令嬢の肩を抱き寄せながら再び叫ぶ。

「この俺様はーーー、お前のような野蛮な女ではなくーーー、この俺様の隣いるーーー、可憐でお淑やかなーーー、ユア・レーガン嬢を新たな婚約者とするーーー」

応援団の団長かとツッコミを入れたくなるほど、語尾を伸ばす。そして、背中のそりぐあい。大丈夫かな?尻もちつかないかな?と心配しているふりして、大丈夫かなwwここで尻もちついたらめちゃくちゃおもろいんだけどwww大草原と思いながら見ていると、案の定、尻もちついた。
とっさに可憐でお淑やかな(笑)ユア・レーガンのドレスをつかんだため、ユアも一緒によろける。
どうして、応援団の人ってあんなにそるのかな?と前々から思っていたけど、これは日ごろから運動していて、筋力がある人しかやっちゃいけないポーズだわ。

アスラは何事もなかったかのように立ち上がるが、周りで見ている人は苦笑を禁じ得ない。
会場中にクスクス笑いが広がる。

「とっ、とにかくーーーー俺様はミリリアン・レイシーと婚約破棄しーーーーーーー、俺様の隣にいるユア・レーガン嬢と婚約するーーーーー」

そんなに叫ばなくても聞こえていますって。
ついでに会場中の人は俺様と何回連呼すれぼ気がすむんだ!とツッコミたくなったこと間違いなしだ。

ちなみにここで名前の呼ばれた、ユイ・レーガン嬢とは、誰であろうこのわたくしノワール・アルティのことですわ。

バカ王子に隣に立っている悪役令嬢役なんて本名でやるわけないじゃありませんか。

わたくしは今回の依頼も順調に行きそうだとほくそ笑みながら、さっきから下品な馬鹿王子から名前を連呼されている、ミリリアン・レイシーにアイコンタクトを送る。

さあ、これからが本番よ!!
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

腹に彼の子が宿っている? そうですか、ではお幸せに。

四季
恋愛
「わたくしの腹には彼の子が宿っていますの! 貴女はさっさと消えてくださる?」 突然やって来た金髪ロングヘアの女性は私にそんなことを告げた。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。

しぎ
恋愛
カーティア・メラーニはある日、自分が悪役令嬢であることに気づいた。 断罪イベントまではあと数ヶ月、ヒロインへのざまぁ返しを計画…せずに、カーティアは大好きな読書を楽しみながら、修道院のパンフレットを取り寄せるのだった。悪役令嬢としての日々をカーティアがのんびり過ごしていると、不仲だったはずの婚約者との距離がだんだんおかしくなってきて…。

夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども

神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」 と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。 大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。 文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!

「そうだ、結婚しよう!」悪役令嬢は断罪を回避した。

ミズメ
恋愛
ブラック企業で過労死(?)して目覚めると、そこはかつて熱中した乙女ゲームの世界だった。 しかも、自分は断罪エンドまっしぐらの悪役令嬢ロズニーヌ。そしてゲームもややこしい。 こんな謎運命、回避するしかない! 「そうだ、結婚しよう」 断罪回避のために動き出す悪役令嬢ロズニーヌと兄の友人である幼なじみの筋肉騎士のあれやこれや

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

ヒロインと結婚したメインヒーローの側妃にされてしまいましたが、そんなことより好きに生きます。

下菊みこと
恋愛
主人公も割といい性格してます。 アルファポリス様で10話以上に肉付けしたものを読みたいとのリクエストいただき大変嬉しかったので調子に乗ってやってみました。 小説家になろう様でも投稿しています。

悪役令嬢の大きな勘違い

神々廻
恋愛
この手紙を読んでらっしゃるという事は私は処刑されたと言う事でしょう。 もし......処刑されて居ないのなら、今はまだ見ないで下さいまし 封筒にそう書かれていた手紙は先日、処刑された悪女が書いたものだった。 お気に入り、感想お願いします!

処理中です...