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II メドース・リガリァと北部海峡列国同盟
北部海峡列国同盟締結 4 再会麗しい人、野外陽光の下で…後
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砂緒と七華は手に手を取って、崖から離れ林の奥に分け入った。
「短い間でしたけど、よくこうして逢引しましたわね……」
木の根等を乗り越える時に、砂緒は七華の手を持ち上げ、二人はコケない様に下を向き慎重に歩いた。
「コケてしまうと綺麗なドレスが台無しです」
「うふふ、どこに行くのかしら?」
しばらく歩くと神殿の廃墟の白い石が立っている場所があった。
「あそこに……ごつごつしていない綺麗な場所がありますね」
「……そうね、あそこに決めましょうか……」
七華が妖しく微笑んだ。しかしその少し離れた場所を、戦闘行動並みに慎重に気配を消したセレネが追跡していた……
砂緒は七華の両手首を掴むと、石の壁に押し付けた。
「嗚呼、何を為さるの!?」
(……それ、あたしにもやってたヤツじゃん……)
セレネは遠巻きに見ていた。
「こうします……」
砂緒は、はむっという音が聞こえそうな程、突然七華の唇を奪った。遠くからは見えなくとも、そのまま二人が激しく舌を絡めている事は明白だった。手首を掴んでいた手はいつしか指先を絡めて握り合い、度々姿勢や角度を変えつつ、二人はしつこいくらいにお互いの唇を吸い合っていた。
(……なんだよ……それ)
セレネは野外で激しく唇を重ねる二人を、ただただ冷めた目で見ていた。
「はぁ……はぁ……」
砂緒が七華から離れると、二人の唇の間に光る糸が引いた。
「……しちか」
「どう為さるの??」
「こう……します」
砂緒は少しだけ勇んで震える手で、七華のドレスのオフショルダーの肩に手を置くと、そのままスルスルと下げ始めた。
「……駄目ですわ……こんな明るい場所で……」
七華は乳房がギリギリはだける寸前でドレスを押さえ、これ以上脱がされる事を防いだ。
「止めましょうか……人を呼びましょうか? 襲われていますよって」
「意地悪ですわね……」
わね、の辺りで七華の力が抜け、それを合図にドレスをするすると降ろしきった。
「嫌っ……恥ずかしい……ですわ」
ドレスを降ろしきると、砂緒は今度は両手首を下向きに押さえた。七華は、木々の間を抜け埃を含んでキラキラ光る陽光の下、白く形の良い乳房を完全に露出させられていた。
「恥ずかしく無いです、彫像の様でとても美しい……」
七華は顔をそむけて頬を赤らめた。
「じろじろ見ないで下さいまし……」
もともと白い七華の上半身や乳房がみるみる赤く染まって行き、七華が興奮している事が手に取る様に分かった。
「恥ずかしいですか?」
言ってからじっと顔を見る。
「……もう許して……」
「許しません」
「……駄目……ですわ」
「……懐かしいです……」
砂緒は先程の土下座状態と攻守逆転し、七華を意地悪く攻めていた。
「……いじわる……」
(………………………………………………………………何だコレ)
セレネは眉間に深いシワを寄せ、頭を抱えた。
(砂緒は……あたしと接する時は小学生のバカ男子みたいな振りしてて、実際にはこんな大人な事してたのかよ……つまりあたしはからかわれてたのか……)
いつしかセレネはこんなしょーもない男の為に、ショックを受けてポロポロと涙を流していた。
(こんなドレスまで着て、再会を心待ちにして……可笑しいよ……)
そのままセレネはこんな馬鹿主人公の為に、両手首で涙を拭って大泣きしていた。
ポトッ
「何ですの?」
七華が砂緒の袖からキラッと光る何かが落ちたのを見つけた。
「危ない……これは魔ローダーの始動鍵です。元々貴方の宝石の」
「あ……本当ですわ」
七華は乳房丸出しのまま宝石を拾った。
「フルエレは知らないのですが、ユティトレッドの魔ローダー数機がかりでフルエレの魔ローダーを抱えて大型船に乗せて、今はこの島に隠されています。いざという時に戦う為でしょう」
「……そうなの? ではこれはお返しするわ」
「は、はい……」
お互い半裸のまま、妙な会話が入り気まずくなって来た。
「にゃーーーーーーーーーーーにゃあ~~~~~フーーーーッ」
「え? 何何!? 何かしら!?」
「何だ? モンスターか??」
突然二人の耳に妙な猫型モンスターぽい鳴き声が響いた。当然セレネが泣きながら江戸屋なにがし的に鳴き声を真似ている物だった……
「シャーーーッッ、ふうーーーーー、にゃーーーーーーー!!!」
「何かしら? さかりが付いているのかしら??」
「恐ろしい鳴き声です……もし貴方が裸体のまま襲われると名誉に関わります、この場は収めましょう」
「でも何かしら……人間の娘が猫の真似をしているだけにも聞こえるわ」
「い、いえ違いましょう。早く逃げた方が良いです」
砂緒は冷や汗を掻いた。
「そ、そうね、私達余程化け猫に縁がありそうね」
七華は乱れた髪を直し、はだけた胸を収めると、そそくさと立ち上がった。
「エスコートします、急ぎましょう……」
二人は急いでその場を後にして、兵達が多く警備している場所まで戻った。
「七華……再会出来て本当に良かったです。ご縁があればまた逢いたい、でも私は先程の化け物が余程気になるので、戻って見て参ります」
「ええ!? 戻ってしまうのです? 大丈夫ですの??」
「大丈夫です。貴方はここに居て」
砂緒は冷や汗を掻きながら先程の場所に戻った。何故なら先程の化け猫の鳴き声が、セレネの声その物だったから……
「ハァハァ」
砂緒は大急ぎで先程七華と未遂に終わった、白い石が並ぶ場所に戻って来ていた。
「何だ?」
砂緒が誰か居ないかキョロキョロ見渡していると、石の間にキラッと光る何かがあった。瞬間的に魔ローダーの始動鍵を又落としたのかと考えたが、それは確かに保持していた。
「何だろ? あ……」
近寄って見て分かった。それはセレネにプレゼントした宝石のイヤリングの片割れだった……
(アーーーーーーッ)
砂緒は頭を抱えてしゃがみ込んだ。
「やってしまった……今度何時会えるかも分からない七華との一時の欲望に負けて、明日から毎日会いたい大切な相手の信用を破壊してしまった、ああああああ、やってしまったあああ。私はなんて馬鹿な事を……」
砂緒は頭を抱えたままブツブツ一人で言った。
「もう一つは何処に?」
砂緒はなんとか気を取り直して、もう一つのイヤリングの片割れを探し、揃ってセレネに渡しなんとか謝り倒そうと思った。
「無いー無いーしまった、何処に??」
砂緒がしゃがみ込んで必死に探していると謎のパフパフした物体が二つ落ちていた。
「なんぞこれ?」
セレネが泣きながら捨てたドレスの胸の部分の詰め物だった。
「何だろう……暖かい」
砂緒は、ほのかに暖かいパフパフした物をそっと頬に当てた……てやめなさい……
「こんな事はしておれない、早くセレネに会って言い訳……いや謝ろう……て、何て?」
砂緒はイヤリングの片割れを強く握りしめた。
その砂緒が立ち尽くす林の中、少し離れた場所にユッマランドの王女美魅ィとその忠実な侍女で魔ローダー操縦者の璃凪が居た。
「美魅ィさま、先程からあちらで物音がしたり声がしたり……私怖いです」
璃凪はメイド服の背中が開き、袖から手を抜き上半身裸になっていた。
「大丈夫よ、私が付いているわ……本当に可愛い子ね……」
「あっ」
美魅ィは璃凪の唇を奪った。二人はそうした関係だった。
「もうそろそろ戻りましょうか……式典が始まってしまいそう……」
美魅ィは脱いでいた服を着直し、同じように服を着た璃凪に言った。
「はい……私どきどきです。式典の前に、しかも聖域でこんな事をしても良いのでしょうか」
「良いのよ、精霊達も璃凪の美しい裸体を見て喜んでらっしゃるわ」
「まあ……やめて下さい」
「でも……私達の魔ローダーが入れてもらえないなんて、残念だわ」
「本当に何かが起こるのでしょうか?」
「起こるわ、きっと……その為にも魔ローダーを入れておきたかったけど」
「でも、持ち込むと本国ががら空きに。それはそれで心配ではないでしょうか」
「それもそうなのよね」
二人は林の中、手に手を取って歩き出した。
「あ~~やっぱり依世ちゃんが見つからないな~~」
ラ・マッロカンプのウェカ王子はまだまだキョロキョロしていた。
「もういい加減にしいや、依世ちゃんは此処にはおらへんわ~~」
方言変更を諦めた、怪しい仮面を装着した美魔女剣士R子こと、瑠璃ィが言った。
「まあ……凄く美しい方が……キラキラ光る金髪がまるで天使の様」
セクシーなメイドさんのメアが目を輝かせ、手を組んでうっとりして言った。
「はぁ~~~そんな依世ちゃんより美しい天使が居る訳ないじゃん!!」
ウェカ王子が目を細めて、メアが歓声を上げた方向を見てみた。
「あ……嘘だ……依世ちゃんだ……信じられない……依世ちゃんが居た!!」
ウェカ王子がポロポロ涙を流して見る視線の先を瑠璃ィが見た。それは係員に導かれ更衣室に向かう雪乃フルエレだった。
「あれーーーー!? 何で第一村人が此処におるんやっ!?」
「王子!! あれは雪乃フルエレさんと言って同盟の立ち合い人で、年齢は確か十五歳ですよっ!! 王子さまは十三歳、依世ちゃんは年齢を追い越すスキルでもお持ちですか??」
走り出そうとする王子をメアは必死に押し留めた。
「違う!! 依世ちゃんが素敵なレイディに成長したら、こんな風になるだろうなって姿その物なんだよ! きっと依世ちゃんに違い無いよ!!」
ウェカ王子はメアを必死に振り払おうとする。
(あかん……第一村人にはウチが思い切り東の海を渡って来た事を教えとる……もしウチが神聖連邦帝国の関係者だとバレたらなんかヤバイ気が……ていうか何で第一村人が超VIPに??)
瑠璃ィは滝汗が出て来た。
「短い間でしたけど、よくこうして逢引しましたわね……」
木の根等を乗り越える時に、砂緒は七華の手を持ち上げ、二人はコケない様に下を向き慎重に歩いた。
「コケてしまうと綺麗なドレスが台無しです」
「うふふ、どこに行くのかしら?」
しばらく歩くと神殿の廃墟の白い石が立っている場所があった。
「あそこに……ごつごつしていない綺麗な場所がありますね」
「……そうね、あそこに決めましょうか……」
七華が妖しく微笑んだ。しかしその少し離れた場所を、戦闘行動並みに慎重に気配を消したセレネが追跡していた……
砂緒は七華の両手首を掴むと、石の壁に押し付けた。
「嗚呼、何を為さるの!?」
(……それ、あたしにもやってたヤツじゃん……)
セレネは遠巻きに見ていた。
「こうします……」
砂緒は、はむっという音が聞こえそうな程、突然七華の唇を奪った。遠くからは見えなくとも、そのまま二人が激しく舌を絡めている事は明白だった。手首を掴んでいた手はいつしか指先を絡めて握り合い、度々姿勢や角度を変えつつ、二人はしつこいくらいにお互いの唇を吸い合っていた。
(……なんだよ……それ)
セレネは野外で激しく唇を重ねる二人を、ただただ冷めた目で見ていた。
「はぁ……はぁ……」
砂緒が七華から離れると、二人の唇の間に光る糸が引いた。
「……しちか」
「どう為さるの??」
「こう……します」
砂緒は少しだけ勇んで震える手で、七華のドレスのオフショルダーの肩に手を置くと、そのままスルスルと下げ始めた。
「……駄目ですわ……こんな明るい場所で……」
七華は乳房がギリギリはだける寸前でドレスを押さえ、これ以上脱がされる事を防いだ。
「止めましょうか……人を呼びましょうか? 襲われていますよって」
「意地悪ですわね……」
わね、の辺りで七華の力が抜け、それを合図にドレスをするすると降ろしきった。
「嫌っ……恥ずかしい……ですわ」
ドレスを降ろしきると、砂緒は今度は両手首を下向きに押さえた。七華は、木々の間を抜け埃を含んでキラキラ光る陽光の下、白く形の良い乳房を完全に露出させられていた。
「恥ずかしく無いです、彫像の様でとても美しい……」
七華は顔をそむけて頬を赤らめた。
「じろじろ見ないで下さいまし……」
もともと白い七華の上半身や乳房がみるみる赤く染まって行き、七華が興奮している事が手に取る様に分かった。
「恥ずかしいですか?」
言ってからじっと顔を見る。
「……もう許して……」
「許しません」
「……駄目……ですわ」
「……懐かしいです……」
砂緒は先程の土下座状態と攻守逆転し、七華を意地悪く攻めていた。
「……いじわる……」
(………………………………………………………………何だコレ)
セレネは眉間に深いシワを寄せ、頭を抱えた。
(砂緒は……あたしと接する時は小学生のバカ男子みたいな振りしてて、実際にはこんな大人な事してたのかよ……つまりあたしはからかわれてたのか……)
いつしかセレネはこんなしょーもない男の為に、ショックを受けてポロポロと涙を流していた。
(こんなドレスまで着て、再会を心待ちにして……可笑しいよ……)
そのままセレネはこんな馬鹿主人公の為に、両手首で涙を拭って大泣きしていた。
ポトッ
「何ですの?」
七華が砂緒の袖からキラッと光る何かが落ちたのを見つけた。
「危ない……これは魔ローダーの始動鍵です。元々貴方の宝石の」
「あ……本当ですわ」
七華は乳房丸出しのまま宝石を拾った。
「フルエレは知らないのですが、ユティトレッドの魔ローダー数機がかりでフルエレの魔ローダーを抱えて大型船に乗せて、今はこの島に隠されています。いざという時に戦う為でしょう」
「……そうなの? ではこれはお返しするわ」
「は、はい……」
お互い半裸のまま、妙な会話が入り気まずくなって来た。
「にゃーーーーーーーーーーーにゃあ~~~~~フーーーーッ」
「え? 何何!? 何かしら!?」
「何だ? モンスターか??」
突然二人の耳に妙な猫型モンスターぽい鳴き声が響いた。当然セレネが泣きながら江戸屋なにがし的に鳴き声を真似ている物だった……
「シャーーーッッ、ふうーーーーー、にゃーーーーーーー!!!」
「何かしら? さかりが付いているのかしら??」
「恐ろしい鳴き声です……もし貴方が裸体のまま襲われると名誉に関わります、この場は収めましょう」
「でも何かしら……人間の娘が猫の真似をしているだけにも聞こえるわ」
「い、いえ違いましょう。早く逃げた方が良いです」
砂緒は冷や汗を掻いた。
「そ、そうね、私達余程化け猫に縁がありそうね」
七華は乱れた髪を直し、はだけた胸を収めると、そそくさと立ち上がった。
「エスコートします、急ぎましょう……」
二人は急いでその場を後にして、兵達が多く警備している場所まで戻った。
「七華……再会出来て本当に良かったです。ご縁があればまた逢いたい、でも私は先程の化け物が余程気になるので、戻って見て参ります」
「ええ!? 戻ってしまうのです? 大丈夫ですの??」
「大丈夫です。貴方はここに居て」
砂緒は冷や汗を掻きながら先程の場所に戻った。何故なら先程の化け猫の鳴き声が、セレネの声その物だったから……
「ハァハァ」
砂緒は大急ぎで先程七華と未遂に終わった、白い石が並ぶ場所に戻って来ていた。
「何だ?」
砂緒が誰か居ないかキョロキョロ見渡していると、石の間にキラッと光る何かがあった。瞬間的に魔ローダーの始動鍵を又落としたのかと考えたが、それは確かに保持していた。
「何だろ? あ……」
近寄って見て分かった。それはセレネにプレゼントした宝石のイヤリングの片割れだった……
(アーーーーーーッ)
砂緒は頭を抱えてしゃがみ込んだ。
「やってしまった……今度何時会えるかも分からない七華との一時の欲望に負けて、明日から毎日会いたい大切な相手の信用を破壊してしまった、ああああああ、やってしまったあああ。私はなんて馬鹿な事を……」
砂緒は頭を抱えたままブツブツ一人で言った。
「もう一つは何処に?」
砂緒はなんとか気を取り直して、もう一つのイヤリングの片割れを探し、揃ってセレネに渡しなんとか謝り倒そうと思った。
「無いー無いーしまった、何処に??」
砂緒がしゃがみ込んで必死に探していると謎のパフパフした物体が二つ落ちていた。
「なんぞこれ?」
セレネが泣きながら捨てたドレスの胸の部分の詰め物だった。
「何だろう……暖かい」
砂緒は、ほのかに暖かいパフパフした物をそっと頬に当てた……てやめなさい……
「こんな事はしておれない、早くセレネに会って言い訳……いや謝ろう……て、何て?」
砂緒はイヤリングの片割れを強く握りしめた。
その砂緒が立ち尽くす林の中、少し離れた場所にユッマランドの王女美魅ィとその忠実な侍女で魔ローダー操縦者の璃凪が居た。
「美魅ィさま、先程からあちらで物音がしたり声がしたり……私怖いです」
璃凪はメイド服の背中が開き、袖から手を抜き上半身裸になっていた。
「大丈夫よ、私が付いているわ……本当に可愛い子ね……」
「あっ」
美魅ィは璃凪の唇を奪った。二人はそうした関係だった。
「もうそろそろ戻りましょうか……式典が始まってしまいそう……」
美魅ィは脱いでいた服を着直し、同じように服を着た璃凪に言った。
「はい……私どきどきです。式典の前に、しかも聖域でこんな事をしても良いのでしょうか」
「良いのよ、精霊達も璃凪の美しい裸体を見て喜んでらっしゃるわ」
「まあ……やめて下さい」
「でも……私達の魔ローダーが入れてもらえないなんて、残念だわ」
「本当に何かが起こるのでしょうか?」
「起こるわ、きっと……その為にも魔ローダーを入れておきたかったけど」
「でも、持ち込むと本国ががら空きに。それはそれで心配ではないでしょうか」
「それもそうなのよね」
二人は林の中、手に手を取って歩き出した。
「あ~~やっぱり依世ちゃんが見つからないな~~」
ラ・マッロカンプのウェカ王子はまだまだキョロキョロしていた。
「もういい加減にしいや、依世ちゃんは此処にはおらへんわ~~」
方言変更を諦めた、怪しい仮面を装着した美魔女剣士R子こと、瑠璃ィが言った。
「まあ……凄く美しい方が……キラキラ光る金髪がまるで天使の様」
セクシーなメイドさんのメアが目を輝かせ、手を組んでうっとりして言った。
「はぁ~~~そんな依世ちゃんより美しい天使が居る訳ないじゃん!!」
ウェカ王子が目を細めて、メアが歓声を上げた方向を見てみた。
「あ……嘘だ……依世ちゃんだ……信じられない……依世ちゃんが居た!!」
ウェカ王子がポロポロ涙を流して見る視線の先を瑠璃ィが見た。それは係員に導かれ更衣室に向かう雪乃フルエレだった。
「あれーーーー!? 何で第一村人が此処におるんやっ!?」
「王子!! あれは雪乃フルエレさんと言って同盟の立ち合い人で、年齢は確か十五歳ですよっ!! 王子さまは十三歳、依世ちゃんは年齢を追い越すスキルでもお持ちですか??」
走り出そうとする王子をメアは必死に押し留めた。
「違う!! 依世ちゃんが素敵なレイディに成長したら、こんな風になるだろうなって姿その物なんだよ! きっと依世ちゃんに違い無いよ!!」
ウェカ王子はメアを必死に振り払おうとする。
(あかん……第一村人にはウチが思い切り東の海を渡って来た事を教えとる……もしウチが神聖連邦帝国の関係者だとバレたらなんかヤバイ気が……ていうか何で第一村人が超VIPに??)
瑠璃ィは滝汗が出て来た。
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