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2章天鬼鶏
社畜 三人集まる
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「それでなんのつもりだ?」
叶は問い詰める
蓮二を連れてきた事に対して
「なんのつもりとは?」
「この研究所に人を招いた事など無いお前が初めて招いたんだ」
葉一は今までこの研究所に人を招いた事はなかった
一度もだ
そんな葉一が蓮二を招いた事に何か思惑があると踏む
(この男は何を考えているのか分からない。鶏……いや井坂蓮二と言ったか。強い異能者というくらいしか知らないが何かあるのか)
「祈りの秘薬が売り切れていたからな」
「その程度の話ならよくある話だろ。今までも何度もあった事だ」
祈りの秘薬はよく売り切れる
高額だが販売数が少なく有用な効果を持つ為直ぐに売り切れてしまう
それも少し前までは卸していた数は今よりも少ない
「祈りの秘薬を求めている知り合いと会うのは初めてだった」
「ダウト、お前は顔が広い人間だ。それも探索者の知り合いが、少し聞けば祈りの秘薬を求める者は多かろう」
探索者歴の長い葉一は探索者の知り合いが多い
深く関わっている者は多くは無いが探索者としてダンジョンに潜る葉一が他の探索者と関わる事はよくある
「そうでも無い。そもそも私がお前と関わっているのを知っている人間は極わすがだ」
「それは……そうか、関わりを知る人間は多くない」
「怪しんでいるのか」
「お前は怪しいからな。見た目も性格も」
「……それは酷くないか?」
「そうか? 妥当な評価だと思うが」
葉一は咳払いをする
「彼は強い異能者で探索者だ。今のうちに恩を売っておいても損は無い」
「確かに強力な異能者だ。しかし、お前や僕より強いとは思わないな」
叶は断言する
叶は異能者でダンジョンに潜った事もある
ただ戦闘を得意としている訳ではなく戦いは嫌いな部類
「……出力に変化がある。恐らく出力に関する条件があるのだろう」
「状況次第ではと」
「あぁ」
「私はダンジョンには潜らない。人と関わる気もない」
「少しは外に出たらどうだ」
「不要だ。それよりも私は研究をする。私は1人でも多く人を救う。話は終わりだ」
叶は奥の部屋に帰っていく
「良い刺激になると思ったのだがな」
冷めた茶を飲む
帰路を歩いている蓮二は鳴り響く着信音に気づく
自分のスマホだ
直ぐに画面を確認すると獅子神一鬼と書かれていた
電話に出る
「もしもし」
『もしもし、鶏くん今暇?』
「暇だけど今は外出中」
『次のダンジョン何処にするかって話を天音としててね。来れる?』
「成程、時間はかかるけど向かうよ。獅子神さんの家?」
『そ、私の家だから着いたらチャイム鳴らしてね~』
「分かった」
通話を終える
「さて、少し急いで走るか。今日は革靴じゃないし走りやすい」
会社では無いためスーツや革靴ではなく楽な格好をしている
そしてそれは動きやすいという事
防具も身につけておらず剣も持っていない
その分早く走れる
勢いよく地を蹴り駆ける
「早っ」
「なにあれアスリート?」
「速い……」
「あの速さで人にぶつからずに進めるとは」
「あれは身体能力系の異能者か?」
「凄い速いねぇ」
すれ違う人々に驚かれる
そのまま走り一鬼の家に着く
「流石に遠かったな」
チャイムを鳴らす
「速かったねぇ。口振りからもっと時間かかるのかと思ったよ」
家に入って居間に向かう
居間では天音が居て真剣にスマホを見ている
「走ってきたから想定より早かった」
「急がなくても良かったのに」
「まだ走り込みをしてなかったからちょうど良かった」
「買い物?」
「あぁ、取引所で買い物をしてたんだ。止血剤とか包帯とか……それと祈りの秘薬」
「あの薬か。売ってたのか?」
「いや、売り切れてて偶然浮塚さんに会って研究所で薬を貰った」
先程の出来事を話す
「浮塚さん?」
「あの薬の異能者の少女と一緒に居た男性、浮塚葉一さんって名前らしい」
「ほぅ、成程、彼女の名前は?」
「月神叶さん」
「蓮二さん祈りの秘薬手に入れたんですね」
「準備はしっかりとしようと思ってな」
「あの薬には助けられたからな。買おうとしたが売り切れてたんだよな」
「かなり人気らしいからね。それでもう何処か決めた?」
「いえ、まだです」
「近くに4級はまだあると言うか最近増えた。まだろくに情報のないダンジョン、私も一階層を軽く探索した程度、魔物の強さは4級で間違いない」
4級ダンジョンを幾つも経験している一鬼の言葉なら信用出来る
「ダンジョンの形は?」
「洞窟型だ」
「まだ攻略どころか情報もない所ですか。悪くは無いですね」
「情報がないのがなぁ」
「洞窟型は遺跡型と違って罠は無いがあの魔物みたいなのが出るかもしれないな」
再生する触手の魔物
あの魔物が出た3級ダンジョンも洞窟型
「新しく出たなら可能性はありそうですね」
探索者の間で言われている話
新しいダンジョンは既存のダンジョンより厄介になっている
あくまで噂程度の話だが再生する魔物の出たあの3級ダンジョンはダンジョンの中では新しい部類に入る
「やるなら時間をかけてゆっくり進むだな。戦力としては4級ダンジョンであれば不足していないし経験者も居る。しかし……」
まだ情報のないダンジョン、その危険性は現状では想像の範囲でしか判断が出来ない
「もしメンバーを集めるとしたら最低でも私クラスの強さを持つ人間か天音のような後方の異能者それも凌ぐ程度はできる力を持つ。弱ければ足手纏いになる」
前回の4級ダンジョンの主との戦いで手加減されていた状態とはいえ善戦はしていた
今回も同等の強さを持つ主が居た場合最低でも一鬼クラスの実力が無ければ呆気なく殺されるだろう
(あのクラスの強さはなくとも4級ダンジョンの主相手で少数なら最低でも私と同等、それは譲れない)
「獅子神クラスもそうそう居ない」
「まぁ取り敢えずは無理はせずに行こう。配信の有無は2人に任せるよ」
「分かった」
「はい! お任せ下さい」
「明日一度一階層、二階層くらいまで見てこよう。魔物の強さの再確認したいし」
「分かった」
「了解」
その後雑談をした後に解散する
そして翌日準備をして一鬼の家に集まる
叶は問い詰める
蓮二を連れてきた事に対して
「なんのつもりとは?」
「この研究所に人を招いた事など無いお前が初めて招いたんだ」
葉一は今までこの研究所に人を招いた事はなかった
一度もだ
そんな葉一が蓮二を招いた事に何か思惑があると踏む
(この男は何を考えているのか分からない。鶏……いや井坂蓮二と言ったか。強い異能者というくらいしか知らないが何かあるのか)
「祈りの秘薬が売り切れていたからな」
「その程度の話ならよくある話だろ。今までも何度もあった事だ」
祈りの秘薬はよく売り切れる
高額だが販売数が少なく有用な効果を持つ為直ぐに売り切れてしまう
それも少し前までは卸していた数は今よりも少ない
「祈りの秘薬を求めている知り合いと会うのは初めてだった」
「ダウト、お前は顔が広い人間だ。それも探索者の知り合いが、少し聞けば祈りの秘薬を求める者は多かろう」
探索者歴の長い葉一は探索者の知り合いが多い
深く関わっている者は多くは無いが探索者としてダンジョンに潜る葉一が他の探索者と関わる事はよくある
「そうでも無い。そもそも私がお前と関わっているのを知っている人間は極わすがだ」
「それは……そうか、関わりを知る人間は多くない」
「怪しんでいるのか」
「お前は怪しいからな。見た目も性格も」
「……それは酷くないか?」
「そうか? 妥当な評価だと思うが」
葉一は咳払いをする
「彼は強い異能者で探索者だ。今のうちに恩を売っておいても損は無い」
「確かに強力な異能者だ。しかし、お前や僕より強いとは思わないな」
叶は断言する
叶は異能者でダンジョンに潜った事もある
ただ戦闘を得意としている訳ではなく戦いは嫌いな部類
「……出力に変化がある。恐らく出力に関する条件があるのだろう」
「状況次第ではと」
「あぁ」
「私はダンジョンには潜らない。人と関わる気もない」
「少しは外に出たらどうだ」
「不要だ。それよりも私は研究をする。私は1人でも多く人を救う。話は終わりだ」
叶は奥の部屋に帰っていく
「良い刺激になると思ったのだがな」
冷めた茶を飲む
帰路を歩いている蓮二は鳴り響く着信音に気づく
自分のスマホだ
直ぐに画面を確認すると獅子神一鬼と書かれていた
電話に出る
「もしもし」
『もしもし、鶏くん今暇?』
「暇だけど今は外出中」
『次のダンジョン何処にするかって話を天音としててね。来れる?』
「成程、時間はかかるけど向かうよ。獅子神さんの家?」
『そ、私の家だから着いたらチャイム鳴らしてね~』
「分かった」
通話を終える
「さて、少し急いで走るか。今日は革靴じゃないし走りやすい」
会社では無いためスーツや革靴ではなく楽な格好をしている
そしてそれは動きやすいという事
防具も身につけておらず剣も持っていない
その分早く走れる
勢いよく地を蹴り駆ける
「早っ」
「なにあれアスリート?」
「速い……」
「あの速さで人にぶつからずに進めるとは」
「あれは身体能力系の異能者か?」
「凄い速いねぇ」
すれ違う人々に驚かれる
そのまま走り一鬼の家に着く
「流石に遠かったな」
チャイムを鳴らす
「速かったねぇ。口振りからもっと時間かかるのかと思ったよ」
家に入って居間に向かう
居間では天音が居て真剣にスマホを見ている
「走ってきたから想定より早かった」
「急がなくても良かったのに」
「まだ走り込みをしてなかったからちょうど良かった」
「買い物?」
「あぁ、取引所で買い物をしてたんだ。止血剤とか包帯とか……それと祈りの秘薬」
「あの薬か。売ってたのか?」
「いや、売り切れてて偶然浮塚さんに会って研究所で薬を貰った」
先程の出来事を話す
「浮塚さん?」
「あの薬の異能者の少女と一緒に居た男性、浮塚葉一さんって名前らしい」
「ほぅ、成程、彼女の名前は?」
「月神叶さん」
「蓮二さん祈りの秘薬手に入れたんですね」
「準備はしっかりとしようと思ってな」
「あの薬には助けられたからな。買おうとしたが売り切れてたんだよな」
「かなり人気らしいからね。それでもう何処か決めた?」
「いえ、まだです」
「近くに4級はまだあると言うか最近増えた。まだろくに情報のないダンジョン、私も一階層を軽く探索した程度、魔物の強さは4級で間違いない」
4級ダンジョンを幾つも経験している一鬼の言葉なら信用出来る
「ダンジョンの形は?」
「洞窟型だ」
「まだ攻略どころか情報もない所ですか。悪くは無いですね」
「情報がないのがなぁ」
「洞窟型は遺跡型と違って罠は無いがあの魔物みたいなのが出るかもしれないな」
再生する触手の魔物
あの魔物が出た3級ダンジョンも洞窟型
「新しく出たなら可能性はありそうですね」
探索者の間で言われている話
新しいダンジョンは既存のダンジョンより厄介になっている
あくまで噂程度の話だが再生する魔物の出たあの3級ダンジョンはダンジョンの中では新しい部類に入る
「やるなら時間をかけてゆっくり進むだな。戦力としては4級ダンジョンであれば不足していないし経験者も居る。しかし……」
まだ情報のないダンジョン、その危険性は現状では想像の範囲でしか判断が出来ない
「もしメンバーを集めるとしたら最低でも私クラスの強さを持つ人間か天音のような後方の異能者それも凌ぐ程度はできる力を持つ。弱ければ足手纏いになる」
前回の4級ダンジョンの主との戦いで手加減されていた状態とはいえ善戦はしていた
今回も同等の強さを持つ主が居た場合最低でも一鬼クラスの実力が無ければ呆気なく殺されるだろう
(あのクラスの強さはなくとも4級ダンジョンの主相手で少数なら最低でも私と同等、それは譲れない)
「獅子神クラスもそうそう居ない」
「まぁ取り敢えずは無理はせずに行こう。配信の有無は2人に任せるよ」
「分かった」
「はい! お任せ下さい」
「明日一度一階層、二階層くらいまで見てこよう。魔物の強さの再確認したいし」
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