社畜探索者〜紅蓮の王と異界迷宮と配信者〜

代永 並木

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2章天鬼鶏

社畜 激戦

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蓮二が炎の刀を作り突っ込む
真正面から炎の刀を振るい攻撃を仕掛ける
二本の炎の刀で切りかかるが魔物は的確に攻撃を避ける

「早いな」

刀で突きを繰り出す
魔物は大きく飛び退いて避ける
蓮二の後ろから飛び出したレイが槍を振るう
前足の爪で槍を防ぐ
爪に槍で何度も攻撃を仕掛ける
間髪入れずに蓮二が刀を振るう
魔物は炎の刀を避ける
更に接近して剣を抜いて切りかかる
炎の刀を避けたタイミングで剣を振るう
そして同タイミングで異能で背後に移動したレイが槍を振るう
前足の爪で剣を防ぎ槍を蛇のような尻尾で噛み止める
すぐに尻尾に蹴りを繰り出す
蹴りを食らった尻尾は槍を離すがレイに襲いかかる
槍で応戦する
素早い突きを繰り出すが躱される
槍に巻き付きながら口を開けて襲いかかる
尻尾が槍を強い力で掴んでいるせいでレイが引こうにもビクともしない
噛みつきを首を動かして回避して拳を振るう
槍の能力を使い槍を短くして拘束を逃れ短くした槍で切り掛る

「避けるか」

間一髪で回避した尻尾は僅かに距離を取る

「これは避けられないだろ」

蓮二が炎を広範囲に広げる
炎の拡散速度は低い
だが近距離で尚且つ避けられるような体勢で無ければ刺さる
炎の刀を解除して炎を頭目掛けて放つ
首を動かして炎を躱す
魔物の左右に炎の盾を展開する
無闇に横に移動すれば焼かれる
下からじわじわと襲いかかる炎が足をゆっくりと焼いていく
(攻撃を当てた。これなら)
炎は通じる、当て続ければ倒せる

「速いがお前は対応出来ないみたいだな」

蛇のような尻尾と戦っているレイは異能を駆使して攻撃を当てる
尻尾は異能の動きに対応出来ていない
槍を振るい攻撃を仕掛け避けた瞬間に死角に移動して突きを繰り出す
反応出来ず槍の先端が刺さる

「少し硬いな、骨か?」

少しずつ削っていく
尻尾も攻撃を仕掛けるがレイは攻撃を躱して反撃する
魔物は逃げようにも前方に蓮二、背後にレイが居て横は炎の盾で塞がれている
逃げられない、下手に動けば焼かれる
魔物は大きな口を開けて蓮二に噛み付こうとするが目の前に炎を展開される
(炎の刀分を解除して正解だった。足りなくなってた)
拡散した炎がじわじわと体を焼いていく
尻尾でレイを倒そうとするが逆に押されている
どちらか片方に集中すれば片方が自由になる
爪を立て前足を素早く前に出す

「……!」
 
その動きを視界の端で捉えた蓮二は後ろに飛び避ける
(今のは危なかった)
避けなければ鋭い爪で貫かれていただろう
体勢を崩した蓮二に魔物は追撃をする
前足を振り下ろす
剣で前足による攻撃を防ぐ
そのまま魔物は体重をかける
どんどん押されていく
一瞬でも意識を割いたら押し切られる
炎は使えない
(抑えきれないか)
剣の能力を使い血を纏わせるが押し返せない

「固いか」

槍を振るうが牙で防がれる
かなり硬いのか傷一つつかない
(前の状況が動いたな。こっからじゃ見えん)
魔物が動き出した事で状況が変わったと理解するが戦っている場所の問題で見れない
(異能で前行くか)
尻尾の攻撃を防いで弾いて突きを繰り出す
槍が掠る
地を蹴り魔物の横に移動して異能で前まで行く
そして蓮二の状況を理解する
魔物の頭に突きを繰り出す
避けられる
すぐに槍を引き前足に突きを繰り出す
魔物は後ろに飛び攻撃を回避する
蓮二は体勢を崩して尻もちをつく

「助かりました」

立ち上がり礼を言う

「ダメージは与えたか」
「それなりにはです。致命傷には遠いです」
「こっちも尻尾の対応であまり傷は与えられなかった。まだ来れないのか?」

一鬼に聞く
四人になれば戦いを有利に進められる

『もうすぐだ』

魔物は二人の様子を伺っている
攻撃をしてこない
(攻撃をしなければ攻撃をしてこないのか)
魔物は基本的に好戦的、探索者を見つけ次第攻撃をしてくる危険性がある
ただこの魔物は距離を取ったら襲いかかってくる訳でもなく一定の距離を保っている

「少し休憩するか」
「え?」
「あの魔物はこちらを警戒しているのかあちらから攻撃をする気は無いようだ」
「そうなんですか?」

魔物の様子を見る
(確かに動いてない)

「恐らくだがな。合流したら叩く、異能を結構使って剣も使ったせいで体力が減った」

レイは疲れを感じている
レイの異能は体力を消費する
異能の他に身体能力強化の剣も使っている、体力の消費は普段より激しい
疲れによって動きが鈍る事を懸念している

「僕はまだ体力残ってるので警戒は僕がします」

手元に炎を集めて前に出る
レイは座って仮面を少しズラしてペットボトルを取り出して飲む
蓮二はレイを見ないように魔物の方を向く
仮面で隠しているという事は素顔を見られたくないという事
同じく素顔を隠す為に仮面を付けている蓮二は好奇心でも見ようとは思わない
魔物は微動だにせず二人を見ている

『階段の上まで着いた。降りても大丈夫か?』
「階段からは離れてるから大丈夫、魔物の注意もこちらに向いてる」
『分かった。降りるぞ』
「合流だな、陣形はどうする? そちらに任せる。魔物の情報は言うべきか?
『いや、魔物の情報は聞いてたから大丈夫だ。そうだな、私が前衛やるから鶏くん後衛、レイは……』
「私は前衛しか出来ない」

異能的に後衛で戦うのには向いていない
中距離系の武器も持っていない

『それなら二人で前衛だな。鶏くんは天音の護衛をしてくれ』
「分かった」
『私は異能を発動する時、鎖よ縛ってと言う詠唱をします。それを合図として使います』
「詠唱か分かった。……休憩は終わりだな」
「炎の準備は終わりました」

休憩中に炎を溜めていた
戦闘中では溜めるチャンスが少なかった
(これを当てれれば)
あの魔物は硬くない、溜めた炎を当てられてば大きなダメージとなるだろう
一鬼と天音の二人が階段を降り切る

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