舞台の幕が下りるまで

代永 並木

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氷薙夢

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夢は1人夜中に城壁の外に出る

「流石に今日はいないか。魔物も見た感じ居ない」

歩きながら周りを見渡す
普段ならそろそろ魔物が出てきていてもおかしくないが影すら見えない

「この周囲の魔物は不戦協定に適応させているって事? それなら人間の領地増やせそうだけどまぁその話は騎士団長の仕事か」

しばらく周囲を歩いているとふと音がする
足音、砂利を踏むような音がする、それも後ろからかなり近い
(1体、重いな。人じゃない)
足音のする後ろを見る
瓦礫で遮られている為、姿が確認出来ない
異能を発動させる
手元に氷が現れその氷の形を整える
鋭い棘が何本も生えたような刺々しい見た目に作り替える
瓦礫の奥から魔物が姿を現す
魔物も夢の姿を確認する
確認すると同時に襲いかかってくる
飛びかかり自慢の前足を振り下ろす
後ろに飛び退いて攻撃を回避する

「支配下に居ない魔物かそれとも……どちらにしろ」

氷を魔物目掛けて飛ばす
魔物の体に氷の棘が突き刺さる
声を上げて苦しんでいる
追撃で大量の氷の礫が降り注ぐ
体を削り抉り倒す

「倒すだけ、魔石はあれを動かすのに使えるから回収しとかないと」
「おや、見覚えがあるな」

魔物が出てきた所から紳士風の男性が現れる

「人……いや魔物か。という事は守護隊が会った人語を介する魔物かな」

一目で魔物だと分かった夢は恋歌達が遭遇した魔物だと判断する
アルセス、人型の魔物にして最初に遭遇した人語を介する魔物

「ダンジョン前に居た1人か。ほう、そうか君は……」

大きな氷の塊がアルセスに襲いかかる

「特に会話するつもりは無い」
「寸前まで殺気を隠してたか。それに強いな。並の魔物なら今の一撃で死んでいたな」

アルセスに当たった氷が消滅していく
(氷が消滅した。これが異能? 防御系の異能か)
大量の氷の礫を作り出して飛ばす
氷の礫が直撃する、回避はしていない
当たった氷の礫は消滅していく
(触れた物を消滅させる異能? オンオフが可能なら……試そう)
アルセスの異能を予想する
足元に落ちていた小石を掴み投げる
小石はアルセスに命中する
消えていない

「攻撃の無効化、それも異能限定?」
「おぉ、今ので分かるか。正解だ。私の異能は触れた物の異能の無効化、無論武器に宿る力も無効化する」
「異能者の天敵」
「君と戦う気は無い。君との戦いも面白そうだけど」
「逃すとでも?」

氷の礫を周囲に飛ばす
氷はアルセスの周囲を凍らせる
アルセス本人には効かないが周囲には問題なく使える
地面に刺さった複数の氷の礫を操作して大きな氷を作り囲み逃げ場を奪う

「無駄だと分かっているはず」

アルセスは氷に触れて異能を使い氷を消滅させる
表面の氷が消えると同時に内部の氷が爆発する
しかし、異能で作られた氷は通じない
散った氷の一部が体に当たると同時に消滅する
異能を工夫している点に高評価しているが異能が効かない相手に無駄な事をとアルセスはため息をつく
その瞬間、体に何かが掠り傷が付く

「これは……成程」

笑みを浮かべる
傷を付けられたのは久々、油断していたとは言え傷を付けられるとは思っていなかった
氷の中に細かい石や瓦礫が入っていた
爆発と同時にそれらが襲いかかる
そしてその仕掛けは1つじゃない
次々と爆発していくそして大量の礫が襲いかかる
異能による異能外の攻撃、まだ氷は消滅しきっていない
逃げ場もない

「これは不味いな」

自分に当たる瓦礫を目で見て判断して素手で弾く
1箇所を一気に消滅させて脱出する

「今のは危なかった。死にはしないが……」

脱出したアルセスにすぐに氷塊を叩き込む

「少し用があるんでね」

指を鳴らすと魔物が現れる
(魔物!?)
3m程度の魔物、全体的に土のような色をしている
背中はゴツゴツとしていて見るからに強固な外殻を持ち鋭い爪と口から見える牙を持つ
二足の魔物

「別の所からわざわざ連れてきた魔物だ」
「連れてきた?」
「かつてあの世界で暴れ回った凶悪な魔物だ。そちらで言う3級のダンジョンの主だ」
「3級の……」

3級ダンジョンの主は1人で戦うような相手では無い
ゼラが苦戦した相手は3級の中ボスクラス、主とはかなりの差がある
(流石に2体相手には出来ない)

「それでは失礼する。遠いが守護隊に助けを求めるのはありだと考えるがどうするかは君次第だ」

アルセスは素早く立ち去る
追わず見逃す
今はこの魔物と戦う必要がある、2体纏めて戦える自信はない
アルセスが居なくなると同時に自慢の爪を立てて切りかかってくる
地面から生えるように氷の壁を出して攻撃を防御する
パキッ
氷にヒビが入る音がする
魔物が力を強めると氷に入ったヒビが広がっていく
氷の壁が破壊される前に後ろに飛び退く
氷の壁は砕かれ氷の破片が飛び散る
砕いた魔物は続けて攻撃を仕掛けてくる
目で見て攻撃を躱す
続けて何度も爪で攻撃を仕掛けてくる

「近接戦闘、なら」

攻撃を避けながら氷の礫を飛ばして攻撃
魔物は避ける事をせず氷の礫が命中する、外殻に当たるが傷1つ付かない
(見た目通りの硬さ)
氷柱を飛ばす
氷柱を爪で切り裂き追いかけてくる
爪による攻撃をしゃがんで躱して蹴りを入れる

「ビクともしない」

距離を取って氷の礫を飛ばし氷の壁を三重で展開して阻む
壁を壊すまでに距離を取り攻撃の準備をする
魔物は爪を立てて氷の壁に攻撃を仕掛ける
異能で大きな氷塊を作り出す
(あれを持ってきていない。でも相手の異能によっては行ける)
三重の氷の壁を砕き切った魔物が突っ込んでくる
鋭く尖った先端を向けて突っ込んできた魔物に叩き込む
氷塊を切り裂こうと爪を振るう
バギッ
爪が氷に突き刺さりヒビが入るが砕け散らない
砕ける前に氷塊を蹴って押し込んで魔物の胴体に当てる
魔物は氷塊と共に吹き飛び近くの瓦礫の山に突っ込む

「これでどうかな」
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