舞台の幕が下りるまで

代永 並木

文字の大きさ
34 / 39

協力者

しおりを挟む
「それで宛とは?」
「それは行く時のお楽しみです」

(守護隊の人かな)
ゼラも知っていて夢も知っている人物となると数は少ない
それで実力があるのは英雄組か守護隊のメンバー
(副隊長辺りは本当に頼もしい)

「それでいつ行く予定? 合わせるけど」
「ゼラさんの予定が空いてる時で大丈夫です」
「なら4日後、3日後にショーがあるからその次の日」
「分かりました」
「異能も多分4日あれば治ると思う」
「魔物エリアとなれば準備万端にする必要がありますからね」
「そう、偵察とはいえ強い魔物と接敵しないとは限らない。その時に戦えないと不味い」

万全で3級の中ボスにギリギリ勝てる程度
夢が戦った3級のダンジョンの主に比べると弱い
今の状態では相手の異能によっては戦力外になりかねない

「いざとなれば氷の壁を展開して逃げます。結構頑丈なので」
「それは頼もしい」
「まぁその必要はなさそうですが……あっそうだまた茶会しません?」
「暇だから良いよ。前回呼び出されたからね」
「他にも美味しいお菓子あるんですよね」
「それは楽しみ」

特に緊急で呼び出される事もなく雑談を交わし茶会を楽しむ
2時間後、別れてゼラは家に帰る
夢は城壁外に出る
協力者に会う為に

「宛はあると言ったけどダンジョンの中は協定で入れないし普段何処にいるかは知らない。支配下に置いた魔物居ればいいんだけど……あっそうだ」

異能を発動させる
ダンジョンの入口付近に居る魔物の前に氷を発生させる
すると魔物が1体ダンジョンの外に出てくる
夢を見ると首を動かし中に入るように促す
ダンジョンの中に入り歩く

「声は聞こえてる?」

魔物は反応しない
魔物を操っている主には声は聞こえていない
(声は聞こえないか。視界だけ便利だけど会話が出来ないのは不便だなぁ。このダンジョン遠いし)
魔物達は襲ってこない

「寝てる……魔物って寝るんだ」

戦う事もなく暇な魔物達の中には寝転がっている者も居る
そのまま最下層に向かう
最下層の扉の前に行くと魔物は戻っていく
扉を開く

「君が何用かな?」

ルナルールスが大きな玉座に座って待っていた
空気が変わる
協力関係とは言えそれは発言次第では一瞬で瓦解する
緊張が走る

「あの紳士風の魔物、アルセスが何処にいるか分かる?」
「タメ口なんだ、まぁ良いけど……アルセスは今外にいるよ~、何用?」
「魔物エリアの偵察の協力を」
「魔物エリア?」
「守護隊が見回ってる範囲より外の魔物の数が多いエリア」
「あぁうんあの辺ね~」

付近を視界共有で見ているルナルールスは分かっている

「すぐ帰ってくる?」
「さぁ?」

アルセスは現在このダンジョンを拠点としているがよく外に出ている
何をしているのかなどはルナルールスは知らない
興味も無く聞いていない

「じゃあ伝言で」
「ほーい、伝えるけど協力するとは限らないよー」
「知ってる。協力の条件は貴女だけ、ただ貴女は人前には出ないって条件があるから」
「そうだねぇ。バレなきゃ外に出ていいなら協力してあげれるけど」

(魔物エリアには殆ど人は立ち入らない。殲滅エリア内だけ姿を気を付ければ……)
アルセスには断られるリスクがある、何せアルセス側にはほぼメリットが無い
ルナルールスはバレたら不味い
だが協力を得れればほぼ確実に安全と言える

「別にこれは規則違反じゃないから……ルナルールス協力して貰える?」
「良いよー、日は浴びないとね」
「身を隠す服はこっちで用意する」
「了解~、それでいつ?」
「4日後」
「ほーい」
「それじゃ4日後ダンジョンの1階で待ってて」

用事を終えてダンジョンを出る
ダンジョン付近は封鎖している為探索者に会う事は無い
しかし、守護隊が周囲を見回る事がある。バレないように進まないとならない
(周回ルートと通る時間を確認しとかないと)
ダンジョンに出た後、家に帰る

3日後
ゼラは舞台の準備をする

「こっち準備完了でーす」
「こっちも終わりました」
「誰か手空いてるなら来て欲しい」
「向かいます」
「そこの確認はしたか?」
「まだ終わってません」
「もうあんまり時間無いぞ。全員急げ!」
「はい!」

慌ただしくスタッフが舞台の準備をする
手品師の服装をしたゼラが裏で道具の最終チェックをする
(問題なし)

「そろそろ開始時間になります。大丈夫ですか?」
「大丈夫、行ける」
「こっちも大丈夫です」

舞台はゼラの手品だけでは無い、他にも芸人や手品師、役者などが準備をしている
始まる前の緊張が周囲に漂う
一番最初にゼラの手品が行われる
ゼラは幕の閉じた舞台に上がり幕が上がるのを待つ
そして時間になり幕が上がる
帽子や杖、仕込んだトランプで手品を次々と行う
帽子を杖で叩くと中から鳩が飛び出す
杖で地面を軽く叩くと杖の中からトランプが現れる
そしてそのトランプを持ったまま指を鳴らすとトランプが消えて花が手元に現れる
観客は拍手をする

「おぉ」
「腕は衰えていないな」
「ゼラさん凄い」

もう一度指を鳴らすと空中に剣が現れる
異能を使った芸を行う
剣が空中で飛び交いぶつかり切り合う

「おぉ」
「異能だ」
「すげぇ迫力、本物みたい」
「あれはあの剣は本物だぞ」
「かっこいい」

異能は回復し終えた
6本の剣を自在に操る、負荷はあるが6本であればそこまで重くは無い
その上このショーは短時間
(そろそろだな)
指を鳴らすと剣が消滅する
再び指を鳴らすと大量のトランプが宙に舞う
お辞儀をする
幕が下りる
そして大きな拍手が起きる
幕が下りた後、舞台裏に向かう
そしてアナウンスが流れる

『これにてゼラの手品ショーは終わりです。次は……』

「ゼラさんお疲れ様です」

スタッフの1人がゼラにタオルと水を手渡す
受け取り水を飲む

「復帰早速凄いな」
「休んでる間もしっかり練習はしてたからね」
「騎士団でも活躍して手品も仕上げてくるとか相変わらずとんでもないな」
「くっそ、緊張してきたぁ」
「舞台上がるまでに解いときなよ」
「次は俺達か。行くぞ」
「おぉ!」

ゼラはそのまま楽屋へ戻る
楽屋にあるテレビで他の人の舞台を見る
もう出番が終わっていて帰ってもいいがやる事が無い

「明日か」

明日魔物エリアへ偵察に向かう
手品で緊張しなかったのは明日の用事がある事が影響する
何があるか分からない

「勝てたが……僕の力じゃない。戦闘の準備をするか」

楽屋を出て家に帰る
家に置いてある魔道具などを見て明日の準備を行う
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

【悲報】現代ダンジョン時代、俺の職業がLv.1チンピラ【詰み】

道雪ちゃん
ファンタジー
2024年の年末、世界中に突如ダンジョンが出現した。 大学生・三上ひよりも探索者になることを決意するが、与えられた職業は――世界で一人しかいないユニーク職「Lv.1チンピラ」。 周囲からは笑われ、初期スキルもほとんど役に立たない。 それでも、生き残るためにはダンジョンに挑むしかない。 これは、ネット住民と世界におもちゃにされながらも、真面目に生き抜く青年の物語。 ※基本的にスレッド形式がメインです

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
児童書・童話
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

出来損ないと追放された俺、神様から貰った『絶対農域』スキルで農業始めたら、奇跡の作物が育ちすぎて聖女様や女騎士、王族まで押しかけてきた

黒崎隼人
ファンタジー
★☆★完結保証★☆☆ 毎日朝7時更新! 「お前のような魔力無しの出来損ないは、もはや我が家の者ではない!」 過労死した俺が転生したのは、魔力が全ての貴族社会で『出来損ない』と蔑まれる三男、カイ。実家から追放され、与えられたのは魔物も寄り付かない不毛の荒れ地だった。 絶望の淵で手にしたのは、神様からの贈り物『絶対農域(ゴッド・フィールド)』というチートスキル! どんな作物も一瞬で育ち、その実は奇跡の効果を発揮する!? 伝説のもふもふ聖獣を相棒に、気ままな農業スローライフを始めようとしただけなのに…「このトマト、聖水以上の治癒効果が!?」「彼の作る小麦を食べたらレベルが上がった!」なんて噂が広まって、聖女様や女騎士、果ては王族までが俺の畑に押しかけてきて――!? 追放した実家が手のひらを返してきても、もう遅い! 最強農業スキルで辺境から世界を救う!? 爽快成り上がりファンタジー、ここに開幕!

処理中です...