婚約破棄をされたので、次の婚約をせずに薬師として生きます!

羽山由季夜

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二章 エリスロース竜王国へ

陽光竜の王太子

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 馬車と馬車の衝突事故はレインの指揮と、後から来た憲兵達に引き継ぎ、無事に落ち着いた。
 後に報告があったが、この衝突事故は偶然の出来事だったらしく、御者が余所見をしていたことで、前方の馬車に当たってしまい、速度もあったことで歩道に横転。たまたま歩道を歩いていたロック親子に当たってしまったようだ。救助の際に、重傷、中等症、軽傷に分けていたようで、重傷にあたる怪我をしていたロックと、中等症にあたると判断された母親は分けられてしまった。
 静止を振り切って、母親はロックを探していたようだった。
 そこにたまたま居合わせたリヴィアス達がポーションで怪我人全員を助けたこと、憲兵達が御者からも事情を聞き、後に処罰が決定することとなり、その場は落ち着いた。
 その後の話は、レインからリヴィアスは知らされていない。
 リヴィアス自身が隣国の大公家の子息なので、もっと深い真相を知ったことで内政干渉と取られるのを避けた方がいいと思っているからだ。

「僕としては、怪我をした人達が無事ならいいよ。確かに気にはなるけど、それで何かに巻き込まれたら、レイン兄様達に申し訳ないもの」

 あれから二日経ち、プロミネンス公爵家のリヴィアス専用の薬を作る小屋で、使用した中級、低級ポーションを作りながら、「詳しく聞かなくてもいいのか」という質問をしてきたアンブラに答える。

「でも、エリスロース竜王国の、プロミネンスの領都の薬屋に行けなかったのが残念かな」

「それは仕方ありません。あのような事故に居合わせてしまったのですから。今は行かない方が良いと薬神様が仰せなのかもしれません」

「今度こそ、行けたらいいなぁ……」

「近々、行けますよ、きっと」

 エリスロース竜王国の薬に興味津々のリヴィアスに苦笑しながら、アンブラはポーションの瓶に蓋をしていく。

「リヴィ! 少しいいか?」

 小屋の扉を叩いて、レインとアクアが入ってきた。

「レイン兄様にアクア? どうしました?」

「リヴィ。申し訳ない、すぐ来てもらえるか?」

 困った表情のレインを見て、リヴィアスは首を傾げた。

「……何か、ありましたか?」

「その、非常に申し訳ないのだが……王太子殿下が、リヴィに会いたいらしい……」

「えっ?! レイン兄様、待って下さい。何故ですか?」

「それは、後で殿下から聞いて欲しい」

「え……あ、はい……分かりました。あ、でも、殿下にお会いするような衣装を持って来ていません……」

 困惑した様子でリヴィアスは呟いた。
 二日前にアンブラに念の為、静養中の社交は必要かと聞いたとはいえ、静養するためにプロミネンス公爵領に来たので、社交についてはリヴィアスの頭に全くなかった。

「ご安心下さい、リヴィアス様。このようなこともあろうかと、私が大公家からお持ちしています」

 すっと音もなく、アクアが告げた。

「え、そう、なの? このようなこと? 僕はそのつもりはなかったんだけど……」

「リヴィアス様ですからね。お名前は隣国にも届いておりますし、先日の件が流れた際にプロミネンス公爵家を通して、お誘いをする上位のお家もあるかと思いましたので」

 不敬にならないすれすれの毒を少し含んで、アクアが静かに答えた。

「ウチより上位のお家……竜王家だな。すまん、アクア」

 苦笑いをして、レインはアクアを見る。

「いえ。こちらこそ、リヴィアス様を全力で守って下さるレイン様やプロミネンス公爵家の皆様には、頭が下がるばかりです。本当に御礼申し上げます」

 アクアはレインに頭を下げた。

「そりゃあ、ウチにとっても大事な可愛い従弟で、本当に弟のような子だからな。守るに決まってる。が、今回は本当に申し訳ない。何処で流れたのか、リヴィがウチにいることが王太子殿下の耳に入ってしまった。決して悪い方ではないし、リヴィを不利にはさせないし、何があっても俺や公爵家が守るから」

 じっと蜜柑色の目でレインはリヴィアスを見つめる。

「俺も付いていくから、安心して欲しい。というか、何かリヴィにあったら、“水碧の大公殿下”が“水碧の鬼神”になる。ケルベロス単独討伐をする叔父上に斬られたくない。エリクサー案件は勘弁して欲しい」

 怒れる叔父、ミストラルを想像してしまったレインはぶるぶると震える。
 レインにつられて、うっかり想像してしまったアンブラも顔を青くしている。

「父様は理不尽な怒りをレイン兄様には、ぶつけないと思いますけど……」

「ま、まぁ、とにかく。一緒に殿下のところへ来てもらえないか? 今、応接室でお待たせしているんだ」

「は、はい。分かりました。とりあえず、服装を整えてから伺います」

 頷いて、リヴィアスは出来たばかりの中級、低級ポーションをマジックバッグに入れ、アンブラとアクアと共に滞在中の部屋に戻った。







 衣装を着替え、身嗜みを整えたリヴィアスはレインと共に応接室に向かった。
 服装はパーティーに行くような衣装で、着ることでリヴィアスの気持ちも、レイディアンス大公家の子息という立場に切り替わる。

(……あまり、気乗りはしないけど、隣国の王太子殿下だしね。初めてお会いするけど、横暴じゃなければいいな……)

 家族やプロミネンス公爵家、ブラカーシュ王家、大公家とプロミネンス公爵家の使用人といった身内以外だと、リヴィアスは元婚約者のウィキッド侯爵家としか交流はなく、薬師として患者に対応するくらいしかない。
 その元婚約者の振る舞いのせいで、患者以外の他人にはあまり良い思い出がない。
 理不尽な物言いや態度を元婚約者がするから、他家の貴族達とはリヴィアスはほとんど話したことはない。
 なので、リヴィアスにとって、隣国の王太子は恐怖に近い対象だ。
 噂で聞く隣国の王太子の名は、ラディウス・アシェル・ソル・エリスロース。
 エリスロース竜王国という名の通り、王家は竜神の血が流れるという。
 その中で、王太子のラディウスは竜神の加護を持ち、竜神に近い存在で、強い魔力、強靭な肉体、竜の特性が強く出るという。
 金色の短い髪、国王似の端正な顔立ち、目は真紅色で太陽の光できらきらと宝石のように輝いて見えるという王太子は『陽光竜の王太子』と呼ばれている。
 公明正大ではあるが、貴族達の前では冷ややかで、竜の特性でもある家族に対する思いが強く、傷付けると後が怖い。
 そう聞いたことがあるリヴィアスにとって、何故、件の王太子が会いたいと言うのだろうか。
 少し眉を寄せてると、隣を歩くレインが頭をぽんぽんと優しく叩いた。

「大丈夫。殿下は理不尽なことはなさらないから。何かあっても、俺やプロミネンスが守る」

「は、はい。レイン兄様達を信じます」

 小さく頷き、リヴィアスは微笑した。
 応接室に着き、レインは扉を三度叩く。
 中から応答の声を聞き、レインは扉を開けた。

「失礼します。レイディアンス大公子息をお連れしました」

「入ってくれ」

 通る力強い声が聞こえ、リヴィアスはびくりと一度身体を震わす。ゆっくり深呼吸をしてから、レインの後に続いた。
 応接室に入ると、話に聞いたままの王太子がソファに座っていた。その左斜め後ろには従者が一人控えている。
 金色の少し長めの前髪の隙間から見える真紅色の切れ長の目が、太陽の光で反射して鋭く光る。
 感情を抑えているように見える王太子に、リヴィアスは少しだけ困惑した。
 レインの後ろに立つリヴィアスを王太子がじっと見つめているのだ。
 困惑しつつも、挨拶をしないといけないと感じたリヴィアスは慌てて、レインの後ろから隣に移動する。

「お初にお目に掛かります。エリスロース竜王国の王太子殿下にご挨拶申し上げます。私は、ブラカーシュ王国レイディアンス大公家の次男、リヴィアス・シエル・レイディアンスと申します。以後お見知りおき下さいませ」

 洗練されたボウアンドスクレープをして、リヴィアスは王太子に挨拶をする。
 その挨拶で我に返った王太子も静かに口を開いた。

「挨拶をありがとう。私はラディウス・アシェル・ソル・エリスロースだ。エリスロース竜王国の王太子をしている。こちらこそ、宜しく頼む」

 口元に笑みを浮かべ、王太子――ラディウスはリヴィアスとレインに対面のソファに座るように勧めた。
 ラディウスの笑みを見たレインと従者は目を見開いたが、リヴィアスは気付かずに勧められたソファに座った。

「突然、呼び出して申し訳ない。貴方がプロミネンスに静養しているのを先程聞いたのだが、どうしても御礼を言いたくて無理を言ってしまった」

 リヴィアスとレインが座ったのを確認したラディウスは早速、本題に入った。

「お、御礼、ですか? ぼ……わ、私に……?」

 緊張でつい普段の一人称を言い掛けたリヴィアスは、慌てて言い直した。

「普段の一人称で構わない。今回は非公式だ。静養中の貴方のところに無理を言って来たのだ。私も普段は俺と言っている。も戻すから、遠慮なく普段通りに話して欲しい」

 リヴィアスの様子に気付いたラディウスは口元に笑みを浮かべ、告げた。
 そのラディウスに驚いて、レインと従者が王太子を怪訝そうに見ているが、リヴィアスは緊張のあまり気付かなかった。

「あ……はい。殿下、ご配慮、恐れ入ります……。あ、あの、それで、どうして、わ、僕に御礼なのでしょうか……」

 ラディウスが一人称を普段のものに戻したことで、リヴィアスも慌てて倣うように一人称を戻して尋ねる。

「二日前に、プロミネンスの領都で起きた馬車同士の事故で、領民達をポーションで助けてくれただろう? その御礼を言いに来た。プロミネンスの領民だが、広く言えば我が国の民だ。リヴィアス卿、助けてくれて、ありがとう」

 そう言って、ラディウスは頭を下げた。

「あ、いえ。薬師として、人として、怪我をしている人を助けるのは当たり前のことです。ですから、どうか、頭をお上げ下さい、殿下……!」

 頭を下げる王太子に慌てて、リヴィアスは声を掛ける。

「しかし、貴方が齎したポーションがなければ、大惨事だった。それだけのことを貴方は無償で、ポーションを提供してくれた。隣国の令息が関係のない、我が国民を助けてくれたのだ。王太子として礼をするのは当然のことだ」

「か、関係なくはございません。ここは、プロミネンス公爵領は、僕の第二の故郷です。自国であろうと、隣国であろうと、他国であろうと、薬師として怪我をしている人を見過ごす訳には参りません。人としても助けないという選択肢は僕の中にはありません」

 慌てながらも、真っ直ぐとラディウスを見つめて、リヴィアスは告げる。

「……貴方の心持ちは素晴らしいな。もう一度、言わせて欲しい。我が国民を助けてくれて、本当にありがとう」

 ラディウスは、リヴィアスに穏やかに微笑した。
 リヴィアスの隣で、王太子の微笑を目の当たりにしたレインと従者は大きく目を見開いた。

「あ、えと……助けられて、良かったです……」

 レインと従者の様子に戸惑いながらも、リヴィアスも微笑した。
 その微笑は雲に隠れる月のような、少し恥じらいも混ざっていて、それを目の当たりにしたラディウスと従者は胸を抑えた。

「と、ところで、不躾なことを聞くのだが、どうして、プロミネンスに静養をしている?」

 咳払いをしてからの突然のラディウスの質問に、隣のレインの雰囲気が変わる。
 それに気付いたリヴィアスは、宥めるようにレインに小さく笑って、ラディウスを見た。

「その、お恥ずかしい話なのですが、六年前に婚約をした相手から婚約破棄を言い渡されまして……」

 苦笑しながら、リヴィアスは静かに告げると、ラディウスと従者の目が見開いた。

「素晴らしい心持ちの貴方に対して、婚約破棄? 一体、何故だ?」

「ご存知かもしれませんが、一年半前からブラカーシュ王国で流行り病が蔓延していたのですが、その特効薬を僕が作り、何とか抑えることが出来ました。婚約者からその特効薬を作ったのは僕ではなく、男爵家の令嬢だと、先日、王立学園の卒業パーティーで国王陛下の面前で言い、婚約破棄、その男爵令嬢と婚約すると宣言されました……」

「ついでに、その婚約者はリヴィアスと婚約した直後から色々な女性と浮気、今から半年前からその男爵令嬢と浮気していたことも申し添えておきます」

 少し怒りを滲ませたレインがリヴィアスの説明に、付け加えた。
 説明を聞いているラディウスと従者は眉を寄せる。

「元婚約者に対して、元々恋愛感情はないのですが、今まで浮気を注意するとやめるのですが、しばらくするとまた浮気をするので、浮気をやめる気配はないですし、美人な女性がお好きなようなので、男性の僕との婚約がご不満だったのではと思い、婚約破棄を受け入れました。僕自身も精神的に疲れてしまいまして、母の実家のプロミネンス公爵家で静養させて頂くことになりました」

「……そうだったのか。辛いことを聞いてしまい、申し訳ない」

「いえ。お気になさらないで下さい。元婚約者に対しては本当に恋愛感情はありません。今は婚約破棄が出来て、安堵してますから」

 眉をハの字に下げて、リヴィアスは小さく苦笑する。

「先程言った特効薬は貴方が作ったものだろう? そのことはちゃんとブラカーシュ国王陛下はご存知なのか?」

「はい、もちろんです。当時、作った特効薬の実物もレシピを含め、国王陛下に報告し、宮廷薬師の薬師長に提出して、承認を得ています。なので、間違いではありませんし、兄のおかげで、調査を陛下に依頼出来ました」

「そうか。それなら、問題ないな。ブラカーシュ国王陛下はご聡明だと聞く。すぐにでも貴方の冤罪は晴れるだろう」

 そう断言するラディウスを不思議に思ったリヴィアスは首を傾げた。

「あの、殿下。恐れながらお聞きするのですが、何故、初対面の僕の言葉を全面的に信じて下さるのですか?」

「簡単なことだ。貴方からは嘘の匂いが全くしない」

 ふっと口元に笑みを浮かべ、ラディウスは告げた。
 その言葉に、リヴィアスは慌てて自分の服や手首等を嗅ぎ始めた。

「ああ、すまない。決して、貴方が臭うとかそういうものではないんだ。俺が竜神の加護を持っているのは、知っているだろうか?」

「あ、はい。存じ上げております」

「その竜神の加護の特性の一つなのだが、五感が人より敏感なんだ。だから、嘘等の感情が匂いとして分かる。貴方から嘘の匂いが全くしない。清浄な空気、薬の匂い、傷付いた誰かを救いたいといった感情しか感じない。だから、貴方を素晴らしい心持ちと言ったのだ。誰もが出来るものではない」

「そのように言って下さったのは、家族や親戚、使用人の皆しかいませんでした。あの、ありがとうございます……」

 少しはにかむように微笑み、リヴィアスは頭を下げた。

「実は、二日前の馬車の事故後の貴方の姿を見ていたんだ」

「「え?」」

 ラディウスの言葉に、リヴィアスとレインの言葉が重なった。

「お忍びでプロミネンス領に来ていて、馬車同士の事故後に居合わせた。お忍びで来ている俺がすぐに動く訳にはいかず、様子を見ていたのだが、貴方は救助活動、レインは陣頭指揮を執っていたからじっくり観察出来た。それで、貴方に興味を持った。もちろん、御礼がメインだが、貴方に会えて良かったと思っている。また、貴方と話をしたい。非公式に会ってもいいだろうか?」

 口元に笑みを浮かべたまま、ラディウスはリヴィアスに問い掛ける。
 その問いに、どう答えればいいのかリヴィアスは悩む。
 一国の王太子が、隣国の王弟の息子に非公式で会うというのはどうなのだろうか。
 場合によっては、王太子はもちろん、プロミネンス公爵家に迷惑を掛けてしまうことにはならないだろうか。

「貴方は優しいな。安心して欲しい。プロミネンス公爵家にも、貴方にも迷惑は掛けない。ここに来る時はお忍びで変装して行く。もし、貴族達に見つかり、何か言ってきても、俺の権限でどうにかする。どうだろうか?」

 匂いで分かったのか、ラディウスは笑みを浮かべながら、リヴィアスを見つめる。

「えっと……その、殿下が宜しければ、どうぞ、ご随意に……」

 リヴィアスは静かに頭を下げた。
 隣国とはいえ、大公家の長男ではなく、一代限りの公爵位があるとはいえ、何の地位もない次男のリヴィアスが拒否出来ることではない。

「ありがとう。これから、時々、伺わせてもらおう。貴方のことはリヴィアスと呼んでも?」

「あ、はい。どうぞ……」

「リヴィアス、これから宜しく」

 微笑むラディウスの真紅色の目は、太陽の光に反射して、きらきらと輝くルビーのようにリヴィアスには見えた。









※やっと、ヒーローが出ました。
ここから、恐らく、王太子殿下のターン……のはず。
殿下がぐいぐいと行く……はず(初登場なので、今回の話の殿下は、本気出してない……はず。溺愛はまだ少し先です……)

そして、お気に入り登録が1200人超え?! 別サイトで書いている悪役令嬢モノよりも多くの方に読んで下さっていて、まだ投稿して一週間経ったばかりなのに、非常に驚いています!
読んで下さって、本当にありがとうございます!
一つひとつのお気に入り登録、感想、いいね、エールが、とても励みになっています!
これからも楽しんで読んで頂けるように、更新頑張ります!
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