婚約破棄をされたので、次の婚約をせずに薬師として生きます!

羽山由季夜

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三章 薬神の加護

困惑

「リヴィ。今度こそ、領都の薬屋に行かないか?」

 専用の小屋で中級ポーションを作っていると、レインがやって来て、提案する。

「行きたいです!」

「ははっ。リヴィ、返事早過ぎだって。今日の昼食後に行こうか」

 天色の目を輝かせて、素早く返事をするリヴィアスに苦笑しながら、レインは従弟の頭を撫でる。

「はい! あ、でも、レイン兄様の竜騎士のお仕事は大丈夫なのですか?」

「リヴィが来た時のために、休暇を貯めておいた。それを使ってるから大丈夫。そのために、数年掛けて、休暇を使わずに仕事していたからな。お陰でたんまりあるし、上司も同僚も友好的だし、何より、殿下からの命令だし」

「殿下? どうして殿下が関係するのですか?」

「エリスロース竜王国の竜騎士団は、五つあるんだ。俺が所属してる陽光竜隊は殿下直属の部隊なんだ。で、その上司が殿下だから……まぁ、上司がお忍びでリヴィに会いに来てる訳だし、部下の俺には何も言えないだろう?」

 ぱちりと片目を瞑って、レインはわざとおちゃらけてみせる。
 それはそれでどうなのだろうと、リヴィアスは思うが、自国ではない、隣国の、それも王太子の直属の部隊で、それぞれ独自のルールがあるのだろうと、無理矢理思うことにした。

「それに、命令があるんだ」

「命令、ですか?」

「ああ。この前、リヴィに話した、偽物の効能を謳った薬がエリスロース竜王国でも、プロミネンス公爵領でも横行しているってやつ。あれの捜査をするようにって」

「休暇を取っているのに、ですか?」

 少し眉を寄せて、リヴィアスはレインをじっと見上げる。心配するその顔は少し不満げに見えるが、可愛い従弟がすると、仕草自体が可愛くて、ぎゅっと抱き締めたくなる衝動にレインは駆られたが、ぐっと抑えた。

「休暇中なら、報告とかをわざわざ城まで行かなくていいだろ? 指示を待たなくていい分、時間短縮出来て、すぐに対応出来る。特にプロミネンス公爵領内で起きれば、ウチの管轄で対応出来る。休暇中に解決したら、その日数分をちゃんと休暇を貰う話になってるから、心配するな」

「それなら……いいですけど……」

 少し唇を尖らせて、まだ少し納得がいかない顔のリヴィアスにレインは苦笑する。

「本当に、リヴィは人のことになると、小さなことでも気付くよなぁ……。俺としては、自分の小さな気持ちの方を気付いて欲しいんだけどなぁ……」

「僕の、小さな、気持ち?」

 きょとんとした表情で、リヴィアスはレインを見上げる。

「あはは……まだ分からない、か。まぁ、のんびりウチにいたら、大きくなるかもな?」

 謎掛けのような従兄の言葉に、リヴィアスは更に首を傾げる。

「まぁ、とにかく。もう一つの命令もあるし、しっかり遂行するよ」

「もう一つの命令って、何ですか?」

「リヴィを守るようにって。命令なんてなくても、大事な従弟を守るのは当然だけど」

「……殿下は、どうして、こんなにも僕のことを心配なさるんでしょうか。薬神の加護を持っているから、というのは分かるのですが、僕はプロミネンス以外では、エリスロース竜王国に関わりのない、隣国の大公家の次男なのに、わざわざお忍びで来られる程の何かがあるのですか……?」

 困惑した表情でリヴィアスは俯く。

「それは、殿下に直接聞くといいさ。俺が答えても、あくまで俺の推測でしかない。直接聞けば、リヴィも納得するんじゃないか?」

「そう、ですね……確かに」

「リヴィは殿下が嫌なのか?」

「いいえ。元婚約者と比べるのは、殿下に失礼かもしれませんが、家族や親戚、使用人の皆以外でこんなにも丁重に接して下さったのは初めてで、どう反応すればいいのか分からない時がありますが、それが嫌ではなくて……。会話も楽しいんです。元婚約者との会話は辛かったので……」

 困惑したままの表情だが、リヴィアスの表情には嬉しさが少し滲んでいた。

「そうか。はぁ、アレ、本当に最低で最悪だな……。リヴィが婚約破棄を無事に出来て良かった。あのまま、結婚してたら、リヴィが危うかった……」

 リヴィアスの頭を撫でながら、レインは息を吐いた。

「まぁ、どんな選択にせよ、リヴィが幸せになるなら、俺はリヴィの選択を支持するよ。だから、自分を蔑ろにしたり、投げ遣りに選ぶのはナシな? そんなことしたら、いくらリヴィでも、俺は怒るぞ?」

 ニヤリと笑みを浮かべ、レインはリヴィアスの頭をまた撫でる。

「はい、レイン兄様。心配して下さって、ありがとうございます」










「で、何で殿下とリヒトが付いて来るんだ?」

 じとりと半眼で、リヴィアスの隣を陣取るお忍び中の上司とその側近をレインは見つめる。
 城では上司だが、お忍びで来ているラディウスから、ただの幼馴染みとして接するようにと先程言われたので、レインは遠慮なく接する。
 以前以上に、遠慮がなくなっていることに、不敬にならないだろうかとリヴィアスは少し心配になった。

「リヴィアスがプロミネンスの領都に行くと聞いたからな。お出掛けするリヴィアスが見たかった。デート気分を味わいたい」

 しれっとラディウスは答える。後半部分は小声でリヴィアスには聞こえず、不思議そうにラディウスを見上げている。
 領都の薬屋に行こうとしていたリヴィアスとレイン、侍従のアンブラ、護衛のルーチェ、侍女のアクアは、またお忍びでやって来たラディウスとリヒトに声を掛けられ、行き先を言うと付いて行くと言い張り、共に行くことになった。
 領都の薬屋に行くといってもリヴィアスの銀色の髪と天色の目、自ら輝いているような美しい容姿は目立つので、前回と同じくフードを深く被っている。
 ラディウスも金色の髪に真紅色の目、端正な顔立ちは目立つ上に、誰もが知る王太子なので、魔法で髪と目の色を茶色の髪、緑色の目に変えている。
 リヴィアスの髪も魔法で変えるつもりが、全員に拒否されてしまい、フードを被ることになった。
 髪と目を魔法で変えても、王太子の容姿は目を引くので、今からのことを考えてしまったレインは小さく息を吐いた。

「プロミネンスの領都は王都の次に、アクセサリー屋や雑貨屋、飲食店も多いと聞く。薬屋に行った後に立ち寄って、リヴィアスの好みが知りたい」

「……リヴィの好みを知って、どうするんだ?」

 もう一度、じろりとレインはラディウスを見る。

「贈り物を渡したい」

 さらりと呟くラディウスに、レインとリヒトが驚愕の表情を浮かべる。

「……殿下。最近、何か、言動がおかしくありません?」

 リヒトが恐る恐るといった声で、ラディウスに尋ねる。

「ん? 俺は普通だが?」

「言動もだが、表情も壊れてないか?」

「確かに……それもあるお方限定で……」

 何かを察したアンブラとルーチェに、必死に話し掛けられているリヴィアスをレインとリヒトはちらりと見る。

「リヴィアス。今、欲しいものは何かあるか?」

「え? 欲しいもの、ですか?」

 アンブラとルーチェと会話をしていたリヴィアスは、きょとんとした表情で首を傾げる。
 可愛らしい表情がフードで半減してしまい、ラディウスは内心、取りたい衝動に駆られるが、周囲の有象無象の目にリヴィアスを入れたくない方が勝ち、ぐっと堪えた。

「特に今のところはないですね……」

「本当に? 何でもいいのだが……」

「はい、本当に……」

「どんな小さなものでも、高いものでも何でもいいのだぞ?」

 何故か食い下がるようにラディウスに問われ、リヴィアスは眉を寄せて、悩む。
 本当に欲しいものがないことは匂いで分かっているのだが、それでも何かを贈りたいラディウスはリヴィアスをじっと見つめる。

「……強いて言うなら……薬を作る素材でしょうか……」

 悩みに悩んだ末、リヴィアスの口から出て来た言葉がそれだった。

「……無欲。無欲なのか……。そんな気はしたが……。薬を作る素材はどんなものが良いんだ?」

「普段は薬草園から収穫するのですが、時々、魔物の素材が必要な薬もあるんです。その素材を手に入れたいのですが、僕一人でダンジョン等に行くのは駄目だと家族から言われているので、エリスロース竜王国の素材屋さんにもし、売っていたらその素材が欲しいなぁ……と」

「ちなみに、リヴィアス様はどのような薬を作られる予定なのですか?」

 興味津々にリヒトがリヴィアスに尋ねる。

「状態異常回復ポーションです」

 笑顔で答えると、リヴィアスはマジックバッグから用紙を取り出す。

「状態異常回復ポーション……エリクサーやソーマよりは珍しくありませんが、それはまた高価な薬を……」

 苦笑しながらリヒトは、真剣な表情で用紙を見つめているリヴィアスを見る。
 状態異常回復ポーションは文字通りの毒や麻痺、石化、眠りといった状態異常を回復するポーションだ。
 ダンジョン攻略をする冒険者や魔物と戦う騎士には、あっても困らない、むしろ必須なポーションだ。
 ただ、あまり出回らない上に、薬屋で販売したら即売り切れてしまうので、高価な上に、稀に転売されて更に高価になっている。
 それをリヴィアスは作ろうとしている。
 作ろうとしている理由をリヒトは聞きたくなった。

「どうして、リヴィアスは、そのポーションを作ろうとしている?」

 ラディウスも同じだったのか、リヴィアスに尋ねる。

「僕が住むレイディアンス辺境領はダンジョンがありますし、魔物も多く、稀に他国が侵略するための足掛かりとして、斥候部隊がやって来ることがあります。父や兄、弟、騎士団の皆が防いで下さいますが、時々、状態異常になって騎士達が戻って来る時があります。僕の加護を使って、状態異常回復ポーションを作りますけど、それをどうにか減らしたくて……」

 じっと真剣な眼差しで、リヴィアスはラディウスを見上げる。

「今は加護を持つ僕がいますけど、僕がいなくなってしまった後は大変です。レイディアンス辺境領はブラカーシュ王国を守る要。状態異常で現場が混乱すると、その機に乗じて魔物も斥候部隊も攻めてきます。防ぐために、状態異常回復ポーションを加護ではなく、僕以外の薬師でも作れるポーションにしたいのです。簡単に手に入る薬草や素材で、状態異常回復ポーションを作る。そのための研究です」

 リヴィアスはラディウスに穏やかに微笑した。
 太陽の光が反射して、リヴィアスの天色の目が空のような澄んだ色に変わる。
 意志の強い輝きで、ラディウスはずっと見ていたい気持ちになる。
 嘘偽りのない真っ直ぐな、清浄で、月明かりが輝く澄んだ夜のような匂いを感じ、ラディウスは笑みを零す。

「……本当に、素晴らしい心持ちで、リヴィアスは凄いな……」

 フードから覗く、リヴィアスの一房の銀色の柔らかい長い髪を手に取り、ラディウスは口で触れた。

「――っ?!」

 突然の行動にリヴィアスは固まった。
 レインが慌ててリヴィアスの前に立ち、ラディウスをじっと睨む。

「ウチの可愛い従弟に何か?」

「いや、可愛いなと思ったら、つい……」

「つい、じゃない。本当に知らないぞ。“水碧の大公殿下”が来ても、俺は助けないからな」

 レインとラディウスが睨み合っている後ろで、リヴィアスは呆然としていた。

(今の、殿下は何故、僕にしたの……?)

 フード越しにリヴィアスは胸に手を当てる。
 心臓がばくばくと騒いでいる。
 顔に熱を持っているのが、自分でも分かる。
 元婚約者にもされたこともない、ラディウスの行動に困惑する。

(あれは、父様が、愛を囁いている時に、母様にする仕草で……)

 今でも仲が良く、愛し合っている両親の姿は見ていて、微笑ましく思う。
 母の髪に口付けを落とし、愛を囁く父。
 その光景は、まるで一枚の絵のようなもので、子供の時から見掛けるとこっそり見ていた。
 いつか、愛し合う相手にやってみたい、やってもらいたい。
 幼心に思っていたことをリヴィアスは思い出す。
 婚約破棄をし、次の婚約もしないと決めたのだから、機会はもう、ないと諦めた。
 それを何故、王太子殿下が、自分にする……?
 困惑が混乱に変わる。
 ラディウスの真意がリヴィアスには分からない。
 混乱して、目眩がする。

「リヴィ様?」

「リヴィアス様、如何なさいましたか」

 リヴィアスは口元に手を当てると、様子に気付いたアンブラとアクアが声を掛けた。
 侍従と侍女の声に気付いたレインとラディウスがリヴィアスの方に顔を向ける。

「リヴィ? どうした? 顔色が悪いぞ!」

 レインが慌てて、リヴィアスに近付く。

「だ、大丈夫です、レイン兄様。少し、混乱してしまっただけで……」

 困ったようにリヴィアスはレインに笑う。
 どう答えたらいいのか、自分でも分からず、混乱としか言えなかった。

「混乱って……」

 ギロリとレインは鋭くラディウスを睨む。
 睨まれたラディウスはばつが悪いと感じ、目を逸らす。

「……一週間、ウチに来るの、禁止な? リヒトもいいな? ウチの連中には通しておくから」

 こめかみに青筋を立て、にっこりと微笑み、レインはラディウスとリヒトに告げた。

「い、一週間も……?! それは困る……!」

「それなら、リヴィを困らせることをするな。何のために静養しに来てるんだよ」

 レインの言葉にハッとして、ラディウスはリヴィアスを見た。
 非常に困ったように遣り取りを見ているリヴィアスがとても可愛い、いや、申し訳なくラディウスは思った。

「リヴィアス。すまない。貴方を困らせるつもりはなかったんだ」

「あの、大丈夫です。その、元婚約者からされたことがなかったので、慣れてないだけなので……」

 しょんぼりとする王太子が、何故か捨てられそうな大型犬に見え、リヴィアスはいらない情報を漏らす。
 自分で言っていて、リヴィアスは悲しくなった。
 恋愛感情はなくても、グサリと自分の心を抉ってしまった。ポーションで癒せないだろうか。

「暴走し過ぎなんだよ。いつもの冷静沈着なのは何処へ旅に出たんだ?」

「リヴィアスに出会ってから、よく家出するようになった」

 しれっと言い放つラディウスをレインは、ギョッとした顔をした。

「……城では家出させるなよ」

「それは問題ない。プロミネンスを出ると、戻ってくる」

「帰巣本能、凄いな……」

 それだけ言って、レインはリヴィアスの様子を窺う。
 顔色がまだ悪いが、少し赤みが戻ってきているようだ。

「アレは本当に許さん。叔父上に伝えておこう」

 唸るように小声で呟き、レインはミストラルにどう報告して、元婚約者の処遇について、自分も一枚噛めないかと考えを巡らせる。
 その間に領都の薬屋に着き、そこで手に入れた偽物の効能を謳った薬の中身をプロミネンス公爵家に戻って、リヴィアスから伝えられたラディウス、リヒト、レインは頭を抱える事態になった。
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