婚約破棄をされたので、次の婚約をせずに薬師として生きます!

羽山由季夜

文字の大きさ
38 / 82
八章 ブラカーシュ王家のパーティー

ブラカーシュ王家

 ブラカーシュ王家のパーティー前日。
 リヴィアス達は、エリスロース竜王家一行を連れて、ブラカーシュ王国の王城へ来ていた。
 レイン、アウラ、リヒトは留守番だ。
 先にリヴィアスとラディウスの婚約の話をブラカーシュ王国の国王イリオス、王太子のリュミエール、第二王子ルミナス、第一王女オーロラに事前に伝えておくためだ。王妃は静養で離宮にいるため、後日となった。
 王弟でもあるミストラルの後ろに続き、リヴィアス達は歩く。
 先触れを出しているので、王族のみが使える専用の応接室でイリオス国王達は待っているという。
 自分の婚約の話なので、リヴィアスは緊張しながら、父の背中を見つめる。
 王弟で、結婚するまで住んでいた王城なので、堂々としている。
 王族の居室もある区画へ進み、許可された者達しか入れないため、人通りも少ない。
 ミストラルの強さを知られているため、警備をしている騎士達は尊敬の眼差しで見ている。
 その眼差しに気付きながらも、ミストラルは冷ややかな視線を騎士達に返している。
 その視線に気付き、騎士達は慌てて、姿勢を正した。

(……尊敬の視線を送らずに、警備をしっかりするようにと、父様は思ってそう……)

 確かにその通りだが、それでも憧れの人がいれば、そちらへ目を向けてしまうのも分かる。
 父、ミストラルは息子のリヴィアスにとっても、尊敬や憧れの対象だ。

「……ヴィアにも目を向けているから、ミストラル大公は冷ややかな目をしているんだよ」

 こっそり、ラディウスがリヴィアスの耳元で囁いた。

「え?」

 何故、考えていることが分かったのだろうかとリヴィアスは隣を歩くラディウスを見上げる。

「ヴィアは美しいから、警備そっちのけで見ている騎士達に、ミストラル大公は視線を送ったんだ。俺も、ミストラル大公に同意だ」

「鍛練が足りん」

 静かに、冷たく言い放ち、ミストラルは騎士達を一瞥した。
 先へと進んでいくと、ある一室の前で、ミストラルは止まった。
 扉を三回叩くと、中から応答する声が聞こえた。

「兄上、失礼します」

 扉を開けて、ミストラルは応接室に入る。

「久し振りだな、ミストラル」

 ソファから立ち上がり、月白色の短い髪、金色の目をしたイリオス国王は弟に笑い掛ける。兄弟だけあって、精悍な顔立ちは似ている。

「ご無沙汰しております、兄上」

 一礼して、ミストラルは兄であるイリオス国王に微笑む。

「カエルム殿、ミーティア殿、ラディウス殿も遠路はるばるようこそ、お越し下さった」

「久し振りだね、イリオス君。今日は公式ではないから、砕けた話し方にさせてもらうよ」

 柔らかく笑い、カエルム国王は手を振る。

「分かったよ、カエルム君。私もその方が有り難い。どうぞ、座って。グレイ、リヴィ、アイスもこちらへいらっしゃい」

「はい、伯父上」

 グレイシアが代表して返事をして、レイディアンス大公家の兄弟はミストラルの立つところへ近付く。

「リヴィ。今回は大変だったね。エリスロース竜王国のプロミネンスで静養したと聞いたが、具合はどうだい?」

「はい、お陰様で僕は元気です。伯父様方にはご心配をお掛けしました……」

 申し訳なさそうに、リヴィアスは頭を下げる。

「気にすることではないよ。リヴィは悪くない。むしろ、あの小僧が悪い」

「怒り心頭だった父上を抑える宰相と私が大変でしたけどね」

 抗議するようにイリオス国王を、彼と似た容姿、月白色の髪、金色の目の青年が冷ややかに見る。

「リュミ兄様……ごめんなさい」

「父上が言ったが、リヴィは悪くない。公衆の面前で飛び出し掛けた父上が悪い」

 そう言って青年は、ソファに座らずにリヴィアスの隣に立つラディウスを見た。

「久し振りだな、ラディウス王太子」

「ああ、久し振りだな。リュミエール王太子」

 お互いに笑みを浮かべ、握手を交わす。
 それをラディウスの隣でリヴィアスは、興味津々に見ていた。

「よく国同士の交流の場で、話したりしているんだよ、リヴィ。とりあえず、話をしよう。皆、座って」

 リュミエールに促され、ラディウスは両親と共にソファに座り、リヴィアスとグレイシア、アイシクルはミストラルとステラと共に別のソファに座る。
 イリオス国王が座るソファには、王太子のリュミエール、第二王子ルミナス、第一王女オーロラが座っている。ルミナスとオーロラは双子の兄妹で、リヴィアスと同い年だ。
 そのリヴィアスと目があった、従兄妹でもあるルミナス、オーロラが手を振っている。リヴィアスは嬉しそうに笑みを零した。
 コの字型の配置のソファにそれぞれの家族が座る形となり、座ったのを確認して、ミストラルが口を開いた。

「兄上、早速、話をさせてもらいます。こちらにいるラディウス王太子が息子のリヴィアスと婚約したいそうです」

 淡々とイリオス国王にミストラルは告げた。

「ん? 何故、そのような話に?」

 経緯を述べず、結果だけを告げる弟に、イリオス国王は首を傾げる。

「その話は、こちらから説明するよ、イリオス君」

 困惑気味のイリオス国王に苦笑しながら、カエルム国王が口を開いた。

「詳しく言ってしまうと、うちの国の事情が入っちゃうから、ざっくり説明するけど、プロミネンス公爵領で静養中だったリヴィちゃんを、プロミネンスの領都で見掛けた息子のラディウスが一目惚れしたらしく、お忍びでプロミネンスにやって来ては話し掛けて交流していたそうだ。そこでちょっとラディウスが命の危機に陥ることがあって、リヴィちゃんが助けに来てくれたんだ。そこで、恋仲になったみたいなんだ」

 苦笑しながら、カエルム国王はざっくりと説明した。
 本当にざっくりと説明されたイリオス国王は、困惑したままだ。

「本当にざっくりだが、ラディウス王太子の猛攻に、リヴィは流された訳ではないんだな?」

 イリオス国王は伯父の顔で、可愛い甥っ子のリヴィアスを見つめる。

「はい。猛攻……積極的に話し掛けて下さって、最初は戸惑いましたが、僕のことを案じて下さったり、僕の話も聞いて下さって、とても嬉しかったです。流された訳ではなく、僕自身もラディウス王太子殿下と婚約したいと思っています」

 ふんわりと微笑み、リヴィアスは自分の意思を告げる。

「……そうか。リヴィの意思は分かったよ。私はリヴィとラディウス王太子の婚約について、反対はしない。恐らくだが、ミストラルが無理難題を言っただろうが、それさえクリア出来れば、私を含めて、ブラカーシュ王家は二人の婚約を支持しよう」

 イリオス国王が告げると、同意するようにリュミエール、ルミナス、オーロラが頷く。

「あの侯爵令息よりは、ラディウス王太子の方が断然マシだし、何より、加護が強い。今回のことで色々と調べさせたが、ラディウス王太子の方がリヴィの心身を守ってくれると私も思う。アレは……婚約を続けていたとしても無理だ。破棄して正解だ」

 緩く首を振りながら、イリオス国王は呟くように続けた。

「それはどういうことですか、兄上」

 眉間に皺を寄せながら、ミストラルが兄を見る。

「ルミナス、オーロラと共に査問機関がウィキッド侯爵家とプサリ男爵家を調べたが……ウィキッド侯爵、プサリ男爵夫妻とその息子以外、黒だ」

 イリオス国王の言葉に、リヴィアス以外のレイディアンス大公家、エリスロース竜王家の面々が眉を顰める。

「黒? 兄上、それはリヴィアスのことに関してですか?」

「……ああ。リヴィの加護は知られていないが、ウィキッド侯爵夫人はリヴィの齎す恩恵を使って、侯爵には内緒で私腹を肥やしていた上に、勝手にリヴィの薬を高値で闇市に売っていた。更にはリヴィの美しさを妬んでいて、結婚後に何かしらの方法を使ってリヴィの美しさを吸い取ろうとしていたようだ。ウィキッド侯爵の長男――リヴィの元婚約者は、過去の浮気相手との間に侯爵家が認知していない子供がいた。夫人が揉み消したことでウィキッド侯爵は知らない。プサリ男爵の養女は、リヴィと元婚約者の結婚後は愛人として侯爵家に嫁ぎ、リヴィと元婚約者を侍らすつもりだったらしい」

 こめかみを揉みながら、イリオス国王は不快な表情を浮かべて説明した。
 イリオス国王の話を聞いて、リヴィアスは少し俯いた。
 婚約中、何となく、そんな気がしていた。プサリ男爵令嬢以外で、元婚約者との雰囲気がおかしい浮気相手がいた。途中、タイバス学園を中途退学した令嬢がいた。あの令嬢だろうか。
 リヴィアスが感じたのは、それだけだった。
 驚きはあったが、そこまでショックではなく、むしろ何も感じなかった。

(……今はアシェル様が側にいて下さってるから、そこまでショックではなかったのかも……)

 ラディウスの方にちらりと目を向けると、彼はリヴィアスを案じるように見ていた。
 それだけで、リヴィアスの心は穏やかになる。
 婚約中に知れば、怒りがあったかもしれない。
 婚約破棄した今では、リヴィアスにとって過去の話であり、関わりのない話で、侯爵家と過去の浮気相手との問題だ。

「……成程。兄上、少し席を外しても……?」

 滅多にしない満面の笑みをミストラルは浮かべ、兄に告げる。

「駄目に決まっているだろう。お前、今から襲撃するつもりだろ。王弟がするな。ミーティア君も無言でどさくさに紛れて行こうとするな。このあたりは、パーティーで追及予定だ。証拠も揃ってる。パーティーまで大人しくしろ」

 ミストラルとミーティアを止め、イリオス国王は溜め息を吐いた。

「あの、伯父様。一つ気になることがあるのですが……」

「何だい、リヴィ」

「ウィキッド侯爵家にはもう一人、次男のベーゼ様がいらっしゃいます。彼は、その……黒、なのですか?」

「黒も何も真っ黒だよ。彼を一番、警戒した方がいいよ、リヴィ」

 イリオス国王の代わりに、今まで静かにしていた桔梗色の髪、金色の目をした少年――ルミナスがリヴィアスに告げた。

「ルミナ、どういうこと?」

 目を瞬かせて、リヴィアスは同い年の従弟を見る。

「オーロラと査問機関の皆と一緒に調べたけど、ウィキッド侯爵家の次男ベーゼ・エビル・ウィキッドは真っ黒。リヴィを狙ってる」

 ルミナスの隣に座る、彼と同じ髪と目の色、顔――双子の妹、オーロラも頷く。

「僕を? ベーゼ様が?」

「リヴィのことを偏愛しているようだよ。自分の兄でもある長男の愚行を知りながら諌めることもせず、酷い扱いをする長男からリヴィを助け、長男との婚約を自分に移行させて、リヴィを手に入れるつもりだった。手に入れた後はリヴィを閉じ込めて、誰にも会わさずに自分だけしか見えないようにしようとしていたようだよ」

 ルミナスの言葉に、レイディアンス大公家の面々から冷たい魔力が周囲に流れる。

「そのために、何かを企んでるみたいなの。だから、リヴィは絶対にウィキッド侯爵家とは関わらないで。パーティーもよ! ラディウス王太子殿下なら、リヴィを守ってくれると思うわ」

 オーロラが手をそれぞれ握り、力強くリヴィアスを見る。

「ルミナ、オーラ……調べてくれてありがとう、気を付けるね」

 リヴィアスは双子の従兄妹に微笑み、お礼を告げた。

「それよりも、あの小僧、侯爵家が認知していない子供がいる? 夫人が揉み消した? 何故、ウィキッド侯爵がそれを知らない?」

 冷ややかな目で、兄に問うようにミストラルは見据える。

「ウィキッド侯爵は普段、領地で領地経営をしている。月に一度、王都の邸宅に戻ってきているが、子供の教育は夫人が取り仕切っている。過去の浮気相手との間に子供がいると知られれば、レイディアンス大公家はもちろん、我が王家も即刻、婚約破棄と慰謝料を命じる。リヴィの恩恵もなくなる。それを恐れて夫人は揉み消し、侯爵にも伝えなかった。真面目な侯爵は場合によっては、責任を取って侯爵家を返上するかもしれないと夫人は思ったのだろう。侯爵家の長男は、過去の浮気相手達の内、数人、肉体関係を持っていたようだ。結婚後に認知していない子供を認知して、リヴィに育てさせ、浮気相手――この場合は二人だな。二人の浮気相手を愛人として招くつもりだった」

「兄上、やはり席を外しても?」

「駄目だ。大人しくしていろ。パーティーで追及するから、お前は動くな。ミーティア君も含めて、全員まだ動くな。私も我慢してるんだ」

「本当ですよ。気持ちは分かりますけどね。父上に報告した途端、叔父上と同じ行動をするんですから……」

 リュミエールが困ったようにイリオス国王とミストラルを見る。

「イリオス。パーティーではどの程度、追及するつもりだ?」

「侯爵夫人が勝手にリヴィの薬を闇市に売っていたことと、侯爵家長男の不貞行為。浮気相手の男爵家の養女と結託して宣言したリヴィに対する冤罪。婚約中に浮気相手と不貞をして、子供を産ませ、それをリヴィに育てさせ、愛人として招くつもりだったということだな。全てが準王族のリヴィの侮辱行為にあたるからな」

「準王族……将来的には竜王家の王族になるけどな。そんなリヴィちゃんの心を傷付けたのなら、家族になる俺達も一枚噛ませてもらえると嬉しいんだが……」

 ミーティア王妃がイリオス国王に向かって、ニヤリと不敵に笑う。

「今回のパーティーで婚約を発表する。その時に、侯爵家に威圧してやれ」

 怒りを抑えているミストラルが冷ややかにミーティア王妃に言うと、不敵な笑みから満面の笑みに変わった。

「お。威圧していいのか? それなら、ラディと俺でやっちゃおうか。カエルムは威圧、どうする?」

「二人がやるなら、抑え役がいるんじゃないのかい? 私とリヴィちゃんで抑えようか。ね、リヴィちゃん」

 穏やかにカエルム国王がリヴィアスに微笑み掛ける。

「え……あ、はい……」

 何故、そんな話に? と思いつつも、リヴィアスは頷いた。

「私もしちゃおうか、威圧」

「……オーラまですると抑える僕とリヴィが大変になるから、しないで」

 オーロラがぼそりと呟くのが聞こえたルミナスは、静かに止めた。

「どの王家も、血の気が多いな……」

 その血が流れているはずの王太子のリュミエールは、溜め息混じりに呟いた。
 翌日のブラカーシュ王家主催のパーティーが不安になったリュミエールだった。
感想 42

あなたにおすすめの小説

あなたが愛人を作るのなら

あんど もあ
ファンタジー
結婚して八年の夫が、愛人を作った。それも私の推しの女優を! 「君と違って彼女には才能がある」と言う。ならば、私も才能のある愛人を持つ事にいたしましょう。愛人の才能を花開かせる事が出来るのはどちら?

夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。

古森真朝
ファンタジー
 「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。  俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」  新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは―― ※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。

「お前を愛する事はない」を信じたので

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」 お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。

三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します

冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」 結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。 私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。 そうして毎回同じように言われてきた。 逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。 だから今回は。

「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。

桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。 「不細工なお前とは婚約破棄したい」 この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。 ※短編です。11/21に完結いたします。 ※1回の投稿文字数は少な目です。 ※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。 表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。 ❇❇❇❇❇❇❇❇❇ 2024年10月追記 お読みいただき、ありがとうございます。 こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。 1ページの文字数は少な目です。 約4800文字程度の番外編です。 バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`) ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑) ※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。

しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。

さようなら、お別れしましょう

椿蛍
恋愛
「紹介しよう。新しい妻だ」――夫が『新しい妻』を連れてきた。  妻に新しいも古いもありますか?  愛人を通り越して、突然、夫が連れてきたのは『妻』!?  私に興味のない夫は、邪魔な私を遠ざけた。  ――つまり、別居。 夫と父に命を握られた【契約】で縛られた政略結婚。  ――あなたにお礼を言いますわ。 【契約】を無効にする方法を探し出し、夫と父から自由になってみせる! ※他サイトにも掲載しております。 ※表紙はお借りしたものです。

婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています

由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、 悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。 王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。 だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、 冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。 再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。 広場で語られる真実。 そして、無自覚に人を惹きつけてしまう リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。 これは、 悪役令嬢として断罪された少女が、 「誰かの物語の脇役」ではなく、 自分自身の人生を取り戻す物語。 過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、 彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。