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第3話 氷の辺境伯との契約
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辺境の朝は、静寂の中に息を潜めていた。
窓の外は一面の雪。遠くの森では狼の遠吠えが響き、それがまるでこの地の孤独を象徴しているようだった。
目を覚ました私は、薄暗い部屋の中で毛布から身を起こす。暖炉の火はまだ燃えており、寝台の脇には温かい湯と朝食が用意されていた。
「お嬢……いいえ、リリアナ様。お目覚めですか?」
メイが小声で私を呼ぶ。
「ええ、ありがとう。……あの、まだ夢の中にいる気がして」
「無理もありません。昨日のことがあまりに急でしたから」
昨日、私を救った辺境伯――レオンハルト・ヴォルクナー。その名を思い出すたびに、胸の奥がざわついた。
冷たい瞳、鋭い声、威圧的な存在感。けれど、あの手だけは確かにあたたかかった。
食事の後、使用人が無言で部屋をノックした。
「辺境伯様がお呼びです。支度を整えて執務室へ」
ぶっきらぼうな言い方だが、悪意は感じない。私は頷き、メイと共に向かうことにした。
*****
城の廊下はどこも石の壁で覆われ、燭台の炎が淡く揺れている。
私は裾を整えながら歩き、重い扉の前で足を止めた。
扉を開けると、広い部屋にレオンハルトが立っていた。机の上には地図と書類の山。淡々と指示を出していた彼は、私に気づくと背を向けたまま言った。
「来たか」
その声には、昨夜のような鋭さがなかった。
私は静かに頭を下げる。
「お呼びとのことで……」
彼は机の隅にある椅子を指した。
「座れ。話がある」
私は促されるまま腰を下ろす。レオンハルトが深く息を吐き、椅子に腰をかけた。
「この地では、客人をただ置いておくだけの余裕はない。兵も人手も常に不足している。貴女がここに滞在するには、何らかの役割を担ってもらう必要がある」
「承知しています。どんなことでも構いません」
私がそう答えると、彼はわずかに眉を動かした。
「本当に、どんなことでもか?」
「ええ」
少しの沈黙。彼の目が私をじっと見据える。
その眼差しに試されているような感覚がした。
「ならば提案がある」
彼は机の上の書類を取り出し、私の前に差し出す。
「契約だ。私と貴女の間で、形式上の婚姻契約を結ぶ」
思わず息を呑む。
「け、契約の……婚姻ですか?」
「そうだ。ただし実際の夫婦関係を持つものではない。名目上のみの契約だ」
彼の口調は淡々としているが、意味は重い。
私が言葉を失っていると、レオンハルトは理由を続けた。
「辺境を治めるには“正妃”の存在が必要だ。貴族社会の建前上、臣下や周辺領との交渉で不利になる。貴女のような出自の令嬢を妻として迎えることは悪くない取引だ。……もちろん、貴女に害を加えるつもりはない」
心臓が鼓動を速める。
私は捨てられた女。元王太子妃予定者という汚名を背負っている。そんな私を、契約とはいえ妻にすると言うのだろうか。
「なぜ、私なのですか?」
恐る恐る尋ねる。彼は少しだけ目を伏せた。
「他の誰でもいいわけではない。貴女は既に王都に顔を知られている。その立場を逆手に取れば、王家に余計な詮索をさせずに済む。加えて……」
彼はそこで言葉を切り、私を見る。
「……あの日、あの雪の中で生き延びようとした意志を、私は見た。虚飾ではなく、生の眼をしていた」
それ以上、説明はなかった。
だが、その言葉の一つひとつが胸に刺さる。
「契約は一年。互いの合意で解除もできる。だが、その間は私の庇護下に入ることになる。拒むなら、明日にでも王都へ戻す。どうする」
私は拳を握った。
王都に戻れば、再び蔑まれ、居場所などない。だが、この地でなら、何かを取り戻せるかもしれない。
「……受けます。その契約を」
言葉を口にした瞬間、彼の目がわずかに和らいだ。
「そうか。では今、この場で書状に署名を――」
彼の差し出した羽ペンを受け取り、震える手で名を書く。
“リリアナ・エヴァンス”。
インクが乾ききらぬうちに、レオンハルトのサインがその下に添えられた。
「本日をもって、リリアナ・ヴォルクナーとして扱う」
「……はい」
胸の奥が熱く、そして苦しかった。私は新しい名前を受け取ったのだ。
*****
契約を終えたあと、メイが私の部屋で嬉しそうに跳ねた。
「旦那様とご契約だなんて……! まるで物語みたいです!」
「ふふ、ふざけてはだめよ。あくまで契約だから」
「でも、辺境伯様は本当にお優しい方です。怖そうに見えても、昨日からずっとリリアナ様のことを気にかけておられます」
頬が少し熱を帯びる。
「そう見えるのかしら……私には、ただのお仕事のようにしか」
だが、心のどこかでその“ただの仕事”という言葉が引っかかった。
彼が私を見たあの金の瞳。冷たさの奥に、確かにぬくもりがあった気がする。
*****
数日後、契約の発表が行われた。
辺境伯の館に集まった重臣たちの前で、レオンハルトは簡潔に告げる。
「本日より、彼女を我が館の正夫人“リリアナ・ヴォルクナー”とする」
ざわめきが広がる。
「王都で婚約破棄された令嬢を夫人にとは……」
「しかし、辺境伯閣下のお考えなら……」
賛否の声が上がる中、彼は一歩も揺らがなかった。
人々の目が私に注がれる。私はその中心で背筋を伸ばし、静かに微笑んだ。
「これから、どうぞよろしくお願いいたします」
沈黙を破るように、レオンハルトが軽く頷いた。
「互いの利益のためでもある。無理はするな。ただ……この地の掟だけは守れ」
掟。
その言葉が妙に重く響いたが、聞き返す間もなく儀式は終わった。
*****
夜、契約婚とはいえ同じ屋敷に住むことになった私は、再び窓辺で雪を見ていた。
静けさの中で、遠くから足音が近づいてくる。扉がノックされ、レオンハルトの声がした。
「入るぞ」
「どうぞ」
彼は暖炉の前で立ち止まり、少し視線を落とした。
「今日、よくやったな。貴族どもの目の前で堂々としていた」
「役目のつもりでした」
「それで十分だ。……明日からは執務補佐としての仕事を任せる。書類整理と書簡の作成だ。できるか」
「ええ、喜んで」
私は微笑む。
その笑顔を見たレオンハルトの表情が、一瞬だけ柔らいだ気がした。
「……王都では、笑うことも許されなかっただろう」
「ここでは許されますか?」
彼は短く「許す」とだけ答え、部屋を出て行った。
閉じた扉の向こうで、風が凪いだように感じた。
あの冷徹な氷の騎士が、ほんの少しだけ微笑んだように思えたのは、私の勘違いだろうか。
胸の奥に、ひとひらの温もりが灯る。
それが何かも、まだわからないまま――私はその夜、久しぶりに静かな眠りについた。
(続く)
窓の外は一面の雪。遠くの森では狼の遠吠えが響き、それがまるでこの地の孤独を象徴しているようだった。
目を覚ました私は、薄暗い部屋の中で毛布から身を起こす。暖炉の火はまだ燃えており、寝台の脇には温かい湯と朝食が用意されていた。
「お嬢……いいえ、リリアナ様。お目覚めですか?」
メイが小声で私を呼ぶ。
「ええ、ありがとう。……あの、まだ夢の中にいる気がして」
「無理もありません。昨日のことがあまりに急でしたから」
昨日、私を救った辺境伯――レオンハルト・ヴォルクナー。その名を思い出すたびに、胸の奥がざわついた。
冷たい瞳、鋭い声、威圧的な存在感。けれど、あの手だけは確かにあたたかかった。
食事の後、使用人が無言で部屋をノックした。
「辺境伯様がお呼びです。支度を整えて執務室へ」
ぶっきらぼうな言い方だが、悪意は感じない。私は頷き、メイと共に向かうことにした。
*****
城の廊下はどこも石の壁で覆われ、燭台の炎が淡く揺れている。
私は裾を整えながら歩き、重い扉の前で足を止めた。
扉を開けると、広い部屋にレオンハルトが立っていた。机の上には地図と書類の山。淡々と指示を出していた彼は、私に気づくと背を向けたまま言った。
「来たか」
その声には、昨夜のような鋭さがなかった。
私は静かに頭を下げる。
「お呼びとのことで……」
彼は机の隅にある椅子を指した。
「座れ。話がある」
私は促されるまま腰を下ろす。レオンハルトが深く息を吐き、椅子に腰をかけた。
「この地では、客人をただ置いておくだけの余裕はない。兵も人手も常に不足している。貴女がここに滞在するには、何らかの役割を担ってもらう必要がある」
「承知しています。どんなことでも構いません」
私がそう答えると、彼はわずかに眉を動かした。
「本当に、どんなことでもか?」
「ええ」
少しの沈黙。彼の目が私をじっと見据える。
その眼差しに試されているような感覚がした。
「ならば提案がある」
彼は机の上の書類を取り出し、私の前に差し出す。
「契約だ。私と貴女の間で、形式上の婚姻契約を結ぶ」
思わず息を呑む。
「け、契約の……婚姻ですか?」
「そうだ。ただし実際の夫婦関係を持つものではない。名目上のみの契約だ」
彼の口調は淡々としているが、意味は重い。
私が言葉を失っていると、レオンハルトは理由を続けた。
「辺境を治めるには“正妃”の存在が必要だ。貴族社会の建前上、臣下や周辺領との交渉で不利になる。貴女のような出自の令嬢を妻として迎えることは悪くない取引だ。……もちろん、貴女に害を加えるつもりはない」
心臓が鼓動を速める。
私は捨てられた女。元王太子妃予定者という汚名を背負っている。そんな私を、契約とはいえ妻にすると言うのだろうか。
「なぜ、私なのですか?」
恐る恐る尋ねる。彼は少しだけ目を伏せた。
「他の誰でもいいわけではない。貴女は既に王都に顔を知られている。その立場を逆手に取れば、王家に余計な詮索をさせずに済む。加えて……」
彼はそこで言葉を切り、私を見る。
「……あの日、あの雪の中で生き延びようとした意志を、私は見た。虚飾ではなく、生の眼をしていた」
それ以上、説明はなかった。
だが、その言葉の一つひとつが胸に刺さる。
「契約は一年。互いの合意で解除もできる。だが、その間は私の庇護下に入ることになる。拒むなら、明日にでも王都へ戻す。どうする」
私は拳を握った。
王都に戻れば、再び蔑まれ、居場所などない。だが、この地でなら、何かを取り戻せるかもしれない。
「……受けます。その契約を」
言葉を口にした瞬間、彼の目がわずかに和らいだ。
「そうか。では今、この場で書状に署名を――」
彼の差し出した羽ペンを受け取り、震える手で名を書く。
“リリアナ・エヴァンス”。
インクが乾ききらぬうちに、レオンハルトのサインがその下に添えられた。
「本日をもって、リリアナ・ヴォルクナーとして扱う」
「……はい」
胸の奥が熱く、そして苦しかった。私は新しい名前を受け取ったのだ。
*****
契約を終えたあと、メイが私の部屋で嬉しそうに跳ねた。
「旦那様とご契約だなんて……! まるで物語みたいです!」
「ふふ、ふざけてはだめよ。あくまで契約だから」
「でも、辺境伯様は本当にお優しい方です。怖そうに見えても、昨日からずっとリリアナ様のことを気にかけておられます」
頬が少し熱を帯びる。
「そう見えるのかしら……私には、ただのお仕事のようにしか」
だが、心のどこかでその“ただの仕事”という言葉が引っかかった。
彼が私を見たあの金の瞳。冷たさの奥に、確かにぬくもりがあった気がする。
*****
数日後、契約の発表が行われた。
辺境伯の館に集まった重臣たちの前で、レオンハルトは簡潔に告げる。
「本日より、彼女を我が館の正夫人“リリアナ・ヴォルクナー”とする」
ざわめきが広がる。
「王都で婚約破棄された令嬢を夫人にとは……」
「しかし、辺境伯閣下のお考えなら……」
賛否の声が上がる中、彼は一歩も揺らがなかった。
人々の目が私に注がれる。私はその中心で背筋を伸ばし、静かに微笑んだ。
「これから、どうぞよろしくお願いいたします」
沈黙を破るように、レオンハルトが軽く頷いた。
「互いの利益のためでもある。無理はするな。ただ……この地の掟だけは守れ」
掟。
その言葉が妙に重く響いたが、聞き返す間もなく儀式は終わった。
*****
夜、契約婚とはいえ同じ屋敷に住むことになった私は、再び窓辺で雪を見ていた。
静けさの中で、遠くから足音が近づいてくる。扉がノックされ、レオンハルトの声がした。
「入るぞ」
「どうぞ」
彼は暖炉の前で立ち止まり、少し視線を落とした。
「今日、よくやったな。貴族どもの目の前で堂々としていた」
「役目のつもりでした」
「それで十分だ。……明日からは執務補佐としての仕事を任せる。書類整理と書簡の作成だ。できるか」
「ええ、喜んで」
私は微笑む。
その笑顔を見たレオンハルトの表情が、一瞬だけ柔らいだ気がした。
「……王都では、笑うことも許されなかっただろう」
「ここでは許されますか?」
彼は短く「許す」とだけ答え、部屋を出て行った。
閉じた扉の向こうで、風が凪いだように感じた。
あの冷徹な氷の騎士が、ほんの少しだけ微笑んだように思えたのは、私の勘違いだろうか。
胸の奥に、ひとひらの温もりが灯る。
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