英傑活動の傍らで

ふぃる

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19話 提示される選択肢③

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 層壁門での事が釈然としないまま、帰り道。
 ゆっくり歩いてだったけど、それでも白猫家に戻り着いた時間は、いつもの仕事上がりの時間よりも大分早かった。

 まだ店先には人が多くて、暫く待ってたら隙間のタイミングでピア店長に呼ばれる。
「おかえりぃ、早かったね。」
 さっきまで客が並んでた割に、あまり使われていない座席の方に誘導されながら。
「まぁ、妙な条件のお陰で楽だったし。
 ていうか、何があってこんな妙な配達依頼が来たの?」
「ニメージュの宣伝のお陰だよ。とはいえ上層のかたから注文を受ける事になるとは思わなかったけどね。」
「…それだけじゃない感じがしたけど?」
「最初はもっと単純な勧誘だったんだけどねー。話してる内に話が広がって、新しい『路』の試用もして欲しいってなってね。」
「まって話の前提から思ったのと違うんだけど? 最初から説明して?」

 話しながら用意してたまかないを、ピア店長が持ってきてくれる。
「なんかねー、新しい治安組織を建てるみたいで、その為の人員を集めてるんだって。それで、街で目立ってたニメージュにも話が来たわけ。
 どう? 興味ない?」
「…配達の方はどうするのさ。 注文減ったとはいえ、まだ需要あるよね?」
「最初はキャンペーンとして始めた配達サービスだったからね、思ったより好評でずっと続けちゃってたけど。
 おかげで売り切れ前に店を閉める日の方が珍しいくらいだけど、それってこれ以上常連さんが増えたら提供しきれなくなっちゃうじゃん?」
「それは…まぁ、そうか。」
 店を大きくする気はない、とは昨日言ってたし。
「それに、あれだけ動けるニメージュの活躍を、こんな小さな店に留めるのは勿体ないなって思っちゃって。
 もっとニメージュが活躍できる場があるんじゃないか、ってね。」
 勝手なことを、と言い返そうとしたがその直前に店先の方から客の呼び声。
「じゃ、考えといてねー。」
 言葉を返す前に、ピア店長はそっちに向かって行ってしまった。
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