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29話 幕間:旧・騎士の末裔
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「少し、お時間いいですか?」
空いた時間、休んでるところにさっきの…ヴェリダールっていったっけ、その人が来る。
「…何の用?」
「もしかしてと思って改めて資料を確認させてもらったのですが、この間東の層壁門まで配達に来てた方、ですよね?」
「そうだけど、何でそれを?」
「あの時、そこに居て見てたんですよ、審査員として。
それで少々個人的に気になった事があるのですが、聞いてもよろしいでしょうか?」
「…答えられる事なら。」
「ニメージュさんは4年前の避難民保護の対象となっていて、それはまだ受けていると。その期間もまだ余裕がある。
さほど不自由はしない程には支給を受けている、というのは合ってます?」
「まぁ、贅沢しなきゃ何も問題無いくらいには。」
「その上で更なる稼ぎを求めるという事は、何らかの目的が?」
「街から出ていくため」なんて、これから駆け出しってのに直面した今だと余計に言えない。
「なんていうか、自由のため、かな。」
「…言いづらい話のようですね。」
「まぁ、うん。」
「ともあれ何らかの目標があっての事、ですね、羨ましい話です。」
「でも、何でそんな事を?」
「そうですね…それに答える前にひとつ。
ニメージュさんは、シントの『上層』の事をどう思いますか?」
「どう、つっても…なんか壁の向こうのよく知らない場所、ってくらいにしか……。」
「上層からしても、同じなのです。貴族意識が高い家も多く、下層という地は近くでありながら遠い場所で。
私の家『ロンドラーレ家』も、シント黎明期の騎士の家系として、剣術を継ぐ事を重要視され。…本来の後継者のはずの兄が家出をしてから、余計に。
なので、こうして仕事の名目で下層に来るのが、今できる最大限の自由の選択なのです。
その配達の時にいただいたものも貴重な下層を知る機会、ではあったのですが…ここにいるという事は、配達の仕事はおしまい、という事ですよね。」
「確かに仕事としてはやってないけど、個人的になら別に構わないぞ?」
「本当ですか? 戦闘指導員として当面留まるので、今度お願いします!」
空いた時間、休んでるところにさっきの…ヴェリダールっていったっけ、その人が来る。
「…何の用?」
「もしかしてと思って改めて資料を確認させてもらったのですが、この間東の層壁門まで配達に来てた方、ですよね?」
「そうだけど、何でそれを?」
「あの時、そこに居て見てたんですよ、審査員として。
それで少々個人的に気になった事があるのですが、聞いてもよろしいでしょうか?」
「…答えられる事なら。」
「ニメージュさんは4年前の避難民保護の対象となっていて、それはまだ受けていると。その期間もまだ余裕がある。
さほど不自由はしない程には支給を受けている、というのは合ってます?」
「まぁ、贅沢しなきゃ何も問題無いくらいには。」
「その上で更なる稼ぎを求めるという事は、何らかの目的が?」
「街から出ていくため」なんて、これから駆け出しってのに直面した今だと余計に言えない。
「なんていうか、自由のため、かな。」
「…言いづらい話のようですね。」
「まぁ、うん。」
「ともあれ何らかの目標があっての事、ですね、羨ましい話です。」
「でも、何でそんな事を?」
「そうですね…それに答える前にひとつ。
ニメージュさんは、シントの『上層』の事をどう思いますか?」
「どう、つっても…なんか壁の向こうのよく知らない場所、ってくらいにしか……。」
「上層からしても、同じなのです。貴族意識が高い家も多く、下層という地は近くでありながら遠い場所で。
私の家『ロンドラーレ家』も、シント黎明期の騎士の家系として、剣術を継ぐ事を重要視され。…本来の後継者のはずの兄が家出をしてから、余計に。
なので、こうして仕事の名目で下層に来るのが、今できる最大限の自由の選択なのです。
その配達の時にいただいたものも貴重な下層を知る機会、ではあったのですが…ここにいるという事は、配達の仕事はおしまい、という事ですよね。」
「確かに仕事としてはやってないけど、個人的になら別に構わないぞ?」
「本当ですか? 戦闘指導員として当面留まるので、今度お願いします!」
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