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85. 扉の向こうから来る者
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勢いよくカーテンが開けられて、眩しい朝日が白い部屋に満ち溢れました。
「おはようございます、お嬢様。起きて下さいな? お食事にしましょう?」
マリはカーテンを纏め上げると、窓を開けて空気の入れ替えをしてくれます。流石にずっと寝ていたせいか、シャッキリと起きることが出来ました。
「おはよう、マリ。今日もいい天気の様ね?」
「はい。良いお天気ですわ。お嬢様は、お顔の色も宜しいですわね。お医者様を呼んでございますから、診察が終わったらお食事にしましょう。結局、昨夜はホットミルクしか召し上がっておりませんもの。準備しますから、もう少しだけお待ちくださいませ」
流石に、昨日のセドリック様のご様子を見た後で食欲は沸きませんでした。
そうです。この部屋の向こうにはセドリック様が眠っています。
私を暗い意識の底から助け上げてくれたセドリック様は、ご自身が大怪我を負って意識を失くして眠っています。
「マリ、食事が済んだらセドリック様のお部屋に行けるかしら……」
ノックの音が響き、魔法科学省の副師長様が、朝食のワゴンを運んで来て下さいました。
「ええっ!? あの、な、なんで? 副師長様が?」
驚きました。まるで騎士の様な凛々しい姿の副師長様が、メイドよろしくワゴンを押して入って来たのですから!
直ぐにマリが受け取ってテーブルにセットを始めましたが、一体どういうこと?
「おはようございます。シュゼット嬢。私は魔法科学省のレイシル師長の部下、カイル・エドワルドと申します。この医術院でのお世話は、私が携わることになっておりますので、お気になさらないで下さい」
カイル様はそう言うと、にっこりと微笑まれました。背も高くがっしりとした体格で、言われなければ皆さん騎士様と思われるでしょう。濃茶の短く刈り上げられた髪に、両耳に魔法石のピアス。王宮近衛騎士にも成れそうなお顔だちで、濃い藍色の瞳が優しそうな方です。
「それはありがとうございます。お忙しいでしょうに、お手数をお掛けして申し訳ございません。カイル様はお食事は摂られたのですか?」
テーブルの上には、病人食とは思えない豪華な朝食が沢山並べられています。幾ら私とマリの二人分としても、多すぎませんか? 特に私は、ほぼ二日くらい食べていない状態ですから、オートミールのミルク粥とスープ、フルーツのコンポートで十分です。と言うか、それ以上は無理でしょう。リバースモードは無い! 無い! 無い!
「もしよろしければ、カイル様もご一緒に如何ですか? 私とマリの二人分にしては多すぎますもの」
そう言って、マリの方に向くと……
えっ!? ちょ、ちょっと! マリさん? 頬が真っ赤ですわよ? ナニ? ナニ? ナニ?
「宜しいのですか? 実はまだなのです。もし、貴方が宜しいのでしたら是非ご一緒させて下さい」
カイル様は、マリの方にも了解を取るべく視線を向けられました。まあ! 何て素敵な笑顔なのでしょう!?
視線を向けられたマリは大きく目を見開くと、頬を赤くしたまま澄ました様子で腰を落とし、
「それでは、カイル様のお席をご用意致しますわ」
と言って、窓際に置かれていた椅子に近づきました。結構厳いかつい形の重そうな木製の椅子です。
「ああ。大丈夫です。私が運びましょう」
カイル様はそう言うと、マリの手が触れた椅子を軽々と持ち上げました。
「……?」
ナニ? マリの手が宙で止まっていますわ。ドウシタノ マリサン? 何だか動きが変ですわよ?
「マリ?」
こんなマリは見たことがありません。だって、耳まで真っ赤になってますもの。
もしかして。もしかしてだけど。マリはカイル様の事が気になるのでしょうか? マリは、はっと気が付いたようにカイル様の分をセッティングし始めました。まるで、さっきまでの挙動不審な様を振り払うような完璧侍女の顔ですわ。
じっと見詰めていた私の視線に、マリが気が付くと再び耳まで真っ赤な顔になりました。何でしょう。無言の圧力? を感じますけど……
マリさん? 私。判っちゃいましたわ。
私の対面にはカイル様が座っています。流石に侍女であるマリは一緒のテーブルに着くことは無く、ワゴンの後ろで控えています。
「シュゼット嬢、朝食を頂きながらで結構ですから、話を聞いて下さい」
マリがカイル様のカップにお茶を注いでいると、さっきまでの口調とは違う、畏かしこまった様子で口を開きました。
私はフルーツコンポートを食べ終わり、マリのお茶を待っています。返事をする代わりに、正面に座るカイル様を見据えました。
「シュゼット嬢、貴方が光の識別者で、魔術の引き出し中に倒れたことは秘密にしてあります。学院にも体調不良で休むとしか伝えてありません。今後の事も含めて、詳しい事は後ほどレイシル師長がお話に参ります。ただ、もう少しこの部屋にいて頂くことになるでしょう。それだけはご承知おきください」
そうなのですか。学院も休んでいますか。という事は、今日もお休みという事ですね? 良いですね。だって、セドリック様の事がありますから、学校など行っている場合ではありませんもの。
「もう少ししたら、レイシル師長がいらっしゃいます。それまでは、お部屋でお過ごしください。幾ら結界魔法が掛かっているとはいえ、昨日の今日ですから何が起きるか判りません」
「昨日の今日? 結界魔法?」
結界魔法が掛かっているのですか? ここに?
「まさか、セドリック様が結界魔法に?」
「いいえ。セドリック殿ではありません」
セドリック様では無い? 結界魔法のせいでセドリック様は怪我をした訳では無いの?
「それでは、シュゼット嬢。レイシル師長が来られるまでお待ち下さい」
カイル様とのやり取りで、何かが引っかかります。確か、セドリック様ではありませんっておっしゃいました。ではって? セドリック様以外の方が、結界魔法に引っ掛かったというの?
バタンと扉は閉められて、マリと二人きりになりました。
「ねえ、マリ……」
「お嬢様。私からは何も言えません。もし聞きたい事がおありならば、レイシル様にお聞き下さいませ」
ちっ‼ 先手を打たれましたわ。さっきの仕返しですか? なんて。
朝食を終え、セドリック様のお部屋に行きたい気持ちを押えて、レイシル様をお待ちしています。もう来て下さっても良いと思うのですけど。少し焦れ気味でお茶を飲んでいると、窓の外で馬の嘶いななきが聞こえました。
思わず私は窓辺に駆け寄ると、医術院の庭に眼を向けました。
「あっ。エーリック殿下?」
珍しいですわ。エーリック殿下が馬に乗っています。元々、乗馬は得意な方ですけど、こちらに来てから乗っているのを見たことが無かったのです。
エーリック殿下は、窓から見下ろしている私の姿を見つけると、小さく片手を挙げて下さいました。今日は制服では無く私服ですのね。臙脂色のジャケット姿ですから、きっとセドリック様のお見舞いでしょう。
殿下は颯爽と馬から降りると、建物から出て来た方に手綱を渡し、すぐに建物の中に入られました。私服で尚且つ馬でいらしたという事は、エーリック殿下は学院をお休みになるという事でしょう。まあ、私も学院に行く気分ではありませんしね。
「そうだ。エーリック殿下ならご存じですわね。セドリック様のほかにいらした方のこと」
セドリック様に関することは、エーリック殿下に伺いましょう。それが一番確かですわね。
ノックの音が響きました。
「シュゼット。私だ。エーリックだ。入っても良いだろうか?」
ええ。勿論ですわ。そう言う替わりにマリに頷くと、軽い音を立てて扉が開かれました。
「おはよう。シュゼット」
エーリック様は今日も爽やかですわ。
それにしても、レイシル様は遅いですわね。早くセドリック様の所に行きたいのに!
「おはようございます、お嬢様。起きて下さいな? お食事にしましょう?」
マリはカーテンを纏め上げると、窓を開けて空気の入れ替えをしてくれます。流石にずっと寝ていたせいか、シャッキリと起きることが出来ました。
「おはよう、マリ。今日もいい天気の様ね?」
「はい。良いお天気ですわ。お嬢様は、お顔の色も宜しいですわね。お医者様を呼んでございますから、診察が終わったらお食事にしましょう。結局、昨夜はホットミルクしか召し上がっておりませんもの。準備しますから、もう少しだけお待ちくださいませ」
流石に、昨日のセドリック様のご様子を見た後で食欲は沸きませんでした。
そうです。この部屋の向こうにはセドリック様が眠っています。
私を暗い意識の底から助け上げてくれたセドリック様は、ご自身が大怪我を負って意識を失くして眠っています。
「マリ、食事が済んだらセドリック様のお部屋に行けるかしら……」
ノックの音が響き、魔法科学省の副師長様が、朝食のワゴンを運んで来て下さいました。
「ええっ!? あの、な、なんで? 副師長様が?」
驚きました。まるで騎士の様な凛々しい姿の副師長様が、メイドよろしくワゴンを押して入って来たのですから!
直ぐにマリが受け取ってテーブルにセットを始めましたが、一体どういうこと?
「おはようございます。シュゼット嬢。私は魔法科学省のレイシル師長の部下、カイル・エドワルドと申します。この医術院でのお世話は、私が携わることになっておりますので、お気になさらないで下さい」
カイル様はそう言うと、にっこりと微笑まれました。背も高くがっしりとした体格で、言われなければ皆さん騎士様と思われるでしょう。濃茶の短く刈り上げられた髪に、両耳に魔法石のピアス。王宮近衛騎士にも成れそうなお顔だちで、濃い藍色の瞳が優しそうな方です。
「それはありがとうございます。お忙しいでしょうに、お手数をお掛けして申し訳ございません。カイル様はお食事は摂られたのですか?」
テーブルの上には、病人食とは思えない豪華な朝食が沢山並べられています。幾ら私とマリの二人分としても、多すぎませんか? 特に私は、ほぼ二日くらい食べていない状態ですから、オートミールのミルク粥とスープ、フルーツのコンポートで十分です。と言うか、それ以上は無理でしょう。リバースモードは無い! 無い! 無い!
「もしよろしければ、カイル様もご一緒に如何ですか? 私とマリの二人分にしては多すぎますもの」
そう言って、マリの方に向くと……
えっ!? ちょ、ちょっと! マリさん? 頬が真っ赤ですわよ? ナニ? ナニ? ナニ?
「宜しいのですか? 実はまだなのです。もし、貴方が宜しいのでしたら是非ご一緒させて下さい」
カイル様は、マリの方にも了解を取るべく視線を向けられました。まあ! 何て素敵な笑顔なのでしょう!?
視線を向けられたマリは大きく目を見開くと、頬を赤くしたまま澄ました様子で腰を落とし、
「それでは、カイル様のお席をご用意致しますわ」
と言って、窓際に置かれていた椅子に近づきました。結構厳いかつい形の重そうな木製の椅子です。
「ああ。大丈夫です。私が運びましょう」
カイル様はそう言うと、マリの手が触れた椅子を軽々と持ち上げました。
「……?」
ナニ? マリの手が宙で止まっていますわ。ドウシタノ マリサン? 何だか動きが変ですわよ?
「マリ?」
こんなマリは見たことがありません。だって、耳まで真っ赤になってますもの。
もしかして。もしかしてだけど。マリはカイル様の事が気になるのでしょうか? マリは、はっと気が付いたようにカイル様の分をセッティングし始めました。まるで、さっきまでの挙動不審な様を振り払うような完璧侍女の顔ですわ。
じっと見詰めていた私の視線に、マリが気が付くと再び耳まで真っ赤な顔になりました。何でしょう。無言の圧力? を感じますけど……
マリさん? 私。判っちゃいましたわ。
私の対面にはカイル様が座っています。流石に侍女であるマリは一緒のテーブルに着くことは無く、ワゴンの後ろで控えています。
「シュゼット嬢、朝食を頂きながらで結構ですから、話を聞いて下さい」
マリがカイル様のカップにお茶を注いでいると、さっきまでの口調とは違う、畏かしこまった様子で口を開きました。
私はフルーツコンポートを食べ終わり、マリのお茶を待っています。返事をする代わりに、正面に座るカイル様を見据えました。
「シュゼット嬢、貴方が光の識別者で、魔術の引き出し中に倒れたことは秘密にしてあります。学院にも体調不良で休むとしか伝えてありません。今後の事も含めて、詳しい事は後ほどレイシル師長がお話に参ります。ただ、もう少しこの部屋にいて頂くことになるでしょう。それだけはご承知おきください」
そうなのですか。学院も休んでいますか。という事は、今日もお休みという事ですね? 良いですね。だって、セドリック様の事がありますから、学校など行っている場合ではありませんもの。
「もう少ししたら、レイシル師長がいらっしゃいます。それまでは、お部屋でお過ごしください。幾ら結界魔法が掛かっているとはいえ、昨日の今日ですから何が起きるか判りません」
「昨日の今日? 結界魔法?」
結界魔法が掛かっているのですか? ここに?
「まさか、セドリック様が結界魔法に?」
「いいえ。セドリック殿ではありません」
セドリック様では無い? 結界魔法のせいでセドリック様は怪我をした訳では無いの?
「それでは、シュゼット嬢。レイシル師長が来られるまでお待ち下さい」
カイル様とのやり取りで、何かが引っかかります。確か、セドリック様ではありませんっておっしゃいました。ではって? セドリック様以外の方が、結界魔法に引っ掛かったというの?
バタンと扉は閉められて、マリと二人きりになりました。
「ねえ、マリ……」
「お嬢様。私からは何も言えません。もし聞きたい事がおありならば、レイシル様にお聞き下さいませ」
ちっ‼ 先手を打たれましたわ。さっきの仕返しですか? なんて。
朝食を終え、セドリック様のお部屋に行きたい気持ちを押えて、レイシル様をお待ちしています。もう来て下さっても良いと思うのですけど。少し焦れ気味でお茶を飲んでいると、窓の外で馬の嘶いななきが聞こえました。
思わず私は窓辺に駆け寄ると、医術院の庭に眼を向けました。
「あっ。エーリック殿下?」
珍しいですわ。エーリック殿下が馬に乗っています。元々、乗馬は得意な方ですけど、こちらに来てから乗っているのを見たことが無かったのです。
エーリック殿下は、窓から見下ろしている私の姿を見つけると、小さく片手を挙げて下さいました。今日は制服では無く私服ですのね。臙脂色のジャケット姿ですから、きっとセドリック様のお見舞いでしょう。
殿下は颯爽と馬から降りると、建物から出て来た方に手綱を渡し、すぐに建物の中に入られました。私服で尚且つ馬でいらしたという事は、エーリック殿下は学院をお休みになるという事でしょう。まあ、私も学院に行く気分ではありませんしね。
「そうだ。エーリック殿下ならご存じですわね。セドリック様のほかにいらした方のこと」
セドリック様に関することは、エーリック殿下に伺いましょう。それが一番確かですわね。
ノックの音が響きました。
「シュゼット。私だ。エーリックだ。入っても良いだろうか?」
ええ。勿論ですわ。そう言う替わりにマリに頷くと、軽い音を立てて扉が開かれました。
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