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86. バシリスの主
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エーリックは薄暗い部屋で目を覚ました。
昨夜も遅かったのに、眠った気がしないまま夜が明けてしまった。
理由は判っていた。想い通りにいかない結果を生んだ自分の不甲斐無さ。はっきりしない気持ちのまま迎えた朝は、思った以上にダメージがあったのを再確認してしまった。
グダグダした気分を吹っ切る様に馬に乗った。久し振りに乗った愛馬は、早朝まだ明けきらない時刻にも関わらず、自分の気配に嘶いなないて答えてくれた。
「バシリス。おはよう」
王女バシリスの名を持つ黒毛の美しいその姿は、生きた宝石と言われる程だ。
「ゴメンよ、こんな早くに。少し走ってくれないか?」
首にそっと手を当てると、スリスリと頭に顔を寄せて来た。温かな体温にほっと心が和むような気がした。黒曜石の様に艶やかなその瞳が、早く乗れと催促するように見えた。馬房の気配に気づいた馬番が、慌てた様に駆け寄ると、直ぐに騎乗の準備をしてくれた。まだ仮眠の時間だったはずだが、随分早く彼を起こしてしまったと、少し申し訳ない気もしたが笑顔で馬場に送り出された。
「バシリス。行こう」
ひらりと背に乗ると、馬番に見送られて奔り出した。久し振りの早朝の散歩に、バシリスも嬉しそうに駆ける。
冷やりとした空気が頬に当たって、ささくれた気持ちを研ぎ均してくれるような気がした。
拮抗する二つの気持ちに折り合いを付けるため、頭を空っぽにしたくて愛馬に跨ったはずだった。流れる景色に髪を靡かせて、愛馬と一体になって早朝の馬場を駆けた……なのに……
ふと手綱の手を緩めた。
「全く。うじうじと考えるなど、私らしくもないか……」
凪いだ心に大事な二人の顔が浮かぶ。どちらも失うことなど考えられない。
でも、シュゼットがセドリックのモノになるのも嫌だった。例え、シュゼットがそれを望んだとしても。今の自分にそれが許せるのか? シュゼットの望みだからとそれを祝福できるのか?
無理だ。何度考えても無理なモノは無理だ。
圧倒的な差があったとしても。出来てしまったとしても。諦めるには至らない。出来ない。
「でも、セドリックも、シュゼットも。私には必要なんだ」
そこまで口に出すと、バシリスが歩みを止めた。主の言った言葉を聞き返す様に耳を後ろに倒す。ほんの少し首を曲げてエーリックの言葉の先を促すようにも見えた。
「欲しい者を欲しいと言う。今言わないで、何時言えと言うんだ。そうだろう、バシリス?」
吹っ切る様に口に出すと、バシリスの首をポンポンと優しく叩く。
「お前、もう少し私に付き合え。たまには私の機嫌を取ってくれ?」
そう言うと、軽く腹を蹴った。承知したと言わんばかりにバシリスは駆け出した。
「はっ‼」
エーリックは掛け声と共に、柵目掛けてバシリスを奔らせると、鮮やかに柵越えをして林の中に駆けて行った。
「おはようございます。エーリック殿下」
今朝のシュゼットは、緩やかなパステルグリーンのワンピースを着て、髪を下ろしたままワンピースと同じ色のリボンでカチューシャの様に纏めていた。寛いだ雰囲気ではあるが、柔らかいパステルグリーンはとても彼女に似合っている。
「おはよう。ああ、顔色も良いね? 体調はどう? 食事は摂れた?」
変わらない彼女の姿に安心して、矢継ぎ早に問い掛けてしまった。いけない。これじゃあカテリーナだ。
丁度お茶を飲んでいたらしい彼女は、侍女に目配せをするとソファへどうぞと、声を掛けてくれた。明るい病室の中で、フワフワとした金色の髪が窓からの微かな風に揺らめいている。
さっきまでのざらつきの残った気持ちが、砂糖菓子の様に溶かされていく。温かい……
「シュゼット、セドリックの部屋には行った?」
お茶を一口飲んでから聞いてみた。
「いいえ。まだなんです。カイル様からレイシル様がいらっしゃるから、それまではここで待っていてと言われたので……もう、大分経つのですけど。まだいらっしゃらないので、お待ちしてますの。早くセドリック様の所に行きたいのですけど……」
少しだけ眉根を寄せて、彼女はそう言った。
レイシル様を待っているのか。まあ、そうだろうな。今のシュゼットの身柄は、魔法科学省で預かっているようなものだし、その長であるレイシル様が責任者だろうから。
「そうか。じゃあ、まだセドリックには会えていないのか。今日はどうだろうな? 目が覚めてくれれば良いが」
「そうですわね。そう願っていますわ。ところで、エーリック殿下は今日は学院をお休みなのですか?」
シュゼットの目線を追うと、ああ、確かに制服姿でない私だからか。学院など休もうがどうでも良い。
シュゼットもセドリックもいないなら……カテリーナの面倒を一人で見るのは精神が削れる。今は、ごっそり削られる。医術院にいる二人の事を隠してなんて、不利な条件に疲労困憊するのが目に見えている。
「君達がいない学院なんてどうでも良いよ。君は目覚めたけど、セドリックの事が心配だし、どっちみち今日は土曜日だから午前中で終わるだろう? 休んだって大したこと無いよ。それに君の事も心配だし……」
そこまで言うと、シュゼットがキラキラした目で見詰めてくれた。嬉しそうな輝く様な笑顔だ。見詰められているこちらの方まで、笑顔になるような幸せな微笑み。
「まあ、エーリック殿下ったら。でも、ご心配頂いてありがとうございます。私もセドリック様の事が心配で、学院はお休みしたかったのです。丁度、カイル様から暫くはここにいる様にと言われていますので、少し学院をお休みすることになるかもしれません。詳しくはレイシル様に聞かなければいけませんけど」
「!?」
強力な魔法術の気配を感じた。自分に鑑定は無いが、誰かが結界を超える時の空間の違和感は感じられる。
「来た。レイシル様が来たよ」
そう言うと同時に扉がノックされると、マリによって扉は直ぐに開けられた。
「シュゼット嬢、おはようございます。おや? エーリック殿下もいらっしゃいましたか」
レイシル様は、シュゼットに向かって笑みを浮かべると、ソファにいた私に素早く視線を向けた。その笑顔の奥に、若干の対抗心? を感じないでもないが、それはお互い様だ。
「ええ。おはようございます。友人二人のお見舞いです。シュゼットも私もセドリックの所に行きたいのですけど、貴方がいらっしゃるまで待てと言われましたので、大人しくお待ちしていました」
「……そうですか。それはお待たせして申し訳ありませんでした。まずは、セドリック殿のご様子を診に行きましょう。その方がシュゼット嬢も安心できるでしょう?」
あくまでもやんわりと受け答えをしているレイシル様は、魔法科学省の高官と言うよりは、神官長の顔で話す。そう言えば、この衣装は議員服では無い。神官長のローブか?
ソファから立ち上がって、レイシル様の後ろ姿を眺めた。魔法科学省の紋章が入っていない、白に金色の刺繍が入った白いローブ。
シュゼットに右手を差し出してエスコートすると、隣に立った彼女も目敏く衣装の違いを感じたようだ。
「今日のレイシル様は、神官長様なのでしょうか……?」
小声でシュゼットが呟いた。
ようやくセドリックの部屋に入れる。
一瞬、昨日の血濡れの姿が頭を過ったが、今は眠っている姿のはずだ。大丈夫だ。
意を決して部屋の中に入る。私は隣にいるシュゼットの手を、ギュッと握ると彼女にいつもの笑顔で促した。
「さあ、シュゼット。セドリックに会いに行こう」
昨夜も遅かったのに、眠った気がしないまま夜が明けてしまった。
理由は判っていた。想い通りにいかない結果を生んだ自分の不甲斐無さ。はっきりしない気持ちのまま迎えた朝は、思った以上にダメージがあったのを再確認してしまった。
グダグダした気分を吹っ切る様に馬に乗った。久し振りに乗った愛馬は、早朝まだ明けきらない時刻にも関わらず、自分の気配に嘶いなないて答えてくれた。
「バシリス。おはよう」
王女バシリスの名を持つ黒毛の美しいその姿は、生きた宝石と言われる程だ。
「ゴメンよ、こんな早くに。少し走ってくれないか?」
首にそっと手を当てると、スリスリと頭に顔を寄せて来た。温かな体温にほっと心が和むような気がした。黒曜石の様に艶やかなその瞳が、早く乗れと催促するように見えた。馬房の気配に気づいた馬番が、慌てた様に駆け寄ると、直ぐに騎乗の準備をしてくれた。まだ仮眠の時間だったはずだが、随分早く彼を起こしてしまったと、少し申し訳ない気もしたが笑顔で馬場に送り出された。
「バシリス。行こう」
ひらりと背に乗ると、馬番に見送られて奔り出した。久し振りの早朝の散歩に、バシリスも嬉しそうに駆ける。
冷やりとした空気が頬に当たって、ささくれた気持ちを研ぎ均してくれるような気がした。
拮抗する二つの気持ちに折り合いを付けるため、頭を空っぽにしたくて愛馬に跨ったはずだった。流れる景色に髪を靡かせて、愛馬と一体になって早朝の馬場を駆けた……なのに……
ふと手綱の手を緩めた。
「全く。うじうじと考えるなど、私らしくもないか……」
凪いだ心に大事な二人の顔が浮かぶ。どちらも失うことなど考えられない。
でも、シュゼットがセドリックのモノになるのも嫌だった。例え、シュゼットがそれを望んだとしても。今の自分にそれが許せるのか? シュゼットの望みだからとそれを祝福できるのか?
無理だ。何度考えても無理なモノは無理だ。
圧倒的な差があったとしても。出来てしまったとしても。諦めるには至らない。出来ない。
「でも、セドリックも、シュゼットも。私には必要なんだ」
そこまで口に出すと、バシリスが歩みを止めた。主の言った言葉を聞き返す様に耳を後ろに倒す。ほんの少し首を曲げてエーリックの言葉の先を促すようにも見えた。
「欲しい者を欲しいと言う。今言わないで、何時言えと言うんだ。そうだろう、バシリス?」
吹っ切る様に口に出すと、バシリスの首をポンポンと優しく叩く。
「お前、もう少し私に付き合え。たまには私の機嫌を取ってくれ?」
そう言うと、軽く腹を蹴った。承知したと言わんばかりにバシリスは駆け出した。
「はっ‼」
エーリックは掛け声と共に、柵目掛けてバシリスを奔らせると、鮮やかに柵越えをして林の中に駆けて行った。
「おはようございます。エーリック殿下」
今朝のシュゼットは、緩やかなパステルグリーンのワンピースを着て、髪を下ろしたままワンピースと同じ色のリボンでカチューシャの様に纏めていた。寛いだ雰囲気ではあるが、柔らかいパステルグリーンはとても彼女に似合っている。
「おはよう。ああ、顔色も良いね? 体調はどう? 食事は摂れた?」
変わらない彼女の姿に安心して、矢継ぎ早に問い掛けてしまった。いけない。これじゃあカテリーナだ。
丁度お茶を飲んでいたらしい彼女は、侍女に目配せをするとソファへどうぞと、声を掛けてくれた。明るい病室の中で、フワフワとした金色の髪が窓からの微かな風に揺らめいている。
さっきまでのざらつきの残った気持ちが、砂糖菓子の様に溶かされていく。温かい……
「シュゼット、セドリックの部屋には行った?」
お茶を一口飲んでから聞いてみた。
「いいえ。まだなんです。カイル様からレイシル様がいらっしゃるから、それまではここで待っていてと言われたので……もう、大分経つのですけど。まだいらっしゃらないので、お待ちしてますの。早くセドリック様の所に行きたいのですけど……」
少しだけ眉根を寄せて、彼女はそう言った。
レイシル様を待っているのか。まあ、そうだろうな。今のシュゼットの身柄は、魔法科学省で預かっているようなものだし、その長であるレイシル様が責任者だろうから。
「そうか。じゃあ、まだセドリックには会えていないのか。今日はどうだろうな? 目が覚めてくれれば良いが」
「そうですわね。そう願っていますわ。ところで、エーリック殿下は今日は学院をお休みなのですか?」
シュゼットの目線を追うと、ああ、確かに制服姿でない私だからか。学院など休もうがどうでも良い。
シュゼットもセドリックもいないなら……カテリーナの面倒を一人で見るのは精神が削れる。今は、ごっそり削られる。医術院にいる二人の事を隠してなんて、不利な条件に疲労困憊するのが目に見えている。
「君達がいない学院なんてどうでも良いよ。君は目覚めたけど、セドリックの事が心配だし、どっちみち今日は土曜日だから午前中で終わるだろう? 休んだって大したこと無いよ。それに君の事も心配だし……」
そこまで言うと、シュゼットがキラキラした目で見詰めてくれた。嬉しそうな輝く様な笑顔だ。見詰められているこちらの方まで、笑顔になるような幸せな微笑み。
「まあ、エーリック殿下ったら。でも、ご心配頂いてありがとうございます。私もセドリック様の事が心配で、学院はお休みしたかったのです。丁度、カイル様から暫くはここにいる様にと言われていますので、少し学院をお休みすることになるかもしれません。詳しくはレイシル様に聞かなければいけませんけど」
「!?」
強力な魔法術の気配を感じた。自分に鑑定は無いが、誰かが結界を超える時の空間の違和感は感じられる。
「来た。レイシル様が来たよ」
そう言うと同時に扉がノックされると、マリによって扉は直ぐに開けられた。
「シュゼット嬢、おはようございます。おや? エーリック殿下もいらっしゃいましたか」
レイシル様は、シュゼットに向かって笑みを浮かべると、ソファにいた私に素早く視線を向けた。その笑顔の奥に、若干の対抗心? を感じないでもないが、それはお互い様だ。
「ええ。おはようございます。友人二人のお見舞いです。シュゼットも私もセドリックの所に行きたいのですけど、貴方がいらっしゃるまで待てと言われましたので、大人しくお待ちしていました」
「……そうですか。それはお待たせして申し訳ありませんでした。まずは、セドリック殿のご様子を診に行きましょう。その方がシュゼット嬢も安心できるでしょう?」
あくまでもやんわりと受け答えをしているレイシル様は、魔法科学省の高官と言うよりは、神官長の顔で話す。そう言えば、この衣装は議員服では無い。神官長のローブか?
ソファから立ち上がって、レイシル様の後ろ姿を眺めた。魔法科学省の紋章が入っていない、白に金色の刺繍が入った白いローブ。
シュゼットに右手を差し出してエスコートすると、隣に立った彼女も目敏く衣装の違いを感じたようだ。
「今日のレイシル様は、神官長様なのでしょうか……?」
小声でシュゼットが呟いた。
ようやくセドリックの部屋に入れる。
一瞬、昨日の血濡れの姿が頭を過ったが、今は眠っている姿のはずだ。大丈夫だ。
意を決して部屋の中に入る。私は隣にいるシュゼットの手を、ギュッと握ると彼女にいつもの笑顔で促した。
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