112 / 121
111. 学院に復帰したら、すぐにバザーです
しおりを挟む
「エーリック殿下、カテリーナ様、セドリック様もお早うございます」
今日から学院に復帰します。表向きは体調不良という事でお休みをしていましたが、セドリック様はいざ知らず私の方は誰が見ても健康です。ええ、完璧です。
「おはよう。シュゼット」
エーリック殿下がにこやかに答えて下さると、カテリーナ様はいつもの様に私を抱き締めて下さいます。実は、カテリーナ様は今までの様にエーリック殿下や、セドリック様とは登校されていないそうです。王太后様の離宮から、直接コレール王国の馬車で来られているのですって。着々とフェリックス殿下の婚約者として色んな事が変わってきています。
「シュゼット! 会いたかったわ~! 身体はもう大丈夫ね? 元気になって良かった」
そう言ってギュっギュッと腕の力を込めました。ああ、この力加減も久し振りですわ。
「カテリーナ様、シュゼットの顔色が悪くなってます。離してやって下さい」
若干低い位置から声がします。車椅子に乗ったセドリック様が、呆れた様にカテリーナ様にお声を掛けました。ああ、いつものやり取りですね。久し振りのセドリック様は、少し照れたように私を見ると、
「ああ、おはよう。君も元気そうで何よりだ」
随分長くなった前髪は今も切られる事は無く、小さなピンでおでこ全開で留められています。額にあった傷も、今では全く分からない程に回復しています。
「ああ、良かったですわ。額の傷も全く判りませんわね」
「あら、本当ね?」
車椅子に座るセドリック様のおでこに視線を合わせて、屈みこんで凝視してしまいました。
「ツ! ち、近い! だ、大丈夫だから!」
セドリック様は真っ赤な顔で、私とカテリーナ様を追い払うように手を振ります。
教室にお供方は入れないので、車椅子を押すのをお手伝いします。セドリック様は、右足のリハビリも順調なので松葉杖で良いと言ったらしいですけど、広い学院の中を杖で移動するのは大変です。なので、ここは私がお手伝いをすると申し出たのです。
教室の扉を開けると、自分たちの席に着く前に声を掛けられました。
「シュゼット様。お早うございます。体調は宜しいのですか?」
すでに何度か王宮でお会いしているドロシア様と、イザベラ様です。お二人とは今度我が家でお茶会という名の女子会をする予定です。それも、元婚約者候補達のです。
「ええ、ドロシア様、イザベラ様お早うございます。ご心配をお掛けしました、もう大丈夫ですのよ」
他のクラスメイトにも聞こえる様に話します。個別にお話をするのも大変ですから、お二人の有名人の力をお借りします。
セドリック様にも、次々にクラスメイトから声が掛かります。やっぱり、セドリック様は人気者です。皆さん、セドリック様の良い所をご存じなのですね。
「ああ、皆にも心配をお掛けした。でも、もう大丈夫だ。これから遅れた分を取り返さなければならないからな」
ワイワイと男子生徒達に囲まれているセドリック様は、とても楽しそうです。それに、エーリック殿下もとても良い笑顔ですわ。
久し振りにおしゃべりに花を咲かせていると、フェリックス殿下とオーランド様がいらっしゃいました。二人は私達に気が付くと、直ぐに傍まで来られて笑顔を向けてくれました。
「おはよう。シュゼット、セドリック殿。二人供元気そうだ。良かった。これでエーリック殿もカテリーナ殿も安心できるだろう」
フェリックス殿下のその言葉に、カテリーナ様がピクリと反応しました。それは、ほんの僅かな変化です。多分、私しか気が付かなかったかもしれませんし、もしかしたら気のせいかも知れない位、些細な反応でした。
「ええ。そう思います。何といってもカテリーナ様は、私の人生で一番最初の友人ですからね? 付き合いの長さで言ったら、エーリック殿下を超えますから。きっと凄く心配して下さっていた事でしょう」
いつになく、セドリック様がフェリックス殿下に饒舌です。まるで、カテリーナ様の事を一番の親友だとも言うように。
「ですから、これ以上は心配を掛けたく無いのです。カテリーナ様が心を痛ませる事が無い事を、私は強く望んでいますから」
セドリック様はそう言って、フェリックス殿下を見上げました。
もしかして、セドリック様は……カテリーナ様のお気持ちに、気が付いていたのでしょうか……?
フェリックス殿下が大きく頷くと、セドリック様と握手を交わしました。
エーリック殿下が、きょとんとした顔でいますけど、そうでしょうね。
知らなければ、気が付いていなければ、そうなるでしょう。
カテリーナ様は、最初少し驚いた顔でいましたが、二人の握手を見て嬉しそうに、恥じらうように、綺麗な笑顔で微笑みました。
ああ、あの時、医術院の階段を降りる時に見たカテリーナ様の笑顔です。
皆、少しずつ変わっていくのですね。
学院バザーが行われる前日、粗方の準備を終えた玄関ホールを見降ろして、白のクラスメイト達が安堵の声を漏らしました。
「これで準備万端だな」
「はぁああ、疲れた~」
ロイ様を中心に生徒会役員の尽力のお陰で、いつもの下校時間前に準備を終えることが出来ました。
お手伝いをすると申し出た割に、戦力にならなかった私とセドリック様の代わりにエーリック殿下とカテリーナ様、ドロシア様とイザベラ様もお手伝いされていたと伺いました。
全く以て、感謝しかありません。
そして、ローナ様が担当するはずだった音楽会のピアノですが、こちらは私が替わりに請け負う事にしました。満足にお手伝いが出来なかったので、これだけでも協力できればと手を上げました。
四重奏で2曲、ソロで2曲という事ですから、何とか3日前に合わせて練習を行いましたが、幸い相性が良かったのか、何とか及第点を頂く事が出来ました。ソロは、セドリック様とエーリック殿下からリクエストが来ているのでそれでいこうと思います。そして、何とカテリーナ様の歌唱の伴奏もする事になりました。
「だいじょうーぶ。以前やった曲でいきましょう。歌っている間に募金箱を廻すそうだから、頑張らないと」
ダリナス学院時代の歌の授業で、私は良くカテリーナ様の伴奏をしていました。実は、カテリーナ様は大変歌がお上手なのです。まるで本物のオペラ歌手の様に難しい曲も難なく歌いこなせるのです。今回の歌唱は、寄付を募る為の音楽会に華を添える役割があるのです。
だって、カテリーナ様が正式な婚約者と発表されれば、未来の王妃の歌唱でさすがに募金は募れません。ですから、発表前の最初で最後の歌唱の舞台なのです。
「それでは、カテリーナ様、私のリクエストを聞いて下さいますか?」
「ええ。良いわよ? 何が良いのかしら?」
楽譜を見ながらカテリーナ様と相談します。そして、あるページを指し示しました。
「カテリーナ様、私、この歌をお聴きしたいです」
それは、有名な歌劇の一曲。
「〇〇……〇ね? 良いと思うわ。私もこの曲大好きですもの」
カテリーナ様が楽譜を指差して言います。
「ええ。私もこの歌詞大好きです」
そう言って二人で微笑み合いました。多分ですが、私がカテリーナ様の伴奏をするのも、コレが最後かもしれません。ですから、心を込めて演奏したいと思います。
バザーの当日、学院には沢山の人々が訪れています。
開会の言葉を畏れ多くも陛下が下さると、その後はプログラムに沿ってホールで催しが始まりました。音楽会で、私が演奏するのは丁度お茶の時間です。椅子とテーブルが運び込まれて、お茶のサービスを受けながら演奏を聞けるのです。カテリーナ様の歌唱は、音楽会の大トリ。最後に行われるので、多分沢山のお客様がいらっしゃるでしょう。
音楽会が始まる前は、自由時間になりますから私はエーリック殿下とカテリーナ様、セドリック様と一緒にバザーの会場を回ります。
「シュゼット、君の刺繍はどの辺にあるの?」
ふいに後ろから声を掛けられました。この声って……
「レイシル様?」「レイシル殿!」
そこには、レイシル様とカイル様、少し離れてシルヴァ様が。
「いらしていたのですか……」
エーリック殿下が、抑揚の無い声で言います。何とも、嫌そうに聞こえましたけど、エーリック殿下それはさすがに不味いのではありませんか?
「来賓席にいたんだけど、気が付かなかったか?」
まるで気にしないレイシル様です。
苦笑いしているカイル様です。
「あら? ハート先生? その服は?」
普段なら黒いシャツにスラックスで、黒ずくめの服装のシルヴァ様ですが今日は違います。その服はどう見ても、レイシル様とカイル様と同じローブに見えますけど……?
「シルヴァ殿は、正式に魔法科学省に異動されたのです」
カイル様がコソリと教えてくれました。確か以前、他国の王族である自分が、コレールの魔法科学省に入省は出来ないとおっしゃっていたように思いますけど?
「ダリナスの王位継承権を辞退したのだ。良い頃合いだったのでな」
ええっ!? 何だかさらっと、凄い事をおっしゃいましたよ? 良いのですか? それって、どういうことですか!? 何をどう聞いたら良いのか判りませんよ?
「叔父上も本気だってことか」
ぽそりと呟いたエーリック殿下が、レイシル様とシルヴァ様をジトンとした目で見詰めます。
「はい?」
はっきりと聞こえなかったので、もう一度聞き返しますけど、エーリック殿下はさっきまでの目つきが嘘のようなキラキラ目線で答えてくれました。
「シュゼット? お二人の分の刺繍なんて無いよね?」
エーリック殿下? あの、笑顔が怖いです。
今日から学院に復帰します。表向きは体調不良という事でお休みをしていましたが、セドリック様はいざ知らず私の方は誰が見ても健康です。ええ、完璧です。
「おはよう。シュゼット」
エーリック殿下がにこやかに答えて下さると、カテリーナ様はいつもの様に私を抱き締めて下さいます。実は、カテリーナ様は今までの様にエーリック殿下や、セドリック様とは登校されていないそうです。王太后様の離宮から、直接コレール王国の馬車で来られているのですって。着々とフェリックス殿下の婚約者として色んな事が変わってきています。
「シュゼット! 会いたかったわ~! 身体はもう大丈夫ね? 元気になって良かった」
そう言ってギュっギュッと腕の力を込めました。ああ、この力加減も久し振りですわ。
「カテリーナ様、シュゼットの顔色が悪くなってます。離してやって下さい」
若干低い位置から声がします。車椅子に乗ったセドリック様が、呆れた様にカテリーナ様にお声を掛けました。ああ、いつものやり取りですね。久し振りのセドリック様は、少し照れたように私を見ると、
「ああ、おはよう。君も元気そうで何よりだ」
随分長くなった前髪は今も切られる事は無く、小さなピンでおでこ全開で留められています。額にあった傷も、今では全く分からない程に回復しています。
「ああ、良かったですわ。額の傷も全く判りませんわね」
「あら、本当ね?」
車椅子に座るセドリック様のおでこに視線を合わせて、屈みこんで凝視してしまいました。
「ツ! ち、近い! だ、大丈夫だから!」
セドリック様は真っ赤な顔で、私とカテリーナ様を追い払うように手を振ります。
教室にお供方は入れないので、車椅子を押すのをお手伝いします。セドリック様は、右足のリハビリも順調なので松葉杖で良いと言ったらしいですけど、広い学院の中を杖で移動するのは大変です。なので、ここは私がお手伝いをすると申し出たのです。
教室の扉を開けると、自分たちの席に着く前に声を掛けられました。
「シュゼット様。お早うございます。体調は宜しいのですか?」
すでに何度か王宮でお会いしているドロシア様と、イザベラ様です。お二人とは今度我が家でお茶会という名の女子会をする予定です。それも、元婚約者候補達のです。
「ええ、ドロシア様、イザベラ様お早うございます。ご心配をお掛けしました、もう大丈夫ですのよ」
他のクラスメイトにも聞こえる様に話します。個別にお話をするのも大変ですから、お二人の有名人の力をお借りします。
セドリック様にも、次々にクラスメイトから声が掛かります。やっぱり、セドリック様は人気者です。皆さん、セドリック様の良い所をご存じなのですね。
「ああ、皆にも心配をお掛けした。でも、もう大丈夫だ。これから遅れた分を取り返さなければならないからな」
ワイワイと男子生徒達に囲まれているセドリック様は、とても楽しそうです。それに、エーリック殿下もとても良い笑顔ですわ。
久し振りにおしゃべりに花を咲かせていると、フェリックス殿下とオーランド様がいらっしゃいました。二人は私達に気が付くと、直ぐに傍まで来られて笑顔を向けてくれました。
「おはよう。シュゼット、セドリック殿。二人供元気そうだ。良かった。これでエーリック殿もカテリーナ殿も安心できるだろう」
フェリックス殿下のその言葉に、カテリーナ様がピクリと反応しました。それは、ほんの僅かな変化です。多分、私しか気が付かなかったかもしれませんし、もしかしたら気のせいかも知れない位、些細な反応でした。
「ええ。そう思います。何といってもカテリーナ様は、私の人生で一番最初の友人ですからね? 付き合いの長さで言ったら、エーリック殿下を超えますから。きっと凄く心配して下さっていた事でしょう」
いつになく、セドリック様がフェリックス殿下に饒舌です。まるで、カテリーナ様の事を一番の親友だとも言うように。
「ですから、これ以上は心配を掛けたく無いのです。カテリーナ様が心を痛ませる事が無い事を、私は強く望んでいますから」
セドリック様はそう言って、フェリックス殿下を見上げました。
もしかして、セドリック様は……カテリーナ様のお気持ちに、気が付いていたのでしょうか……?
フェリックス殿下が大きく頷くと、セドリック様と握手を交わしました。
エーリック殿下が、きょとんとした顔でいますけど、そうでしょうね。
知らなければ、気が付いていなければ、そうなるでしょう。
カテリーナ様は、最初少し驚いた顔でいましたが、二人の握手を見て嬉しそうに、恥じらうように、綺麗な笑顔で微笑みました。
ああ、あの時、医術院の階段を降りる時に見たカテリーナ様の笑顔です。
皆、少しずつ変わっていくのですね。
学院バザーが行われる前日、粗方の準備を終えた玄関ホールを見降ろして、白のクラスメイト達が安堵の声を漏らしました。
「これで準備万端だな」
「はぁああ、疲れた~」
ロイ様を中心に生徒会役員の尽力のお陰で、いつもの下校時間前に準備を終えることが出来ました。
お手伝いをすると申し出た割に、戦力にならなかった私とセドリック様の代わりにエーリック殿下とカテリーナ様、ドロシア様とイザベラ様もお手伝いされていたと伺いました。
全く以て、感謝しかありません。
そして、ローナ様が担当するはずだった音楽会のピアノですが、こちらは私が替わりに請け負う事にしました。満足にお手伝いが出来なかったので、これだけでも協力できればと手を上げました。
四重奏で2曲、ソロで2曲という事ですから、何とか3日前に合わせて練習を行いましたが、幸い相性が良かったのか、何とか及第点を頂く事が出来ました。ソロは、セドリック様とエーリック殿下からリクエストが来ているのでそれでいこうと思います。そして、何とカテリーナ様の歌唱の伴奏もする事になりました。
「だいじょうーぶ。以前やった曲でいきましょう。歌っている間に募金箱を廻すそうだから、頑張らないと」
ダリナス学院時代の歌の授業で、私は良くカテリーナ様の伴奏をしていました。実は、カテリーナ様は大変歌がお上手なのです。まるで本物のオペラ歌手の様に難しい曲も難なく歌いこなせるのです。今回の歌唱は、寄付を募る為の音楽会に華を添える役割があるのです。
だって、カテリーナ様が正式な婚約者と発表されれば、未来の王妃の歌唱でさすがに募金は募れません。ですから、発表前の最初で最後の歌唱の舞台なのです。
「それでは、カテリーナ様、私のリクエストを聞いて下さいますか?」
「ええ。良いわよ? 何が良いのかしら?」
楽譜を見ながらカテリーナ様と相談します。そして、あるページを指し示しました。
「カテリーナ様、私、この歌をお聴きしたいです」
それは、有名な歌劇の一曲。
「〇〇……〇ね? 良いと思うわ。私もこの曲大好きですもの」
カテリーナ様が楽譜を指差して言います。
「ええ。私もこの歌詞大好きです」
そう言って二人で微笑み合いました。多分ですが、私がカテリーナ様の伴奏をするのも、コレが最後かもしれません。ですから、心を込めて演奏したいと思います。
バザーの当日、学院には沢山の人々が訪れています。
開会の言葉を畏れ多くも陛下が下さると、その後はプログラムに沿ってホールで催しが始まりました。音楽会で、私が演奏するのは丁度お茶の時間です。椅子とテーブルが運び込まれて、お茶のサービスを受けながら演奏を聞けるのです。カテリーナ様の歌唱は、音楽会の大トリ。最後に行われるので、多分沢山のお客様がいらっしゃるでしょう。
音楽会が始まる前は、自由時間になりますから私はエーリック殿下とカテリーナ様、セドリック様と一緒にバザーの会場を回ります。
「シュゼット、君の刺繍はどの辺にあるの?」
ふいに後ろから声を掛けられました。この声って……
「レイシル様?」「レイシル殿!」
そこには、レイシル様とカイル様、少し離れてシルヴァ様が。
「いらしていたのですか……」
エーリック殿下が、抑揚の無い声で言います。何とも、嫌そうに聞こえましたけど、エーリック殿下それはさすがに不味いのではありませんか?
「来賓席にいたんだけど、気が付かなかったか?」
まるで気にしないレイシル様です。
苦笑いしているカイル様です。
「あら? ハート先生? その服は?」
普段なら黒いシャツにスラックスで、黒ずくめの服装のシルヴァ様ですが今日は違います。その服はどう見ても、レイシル様とカイル様と同じローブに見えますけど……?
「シルヴァ殿は、正式に魔法科学省に異動されたのです」
カイル様がコソリと教えてくれました。確か以前、他国の王族である自分が、コレールの魔法科学省に入省は出来ないとおっしゃっていたように思いますけど?
「ダリナスの王位継承権を辞退したのだ。良い頃合いだったのでな」
ええっ!? 何だかさらっと、凄い事をおっしゃいましたよ? 良いのですか? それって、どういうことですか!? 何をどう聞いたら良いのか判りませんよ?
「叔父上も本気だってことか」
ぽそりと呟いたエーリック殿下が、レイシル様とシルヴァ様をジトンとした目で見詰めます。
「はい?」
はっきりと聞こえなかったので、もう一度聞き返しますけど、エーリック殿下はさっきまでの目つきが嘘のようなキラキラ目線で答えてくれました。
「シュゼット? お二人の分の刺繍なんて無いよね?」
エーリック殿下? あの、笑顔が怖いです。
0
あなたにおすすめの小説
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、すれ違いの末に離れ離れになった夫婦の物語。
再会したとき、二人が選ぶのは「離婚」か、それとも「再構築」か。
妻を一途に想い続ける夫と、
その想いを一ミリも知らない妻。
――攻防戦の幕が、いま上がる。
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
王女様は温かいごはんが食べたい ~冷えた王宮料理を変えたら、オープンキッチンと政略婚約がついてきました~
しおしお
恋愛
異世界の王女リリアーヌは、前世の記憶を持つ転生者。
豪華絢爛な王宮で暮らし始めた彼女だったが、ひとつだけどうしても耐えられないことがあった。
――食事が、冷めているのだ。
どれほど立派な料理でも、ぬるいスープや冷めた肉ではホッとできない。
「温かいごはんが食べたい」
そのささやかな願いを口にしたことから、王宮ではなぜか大騒動が巻き起こる。
地下厨房からの高速搬送。
専用レーンを爆走するカートメイド。
扉の開閉に命をかけるオープナー。
ついには食堂に火を持ち込むオープンキッチンまで誕生して――!?
温かさは、ホッとさせてくれる。
それは料理だけではなく、人との距離まで少しずつ変えていくものだった。
冷えた王宮に湯気と笑顔を取り戻す、
食と温かさをめぐる宮廷日常コメディ!
-
乙女ゲームのモブに転生していると断罪イベント当日に自覚した者ですが、ようやく再会できた初恋の男の子が悪役令嬢に攻略され済みなんてあんまりだ
弥生 真由
恋愛
『貴女との婚約は今夜を持って破棄させて貰おう!』
学園卒業祝いの夜会の場に、凛と響いた王太子殿下の一声。
その瞬間、私は全てを思い出した。
私が前世ではただの手芸とゲームが好きなインドア派女子大生だったこと。そして、ゲーム世界に転生して尚も趣味は変わらず、ライバルキャラですらないモブになってしまっていたことを。
幼い頃に一度出会ったきりの初恋の彼と学園で再会出来たらなぁ、なんて淡い期待を抱いて通っていたのに、道理で卒業式までなんにも起きなかったわけだ。
ーーなんて、ひとり納得していたら。
何故だが私が悪役令嬢の断罪イベントの目撃者として名指しされ、一気に渦中の人物に!?
更に、王太子以外の男性陣は皆様悪役令嬢に骨抜き。なので自然と私には、彼女の潔白に繋がる証言が求められる。
しかしながら、私は肝心の事件の日の記憶が訳あって曖昧だったので、致し方なく記憶を呼び覚ます治療を受けさせられる羽目に。
タイムリミットは1年間。
その1年間の私への護衛につけられたのは、悪役令嬢に心奪われた初恋の彼でした。
【番外編も完結】で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★2/17 番外編を投稿することになりました。→完結しました!
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる