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寮長と新しいルームメイトと危機管理
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「ちょっとだけ待っていてね、良さそうな一人部屋の子探してくるから。
ついでに交渉もしてくるね」
「何から何までありがとうございます。
近い内に必ずお礼に伺います」
立ち上がった寮長を追い掛けるように慌てて立ち上がり頭を下げる。
俺、ここに来てお茶飲んだだけで何もしてない。
流石にそれは良くない。
しばらくして、下げた頭に温かい物が触れた。
ぽんぽんと軽く触れるだけの手付きで頭を撫でられる。
「気にしなくていいんだよ。これが俺のお仕事なんだから」
顔を上げて寮長を見上げると、さっきまでよりも眉尻と目尻を下げて笑っていた。
笑んで細められた黒い瞳が、零れ落ちそうなほど蕩けていて、先程とは違う意味でドキドキしてしまう。
「‥…でも……うん、そうやって『ありがとう』って言って貰えるのはやっぱり嬉しいね」
それは分かる。
俺も、雪先輩や百鬼先輩達が俺の言葉で喜んでくれた時、とても嬉しかった。
大人しくされるがままに頭を撫でられていると、寮長の顔が百鬼先輩達の方を向いた。
「ここの子達は本当に、躾がなってないのが多くてね。
みんな園宮みたいな良い子なら苦労しないのに‥…ねぇ?」
あ、これは怖い方の寮長だ。
百鬼先輩達の顔が強張っているから間違いない。
『決してこの人を怒らせないようにしよう』
改めてそう決意した。
ついでに交渉もしてくるね」
「何から何までありがとうございます。
近い内に必ずお礼に伺います」
立ち上がった寮長を追い掛けるように慌てて立ち上がり頭を下げる。
俺、ここに来てお茶飲んだだけで何もしてない。
流石にそれは良くない。
しばらくして、下げた頭に温かい物が触れた。
ぽんぽんと軽く触れるだけの手付きで頭を撫でられる。
「気にしなくていいんだよ。これが俺のお仕事なんだから」
顔を上げて寮長を見上げると、さっきまでよりも眉尻と目尻を下げて笑っていた。
笑んで細められた黒い瞳が、零れ落ちそうなほど蕩けていて、先程とは違う意味でドキドキしてしまう。
「‥…でも……うん、そうやって『ありがとう』って言って貰えるのはやっぱり嬉しいね」
それは分かる。
俺も、雪先輩や百鬼先輩達が俺の言葉で喜んでくれた時、とても嬉しかった。
大人しくされるがままに頭を撫でられていると、寮長の顔が百鬼先輩達の方を向いた。
「ここの子達は本当に、躾がなってないのが多くてね。
みんな園宮みたいな良い子なら苦労しないのに‥…ねぇ?」
あ、これは怖い方の寮長だ。
百鬼先輩達の顔が強張っているから間違いない。
『決してこの人を怒らせないようにしよう』
改めてそう決意した。
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