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第十一話 サナとアザレアの妊娠、そしてお妾さん登場です。
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「アザレア、同性とはいえ複数の女性たちの前で下着姿になってしまうかもしれないが…」
「それは仕方ないでしょう。実際に着ている者が目の前にないと分からないわよ」
俺はアザレアを連れて城下町の南街区にある商業ギルドに赴いていた。
女性下着の特許申請と商標登録を済ませるためだ。
俺はこの世界の女性用下着事情に我慢ならなかった。
胸はサラシか何もつけない。下は薄い布地のトランクス、こんなの我慢できるはずがない。
なるべく令和日本のオーパーツは出すまいと思っていたが、ブラジャーが無いと、せっかくこの下着事情の中でも、良い形をしているサナとアザレアのおっぱいの形も崩れてしまうと危機感を覚えてやってしまった。
もう、これで終わり!令和日本のオーパーツ持ち込みは消防の装備品と、この女性用下着だけ!と決めて裁縫スキルを活用して作ってしまった。幸い絹とゴムは存在する。ブラのワイヤーは竹ひごで何とかした。
そして完成品を嫁たちにつけてもらった。絹のブラ、パンティ…。サナとアザレアは互いの下着姿を見て『『これは革命よ!』』とハモッた。その後に二人をベッドに押し倒して堪能したのは言うまでもないことだ。そう、男は真っ裸も良いが下着姿にも興奮する。パンチラという言葉もあるし。
かくして商業ギルドに到着、指定した通り、立ち合うのは全員女性職員だった。
「広報を担当していますイライザと言います。稀代の治癒師であるケンジ様とお会いできて光栄です」
「ケンジです。こちらが今日私のサポートをしてくれます妻のアザレアです。よろしく」
「大丈夫よケンジ、業種は違えど同じギルド職員、見知った顔だから」
二人は知り合いらしい。室内の中央に大きなテーブル、テーブルの上にはサンプル用の下着を置くためのシートがあった。テーブルを囲むのは俺、アザレア、イライザさん、その他三人の女性だ。そのうち二人は商業ギルドが召した名針子らしい。商業ギルドから二名、そのギルドから腕前を認められている針子二名が立ち合い、俺は下着を作った経緯を話した。
「少年期より、女性の下着には、もう少し華があっていいんじゃないかと思っていました。そして過分にも私に二人の嫁が出来て、営みの前に服を脱ぎ下着姿になった時に決心しました。少々破廉恥な言い方ですが、私の嫁二人は豊満な乳房でありながら幸いにして乳首が左右とも同じ高さにありました。しかし、これを維持するのは極めて困難です。そして考えたのです。ならば乳首が同じ高さのうちに押さえ込んでしまえばいいのではないか?と」
アザレアが上半身の服を脱いだ。ブラジャーを見てフロア内の女性たちは驚いている。アザレアの豊満な乳房を包み込み、両肩掛けの紐が乳房を吊り固定している。後ろ姿を見せるとホックがあって、それを掛けることで装着できること。
旦那と女しかいないのでアザレアはブラジャーを一度脱ぎ、再びつける。その一連を惚けたように見つめるギルド職員と針子たち。
パンティの説明に入ろうとすると、アザレアは言うより見た方が早いといい、スカートを脱いだ。まさにもう言葉はいらない。アザレアの下着姿に同性の女たちまで魅了された。これがブラとパンティの力だ。
針子の一人が
「服を着て下さい。もう説明は不要です。すぐに製法の伝授をお願いします」
アザレアは勝ち誇った顔で俺にウインクしてきた。何やらセクシーポーズを決めているけれど、もう服を着ていいんだよ。
やはり裁縫で身を立てている人はすごい。俺が伝えたブラとパンティの作り方を
「へえ、新しい技術ですね」
「こんな、やり方があったなんて驚きです」
と、二人の針子さんは時に俺の技術に驚きながらも製作方法を会得していった。
それを済ませると特許申請と商標登録を済ませる。
この世界におけるブラジャーとパンティの発明者として歴史に名が残るでしょうと言われた時は、それは男として名誉なのかと少し思った。
俺は嫁のために女性用の下着を作ったんじゃない、俺のために作った、そう言うとイライザさんを含め針子たちも大爆笑し『スケベ心の成せる技ですね』と言われた。その通りだ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
しばらく時が過ぎた。
ロッグダメージの被害者女性の顔を元に戻し、かつ痣消しの仕事も加わったので、なかなか忙しい。
一日の仕事を終えて、俺はギルドに立ち寄った。ケイトさんが窓口に立ち
「マリー、お疲れ様」
「いえ、アザレアが出られない時は私が秘書として同行するのは前から決まっていることですし」
昨日から、アザレアとサナの体調が悪い。俺の治癒魔法も病には太刀打ちできないから、朝になると診療所に連れて行き、今日の俺はマリーさんを秘書代行として連れてクエストに向かった。
そしてケイトさんから報酬を受ける。同時に
「妹はどんな様子なの?」
「吐き気と頭痛、食欲も無いな」
「そう…。頑丈だけが取り柄だったのにねぇ…。もしかして、あの子が体調不良でもエッチを強要しているとか」
「んなわけないだろ!逆に搾り取られているくらいだよ!」
「あ、そうなの?まあ、好きだからね妹は!あははっ」
いらぬ誤解を受けたが、俺は『滋養のあるものを作ってやるか…』と食材を購入して帰宅した。
「ただいまー」
「「ケンジ!」」
昨日の体調不良はどこへやら、サナとアザレアは帰ってきた俺に抱きついてきた。
「おっ、おお!?どうした!」
「「妊娠したよ!」」
「なにぃ!二人同時にか!」
「「うんっ!」」
「やったぁー!でかした二人とも!やったやった!わはははは!」
ついにこの世界でも父親になれるのか!
《使い捨て紙オムツ、作っちゃえよ…》
俺の頭に圧倒的悪魔のささやき…ッ!もうオーパーツは作らないのだ!
悪魔のささやきはともかく、俺は本当に嬉しくて二人の妻を両腕で抱きしめた。
「本当にありがとう…!体を大事にな…」
「ありがとう、ケンジ…」
「お母さんになれるなんて思わなかったよ…。うううっ」
サナとアザレアも涙ぐんでいる。サナは借金のかたで父親に売られそうになり、俺と出会った時なんて船酔いに疲れ果て身投げしようとしていた時だものな。アザレアはロッグダメージで顔を溶かされて絶望した。
それが今、赤ちゃんを身籠った。二人とも嬉しかったと思う。
「ぐすっ、でね…。申し訳ないけれど今日からしばらく私とアザレア、ケンジとエッチ出来ないの」
「えええっ!?」
おかしい。妊娠が分かってもしばらくはセックス大丈夫なのに。
しかし、この世界の医療知識では、そういうもんなんだろう。だから一夫多妻制が普通に浸透しているわけだ。一人だけの妻では、その妻が妊娠したら夫は空閨を余儀なくされるわけだから。
郷に入れば郷に従え、自分の医療知識をひけらかして、この地の医学を軽々しく覆すものじゃない。
「そんなぁ…。俺まだ十九だぞ…。一年近い女断ちなんて無理だよ…」
「そういうだろうと思ってたわ。ね、アザレア」
「大丈夫!空閨を余儀なくされる夫に女を世話するのも嫁の仕事だしね。今夜、早速来てくれるから、今日から産後の肥立ちが明けるまで、その人をお妾さんにして」
令和日本では考えられないことだとしみじみ思う。嫁が空閨を余儀なくされる夫にお妾さんを世話するなんて。
でも、考えてみれば色町に行って妙な病気をもらっては大変だし、お妾さんが嫁たちの知る女なら俺にとっても安心である。
<サナ視点>
診察室で医師から『おめでたです』と言われた時は天にも昇る気持ちだった。
避妊のポーションを飲むのをやめて、せっせとケンジと子作りして早々だよ!あいつの種強すぎだよ!
隣の診察室ではアザレアの歓喜の声が。おう、第二夫人まで孕ませやがった!
待合室でアザレアと喜びを分かち合ったあと、ふと気づいた。今日から産後の肥立ちが明けるまでケンジの相手が出来ないことに。私たちは身体的なこともあるし耐えられるけど、あのスケベが一年以上の空閨に耐えられるわけがない。
「ケンジにお妾さん、世話してあげないと…」
「そうね。空閨の間、夫に女を世話するのも嫁の仕事…。サナ、いい人に心当たりないかしら」
アザレアが言った。今のケンジの立場では色町に行くことは許されない。妙な病気をもらってきたら一大事だ。お妾さんに来てもらうのは決まりとして、私とアザレアが知る人がお妾さんになってくれた方がいい。
「あら、アザレア様、しばらくです」
「「えっ?」」
私たちに声をかけてきた人は、この診療所の事務員制服を着ている女性だった。アザレアに知っている人かと視線を送ると
「マリナさんと言ってケンジにロッグダメージで溶けた顔を治してもらった人よ。マリナさん、ここの事務員さんだったのですね」
「はい、ケンジ様に顔を元に戻してもらったあとに復帰したんです。こちらは…」
「ケンジの妻サナです」
「マリナです。お美しい方ですね…。アザレア様も美人ですしケンジ様は幸せ者です」
同性に言われても照れてしまう。
「あっ、アザレア、この人なら…」
「でも娘さんがいるのよ」
「どうしました?」
マリナさんが私たちに訊ねた。
「実は私たち二人とも同時に妊娠しちゃって。それはとても喜ばしいことなんですけど夫に一年以上の空閨を強いるのは可哀そう…。あいつの立場からすると色町に行かせることも出来ないし、お妾さんを探そうと話していたんです。マリナさん、どうでしょうか?」
「分かりました。喜んでやらせていただきます」
「「早っ!」」
「ロッグで溶けた顔を娘と共に元に戻していただき、娘の一生の苦しみとなりかねなかった痣も消してくれた方です。ケンジ様は仕事だからと考えているかもしれませんが私たち母娘を地獄からお救いしてくれた方、女としてお慕いしておりました。喜んでお妾さんになります」
あとは簡単だった。明日に娘のアイカちゃんと共に屋敷に越してくることになったが、今日から泊ってケンジのお相手をしてくれるということになった。
今日のディナーはケンジお得意のビーフシチュー、アイカちゃんは大きなお肉を口いっぱいに頬張り『美味しい~!』と満足気。本当に私の亭主は料理がものすごく上手だ。
口の周りがシチューだらけになったアイカちゃんの口をナプキンで微笑みつつ拭いてあげているケンジ、その所作が実に堂に入っている。
そのアイカちゃんの母親のマリナさんは何やら顔を赤くして静かだ。
これからケンジとナニをするという性の高揚感かな。
夕食後、食器を下げて洗うのは私とアザレアの仕事、アイカちゃんも手伝ってくれた。
リビングのソファーでケンジとお話しているマリナさん。
私たちが食器を片づけたころ、ケンジとマリナさんがリビングから出て行った。
その後、私たちはリビングでおしゃべりに興じていた。アイカちゃんが
「ママは?」
「ケンジとお話ししたいって」
「ええっ、ママだけずるいよ~。アイカだってお兄ちゃんとお話したい」
「もうしばらく待っててね。あ、ゲームしようか」
そう上手く誤魔化してアイカちゃんとアザレア、私でゲームに興じているとケンジがリビングにやってきた。
小声で
「どうしたの」
「いや、マリナさん…。のびちゃった」
「「…………」」
私とアザレアは呆れたようにケンジを見た。
翌朝、マリナさんから
「私一人ではケンジ様を満足させることが出来ません。もう一人お妾さんを増やして下さい…」
そうお願いされたのだった。少しは加減しろ絶倫男め。
「もう一人ね…」
当のケンジは庭でアイカちゃんとボール遊びをしている。気楽なもんだなオイ。
アザレアが
「そうだ。あの子どうだろう」
心当たりがあるようだ。
「元冒険者のミファン。格闘家なんだけど戦闘中、ブラックアントの酸をまともに顔に浴びちゃって溶けちゃったのよ。それで…」
<アザレア視点>
あれはケンジとロッグダメージ被害者女性の治療行脚を初めて間もないころだった。
ようやく床払いが出来た私は秘書代行をしていたマリーに変わり、ケンジの秘書として被害者女性宅を周っていた。
酸で顔が溶けた女性の中には心無い男のロッグダメージだけじゃなく、モンスターとの戦闘中に酸を浴びて顔や体を溶かしてしまった者も少なくない。
全員がギルドに属していた冒険者女性のため、ロッグダメージ被害者女性と同じく救済対応だった。
無論、ケンジもそれを了承して治療にあたる。
「ケンジ様、次の女性はロッグダメージ被害者女性ではなく、戦闘中に酸を浴びてしまった女性です。名はミファン、格闘家です」
「へえ、強い人なの?」
「はい、武器を持たず魔力を帯びた拳と蹴りによって戦います。投げ技も得手としていますし、対人戦最強とも言えるジョブです。彼女は代々その格闘術を指導している道場の家出身なのですが、女であり、かつ三女のため道場は継げず、師範になれないため冒険者に」
「で、今の生活状況は?」
「同門の格闘家の話によりますと、ひどい扱いを受けているそうです。モンスターに後れを取り、顔を溶かされ、嫁にも行けなくなったごく潰しと父母兄妹から罵られていると」
「と言ってもなぁ…。昆虫系モンスターが酸を吐く予備動作なんて無いし、受けちゃう時は受けちゃうだろう」
「そうですね。ミファンはかなりの使い手ですから不運としか言いようがないです。と、着きました」
私は道場の門を叩いた。門下生か、道着を着た人が門前に来た。
「いらっしゃいませ、当道場に何かご用ですか」
「私は冒険者ギルド職員のアザレアと言います」
職員カードを見せた。
「確かに。それで冒険者ギルドが当道場に何か」
「ミファンに会わせて下さい。彼女の顔の治療に参りました。この方は治癒(大)の使い手です」
「治癒(大)ですと!?」
私は門下生の人に案内されてケンジと共にミファンの両親と兄弟に会った。
しかし、我が家の恥と言わんばかりに頑なに治療を受けさせようとしない。
「どうしてですか?ミファンの顔を元に戻せるかもしれないのですよ?」
「ふんっ、知らないと思っているのか。溶けた顔を元に戻せるのは治癒(超)になってからだ。いらぬ期待を抱かせるな。それにあの娘は元に戻っても醜女、ようやく出て行き清々したかと思えば大きな蟻ごときに不覚を取り、おめおめと泣きついてくるとは情けない!」
「本当に、どうして私と夫から、あんな醜女が生まれたのやら」
毒親か…。今の言葉からだいたいの事情は分かった。兄弟たちの顔を見ても美形揃い。
幼少から、どんな扱いを受けていたか察しがつくわね。
父親と兄弟たちから、あまり魔力も感じないし、おそらく一族の中でミファンは最強の格闘家だったのだろうと思う。それを妬まれ、かつ醜女であったことから家族から虐待を受けていたのかも。
そして酸を浴びた不覚、ここぞとばかり嘲笑っていたのかも。
しかし、治癒(超)でなければダメだなんて、どんだけ馬鹿なのよ。四肢の欠損まで治すという空想上の物語にしか出てこない魔法じゃない。そんなの使えた人なんて今まで誰もいないと云うのに。
「ちっちぇ連中だな」
あ~あ、ケンジ言っちゃった。
「もういい、勝手にやる」
その場から立ち去ろうとしたケンジを
「待て!道場内で勝手な振る舞いは許さないぞ!」
ミファンの両親と兄弟たちが立ち上がり道を塞いだ。
「ケンジ様は治療に来た。ミファンはもちろん、この道場に対しても害意はありません。何よりミファンへの治療はギルドが正式にケンジ様に依頼したことです。その妨害はギルドへの敵対行為とみなしますが!」
「くっ…」
ミファンの家族たちは道を開けた。そしてミファンの部屋、というより幽閉されている物置に私とケンジは訪れた。
ドアをノック
「ミファン、私、アザレアよ」
「…アザレア?ギルド職員の…」
「そうよ。貴女とほぼ同じ時期にクソッタレの男にロッグを浴びせられたけれど…見て見て、顔が元に戻ったの」
「ええっ」
ミファンはドアを開けた。彼女は私の溶けた顔を実際に見た数少ない人の一人。
「アザレア、どうやって元に…。はっ」
私の横にケンジがいることに気付いたミファン、急ぎ顔を両手で隠して
「見ないで、見ないで!」
と、泣き叫ぶ。それよりも
「ミファン…。アンタ、どうしたの、そんなに痩せて…」
まさに格闘家!と言うべき逞しい体躯を誇っていた彼女が見る影も無かった。
「情けない話だよ…。こんな顔になっちゃ、幼少のころから私をさんざん虐めてくれた家族にすがるしかなくてさ…。毎日、塩のスープとカビの生えたパンばかり…。こんなにもなるよ」
「ミファンさん、私がアザレアの顔を元に戻した者です」
「え…」
「私はケンジ、旅の途中で、ここターサンド王国に立ち寄ったのですが、冒険者ギルドより酸で顔が溶けてしまった女性の顔を元に戻すという永年依頼を受けた次第でして」
「そんなことが出来るの…。治癒(超)でないと出来ないとか…」
「治癒(大)で十分なんですよ。再生能力が含まれていますから。アザレアが実際に元に戻っているでしょう?」
「でも、私にそんなお金…。体で払うにしても、こんな体だし…」
まあ、あの親が支払うとは思えない。これは出世払いと考えるべきね。視線でその意図をケンジに知らせ、ケンジも頷く。
「ああ、当面はギルドから支払ってもらいます。貴女は回復後に働いて五万ゴルダーをギルドに支払ってくれればいいのですよ」
「アザレア、本当なの?」
「ええ、そうよ。だって貴女の負傷はクエスト中の事故だものね」
「うう、ありがとう…」
「では、始めよう。動かないで」
「はい」
『ハイヒール』
いつ見ても神秘的な光景ね。ミファンの上半身が白い光に包まれていく。そして
「はい、ミファン、鏡」
「あ、ああああ!髪の毛が!耳が!顔が元に戻っている!」
ミファンはケンジに抱きついて号泣しだした。
「ありがとう!ありがとう!うわあああああっ!」
そして話は先のリビングに戻り
「毒親と糞兄弟たちは醜女と言っていたけれど、顔立ちは普通よ。サナと同じ黄色人種だし、ケンジも気に入ると思う。それに格闘家として完全復活すれば体力的にも十分だからケンジを満足させることは出来ると思うの」
「その方が来てくれれば助かります。私も十分ケンジ様との行為に満足したのですが、いかんせん体力がもたずにのびちゃって…。今もだるくてかないませんので…」
マリナにとっては切実だよね…。
確かミファンは顔が戻ったあと、勇退した祖父母宅へと行き療養したと聞くわ。祖父母に稽古をつけてもらいながらリハビリすると言っていたし、そろそろ大丈夫かも。
「あーん、アイカ、ミスキック~!」
門の方へ誤ってボールを蹴ってしまったらしい。私がチラとその様子を窓から見たら
「あ、そこの人、あぶない」
と、ケンジが言うと、その人はボールを片手で掴んで、ニッと笑った。
長い髪の毛を両側頭部にお団子状にし、妖艶な格闘着をまとう逞しい体に戻ったミファンがそこにいた。
「来たよ、アザレア、ケンジ様!」
「それは仕方ないでしょう。実際に着ている者が目の前にないと分からないわよ」
俺はアザレアを連れて城下町の南街区にある商業ギルドに赴いていた。
女性下着の特許申請と商標登録を済ませるためだ。
俺はこの世界の女性用下着事情に我慢ならなかった。
胸はサラシか何もつけない。下は薄い布地のトランクス、こんなの我慢できるはずがない。
なるべく令和日本のオーパーツは出すまいと思っていたが、ブラジャーが無いと、せっかくこの下着事情の中でも、良い形をしているサナとアザレアのおっぱいの形も崩れてしまうと危機感を覚えてやってしまった。
もう、これで終わり!令和日本のオーパーツ持ち込みは消防の装備品と、この女性用下着だけ!と決めて裁縫スキルを活用して作ってしまった。幸い絹とゴムは存在する。ブラのワイヤーは竹ひごで何とかした。
そして完成品を嫁たちにつけてもらった。絹のブラ、パンティ…。サナとアザレアは互いの下着姿を見て『『これは革命よ!』』とハモッた。その後に二人をベッドに押し倒して堪能したのは言うまでもないことだ。そう、男は真っ裸も良いが下着姿にも興奮する。パンチラという言葉もあるし。
かくして商業ギルドに到着、指定した通り、立ち合うのは全員女性職員だった。
「広報を担当していますイライザと言います。稀代の治癒師であるケンジ様とお会いできて光栄です」
「ケンジです。こちらが今日私のサポートをしてくれます妻のアザレアです。よろしく」
「大丈夫よケンジ、業種は違えど同じギルド職員、見知った顔だから」
二人は知り合いらしい。室内の中央に大きなテーブル、テーブルの上にはサンプル用の下着を置くためのシートがあった。テーブルを囲むのは俺、アザレア、イライザさん、その他三人の女性だ。そのうち二人は商業ギルドが召した名針子らしい。商業ギルドから二名、そのギルドから腕前を認められている針子二名が立ち合い、俺は下着を作った経緯を話した。
「少年期より、女性の下着には、もう少し華があっていいんじゃないかと思っていました。そして過分にも私に二人の嫁が出来て、営みの前に服を脱ぎ下着姿になった時に決心しました。少々破廉恥な言い方ですが、私の嫁二人は豊満な乳房でありながら幸いにして乳首が左右とも同じ高さにありました。しかし、これを維持するのは極めて困難です。そして考えたのです。ならば乳首が同じ高さのうちに押さえ込んでしまえばいいのではないか?と」
アザレアが上半身の服を脱いだ。ブラジャーを見てフロア内の女性たちは驚いている。アザレアの豊満な乳房を包み込み、両肩掛けの紐が乳房を吊り固定している。後ろ姿を見せるとホックがあって、それを掛けることで装着できること。
旦那と女しかいないのでアザレアはブラジャーを一度脱ぎ、再びつける。その一連を惚けたように見つめるギルド職員と針子たち。
パンティの説明に入ろうとすると、アザレアは言うより見た方が早いといい、スカートを脱いだ。まさにもう言葉はいらない。アザレアの下着姿に同性の女たちまで魅了された。これがブラとパンティの力だ。
針子の一人が
「服を着て下さい。もう説明は不要です。すぐに製法の伝授をお願いします」
アザレアは勝ち誇った顔で俺にウインクしてきた。何やらセクシーポーズを決めているけれど、もう服を着ていいんだよ。
やはり裁縫で身を立てている人はすごい。俺が伝えたブラとパンティの作り方を
「へえ、新しい技術ですね」
「こんな、やり方があったなんて驚きです」
と、二人の針子さんは時に俺の技術に驚きながらも製作方法を会得していった。
それを済ませると特許申請と商標登録を済ませる。
この世界におけるブラジャーとパンティの発明者として歴史に名が残るでしょうと言われた時は、それは男として名誉なのかと少し思った。
俺は嫁のために女性用の下着を作ったんじゃない、俺のために作った、そう言うとイライザさんを含め針子たちも大爆笑し『スケベ心の成せる技ですね』と言われた。その通りだ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
しばらく時が過ぎた。
ロッグダメージの被害者女性の顔を元に戻し、かつ痣消しの仕事も加わったので、なかなか忙しい。
一日の仕事を終えて、俺はギルドに立ち寄った。ケイトさんが窓口に立ち
「マリー、お疲れ様」
「いえ、アザレアが出られない時は私が秘書として同行するのは前から決まっていることですし」
昨日から、アザレアとサナの体調が悪い。俺の治癒魔法も病には太刀打ちできないから、朝になると診療所に連れて行き、今日の俺はマリーさんを秘書代行として連れてクエストに向かった。
そしてケイトさんから報酬を受ける。同時に
「妹はどんな様子なの?」
「吐き気と頭痛、食欲も無いな」
「そう…。頑丈だけが取り柄だったのにねぇ…。もしかして、あの子が体調不良でもエッチを強要しているとか」
「んなわけないだろ!逆に搾り取られているくらいだよ!」
「あ、そうなの?まあ、好きだからね妹は!あははっ」
いらぬ誤解を受けたが、俺は『滋養のあるものを作ってやるか…』と食材を購入して帰宅した。
「ただいまー」
「「ケンジ!」」
昨日の体調不良はどこへやら、サナとアザレアは帰ってきた俺に抱きついてきた。
「おっ、おお!?どうした!」
「「妊娠したよ!」」
「なにぃ!二人同時にか!」
「「うんっ!」」
「やったぁー!でかした二人とも!やったやった!わはははは!」
ついにこの世界でも父親になれるのか!
《使い捨て紙オムツ、作っちゃえよ…》
俺の頭に圧倒的悪魔のささやき…ッ!もうオーパーツは作らないのだ!
悪魔のささやきはともかく、俺は本当に嬉しくて二人の妻を両腕で抱きしめた。
「本当にありがとう…!体を大事にな…」
「ありがとう、ケンジ…」
「お母さんになれるなんて思わなかったよ…。うううっ」
サナとアザレアも涙ぐんでいる。サナは借金のかたで父親に売られそうになり、俺と出会った時なんて船酔いに疲れ果て身投げしようとしていた時だものな。アザレアはロッグダメージで顔を溶かされて絶望した。
それが今、赤ちゃんを身籠った。二人とも嬉しかったと思う。
「ぐすっ、でね…。申し訳ないけれど今日からしばらく私とアザレア、ケンジとエッチ出来ないの」
「えええっ!?」
おかしい。妊娠が分かってもしばらくはセックス大丈夫なのに。
しかし、この世界の医療知識では、そういうもんなんだろう。だから一夫多妻制が普通に浸透しているわけだ。一人だけの妻では、その妻が妊娠したら夫は空閨を余儀なくされるわけだから。
郷に入れば郷に従え、自分の医療知識をひけらかして、この地の医学を軽々しく覆すものじゃない。
「そんなぁ…。俺まだ十九だぞ…。一年近い女断ちなんて無理だよ…」
「そういうだろうと思ってたわ。ね、アザレア」
「大丈夫!空閨を余儀なくされる夫に女を世話するのも嫁の仕事だしね。今夜、早速来てくれるから、今日から産後の肥立ちが明けるまで、その人をお妾さんにして」
令和日本では考えられないことだとしみじみ思う。嫁が空閨を余儀なくされる夫にお妾さんを世話するなんて。
でも、考えてみれば色町に行って妙な病気をもらっては大変だし、お妾さんが嫁たちの知る女なら俺にとっても安心である。
<サナ視点>
診察室で医師から『おめでたです』と言われた時は天にも昇る気持ちだった。
避妊のポーションを飲むのをやめて、せっせとケンジと子作りして早々だよ!あいつの種強すぎだよ!
隣の診察室ではアザレアの歓喜の声が。おう、第二夫人まで孕ませやがった!
待合室でアザレアと喜びを分かち合ったあと、ふと気づいた。今日から産後の肥立ちが明けるまでケンジの相手が出来ないことに。私たちは身体的なこともあるし耐えられるけど、あのスケベが一年以上の空閨に耐えられるわけがない。
「ケンジにお妾さん、世話してあげないと…」
「そうね。空閨の間、夫に女を世話するのも嫁の仕事…。サナ、いい人に心当たりないかしら」
アザレアが言った。今のケンジの立場では色町に行くことは許されない。妙な病気をもらってきたら一大事だ。お妾さんに来てもらうのは決まりとして、私とアザレアが知る人がお妾さんになってくれた方がいい。
「あら、アザレア様、しばらくです」
「「えっ?」」
私たちに声をかけてきた人は、この診療所の事務員制服を着ている女性だった。アザレアに知っている人かと視線を送ると
「マリナさんと言ってケンジにロッグダメージで溶けた顔を治してもらった人よ。マリナさん、ここの事務員さんだったのですね」
「はい、ケンジ様に顔を元に戻してもらったあとに復帰したんです。こちらは…」
「ケンジの妻サナです」
「マリナです。お美しい方ですね…。アザレア様も美人ですしケンジ様は幸せ者です」
同性に言われても照れてしまう。
「あっ、アザレア、この人なら…」
「でも娘さんがいるのよ」
「どうしました?」
マリナさんが私たちに訊ねた。
「実は私たち二人とも同時に妊娠しちゃって。それはとても喜ばしいことなんですけど夫に一年以上の空閨を強いるのは可哀そう…。あいつの立場からすると色町に行かせることも出来ないし、お妾さんを探そうと話していたんです。マリナさん、どうでしょうか?」
「分かりました。喜んでやらせていただきます」
「「早っ!」」
「ロッグで溶けた顔を娘と共に元に戻していただき、娘の一生の苦しみとなりかねなかった痣も消してくれた方です。ケンジ様は仕事だからと考えているかもしれませんが私たち母娘を地獄からお救いしてくれた方、女としてお慕いしておりました。喜んでお妾さんになります」
あとは簡単だった。明日に娘のアイカちゃんと共に屋敷に越してくることになったが、今日から泊ってケンジのお相手をしてくれるということになった。
今日のディナーはケンジお得意のビーフシチュー、アイカちゃんは大きなお肉を口いっぱいに頬張り『美味しい~!』と満足気。本当に私の亭主は料理がものすごく上手だ。
口の周りがシチューだらけになったアイカちゃんの口をナプキンで微笑みつつ拭いてあげているケンジ、その所作が実に堂に入っている。
そのアイカちゃんの母親のマリナさんは何やら顔を赤くして静かだ。
これからケンジとナニをするという性の高揚感かな。
夕食後、食器を下げて洗うのは私とアザレアの仕事、アイカちゃんも手伝ってくれた。
リビングのソファーでケンジとお話しているマリナさん。
私たちが食器を片づけたころ、ケンジとマリナさんがリビングから出て行った。
その後、私たちはリビングでおしゃべりに興じていた。アイカちゃんが
「ママは?」
「ケンジとお話ししたいって」
「ええっ、ママだけずるいよ~。アイカだってお兄ちゃんとお話したい」
「もうしばらく待っててね。あ、ゲームしようか」
そう上手く誤魔化してアイカちゃんとアザレア、私でゲームに興じているとケンジがリビングにやってきた。
小声で
「どうしたの」
「いや、マリナさん…。のびちゃった」
「「…………」」
私とアザレアは呆れたようにケンジを見た。
翌朝、マリナさんから
「私一人ではケンジ様を満足させることが出来ません。もう一人お妾さんを増やして下さい…」
そうお願いされたのだった。少しは加減しろ絶倫男め。
「もう一人ね…」
当のケンジは庭でアイカちゃんとボール遊びをしている。気楽なもんだなオイ。
アザレアが
「そうだ。あの子どうだろう」
心当たりがあるようだ。
「元冒険者のミファン。格闘家なんだけど戦闘中、ブラックアントの酸をまともに顔に浴びちゃって溶けちゃったのよ。それで…」
<アザレア視点>
あれはケンジとロッグダメージ被害者女性の治療行脚を初めて間もないころだった。
ようやく床払いが出来た私は秘書代行をしていたマリーに変わり、ケンジの秘書として被害者女性宅を周っていた。
酸で顔が溶けた女性の中には心無い男のロッグダメージだけじゃなく、モンスターとの戦闘中に酸を浴びて顔や体を溶かしてしまった者も少なくない。
全員がギルドに属していた冒険者女性のため、ロッグダメージ被害者女性と同じく救済対応だった。
無論、ケンジもそれを了承して治療にあたる。
「ケンジ様、次の女性はロッグダメージ被害者女性ではなく、戦闘中に酸を浴びてしまった女性です。名はミファン、格闘家です」
「へえ、強い人なの?」
「はい、武器を持たず魔力を帯びた拳と蹴りによって戦います。投げ技も得手としていますし、対人戦最強とも言えるジョブです。彼女は代々その格闘術を指導している道場の家出身なのですが、女であり、かつ三女のため道場は継げず、師範になれないため冒険者に」
「で、今の生活状況は?」
「同門の格闘家の話によりますと、ひどい扱いを受けているそうです。モンスターに後れを取り、顔を溶かされ、嫁にも行けなくなったごく潰しと父母兄妹から罵られていると」
「と言ってもなぁ…。昆虫系モンスターが酸を吐く予備動作なんて無いし、受けちゃう時は受けちゃうだろう」
「そうですね。ミファンはかなりの使い手ですから不運としか言いようがないです。と、着きました」
私は道場の門を叩いた。門下生か、道着を着た人が門前に来た。
「いらっしゃいませ、当道場に何かご用ですか」
「私は冒険者ギルド職員のアザレアと言います」
職員カードを見せた。
「確かに。それで冒険者ギルドが当道場に何か」
「ミファンに会わせて下さい。彼女の顔の治療に参りました。この方は治癒(大)の使い手です」
「治癒(大)ですと!?」
私は門下生の人に案内されてケンジと共にミファンの両親と兄弟に会った。
しかし、我が家の恥と言わんばかりに頑なに治療を受けさせようとしない。
「どうしてですか?ミファンの顔を元に戻せるかもしれないのですよ?」
「ふんっ、知らないと思っているのか。溶けた顔を元に戻せるのは治癒(超)になってからだ。いらぬ期待を抱かせるな。それにあの娘は元に戻っても醜女、ようやく出て行き清々したかと思えば大きな蟻ごときに不覚を取り、おめおめと泣きついてくるとは情けない!」
「本当に、どうして私と夫から、あんな醜女が生まれたのやら」
毒親か…。今の言葉からだいたいの事情は分かった。兄弟たちの顔を見ても美形揃い。
幼少から、どんな扱いを受けていたか察しがつくわね。
父親と兄弟たちから、あまり魔力も感じないし、おそらく一族の中でミファンは最強の格闘家だったのだろうと思う。それを妬まれ、かつ醜女であったことから家族から虐待を受けていたのかも。
そして酸を浴びた不覚、ここぞとばかり嘲笑っていたのかも。
しかし、治癒(超)でなければダメだなんて、どんだけ馬鹿なのよ。四肢の欠損まで治すという空想上の物語にしか出てこない魔法じゃない。そんなの使えた人なんて今まで誰もいないと云うのに。
「ちっちぇ連中だな」
あ~あ、ケンジ言っちゃった。
「もういい、勝手にやる」
その場から立ち去ろうとしたケンジを
「待て!道場内で勝手な振る舞いは許さないぞ!」
ミファンの両親と兄弟たちが立ち上がり道を塞いだ。
「ケンジ様は治療に来た。ミファンはもちろん、この道場に対しても害意はありません。何よりミファンへの治療はギルドが正式にケンジ様に依頼したことです。その妨害はギルドへの敵対行為とみなしますが!」
「くっ…」
ミファンの家族たちは道を開けた。そしてミファンの部屋、というより幽閉されている物置に私とケンジは訪れた。
ドアをノック
「ミファン、私、アザレアよ」
「…アザレア?ギルド職員の…」
「そうよ。貴女とほぼ同じ時期にクソッタレの男にロッグを浴びせられたけれど…見て見て、顔が元に戻ったの」
「ええっ」
ミファンはドアを開けた。彼女は私の溶けた顔を実際に見た数少ない人の一人。
「アザレア、どうやって元に…。はっ」
私の横にケンジがいることに気付いたミファン、急ぎ顔を両手で隠して
「見ないで、見ないで!」
と、泣き叫ぶ。それよりも
「ミファン…。アンタ、どうしたの、そんなに痩せて…」
まさに格闘家!と言うべき逞しい体躯を誇っていた彼女が見る影も無かった。
「情けない話だよ…。こんな顔になっちゃ、幼少のころから私をさんざん虐めてくれた家族にすがるしかなくてさ…。毎日、塩のスープとカビの生えたパンばかり…。こんなにもなるよ」
「ミファンさん、私がアザレアの顔を元に戻した者です」
「え…」
「私はケンジ、旅の途中で、ここターサンド王国に立ち寄ったのですが、冒険者ギルドより酸で顔が溶けてしまった女性の顔を元に戻すという永年依頼を受けた次第でして」
「そんなことが出来るの…。治癒(超)でないと出来ないとか…」
「治癒(大)で十分なんですよ。再生能力が含まれていますから。アザレアが実際に元に戻っているでしょう?」
「でも、私にそんなお金…。体で払うにしても、こんな体だし…」
まあ、あの親が支払うとは思えない。これは出世払いと考えるべきね。視線でその意図をケンジに知らせ、ケンジも頷く。
「ああ、当面はギルドから支払ってもらいます。貴女は回復後に働いて五万ゴルダーをギルドに支払ってくれればいいのですよ」
「アザレア、本当なの?」
「ええ、そうよ。だって貴女の負傷はクエスト中の事故だものね」
「うう、ありがとう…」
「では、始めよう。動かないで」
「はい」
『ハイヒール』
いつ見ても神秘的な光景ね。ミファンの上半身が白い光に包まれていく。そして
「はい、ミファン、鏡」
「あ、ああああ!髪の毛が!耳が!顔が元に戻っている!」
ミファンはケンジに抱きついて号泣しだした。
「ありがとう!ありがとう!うわあああああっ!」
そして話は先のリビングに戻り
「毒親と糞兄弟たちは醜女と言っていたけれど、顔立ちは普通よ。サナと同じ黄色人種だし、ケンジも気に入ると思う。それに格闘家として完全復活すれば体力的にも十分だからケンジを満足させることは出来ると思うの」
「その方が来てくれれば助かります。私も十分ケンジ様との行為に満足したのですが、いかんせん体力がもたずにのびちゃって…。今もだるくてかないませんので…」
マリナにとっては切実だよね…。
確かミファンは顔が戻ったあと、勇退した祖父母宅へと行き療養したと聞くわ。祖父母に稽古をつけてもらいながらリハビリすると言っていたし、そろそろ大丈夫かも。
「あーん、アイカ、ミスキック~!」
門の方へ誤ってボールを蹴ってしまったらしい。私がチラとその様子を窓から見たら
「あ、そこの人、あぶない」
と、ケンジが言うと、その人はボールを片手で掴んで、ニッと笑った。
長い髪の毛を両側頭部にお団子状にし、妖艶な格闘着をまとう逞しい体に戻ったミファンがそこにいた。
「来たよ、アザレア、ケンジ様!」
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