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24. 最終推理
2
・純夏が容疑者として疑われた
『つまり、先生は烏丸くんを容疑者にしたくてプリンを食べたってことなんだけど……』
『さっき短髪も言ってたなぁ……。クックッ、今回の事件は濡れ衣だらけじゃねえか』
盗撮により入室状況を把握していた津であれば、純夏にピンポイントで容疑を向けさせることができた。
生徒指導室では、わざわざ津が純夏に濡れ衣を着せる理由なんてないという話になっていたが――
” あのUSBメモリは紛失したところで困る物ではありません。
そう高い物でもないですし、
壊されたくらいで濡れ衣を着せようとなんてしませんよ ”
純夏の壊したUSBメモリがただのUSBメモリではなかったことが発覚したいま、津の言い分は裏返る。
相場はわからないが、撮影機能を持っていたならあのUSBメモリは安い物ではないだろう。
中に撮影データが入っていた場合、盗撮者としては破損も看過できないはずだ。
つまり、盗撮用のカメラを壊された腹いせに、純夏に盗み食いの容疑を被せたという可能性はある。
しかし――
『これを証明したとして、なんか意味あるのかな……』
シオンの目的は津の知られたくないことを推理することだ。
純夏に恨みを抱いていることを証明しても、事態が動くとは思えない。
『どうすんだ? 短髪を恨んでることを証明してみるか?』
『……もう一つの可能性も考えてみよう』
『クックッ、思考に時間を割きすぎて手遅れにならないといいけどなぁ?』
シオンが推理しているいまも嶺二は津の言いなりであり、純夏と三葉は人質となっている。
証拠はどんどんと消えていき、被害者の傷も増える一方だ。
『急がないと……』
あまり悠長にしている暇はない。
シオンは静かに深呼吸を行い、脳へ酸素を行き渡らせた。
・三葉がプリンを撮影できなくなった
『単に嫌がらせがしたかったってことかぁ?』
『2人の間に確執があったのなら、それもありえるかもしれないけど……』
嶺二はスマホ派とカメラ派の確執により、その動機を疑われた。
津はビデオ派とは言っていたが、確執までは定かではない。
『プリンの写真は校内SNSにアップする予定だったと思うけど……そこに不都合があるとも考えにくいし』
強いて挙げるならば、部費でお菓子を買う写真部の実態が広まるということだ。
『でも、今までもずっとお菓子の写真はアップしてたみたいだし、今更顧問としてそこを気にするのもって感じだし……』
『嫌がらせするにも大した理由が思いつかねえなぁ……小学生男子じゃあるめぇしなぁ……』
『? それ、どういうこと?』
『良く言うだろ? 好きな子にはついイジワルをしちまうものだってなぁ』
『…………』
『どうした?』
『イジワルかどうかはわからないけど、先生が相田さんに特別な感情を寄せている可能性は高いかも……』
『へぇ……?』
津は部室の盗撮をしていた。
では、そもそもどうして盗撮をしていたのか。
” 私は部活動中はジャージに着替えることにしてるの。
写真撮るときに制服の汚れとか気にしたくないからね。 ”
盗撮の目的は三葉の着替えにあったと考えるのが自然だろう。
『同じ男としては共感できちまうってわけか?』
『いっしょにしないでよ』
いまの状況にも違和感がないわけじゃない。
津は純夏を人質にした後、三葉も人質としている。
しかし、その必要はあっただろうか。
『人質が増えたことによって、先生は片腕を封じられている。烏丸くんだけなら、踏んでるだけだから両腕は自由だったのに……。この状況で、人質を1人から2人に増やすメリットってそんなにあったのかな?』
『メリットが薄いのに女を人質にしたとしたら、なんだって言うんだ?』
そう訊ねたサナの口ぶりは、とても愉快気だった。
『相田さんと密着したかったとか……?』
『クックッ、惚れた女に体を寄せたくて首を絞めるってか? 童貞くせぇ考えだなぁ?』
『うっ、うるさいな……。とにかく、佐藤先生は相田さんに対して生徒以上の感情を抱いている可能性がある』
『教師が生徒に恋しちまうとはねぇ。それで? それがわかったからどうするんだ?』
烏丸は何度も体を痛めつけられており、三葉もストレスを受け続けている。
もう思考に時間を割く余裕もない。
『……サナの言う通り、推理の結果で攻めてみるよ』
『それじゃ、アタシは探偵様のご武運を祈ってるぜ。頑張りな』
『つまり、先生は烏丸くんを容疑者にしたくてプリンを食べたってことなんだけど……』
『さっき短髪も言ってたなぁ……。クックッ、今回の事件は濡れ衣だらけじゃねえか』
盗撮により入室状況を把握していた津であれば、純夏にピンポイントで容疑を向けさせることができた。
生徒指導室では、わざわざ津が純夏に濡れ衣を着せる理由なんてないという話になっていたが――
” あのUSBメモリは紛失したところで困る物ではありません。
そう高い物でもないですし、
壊されたくらいで濡れ衣を着せようとなんてしませんよ ”
純夏の壊したUSBメモリがただのUSBメモリではなかったことが発覚したいま、津の言い分は裏返る。
相場はわからないが、撮影機能を持っていたならあのUSBメモリは安い物ではないだろう。
中に撮影データが入っていた場合、盗撮者としては破損も看過できないはずだ。
つまり、盗撮用のカメラを壊された腹いせに、純夏に盗み食いの容疑を被せたという可能性はある。
しかし――
『これを証明したとして、なんか意味あるのかな……』
シオンの目的は津の知られたくないことを推理することだ。
純夏に恨みを抱いていることを証明しても、事態が動くとは思えない。
『どうすんだ? 短髪を恨んでることを証明してみるか?』
『……もう一つの可能性も考えてみよう』
『クックッ、思考に時間を割きすぎて手遅れにならないといいけどなぁ?』
シオンが推理しているいまも嶺二は津の言いなりであり、純夏と三葉は人質となっている。
証拠はどんどんと消えていき、被害者の傷も増える一方だ。
『急がないと……』
あまり悠長にしている暇はない。
シオンは静かに深呼吸を行い、脳へ酸素を行き渡らせた。
・三葉がプリンを撮影できなくなった
『単に嫌がらせがしたかったってことかぁ?』
『2人の間に確執があったのなら、それもありえるかもしれないけど……』
嶺二はスマホ派とカメラ派の確執により、その動機を疑われた。
津はビデオ派とは言っていたが、確執までは定かではない。
『プリンの写真は校内SNSにアップする予定だったと思うけど……そこに不都合があるとも考えにくいし』
強いて挙げるならば、部費でお菓子を買う写真部の実態が広まるということだ。
『でも、今までもずっとお菓子の写真はアップしてたみたいだし、今更顧問としてそこを気にするのもって感じだし……』
『嫌がらせするにも大した理由が思いつかねえなぁ……小学生男子じゃあるめぇしなぁ……』
『? それ、どういうこと?』
『良く言うだろ? 好きな子にはついイジワルをしちまうものだってなぁ』
『…………』
『どうした?』
『イジワルかどうかはわからないけど、先生が相田さんに特別な感情を寄せている可能性は高いかも……』
『へぇ……?』
津は部室の盗撮をしていた。
では、そもそもどうして盗撮をしていたのか。
” 私は部活動中はジャージに着替えることにしてるの。
写真撮るときに制服の汚れとか気にしたくないからね。 ”
盗撮の目的は三葉の着替えにあったと考えるのが自然だろう。
『同じ男としては共感できちまうってわけか?』
『いっしょにしないでよ』
いまの状況にも違和感がないわけじゃない。
津は純夏を人質にした後、三葉も人質としている。
しかし、その必要はあっただろうか。
『人質が増えたことによって、先生は片腕を封じられている。烏丸くんだけなら、踏んでるだけだから両腕は自由だったのに……。この状況で、人質を1人から2人に増やすメリットってそんなにあったのかな?』
『メリットが薄いのに女を人質にしたとしたら、なんだって言うんだ?』
そう訊ねたサナの口ぶりは、とても愉快気だった。
『相田さんと密着したかったとか……?』
『クックッ、惚れた女に体を寄せたくて首を絞めるってか? 童貞くせぇ考えだなぁ?』
『うっ、うるさいな……。とにかく、佐藤先生は相田さんに対して生徒以上の感情を抱いている可能性がある』
『教師が生徒に恋しちまうとはねぇ。それで? それがわかったからどうするんだ?』
烏丸は何度も体を痛めつけられており、三葉もストレスを受け続けている。
もう思考に時間を割く余裕もない。
『……サナの言う通り、推理の結果で攻めてみるよ』
『それじゃ、アタシは探偵様のご武運を祈ってるぜ。頑張りな』
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