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ディーンアデライトsaid6 終

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「そこまでですよ、殿下」

「セバスチャン…」

「殿下ともあろう方がまさか、他所様の家で女性に不埒なことをしようだなんてしてませんよね?」

「あ…あぁ…」


最悪だ、よりにもよってこの屋敷の執事長に見つかるなんて…
多分抜け目ないセバスチャンなら私がしようとしていた事もバレてるな…


「そろそろ戻りませんとヴィヴィお嬢様が待ちくたびれておりますよ」

「…っ、わかった」


マナとまだ離れたくない…
じっとマナの顔を見つめる


「あ…すぐ退きますね!!」


直ぐに何事もなかったのように身体を離そうとするマナに苛ついた


「きゃっ!?」


ぎゅっと抱きしめる


「えぇ???」


私はこんなに離れ難いというのに…
マナは顔を赤くさせ、訳がわからないという顔をしている


「殿下、今すぐ離れないと国王様に申告しますよ?」


そろそろセバスチャンが本気で怒りそうだな


「はぁ…分かった」


渋々マナの身体を離すとすぐに逃げられた
なんとかもっと一緒にいられないだろうか…


「マナに元の道まで案内してほし「あちらの奥に案内係の侍女を用意させていますので、いってらっしゃいませ」


用意周到なセバスチャンを睨むが、父上さえも頭が上がらない彼に喧嘩を売ってもいいことはないと分かっているので、今日の所は諦める事にした

扉に向かいながらじっとマナの事を最後まで目に焼きつける  



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



その日の夜、私は影の側近を呼び出した



「イシャール」

「はいはぁ~い、何?どったの?」


この軽口を叩く褐色の男は私の側近の1人で影の仕事を主に担っている
こいつはこんな風にチャラチャラとしているが戦闘狂であり、時には表立って言えないような汚い仕事なども引き受けてくれる


「クロムハート家にいるマナという侍女をしている女性について調べてくれないか?」

「え?あの殿下大好きな頭のおかしなお嬢様がいる家の子?
なにその子、殺っちゃっていいの?」

「ふざけるな、身辺調査だ」

「ふ~ん、殿下にしては女に興味持つなんて珍しいじゃん」


こいつは無駄に勘だけは鋭いからな、何かを感じとったのかにやにやしている


「いいから、明日から潜って調べてくれ」

「はいはぁ~い」


スッと人間技とは思えないほど一瞬で姿を消す


「本当に敵に回したくない男だな…」


あれからずっとマナの温もりが消えず、頭の中ではマナの事ばかり考えていた
他の婚約者候補の令嬢達にも会いに行ったがずっと上の空だっただろう

こんな気持ちは初めてだし、この気持ちがなんなのか知りたい
それにまだ沢山聞きたいこともあったのに…

マナの事を知りたくても、王宮で山積みの書類があってしばらく動けないため、イシャールに頼むことにした











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