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訪ねてきたのは誰ですか?

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「マナ?」


え…この声って…


「やべっ!?」

「へ?」


シャルさんはノックの声に急に慌てて一瞬で姿を消した

え…凄い、まるで瞬間移動みたいに…今のどうやって?


「誰かいるのか!?」


ガチャッ


「きゃっ!?」


血相を変えたアルディス様がいきなり部屋に入ってきました


「どうしてアルディス様がここに…?」

「今誰かと話してなかったか?」  


シャルさんがいたんだけど…
なんだかアルディス様が不機嫌だから言いづらい


「しかもなんだその格好は!?」

「これはその…色々ありまして…」


まさか風呂場から出たらシャルさんに不法侵入されてて、成り行きで服を借りましたなんて言えませんって!!


「男物の上着…」


なんかアルディス様の目が怖い…
ジリジリと詰め寄ってくるのを反射で後退りするように後ろへ下がる


「あの…アルディス様?」

「どう言う事だ?じっくり説明してもらおうか?」


ひぃいい、なんで?
壁ドンしながらめちゃくちゃ怒ってますよね!?


「あの…成り行きでこうなったと言うかなんと言いますか…」

「ほお…どんな成り行きでバスタオル姿で上着を借りる場面になるんだ?」

「うっ…」


先程のことは言えないので口がしどろもどろになってしまう


「まさか誰かに乱暴されたのか!?」

「へ?」


乱暴というか…キスはされたけどそれ以上の事はなにも…


「そうなんだな?」

「いやいや、キスはされましたけどそれ以上の事はなにも…ひっ!?」

「そいつを見つけ次第【自主規制ピー】にしてやる」


怖い怖い怖い!
パッとアルディス様の顔を見たら鬼の形相してました

これシャルさんの名前なんて出したら間違いなくシャルさんの命なくなっちゃうよ!?


「マナ、誰なんだ?」

「その…あの…」


言えなくて目が泳ぐ


「ほう…あくまで言わないつもりだな?」

「あああの!それよりも、アルディス様はどうしてここに来たんですか?」

「マナが怒っていたからな、謝ろうかと思ってきたんだが…」

「へ…?」


うそ…
誰かに謝るなんて滅多にしない変態…じゃない、アルディス様が?
ちょっと感動するかも…


「だが、来てみたらこれだ」

「うっ…」


それは私もこんな状況になるなんて思ってなかったですし…


「で、誰なんだ?」

「うぅ…」


誤魔化したけどだめだ、引いてくれなさそう…
でもシャルさんの名前なんか出したらさっきのアルディス様の感じだとなにするか分かんないし…


「それとも本当はキス以上の事でもされたのか?」

「いやいや、されてませんって!」

「本当か?」

「本当です!」

「信じられんな…」

「信じて下さい!!」


もう、なんで今日のアルディス様ってこんな疑り深いの!?






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