流星のクオバディス

三島幸一

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メガガイスト・上原優一は戦場へ行く

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 研究所の外には巨大な鋼鉄の船が待機していた。楕円球を横に割ったような形をしたその船は堅牢な装甲と無数の砲塔を備えた軍艦であり、わずかに地上から浮いていた。
 名前はドーツラグという。デズワット曰くシエル帝国の誇る強襲陸戦艇らしく帝国の版図拡大に一役買っているとのことだ。
 側面にあるエンターハッチから乗り込むと中には多くの兵士が作業を行っていた。兵士たちはミスティとデズワットの姿を認めると作業を中断して礼をした。 
「反乱軍の規模はどうかしら?」
 通路を歩くミスティは扇情的な黒いローブに包まれた体を揺らしながら状況を聞く。後ろにはデズワットが控えており、上司と部下という関係があった。
「陸戦艇を3つ。物見が見つけました」
 デズワットは簡潔に述べた。優一の前で見せていた朗らかさが内に納まり、軍人としての力強さが面に出ていた。
 物見という言葉に優一は考える。レーダーという技術を教えることができた地球人がいなかったのか、索敵に関しては未だに人の目を使っているようだった。
 浮かぶ戦艦を作るだけの高等技術があるのに不思議に感じられたが、それがシエルヘキアという世界なのだろう。
 ミスティに連れられて入った場所は開けた空間が広がっていた。その瞬間、優一は自分の息を呑む音を聞いた。
 目の前には巨大な勇姿が存在した。全長は10メートル程あり、赤紫色をした硬質なパーツが複数浮いており人の形を成している。
「メガガイスト・シエルラ。帝国の力の象徴というべき存在だ」
 優一は視線を横に動かして全体を把握すると目の前の巨大ロボットと全く同じものが更に4機ある。つまりここは格納庫だ。そして力の象徴とはつまり帝国軍で最も使われているということだった。
「シエルヘキアの多くの機械はボル・シーアから絶えることなく降り注ぐ恵みボルをエネルギーとしているの」
「宇宙線ですか?」
 優一は知らない言葉をどうにか自分の理解できるものに落としこもうとする。
「考え方は近いわね」
 ミスティが優一の隣に立ち、当然のように肩に手を回す。見て、と頬が触れそうな程に顔を近づけてシエルラを指差した。
 優一は白い細指の先を追うと浮遊した装甲の合間ーーなにもない空間がぼんやりと紫色の光で染まっている。首、肩、肘、手首、腰、膝、足首と主に人間の関節にあたる部分だった。
「あれがボルよ。背部の装甲にある機関から大気中のボルを吸収し、そこから全身に流し込んで人型をした力場を作り出して装甲を浮遊・固着する仕組みなの」
「人の形なのに骨格が無いんですね」
 優一は見たまんまの感想を口にした。
「ボルがフレームの代わりになってくれるわ。それだけの力がボルにはあるの」
 つまり装甲の中はがらんどうなのか。メガガイスト。戦うために鎧を来たでかい紫色のオバケ。
「これをミスティさんが?」
「元々あったものを発展させたに過ぎないわ。私が作ったのは……あれ」
 ミスティは格納庫の奥の方へ促す。シエルラとは違うメガガイストが片膝をつくようにして待機していた。陶磁器のような艶のある光沢を放つ白い装甲が目を引く。
 優一の眼と白いメガガイストの眼があう。鋼鉄の仮面の向こうから漏れるボルの光はシエルラのものよりも濃くて優一を妖しく惑わす。惹かれるように足が動き、白いメガガイストの前まで来ていた。
 綺麗だ。触れてみたい。
 衝動的に手を伸ばして脛当てのような装甲に触れると優一の体が紫色の光を帯びる。応えるように白いメガガイストも輝く。同じ色の光を纏う少年と白磁の鎧。何かが通じ合った気がした。
 優一は白いメガガイストに意思のようなものがあると感じた。
「そのメガガイストはあなたの為のものよ」
「……俺の」
 ミスティが寄ってきたが優一は白いメガガイストから目を離さない。ミスティは興味深そうに優一を見ていた。
「正確にはボル・シーアから来た人のだけどね。メガガイストの動力にはボルが必要だけど、そこから更に力を引き出すには扱うの人のボルが重要なの。シエルヘキアの人もボルを浴びて力はあるけれど、ボル・シーアからきた人には及ばない」
「ボル・シーアの洗礼」
 優一はここに来る前のことを思い出す。エレベーターから放り込まされた強烈な甘い香りのする紫の空間。あれが紫天海ボル・シーアならば、自分はボルというエネルギーの満たされた所に浸かったことになる。
 俺の体はボルによって変質したのか。強いボルの持ち主に。
 紫に光る自分の体がすでにかつての自分でないと証明する。ボル・シーア。ボル・シー。ボルの海。
 優一は紫色の海を泳いだ時に、地球という世界の人間から異世界シエルヘキアの人間として生まれ変わっていた。
「優一くんにはあのメガガイストのメーンアストラルになってもらいたいの」
 メガガイストを扱う人間の呼び方だった。
 分かりました、と優一は驚くほどあっさりと承諾した。
 拒否をするのは簡単だった。嫌だと言えばいい。だが同時に立場の放棄になる。優一は自分に何を求められているかは理解しているつもりだったし、この世界で生きる為の立場が必要だった。
 戦力として期待された者が期待に応えなければ必要とされない。そうしたらどんな扱いを受けるのか優一は想像したくなかった。
 どれだけ文明を発達させた旧き神と同じ存在であったとしてもイニシアチブはこの世界の人間にある。
 地球に帰るために、奈瑞菜に会うためにも今を生きていくためには仕方ない。
 だがそれ以上に……
「ミスティさん。こいつの名前ってなんですか?」
 この白いメガガイストを感じてみたいと思った。
 一番の理由だった。
「クオバディスよ」
 ミスティの紅を塗った唇から出た名前は優一がボル・シーアから抜ける時に聞いた言葉と同じだった。
「私はあなたがその力を使ってどこへ行くのか興味があるの」
 優一は無言でツルリとしたクオバディスの脛を撫でる。
 クオバディス。
 静かに白磁の巨人の名前を呼んだ。
 するとクオバディスは胸の装甲を開いて、紫色の光で満たされた内側を晒した。優一の体をふわりと浮き、紫色の光の中にポツンとあったシートへと導かれた。コクピット部分である胸部装甲の中はレール式ツインスティックとフットレストが付いたシートしかなく広々としていた。
 シートは大きかったが、赤紫色のクッション以外は武骨な黄金色の金属製で拷問器具を連想してしまう。知らず緊張してしまう。
 人が座る席なんだからもうちょっと考えてほしいな。
 優一がツインスティックを握ると優一の視界を染めていたボルの紫色の光が少しずつ剥がれ落ちていく紫の薔薇の花びらが散っていく。
 花弁が完全になくなると外の景色が見えた。目を下に向けるとクオバディスの足元にミスティとデズワットがいる。上や横、後ろを見ると格納庫の景色が続く。優一は自分が巨大な水槽の中にいる錯覚をした。
 正面を向くとゆっくりと光の文字が浮かび上がった。ボルの色を帯びた美しい文字は優一に問いかけた。
『Quo Vadis?』
 あなたはどこへ行くの?
「戦場へ」
 優一は答える。
「俺を連れて行け、クオバディス。俺の行くべき場所へ」
 優一は握ったスティックをレールの上で滑らした。

 ☆

 白磁の鎧が戦場を目指して紫の空を切る。
 メガガイストは幽霊のように宙を浮き、滑るように音もなく飛行する。
 優一にとって最も揺れの少ない乗り物は家族で乗っていたスバルのレガシーだったが、クオバディスはそれ以上に揺れが少なく軽やかだった。
 優一は初めてにも関わらずクオバディスのことを知っていたかのように操縦する。クオバディスのアストラルコアに書き込まれた情報がメーンアストラルに転写された結果だった。今の優一はクオバディスを感覚で扱える。
 目下に陸戦艇が3つ見えた。平地なのでよく見える。
 陸戦艇には紫色のバラが刺繍された旗が掲げられていた。反乱軍の印。
 反乱軍も既に敵が来ることを分かっていて薄い紫色の装甲を纏ったメガガイストを展開していた。
「優一、見えるな?」
 胸部装甲の中でデズワットの声が反響した。ボルを利用した通信だった。
「あれは反乱軍の」
「パルトン。反乱軍はこいつが好きだよな、コスパがいいから…………っ!?」
 デズワットの言葉を遮って、優一は自分に転写された情報を自分でも気づくのに遅れるほど自然に喋っていた。
 知らない情報を理解していて言葉にするのは自分が自分でなくなるようで気味が悪い。
 だが優一は変わりゆく自分の中に溶かして1つにした。そういうものなのだ、と深く考えずに。
 パルトンが4機編成 × 3の全12機。反乱軍の規模としてはそこそこのものだった。
 戦闘が始まった。まず反乱軍は空にいるクオバディスを墜とそうと砲撃を開始した。
 空を叩き割るような激しい音がすると無数の砲弾がクオバディスに迫った。優一は右手に握られたスティックを動かした。クオバディスは音もなく右に動き、横切っていく砲弾を捉えた。
 更に砲弾。クオバディスは右に左に、時には上下に動いて反乱軍の攻撃を回避していく。
 不意に優一は左手のスティックを後ろに引く。前に進んでいたクオバディスが宙返りを放った。ひどい圧迫感が胸を襲う。
 砲弾が装甲をかすめた。反乱軍の砲撃手の腕前だった。
 いつか当たるな。
 優一は接近戦を仕掛けようとクオバディスを急降下させていく。次の砲撃が来る前にクオバディスはパルトンの1編隊に飛び込んだ。同士討ちを避けるために砲撃は止まった。パルトンは腰に備えた剣を抜き、出方を伺う。
 優一はクオバディスの腿の装甲が開く操作をすると装甲の中のホルスターに短剣が収まっていた。
 クオバディスは短剣を抜いてパルトンに向かって走った。パルトンもクオバディスを囲むために逆V字のような陣形で突撃してきた。
 一切の揺れのないシートで優一は右手のスティックを大きく前に出した。同時にクオバディスが短剣を構えてパルトンの一機に斬りかかった。パルトンもだった。
 しかし短剣で斬るには間合いが足りない。斬られるのはクオバディスの方になってしまう。
 刹那、紫色の光が走った。ボルの光。パルトンが力なく後ろに倒れた。
 クオバディスの握る短剣が伸びていた。鍔から紫色の光が伸びて短剣の切っ先を繋いでいる。
 妖しく光る紫色の刀身から粒子が漏れている。余剰のボルであり、光の剣の威力を証明していた。 
 ボルのエネルギーを武器として扱う。それがクオバディスの力だった。
 紫の光剣を操る白いメガガイストに反乱軍のメガガイストは明らかに動揺していた。
 優一はそこに突け入る。
 戦いに勝って生き残る為のチャンスを無駄にしたくなかった優一自身の意思か、帝国軍人として敵は容赦なく殺せというアラストルコアからの転写情報によって操作された意識なのかは分からなかった。
 パルトンに近づいて光の剣を振り下ろす。ほとんど抵抗なくさっくりと光の剣はパルトンを頭から両断した。
「クオバディス。光の剣でパルトンを二機討取りました」
 ドーツラグの物見はミスティに伝えた。
 優一にクオバディスを与えた赤毛の女は優一の働きに軽く拍手をする。
「優一くんはメーンアストラルとしてよくやってくれているわね。日本人は空気を読むっていう独特の力があるらしいけれど、アストラルコアからの転写情報によって変質する自分ですら受け入れてしまうのね」
「力ですか……しかし、それでは自分というものを持っていないように聞こえます」
 優一は三機目を機墜とした。
「上手に使い分けるのよ、自分っていうツールを」
 己の信念と力によって今の地位を確立したデズワットにとってミスティの言葉はいまいち理解できなかった。流されているだけでは生きているとは言えないし、使い分けるというのも己を偽るようでどこか納得いかない。
 物見が更に戦果を報告した。
 デズワットは静かに目を伏せた。
 だが優一の力は帝国の益となる。たとえミスティ様が用意した出自の分からぬコア由来の力だとしてもだ。
「あなたは出ないの?」上官が分かりきったことを聞いてきた。
「私が出れば優一は何もしなくてもいいでしょう。ですが、それでは意味がありません」
 自信に裏打ちされた発言をした上でデズワットは首を振る。
「これは優一にとって初めの一歩です。優一がシエル帝国の軍神として帝国繁栄の道を行くための一歩」
 クオバディスが7機目のパルトンを倒していた。突き出した光の剣の切っ先がボルの光によって伸びていき剣では届かないはずの距離をとっていたパルトンの胸を貫いた。
 優一はそのまま右のスティックを操り、いま倒したパルトンを力任せに釣り上げた。光の剣が鞭のようにしなる。メガガイストを放り投げるパワーがクオバディスにはあった。
 パルトンは綺麗な放物線を描きながら同じ旗に集まった同志のメガガイストに叩きつけられた。
 残り4機。しかし反乱軍は残りのメガガイストを陸戦艇に戻し、撤退しつつあった。
 どうすればいいか優一には分かっていた。
 クオバディスは剣を腰だめに構える。刀身を形成するボルの紫が徐々に濃くなっていく。黒紫色になって準備が完了した時に優一に声が聞こえた。
『ボル・シーアから来た人。戦いをやめてください』 
 優一は攻撃を止めた。優一自身の意識がそうさせた。
 通信ではない頭に響いてくる女の声。優一は頭を上げた。退避していく3隻の陸戦艇のうち中央1隻。装甲が描くなだらかな曲線の頂上には物見の櫓が設けられている。優一に語りかけた少女がそこにいた。
 小さな体を包むように流れている髪は今日のボル・シーアのように薄い紫色。煌くような光沢をはなつ上質の生地で織られた純白の衣装。
『お願い。赤い魔女の唇に惑わされないで』
 少女は祈るように瞳を閉じて優一の精神に訴えかけた。声には必死さがあった。
 赤い魔女。ミスティさんことなのか。
 少女の声が優一に応えた。
『ミスティ・パープル。魔女の唇は人を腐らす甘い囁きを奏でる』
 優一は自分とそう年の変わらない少女が警鐘を鳴らしているのが理解できた。
 突然、一つの景色が優一の頭に送り込まれてきた。森の中。生い茂る木々にぐるりと囲まれたボルの光射す湖。辺りを飛び交う白い光をはなつ虫。紫の髪の少女による転写だった。
『私は待っています。あなたのことを』
 陸戦艇が遠くへ消えていく。
「優一! どうした、無事か!?」
 デズワットからの通信が優一を現実に引き戻した。
「優一!」
「なんでもない!」慌てて取り繕う「ハイになっちゃってさ」理由も直ぐにでっち上げた。
「初めての戦闘だ。無理もない。帰還してくれ」
「あ、ああ……クオバディス!」
 優一はクオバディスに呼びかけると正面に文字が浮かんだ。
『Quo Vadis?』
「ドーツラグへ」
 白磁のメガガイストは主の望みを叶えた。音もなく浮かび上がり帝国軍の陸戦艇へ向かう。
 優一は後のことをクオバディスに任せることにした。大きく息を吐いて、ぐったりと背中をシートに預ける。
『Quo Vadis?』
 行き先を告げたはずなのに文字は消えなかった。
 

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