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本編
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チュンチュン。どこかで小鳥のさえずりが聞こえる。もう夜は明けたようだ。意識が覚醒するのを待って私はテントを出た。出たところでフォルトが見張りをしていた。
「おはよう、フォルト。見張り大丈夫だった?」
「ああ、この魔道具の効果のおかげだろう。ゴブリンか何かだろうが一瞬近づいたがすぐに向こうへ行ってしまった」
「やっぱり近づいたことがわかるってことは、有効範囲が少し狭いのかしら?」
「いやそんなことはない。見張りをやるとどうしても気が立ってしまうからな。意識しすぎるだけで範囲は問題ないだろう」
「そう?そういってもらえると作った甲斐があったわ」
「しかし、やけに早いな。もう少し寝ていてもいいんだぞ?」
「柄にもなく緊張してるのかも。もう起きちゃったことだし素振りでもしてくるわ」
「前から思っていたんだがその剣、小ぶりな割にしっかりした作りだな」
「あら、やっぱりわかるのかしら。王都の職人が作ってくれたのよ。なんでもお爺様の知り合いの息子さんなんですって」
「それは一度紹介してもらいたいな。武器なんかも既製品を使ってはいるが、そろそろある程度体に合ったものを作りたくてな」
「じゃあ、この依頼の後に案内するわ」
「よろしく頼む」
フォルトと約束をしてから少し離れたところで素振りを始める。通常の剣よりやや細身で長いがレイピアという程でもない。冒険者になりたいと言って両親と大喧嘩しているときに勢いで持ってきてくれたものだ。後でどうして反対しなかったのか聞くと、「どの道反対しても飛び出していくだろうから、少しでも心配事を減らすためだよ」そう言われてとても恥ずかしかった。お婆様には「おじいさんの若いときそっくりで絶対出ていくね」と宣言されてしまった。
今はフォルトとカークスがいるので私が剣を振るうことはほぼない。それでも冒険というものは何が起こるかはわからない。そう思って今もこうやって時間を見つけては鍛錬を欠かさないようにしている。千里の道も一歩から。そんな単位こっちにはないけど。それから少し素振りを続けていると、エミリー・カークス・キルドの順番に数分ごとに起きてきた。
意外だが、朝食など料理を続けていたエミリーは朝早くに起きる習慣がついているため、何もないときは1番に起きていることも多い。私は朝はそこまで強くないので、大体キルドの前ぐらいが定位置だ。とはいっても彼はふらっといなくなったり朝帰りもあるけれど。簡単な朝食を済ませて予定をチェックする。野営道具を片付けて準備が整った。
「じゃあ今日は予定通り森を抜ける。森を抜けた後は時間によっては渓谷の探索。その後は森の出口付近に戻り再度野営だ」
「「「了解!」」」
「しゅっぱ~つ!」
なぜかエミリーが元気に音頭をとって森へと足を踏み入れる。夏で日差しがあるといっても森は結構薄暗い。まずは目を鳴らすことが鉄則だ。その後、キルドが先頭に立って森を進む。身軽な彼が罠や危険な生物などがないか確認して進む。これを繰り返すと、少し開けたところに着いた。休憩所といわれるところだ。もちろん休憩所といっても結界があるわけでもなく、危険な場所だ。ただ、他の場所と比べれば見晴らしも良く休憩に適しているというだけだ。
「どうだ?休憩していくか?」
「私は大丈夫よ。皆は」
皆の方を向く。皆特に疲れた様子もない。先に進もうと言おうとしたときキルドが話しかけてきた。
「休憩は無しで、もう一度作戦の確認と持ち物の確認だけしよう」
「そうだな。成体が出たときに余裕はないだろうから森を抜ける前に確認しておくか」
「じゃあ、荷物チェックを各自行って問題なければ手を挙げてくれ」
その言葉を合図に黙々とチェックを始める。もうここはいわばダンジョン内だ、さほど余裕はない。私のバックのチェックは終わり手を挙げる。見ると他の皆の手も上がっている。
「確認は完了したな。じゃあ作戦の確認だ。いつも通り俺とフォルトが前衛、中衛にティア、後衛はエミリーとキルドだ。キルドはエミリーの護衛も兼任しているが主な役割は索敵だ」
「僕の武器では幼体でも傷をつけられないだろうからね」
「そういうことだ。敵の位置を常に知らせてくれ。もし余裕があれば敵の気を引いてくれると助かる。」
「ティアはその場から魔法で攻撃だ。俺たちが攻撃を仕掛けられると思ったら風の魔法で飛ばしてくれ。ただし、着地の事だけは考えてくれ。結構装備も重い。落下で死ぬのはごめんだ」
「そこは細心の注意を払うわ。飛ばすときは声をかけるから注意して。あと、風の魔法は見えづらいという欠点もあるわ。無理はせず少し引いた感じでいてもらえると助かるわ」
「判った。そこはカークスとも連携して対応する」
「エミリーは基本的にキルドと一緒に索敵だ。飛竜がどこにいるのか、どこに行こうとするかを伝えてほしい。慣れない索敵になるが今後のところでも癒しの力が必要になるまではしてもらうことになるだろう。いい機会だと思って、キルドのやり方を学んで欲しい」
「わかりました、合図とかの仕方は何かありますか?」
「特にないが、簡潔にすることを忘れないようにしてくれ。右とか上とかでいい。長いと分からなくなるし咄嗟の判断が遅れる」
「はい。注意します!」
「よし、他に確認事項はないな。最後に成体に会ったら冷静に確認事項を思い出すんだ。決して早まるなよ以上だ!」
最後にカークスが締め再び森の奥へと向かう。森の途中では少数のゴブリンやホーンラビもいたが初級の魔法で追い払った。奥の方ではたまにオーガやオークなども出現するため覚悟していたのだが、ちょっと時間に余裕が出来そうな行程だ。
「そろそろ森を抜けるあたりだよ」
キルドがそういうと確かに奥の方が明るくなっているのがわかる。
「さすがキルドね。森の地図を持ってるみたい」
「すごいよね~」
「さあ、気を引き締めていこう」
キルドと先頭をカークスが変わって進んでいく。ここからは渓谷だ、飛竜たちが住んでいる人のめったに訪れない場所なのだ。
「おはよう、フォルト。見張り大丈夫だった?」
「ああ、この魔道具の効果のおかげだろう。ゴブリンか何かだろうが一瞬近づいたがすぐに向こうへ行ってしまった」
「やっぱり近づいたことがわかるってことは、有効範囲が少し狭いのかしら?」
「いやそんなことはない。見張りをやるとどうしても気が立ってしまうからな。意識しすぎるだけで範囲は問題ないだろう」
「そう?そういってもらえると作った甲斐があったわ」
「しかし、やけに早いな。もう少し寝ていてもいいんだぞ?」
「柄にもなく緊張してるのかも。もう起きちゃったことだし素振りでもしてくるわ」
「前から思っていたんだがその剣、小ぶりな割にしっかりした作りだな」
「あら、やっぱりわかるのかしら。王都の職人が作ってくれたのよ。なんでもお爺様の知り合いの息子さんなんですって」
「それは一度紹介してもらいたいな。武器なんかも既製品を使ってはいるが、そろそろある程度体に合ったものを作りたくてな」
「じゃあ、この依頼の後に案内するわ」
「よろしく頼む」
フォルトと約束をしてから少し離れたところで素振りを始める。通常の剣よりやや細身で長いがレイピアという程でもない。冒険者になりたいと言って両親と大喧嘩しているときに勢いで持ってきてくれたものだ。後でどうして反対しなかったのか聞くと、「どの道反対しても飛び出していくだろうから、少しでも心配事を減らすためだよ」そう言われてとても恥ずかしかった。お婆様には「おじいさんの若いときそっくりで絶対出ていくね」と宣言されてしまった。
今はフォルトとカークスがいるので私が剣を振るうことはほぼない。それでも冒険というものは何が起こるかはわからない。そう思って今もこうやって時間を見つけては鍛錬を欠かさないようにしている。千里の道も一歩から。そんな単位こっちにはないけど。それから少し素振りを続けていると、エミリー・カークス・キルドの順番に数分ごとに起きてきた。
意外だが、朝食など料理を続けていたエミリーは朝早くに起きる習慣がついているため、何もないときは1番に起きていることも多い。私は朝はそこまで強くないので、大体キルドの前ぐらいが定位置だ。とはいっても彼はふらっといなくなったり朝帰りもあるけれど。簡単な朝食を済ませて予定をチェックする。野営道具を片付けて準備が整った。
「じゃあ今日は予定通り森を抜ける。森を抜けた後は時間によっては渓谷の探索。その後は森の出口付近に戻り再度野営だ」
「「「了解!」」」
「しゅっぱ~つ!」
なぜかエミリーが元気に音頭をとって森へと足を踏み入れる。夏で日差しがあるといっても森は結構薄暗い。まずは目を鳴らすことが鉄則だ。その後、キルドが先頭に立って森を進む。身軽な彼が罠や危険な生物などがないか確認して進む。これを繰り返すと、少し開けたところに着いた。休憩所といわれるところだ。もちろん休憩所といっても結界があるわけでもなく、危険な場所だ。ただ、他の場所と比べれば見晴らしも良く休憩に適しているというだけだ。
「どうだ?休憩していくか?」
「私は大丈夫よ。皆は」
皆の方を向く。皆特に疲れた様子もない。先に進もうと言おうとしたときキルドが話しかけてきた。
「休憩は無しで、もう一度作戦の確認と持ち物の確認だけしよう」
「そうだな。成体が出たときに余裕はないだろうから森を抜ける前に確認しておくか」
「じゃあ、荷物チェックを各自行って問題なければ手を挙げてくれ」
その言葉を合図に黙々とチェックを始める。もうここはいわばダンジョン内だ、さほど余裕はない。私のバックのチェックは終わり手を挙げる。見ると他の皆の手も上がっている。
「確認は完了したな。じゃあ作戦の確認だ。いつも通り俺とフォルトが前衛、中衛にティア、後衛はエミリーとキルドだ。キルドはエミリーの護衛も兼任しているが主な役割は索敵だ」
「僕の武器では幼体でも傷をつけられないだろうからね」
「そういうことだ。敵の位置を常に知らせてくれ。もし余裕があれば敵の気を引いてくれると助かる。」
「ティアはその場から魔法で攻撃だ。俺たちが攻撃を仕掛けられると思ったら風の魔法で飛ばしてくれ。ただし、着地の事だけは考えてくれ。結構装備も重い。落下で死ぬのはごめんだ」
「そこは細心の注意を払うわ。飛ばすときは声をかけるから注意して。あと、風の魔法は見えづらいという欠点もあるわ。無理はせず少し引いた感じでいてもらえると助かるわ」
「判った。そこはカークスとも連携して対応する」
「エミリーは基本的にキルドと一緒に索敵だ。飛竜がどこにいるのか、どこに行こうとするかを伝えてほしい。慣れない索敵になるが今後のところでも癒しの力が必要になるまではしてもらうことになるだろう。いい機会だと思って、キルドのやり方を学んで欲しい」
「わかりました、合図とかの仕方は何かありますか?」
「特にないが、簡潔にすることを忘れないようにしてくれ。右とか上とかでいい。長いと分からなくなるし咄嗟の判断が遅れる」
「はい。注意します!」
「よし、他に確認事項はないな。最後に成体に会ったら冷静に確認事項を思い出すんだ。決して早まるなよ以上だ!」
最後にカークスが締め再び森の奥へと向かう。森の途中では少数のゴブリンやホーンラビもいたが初級の魔法で追い払った。奥の方ではたまにオーガやオークなども出現するため覚悟していたのだが、ちょっと時間に余裕が出来そうな行程だ。
「そろそろ森を抜けるあたりだよ」
キルドがそういうと確かに奥の方が明るくなっているのがわかる。
「さすがキルドね。森の地図を持ってるみたい」
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